鏡を見るたびに気になる、目の下のたるみとクマ。ファンデーションやコンシーラーで隠そうとしても、夕方にはよれてしまい、かえって老けた印象を与えてしまうことも少なくありません。
「目の下のたるみとクマ」が同時に現れると、どちらか一方だけの悩みよりも深刻に感じ、どう対処すれば良いのか分からなくなってしまいますよね。
この記事では、なぜたるみとクマが併発するのか、その原因から、ご自身の症状タイプの見分け方、そしてセルフケアから美容クリニックでの専門的な治療法まで、幅広く解説します。
あなたの悩みに本当に効果的なアプローチを見つけ、明るく自信に満ちた目元を取り戻すための第一歩を、ここから始めましょう。
目の下のたるみとクマ 併発する原因は一つじゃない
目の下のたるみとクマが同時に現れるのは、決して偶然ではありません。多くの場合、複数の原因が複雑に絡み合って症状を引き起こしています。
原因を正しく理解することが、適切なケアや治療法を選択する上で非常に重要です。
加齢による皮膚と筋肉の衰え
年齢を重ねると、私たちの肌には様々な変化が現れます。特に目の周りの皮膚は非常に薄くデリケートなため、影響を受けやすい部分です。
肌のハリや弾力を支えているコラーゲンやエラスチンが減少し、皮膚が伸びてたるみやすくなります。さらに、目の周りにある「眼輪筋(がんりんきん)」という筋肉も衰えてきます。
この眼輪筋は、眼球を支える脂肪(眼窩脂肪)が前に飛び出してこないように、ハンモックのように支える役割を担っています。
しかし、この筋肉が緩むと、眼窩脂肪を支えきれなくなり、前方に押し出されてふくらみ(たるみ)として現れます。このふくらみが影を作り出すことで、「影クマ(黒クマ)」が発生するのです。
眼窩脂肪の突出と色素沈着
眼窩脂肪が前方に突出することが、たるみとクマの直接的な原因になることは説明しました。この突出したふくらみ、いわゆる「目袋」が大きくなると、その下の部分が凹んで見え、影がより濃くなります。
また、目の下をこする癖があったり、紫外線対策を怠ったりすると、メラニン色素が沈着して「茶クマ」を引き起こすことがあります。
たるみによる凹凸で皮膚がこすれやすくなり、色素沈着を助長するケースも少なくありません。
たるみによる構造的な問題(影クマ)と、皮膚表面の色素の問題(茶クマ)が混在することで、悩みはさらに深刻化します。
生活習慣と血行不良の影響
睡眠不足、長時間のデスクワークによる目の酷使、スマートフォンの見過ぎなどは、目元の血行不良を引き起こします。
目の周りには毛細血管が集中しており、血行が悪くなると血液が滞留し、青黒く透けて見える「青クマ」の原因となります。また、ストレスや食生活の乱れ、喫煙なども血行を悪化させる要因です。
血行不良は肌のターンオーバーを乱し、コラーゲンの生成を妨げるため、たるみの進行を早める可能性もあります。このように、日々の生活習慣が、たるみとクマの両方を悪化させる引き金になるのです。
骨格や遺伝的な要因
生まれつき目の下の骨格が低い位置にあったり、頬の脂肪が少なかったりすると、若い頃から目の下が凹んで見え、たるみやクマが目立ちやすい傾向があります。
また、皮膚の薄さや眼窩脂肪の量は遺伝的な影響も受けるため、ご家族に同じような悩みを持つ方がいる場合、体質的にたるみやクマが出やすい可能性があります。
これらの要因はセルフケアだけで改善するのが難しく、根本的な解決を目指すには美容医療の力を借りることが有効な選択肢となります。
あなたの悩みはどのタイプ?症状別セルフチェック
目の下の悩みと一言でいっても、原因によっていくつかのタイプに分けられます。ご自身の症状がどのタイプに当てはまるのかを知ることで、より効果的な対策を見つけやすくなります。
鏡を用意して、一緒にチェックしてみましょう。
影クマ(黒クマ)の見分け方
影クマは、加齢などによって目の下の眼窩脂肪が突出し、そのふくらみの下に影ができることで生じます。色自体は変わっていないため、厳密にはクマではありません。以下の方法で見分けることができます。
鏡を持って顔を正面に向け、そのまま天井の明かりを見上げるように顔を上に傾けてみてください。
この時、クマが薄くなったり消えたりする場合は、影クマの可能性が高いです。光が当たることで影がなくなるためです。
逆に、顔を下に向けたり、暗い場所で見たりすると、影が濃く見えるのが特徴です。たるみが主な原因であるため、たるみ治療が改善の鍵となります。
