【目の下のたるみ取り】あなたの症状はどのタイプ?脂肪・皮膚・筋肉、原因別に改善法を解説

【目の下のたるみ取り】あなたの症状はどのタイプ?脂肪・皮膚・筋肉、原因別に改善法を解説

鏡を見るたびに気になる、目の下のたるみ。「疲れているように見える」「実年齢より上に見られる」など、多くの女性が抱える深刻な悩みです。

このたるみ、実は原因が一つではないことをご存知でしょうか。主な原因は「脂肪」「皮膚」「筋肉」の3つに分けられ、それぞれに適した改善法が異なります。

この記事では、ご自身のたるみがどのタイプなのかをセルフチェックする方法から、原因別のセルフケア、美容クリニックでの治療法まで、専門的な情報を分かりやすく解説します。

あなたの悩みの原因を正しく理解し、効果的な「目の下のたるみ取り」への一歩を踏み出すために、ぜひ最後までお読みください。

目次

目の下のたるみ、その正体とセルフチェック法

目の下のたるみは、見た目の印象を大きく左右する要因の一つです。まずは、その正体が何なのか、そしてご自身のたるみがどのタイプに当てはまるのかを知ることから始めましょう。

正しい知識が、改善への近道です。

そもそも「目の下のたるみ」とは?

「目の下のたるみ」とは、下まぶたから頬の上部にかけての皮膚がゆるみ、ふくらんだり、影ができたりしている状態を指します。

目の周りの皮膚は非常に薄くデリケートなため、加齢や生活習慣の影響を受けやすい部位です。

具体的には、目を支える組織がゆるんで眼球のクッション役である「眼窩脂肪(がんかしぼう)」が前に押し出されたり、皮膚自体のハリが失われたり、目の周りの筋肉「眼輪筋(がんりんきん)」が衰えたりすることで発生します。

これらの要因が単独、あるいは複合的に絡み合って、たるみとして現れます。

あなたのたるみはどのタイプ?簡単セルフチェック

ご自身のたるみの原因を探るために、簡単なセルフチェックを試してみましょう。鏡の前で、以下の方法を実践してみてください。

原因のタイプによって、取るべき対策や有効な方法が異なります。

たるみタイプ別セルフチェック法

チェック方法見られる変化主な原因
手鏡を持ち、顔を正面に向けたまま、真上を向く。目の下のふくらみが目立たなくなる、または消える。脂肪(眼窩脂肪の突出)
あっかんべーをするように、下まぶたを軽く下に引く。たるみが皮膚と一緒に伸び、シワが目立つ。皮膚(皮膚のゆるみ)
特に変化がない、または涙袋がはっきりしない。表情を変えても目の下のふくらみが変わらない。筋肉(眼輪筋の衰え)

このチェックはあくまで簡易的な目安です。多くの場合、これらの原因は複数組み合わさっています。正確な診断は専門の医師に相談することが重要です。

目の下のたるみと「クマ」の違い

目の下のたるみは、しばしば「クマ」と混同されます。

しかし、両者は厳密には異なります。クマは、血行不良による「青クマ」、色素沈着による「茶クマ」、そしてたるみの影によってできる「黒クマ(影クマ)」に大別されます。

このうち、目の下のたるみと最も関係が深いのが「黒クマ」です。眼窩脂肪の突出によってできたふくらみが影を作り、黒く見えてしまうのです。

つまり、黒クマはたるみが原因で発生する症状と言えます。たるみを取りたいと考えている方は、この黒クマを改善したいと思っているケースが多いです。

たるみを取る方法を考えることは、黒クマ対策にも直結します。

なぜ目の下のたるみは老けて見えるのか

目の下にたるみがあると、顔に凹凸が生まれ、影が落ちやすくなります。この影が「疲れた印象」や「元気がない印象」を与え、実年齢よりも老けて見られる大きな原因となります。

また、皮膚のハリが失われることで、細かなシワ(ちりめんジワ)も目立ちやすくなり、若々しい印象を損ないます。

目元は人の視線が集中しやすいパーツであるため、ここの変化が見た目年齢に与える影響は非常に大きいのです。

目の下のたるみの主な3つの原因

セルフチェックで大まかなタイプを把握したところで、次はそれぞれの原因について詳しく見ていきましょう。

「脂肪」「皮膚」「筋肉」の3つの側面から、なぜたるみが引き起こされるのかを理解することが、適切な改善法を見つける鍵となります。

原因① 眼窩脂肪の突出(黒クマ・影クマ)

目の下のたるみの最も一般的な原因が、眼窩脂肪の突出です。これは、目の下のふくらみ、いわゆる「目袋」を形成し、その下の影が黒クマとして認識されます。

眼窩脂肪とは何か

眼窩脂肪は、眼球を衝撃から守るクッションの役割を果たしている脂肪です。通常は、眼輪筋やロックウッド靭帯といった組織によって、目の奥に収まっています。

しかし、これらの支持組織がゆるむと、重力に負けて前方に押し出され、ぷっくりとしたふくらみとなって現れます。これがたるみの正体です。

加齢による影響

加齢は、眼窩脂肪を支える組織がゆるむ最大の要因です。年齢とともにコラーゲンが減少し、皮膚や靭帯の弾力性が失われます。さらに、眼輪筋も衰えるため、脂肪を支えきれなくなります。

これにより、若い頃は目立たなかった脂肪が徐々に前に出てきて、たるみとして顕著になります。生まれつき眼窩脂肪の量が多い方は、若いうちからたるみが目立つこともあります。

原因② 皮膚のゆるみ・弾力低下(ちりめんジワ・赤クマ)

皮膚自体のハリや弾力が失われることも、たるみの大きな原因です。皮膚が薄く伸びてしまうことで、目の下がたるんで見えたり、細かいシワが寄ったりします。

コラーゲンとエラスチンの減少

肌のハリと弾力は、真皮層に存在するコラーゲンやエラスチンといった線維状のタンパク質によって支えられています。しかし、加齢や紫外線などの影響でこれらは減少し、質も低下します。

その結果、皮膚は弾力を失い、重力に逆らえずに垂れ下がってしまいます。特に目元の皮膚は体の中でも最も薄いため、その影響が顕著に現れやすいのです。

紫外線や乾燥によるダメージ

紫外線は、コラーゲンやエラスチンを破壊する最大の外的要因です。日常的に紫外線を浴び続けることで、肌の老化(光老化)が進行し、皮膚のゆるみにつながります。

また、乾燥も肌のバリア機能を低下させ、外部からの刺激を受けやすくし、細かいシワやたるみを助長します。

アイメイクの摩擦や、目をこする癖なども、デリケートな目元の皮膚にダメージを与える原因となります。

たるみの原因別特徴

原因タイプ主な見た目の特徴関連するクマの種類
脂肪の突出目の下にぷっくりとしたふくらみがある。黒クマ(影クマ)
皮膚のゆるみ細かいシワ(ちりめんジワ)が目立つ。赤クマ(皮膚が薄くなり筋肉が透ける)
筋肉の衰え涙袋が不明瞭で、目の下が平坦に見える。全体的なたるみ感

原因③ 眼輪筋の衰え

目の周りをドーナツ状に囲んでいる眼輪筋の衰えも、たるみを引き起こす一因です。眼輪筋は、眼窩脂肪を支え、皮膚にハリを与える重要な役割を担っています。

眼輪筋の役割

眼輪筋は、まばたきをしたり、表情を作ったりする際に使われる筋肉です。この筋肉がしっかりしていると、土台として眼窩脂肪を正しい位置に保持し、皮膚を内側から支えることができます。