青クマの見分け方
青クマは、目の下の皮膚が薄いために、その下にある毛細血管が透けて見える状態です。血行不良によって血液が酸素不足になり、青黒く見えることが原因です。
睡眠不足や疲労、冷えなどが主な引き金となります。見分け方は簡単です。目の下の皮膚を指で軽く引っ張ってみてください。
皮膚を引っ張るとクマの色が薄くなる、または一時的に消えるようであれば、青クマの可能性が高いでしょう。血行を促進するケアが効果的です。
茶クマの見分け方
茶クマは、メラニン色素の沈着が原因で起こります。目をこする癖、紫外線ダメージ、メイク落としの際の摩擦などが主な原因です。
アトピー性皮膚炎などで目の周りにかゆみが出やすい方も、茶クマになりやすい傾向があります。見分け方は、青クマと同様に皮膚を引っ張ってみることです。
皮膚を引っ張ってもクマの色が変わらず、皮膚と一緒に移動する場合は茶クマと考えられます。また、上まぶたにも同様の色素沈着が見られることもあります。
美白ケアや摩擦を避ける生活習慣が改善につながります。
主なクマの種類と特徴
クマの種類 | 主な原因 | 見分け方のポイント |
---|---|---|
影クマ(黒クマ) | たるみによる凹凸・影 | 上を向くと薄くなる |
青クマ | 血行不良 | 皮膚を引っ張ると薄くなる |
茶クマ | 色素沈着 | 皮膚を引っ張っても変わらない |
まずは自宅で挑戦!セルフケアでできること
美容クリニックでの治療を考える前に、まずは毎日の生活の中でできることから始めてみましょう。
セルフケアは即効性こそありませんが、症状の悪化を防ぎ、健やかな目元を保つためにとても大切です。根気強く続けることで、少しずつ変化を感じられるはずです。
保湿と紫外線対策の徹底
目元の皮膚は非常にデリケートで乾燥しやすいため、保湿ケアが重要です。乾燥は小じわの原因になるだけでなく、肌のバリア機能を低下させ、外部からの刺激を受けやすくします。
これにより、色素沈着(茶クマ)のリスクも高まります。セラミドやヒアルロン酸、コラーゲンといった保湿成分が配合されたアイクリームを使い、優しくなじませましょう。
また、紫外線は肌のハリを支えるコラーゲンやエラスチンを破壊し、たるみを加速させる最大の要因の一つです。
日中の外出時はもちろん、室内でも窓からの紫外線を防ぐために、日焼け止めやUVカット効果のある化粧下地、メガネなどを活用し、一年を通して紫外線対策を徹底しましょう。
血行を促進するマッサージやエクササイズ
青クマの改善には、目元の血行を促進することが効果的です。ただし、強いマッサージは逆効果。
摩擦によって色素沈着(茶クマ)を引き起こしたり、皮膚を伸ばしてたるみを悪化させたりする危険性があります。
アイクリームなどを塗って滑りを良くしてから、薬指の腹を使って優しくツボを押したり、ピアノを弾くように軽くタッピングしたりする程度にしましょう。
また、眼輪筋を鍛えるエクササイズも、たるみ予防に役立ちます。目を大きく見開いて数秒キープし、次にゆっくりと目を閉じてリラックスする、という動きを繰り返すだけでも効果が期待できます。
目元の健康を支える栄養素
栄養素 | 期待できる効果 | 多く含まれる食品 |
---|---|---|
ビタミンC | コラーゲン生成促進、メラニン抑制 | パプリカ、ブロッコリー、キウイ |
ビタミンE | 血行促進、抗酸化作用 | ナッツ類、アボカド、かぼちゃ |
鉄分 | 血行不良の改善 | レバー、ほうれん草、あさり |
質の良い睡眠とバランスの取れた食事
美肌は体の内側から作られます。特に睡眠は、肌のターンオーバーを整え、日中に受けたダメージを修復するためのゴールデンタイムです。毎日6〜8時間程度の質の良い睡眠を確保するよう心がけましょう。
また、食事も重要です。抗酸化作用のあるビタミンA・C・Eや、肌の材料となるタンパク質、血行を良くする鉄分などをバランス良く摂取することが、たるみやクマの予防・改善につながります。
逆に、塩分や糖分の多い食事はむくみや糖化を招き、目元の悩みを悪化させる可能性があるので注意が必要です。
メスを使わない「切らない治療法」の種類と効果
セルフケアだけでは改善が難しいと感じたら、美容クリニックでの治療を検討するのも一つの方法です。近年では、メスを使わずにたるみやクマを改善できる「切らない治療法」が人気を集めています。
ダウンタイムが比較的短く、気軽に受けやすいのが魅力です。
ヒアルロン酸注入