しかし、この筋肉が衰えると、脂肪を支える力が弱まり、前への突出を許してしまいます。また、皮膚のハリも失われ、全体的にたるんだ印象を与えます。

長時間スマホやPC作業の影響

現代人にとって、スマートフォンやパソコンの長時間の使用は避けられません。しかし、画面を凝視する際はまばたきの回数が減少しがちで、眼輪筋を使う機会が少なくなります。

筋肉は使わないと衰えるため、このような生活習慣が眼輪筋の機能低下を招き、目の下のたるみを進行させる一因となり得ます。表情をあまり動かさない人も同様に、眼輪筋が衰えやすい傾向にあります。

【原因別】目の下のたるみ取りセルフケア

目の下のたるみは、一度できてしまうとセルフケアだけで完全になくすことは難しいのが現実です。

しかし、日々のケアを丁寧に行うことで、たるみの進行を遅らせたり、見た目の印象を改善したりすることは可能です。原因に合わせたアプローチを取り入れましょう。

スキンケアでのアプローチ

毎日のスキンケアは、特に皮膚のゆるみが原因のたるみに対して重要です。保湿とハリを与える成分を意識的に取り入れ、紫外線から肌を守りましょう。

保湿とハリを与える成分

目元の皮膚は乾燥しやすいため、保湿が基本です。セラミドやヒアルロン酸といった高保湿成分でうるおいを補給しましょう。

さらに、肌のハリをサポートする成分が含まれたアイクリームなどを活用するのも良い方法です。どのような成分が有効か、下の表で確認してみてください。

目元のハリをサポートするスキンケア成分

成分名期待される働きポイント
レチノールターンオーバーを促し、コラーゲン産生をサポートする。刺激を感じる場合があるため、低濃度のものから試す。
ナイアシンアミドシワ改善や美白効果が期待でき、コラーゲン産生を助ける。比較的刺激が少なく、取り入れやすい。
ビタミンC誘導体抗酸化作用があり、コラーゲンの生成を助ける。製品によって安定性や浸透力が異なる。

紫外線対策の重要性

紫外線対策は、季節を問わず一年中必要です。紫外線A波(UVA)は、窓ガラスを通り抜けて肌の奥の真皮層まで到達し、コラーゲンやエラスチンにダメージを与えます。

日焼け止めはもちろん、UVカット効果のあるサングラスや帽子、日傘などを活用して、デリケートな目元を紫外線から守る習慣をつけましょう。

表情筋トレーニングとマッサージ

眼輪筋の衰えが気になる場合は、表情筋トレーニングが有効です。ただし、やり方を間違えると逆効果になることもあるため、注意が必要です。

眼輪筋を鍛えるエクササイズ

眼輪筋を意識的に動かすことで、筋力の低下を防ぎます。例えば、目を大きく見開いて数秒キープし、次にゆっくりと目を閉じていく動作を繰り返すだけでもトレーニングになります。

また、下まぶただけを意識して上に持ち上げるような動きも効果的です。無理のない範囲で、毎日続けることが大切です。

注意点と正しいやり方

目の周りのマッサージは、血行を促進する効果が期待できますが、強い力で行うのは絶対に避けてください。薄い皮膚を摩擦すると、色素沈着やシワ、さらなるたるみの原因になります。

マッサージを行う際は、必ず滑りの良いアイクリームやオイルを使い、薬指の腹で優しく、なでるように行いましょう。眼球を圧迫しないように注意することも重要です。

生活習慣の見直しで内側からケア

スキンケアやトレーニングと合わせて、生活習慣を見直すことも、たるみ予防には欠かせません。健やかな体は、健やかな肌の土台です。

質の良い睡眠

睡眠中は、肌の修復や再生を促す成長ホルモンが分泌されます。睡眠不足はホルモンバランスの乱れや血行不良を招き、たるみやクマを悪化させる原因になります。

毎日決まった時間に就寝・起床し、十分な睡眠時間を確保するよう心がけましょう。

バランスの取れた食事

肌を作る栄養素を食事からしっかり摂ることも大切です。タンパク質、ビタミン、ミネラルをバランス良く摂取しましょう。

特に、抗酸化作用のあるビタミンA・C・Eや、肌の材料となるタンパク質は積極的に摂りたい栄養素です。

  • ビタミンC:パプリカ、ブロッコリー、キウイフルーツ
  • タンパク質:肉、魚、卵、大豆製品
  • 抗酸化物質:緑黄色野菜、ナッツ類

美容クリニックで受けられる目の下のたるみ取り治療

セルフケアでは改善が難しい目の下のたるみには、美容クリニックでの治療が有効な選択肢となります。専門医の診断のもと、ご自身の症状や希望に合わせた治療法を選ぶことができます。

治療法は、大きく分けて「切らない治療」と「切る治療」があります。

美容医療という選択肢

美容医療と聞くとハードルが高いと感じるかもしれませんが、近年ではダウンタイムが短く、気軽に受けられる治療も増えています。

目の下のたるみ取りは、美容医療の中でも満足度の高い治療の一つです。コンプレックスを解消し、自信を取り戻すために、治療を検討する価値は十分にあります。

切らない治療法(非外科的治療)

メスを使わずに行う治療法で、ダウンタイムが短いことが最大のメリットです。比較的軽度のたるみや、外科手術に抵抗がある方に向いています。

ヒアルロン酸注入

たるみによってできた凹みや影の部分にヒアルロン酸を注入し、段差をなめらかにする治療法です。ふくらんでいる脂肪の下のくぼみを埋めることで、影を目立たなくさせます。

手軽に行えますが、効果は永久ではなく、半年から1年程度で体内に吸収されるため、維持するには定期的な注入が必要です。

レーザー・高周波治療

皮膚にレーザーや高周波(RF)を照射し、その熱エネルギーで真皮層のコラーゲン産生を促す治療です。肌の引き締め効果やハリ感アップが期待できます。

皮膚のゆるみが主な原因である場合に適しています。複数回の治療が必要な場合が多いですが、ダウンタイムはほとんどありません。

切らない治療法の比較

治療法主な対象メリット
ヒアルロン酸注入軽度のたるみ、凹みが目立つタイプ施術時間が短く、ダウンタイムがほとんどない。
レーザー・高周波皮膚のゆるみ、ハリの低下が原因のタイプ肌全体の質感を改善できる。
HIFU(ハイフ)皮膚とSMAS筋膜のゆるみが原因のタイプ皮膚の深い層から引き締めることができる。

切る治療法(外科的治療)

メスを使い、たるみの根本原因に直接アプローチする治療法です。効果が高く、持続性にも優れていますが、ダウンタイムが必要になります。

経結膜脱脂法

下まぶたの裏側(結膜)を小さく切開し、そこから原因となっている余分な眼窩脂肪を取り除く手術です。顔の表面に傷が残らないのが大きな特徴です。

脂肪の突出が主な原因で、皮膚のたるみが少ない方に適しています。

皮膚切除術

下まつげのすぐ下のラインに沿って皮膚を切開し、余分な皮膚や脂肪を取り除いた後、縫合する手術です。皮膚のゆるみが著しい場合に適しており、同時に脂肪の調整も可能です。

たるみを取る効果が高いですが、傷跡が落ち着くまでには時間がかかります。

切る治療法の比較

治療法主な対象メリット
経結膜脱脂法脂肪の突出が主な原因のタイプ顔の表面に傷が残らない。
皮膚切除術皮膚のゆるみが強いタイプたるみを根本から大きく改善できる。
ハムラ法脂肪の突出と凹みが混在するタイプ脂肪を移動させて凹凸を平らにする。

治療法を選ぶ際のポイント

どの治療法が自分に合っているかは、たるみの原因、程度、ライフスタイル、予算などによって異なります。一つの原因だけでなく、複数の原因が絡み合っていることも多いため、自己判断は禁物です。