ヒアルロン酸注入は、たるみによってできた影(凹み)の部分に、ヒアルロン酸製剤を注入して肌を内側から持ち上げ、凹凸をなめらかにする治療法です。
特に、影クマや軽度のたるみに効果を発揮します。施術時間が短く、術後すぐにメイクができるなど、手軽さが大きなメリットです。
ただし、効果は永久的ではなく、半年から1年程度で体内に吸収されるため、効果を維持するには定期的な注入が必要です。
注入する量や部位、製剤の種類によって仕上がりが変わるため、医師の技術力が非常に重要になります。
レーザー治療
レーザー治療は、皮膚の深層部に熱エネルギーを加え、コラーゲンの生成を促進することで肌のハリを取り戻し、たるみを引き締める治療法です。
フラクショナルレーザーなどが代表的で、小じわや肌質の改善も期待できます。茶クマの原因であるメラニン色素に働きかける種類のレーザーもあり、色素沈着の改善にも有効です。
複数回の治療が必要な場合が多いですが、回数を重ねるごとに肌全体の若返り効果を実感できるでしょう。
高周波(RF)治療
高周波(RF)治療は、ラジオ波という高周波エネルギーを皮膚の深部に照射し、熱を発生させることでコラーゲン繊維を収縮させ、即時的な引き締め効果をもたらす治療法です。
サーマクールなどが有名です。また、熱刺激によって新たなコラーゲンの生成も促されるため、長期的なハリ感アップの効果も期待できます。
皮膚表面へのダメージが少なく、ダウンタイムがほとんどないのが特徴で、たるみの予防としても人気があります。
主な切らない治療法の比較
治療法 | 主な効果 | ダウンタイムの目安 |
---|---|---|
ヒアルロン酸注入 | 凹みを埋め、影を改善 | ほとんどない(稀に内出血) |
レーザー治療 | 肌のハリ改善、色素沈着改善 | 数日(赤み、かさぶた) |
高周波(RF)治療 | 皮膚の引き締め、たるみ改善 | ほとんどない(稀に赤み) |
根本改善を目指す「切る治療法」の種類と効果
たるみやクマの症状が進行している場合や、より長期的で根本的な改善を望む場合には、外科的なアプローチである「切る治療法」が有効です。
原因となっている眼窩脂肪に直接アプローチするため、変化を大きく実感しやすいのが特徴です。
下眼瞼脱脂術(経結膜脱脂法)
下眼瞼脱脂術は、たるみの原因である眼窩脂肪を取り除く手術です。一般的に「経結膜脱脂法」という方法で行われ、下まぶたの裏側(結膜)を小さく切開して、そこから余分な脂肪を取り出します。
皮膚の表面には傷がつかないため、傷跡が顔に残る心配がありません。脂肪のふくらみが主な原因である「影クマ」に対して非常に高い効果を発揮します。
ただし、脂肪を取り除くだけなので、皮膚のたるみが強い場合は、術後にシワが目立つようになる可能性もあります。
下眼瞼除皺術(ハムラ法)
ハムラ法は、突出した眼窩脂肪を凹んでいる部分に移動させて固定し、目の下の凹凸を平らにならす手術です。下まつげの生え際に沿って皮膚を切開し、脂肪を移動させた後に余分な皮膚を切除して縫合します。
脂肪を取り除くのではなく再配置するため、自然な仕上がりになりやすく、脂肪によるふくらみと凹みの両方がある場合に適しています。
また、同時に皮膚のたるみも切除できるため、たるみとシワの改善効果も高いのが特徴です。
裏ハムラ法(経結膜的眼窩脂肪移動術)
裏ハムラ法は、ハムラ法と同様に眼窩脂肪を移動させる手術ですが、切開を下まぶたの裏側(結膜)から行うのが大きな違いです。経結膜脱脂法と同様に、顔の表面に傷が残らないというメリットがあります。
脂肪を再配置することで凹凸を解消するため、脱脂術だけでは改善が難しい、凹みが強いタイプのクマにも効果的です。
皮膚の切除は行わないため、皮膚のたるみが非常に強い場合には、別途たるみ取りの手術が必要になることがあります。
主な切る治療法の比較
治療法 | アプローチ | 表面の傷跡 |
---|---|---|
下眼瞼脱脂術 | 余分な脂肪を除去 | なし |
ハムラ法 | 脂肪を移動させ、余分な皮膚を切除 | あり(まつ毛の生え際) |
裏ハムラ法 | 脂肪を移動させる | なし |
後悔しないために知っておきたい 治療法選びのポイント
数ある治療法の中から、自分にとって納得のいく選択をするためには、いくつかのポイントを押さえておくことが大切です。
見た目の印象を大きく左右する目元の治療だからこそ、慎重に検討を進めましょう。
自分の症状と希望する効果で選ぶ