まずは信頼できるクリニックで専門医のカウンセリングを受け、ご自身の状態を正確に診断してもらうことが、満足のいく目の下のたるみ取りへの第一歩です。

目の下のたるみ取り治療のダウンタイムと費用相場

治療を受ける上で、ダウンタイム(回復期間)と費用は最も気になる点の一つでしょう。治療法によって大きく異なるため、事前にしっかりと理解し、計画を立てることが重要です。

治療法ごとのダウンタイム比較

ダウンタイムの長さや症状は、治療の侵襲度(体への負担)に比例します。一般的に、切らない治療は短く、切る治療は長くなる傾向があります。

非外科的治療の場合

ヒアルロン酸注入では、注射部位に軽い内出血や腫れが出ることがありますが、数日から1週間程度で落ち着くことがほとんどです。メイクでカバーできる場合が多く、日常生活への影響は少ないでしょう。

レーザーや高周波治療は、施術後に赤みが出ることがありますが、数時間から当日中には引くことが多く、ダウンタイムはほぼないと言えます。

外科的治療の場合

経結膜脱脂法では、腫れや内出血が1〜2週間程度続くのが一般的です。大きな腫れは数日で引きますが、完全に落ち着くまでには1ヶ月ほどかかることもあります。

皮膚切除術の場合は、抜糸が必要で、腫れや内出血は2〜3週間続くことがあります。傷跡の赤みは数ヶ月かけて徐々に目立たなくなっていきます。

ダウンタイム中の過ごし方と注意点

ダウンタイムをできるだけ短く、そして順調に乗り切るためには、いくつかの注意点があります。クリニックからの指示を必ず守り、安静に過ごしましょう。

腫れや内出血への対処法

手術後は、患部を冷やすことで腫れや内出血を軽減できます。また、血行が良くなりすぎると腫れが長引く原因になるため、飲酒や激しい運動、長時間の入浴は指示された期間は避ける必要があります。

睡眠時は、枕を高くして頭を心臓より高い位置に保つと、腫れの軽減に役立ちます。

メイクやコンタクトレンズはいつから?

メイクやコンタクトレンズの使用再開時期は、治療法によって異なります。非外科的治療では翌日から可能なことが多いですが、外科的治療の場合は、抜糸後や医師の許可が出てからとなります。

特にアイメイクは、傷口に雑菌が入るリスクがあるため、指示された期間は厳守してください。

治療にかかる費用の目安

目の下のたるみ取りは、美容目的の治療であるため、基本的に健康保険は適用されず、自由診療となります。費用はクリニックや治療法によって大きく異なりますが、一般的な相場は以下の通りです。

治療法別ダウンタイムと費用の比較

治療法ダウンタイムの目安費用相場
ヒアルロン酸注入数日〜1週間5万円〜15万円
レーザー・高周波ほとんどなし3万円〜10万円(1回)
経結膜脱脂法1〜2週間20万円〜40万円
皮膚切除術2〜3週間30万円〜60万円

これはあくまで目安であり、麻酔代や薬代などが別途必要な場合もあります。最終的な費用は、カウンセリング時に必ず確認しましょう。

目の下のたるみ取り治療のクリニック選び

満足のいく結果を得るためには、治療内容だけでなく、どのクリニックで受けるかが非常に重要です。信頼できる医師、そして安心して任せられるクリニックを慎重に選びましょう。

信頼できるクリニックを見つけるには

インターネットの口コミやランキングサイトも参考になりますが、それだけを鵜呑みにせず、複数のクリニックで実際にカウンセリングを受けることをお勧めします。

院内の清潔感やスタッフの対応、そして何よりも医師との相性を自分の目で確かめることが大切です。

カウンセリングで確認すべきこと

カウンセリングは、疑問や不安を解消するための重要な時間です。医師が親身に話を聞いてくれるか、メリットだけでなくデメリットやリスクについてもきちんと説明してくれるかを確認しましょう。

以下の点は、必ず質問するようにしてください。

  • 自分に最も適した治療法とその理由
  • 具体的な治療の流れと所要時間
  • 考えられるリスクや副作用、合併症
  • 術後の経過とアフターフォロー体制
  • 総額費用と内訳

医師の経歴や症例実績の重要性

目の下のたるみ取りは、医師の技術力と美的センスが結果を大きく左右する繊細な治療です。担当する医師が、形成外科や美容外科の専門医であるか、また目の下の治療経験が豊富であるかを確認しましょう。

クリニックのウェブサイトなどで、症例写真を多く公開しているかも判断材料の一つになります。自分と似たタイプの症例で、好みの仕上がりのものがあるかチェックしてみるのも良いでしょう。

料金体系の透明性

カウンセリング時に、明確な見積もりを提示してくれるクリニックを選びましょう。

提示された金額に、診察料、麻酔代、薬代、アフターケア代などがすべて含まれているかを確認し、追加料金が発生する可能性がないか聞いておくことが重要です。

安さだけを強調するクリニックには注意が必要です。適正な価格で、質の高い医療を提供しているかどうかを見極めましょう。

【目の下のたるみ取り】よくある質問

最後に、目の下のたるみ取りを検討している方から多く寄せられる質問にお答えします。治療への不安を少しでも解消する手助けになれば幸いです。

治療は痛いですか?

痛みに対する配慮は、どのクリニックでも行っています。注入治療やレーザー治療では、麻酔クリームや冷却などで痛みを緩和します。

外科手術の場合は、点眼麻酔や局所麻酔、場合によっては静脈麻酔などを併用するため、手術中に強い痛みを感じることはほとんどありません。

術後に痛みが出ることもありますが、処方される痛み止めでコントロールできる範囲です。

効果はどのくらい持続しますか?

効果の持続期間は治療法によって異なります。ヒアルロン酸注入は半年〜1年程度で吸収されるため、効果は一時的です。

一方、経結膜脱脂法などで一度取り除いた脂肪は再生しないため、効果は半永久的と言えます。ただし、手術後も加齢による変化は続くため、皮膚のゆるみなどが新たに出てくる可能性はあります。

良い状態を長く保つためには、術後も紫外線対策などのセルフケアを続けることが大切です。

失敗や後悔しないために何ができますか?

最も重要なのは、信頼できる医師のもとで、自分に合った治療を受けることです。そのためには、複数のクリニックでカウンセリングを受け、十分に比較検討することが必要です。

また、ご自身が「どのような状態になりたいか」という理想を医師としっかり共有し、現実的に可能な範囲と限界について理解を深めることも後悔を防ぐために重要です。

ダウンタイムや費用についても納得した上で、治療を決断しましょう。

保険は適用されますか?

目の下のたるみ取りは、見た目の改善を目的とする美容医療に分類されるため、原則として健康保険は適用されません。すべての費用が自己負担となる自由診療です。

ただし、まぶたが垂れ下がって視野が狭くなる「眼瞼下垂(がんけんかすい)」など、日常生活に支障をきたす症状と診断された場合は、保険が適用されるケースもあります。

ご自身の症状が該当するかどうかは、医師の診察が必要です。

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この記事を書いた人

Dr.寺井美佐栄のアバター Dr.寺井美佐栄 ミサクリニック 六本木本院 院長

日本抗加齢医学会認定専門医。日本美容皮膚科学会、日本レーザー医学会、日本産業衛生学会専門医。
複数の大手美容皮膚科で10年以上の院長経験を経て、2022年9月にMiSA Clinic(ミサクリニック)を開業。YouTube等でも発信してきた、メスを使わずに”ナチュラルなキレイ”を引き出す技術には定評があり、ありがたいことに「SNSを見ました!」という方や、紹介・口コミ経由でたくさんのご相談を頂いてきました。皆様と共に、MiSA Clinicスタッフ一同、共に年を重ね、末永くお付き合いできる関係を目指して参ります。

資格
アラガン社ボトックスビスタ認定医
アラガン社ヒアルロン酸注入認定医

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