まずは、ご自身のたるみやクマの症状がどの程度なのかを客観的に把握することが第一歩です。
軽度のたるみや影クマで、少し凹凸をなめらかにしたいという程度であれば、ヒアルロン酸注入などの手軽な治療から試してみるのが良いでしょう。
一方、脂肪の突出が大きく、皮膚のたるみも目立つような場合は、脱脂術やハムラ法などの外科的治療でなければ満足のいく結果を得るのは難しいかもしれません。
自分がどこまで改善したいのか、どのような仕上がりを理想とするのかを明確にすることが重要です。
- 手軽さを重視する
- ダウンタイムは避けたい
- 根本的な解決をしたい
ダウンタイムや費用を考慮する
治療法を選ぶ上で、ダウンタイム(回復期間)と費用は現実的な問題です。仕事や家庭の事情で長期の休みが取れない方は、ダウンタイムの短い切らない治療法が向いています。
一方、多少の休みが確保できるのであれば、一度で高い効果が期待できる外科的治療も選択肢に入ります。費用も治療法によって大きく異なります。
自由診療のため、同じ治療法でもクリニックによって価格設定は様々です。予算を立て、複数のクリニックでカウンセリングを受け、総額でどのくらいかかるのかを事前にしっかり確認しましょう。
費用とダウンタイムの目安
治療の種類 | 費用相場 | ダウンタイム目安 |
---|---|---|
切らない治療 | 5万円~30万円 | ほぼなし~1週間程度 |
切る治療 | 30万円~80万円 | 1週間~1ヶ月程度 |
信頼できるクリニックと医師を見つける
治療の満足度を左右する最も重要な要素は、クリニックと担当医師の選択です。
カウンセリングに十分な時間をかけ、こちらの悩みや質問に真摯に耳を傾けてくれるか、リスクやデメリットについても隠さず説明してくれるかを見極めましょう。
また、その医師が目の下の治療に関して豊富な経験と実績を持っているかどうかも確認したいポイントです。症例写真を見せてもらい、自分の理想とする仕上がりに近いかどうかを確認するのも良い方法です。
一つのクリニックで即決せず、複数のクリニックで話を聞き、総合的に判断して「ここなら任せられる」と思える場所を見つけることが、後悔しないための鍵となります。
治療効果を長持ちさせるためのアフターケア
無事に治療が終わっても、それで終わりではありません。治療後の過ごし方や日々のケアが、効果の持続期間や仕上がりの美しさに大きく影響します。
大切な目元のために、正しいアフターケアを心がけましょう。
ダウンタイム中の正しい過ごし方
特に外科的な治療を受けた後は、ダウンタイムをいかに安静に過ごすかが重要です。腫れや内出血を最小限に抑えるため、医師の指示に従いましょう。
術後数日間は、血行が良くなるような長時間の入浴や激しい運動、飲酒は避けるのが一般的です。また、睡眠時は枕を高くして頭を心臓より高い位置に保つと、腫れが引きやすくなります。
処方された薬はきちんと服用し、気になることがあればすぐにクリニックに相談しましょう。
術後の主な注意点
項目 | 推奨される行動 | 避けるべき行動 |
---|---|---|
過ごし方 | 安静にする、頭を高くして寝る | 激しい運動、長時間の入浴、飲酒 |
ケア | 処方薬の服用、冷却 | 患部を強くこする、マッサージ |
食事 | バランスの取れた食事 | 塩分の多い食事 |
保湿と紫外線対策の継続
治療によって悩みが改善された後も、日々のスキンケアは非常に大切です。特に、保湿と紫外線対策はたるみやクマの再発を防ぐための基本となります。
治療後の肌はデリケートな状態になっていることもあるため、低刺激性の製品を選び、優しくケアすることを心がけましょう。紫外線は新たな色素沈着やたるみの原因となります。
治療できれいになった状態を維持するためにも、紫外線対策はこれまで以上に徹底することが重要です。これらの基本的なケアを続けることが、治療効果を最大限に長持ちさせる秘訣です。
定期的なメンテナンスの考え方
加齢による変化は誰にでも訪れるもので、一度治療したからといって、その後の老化が完全にストップするわけではありません。
ヒアルロン酸注入などの効果が一時的な治療はもちろん、外科的な治療を受けた場合でも、数年後、数十年後にはまた新たな変化が現れる可能性があります。
そのため、定期的に医師の診察を受け、その時々の状態に合ったメンテナンスを検討することも一つの考え方です。
例えば、肌のハリを維持するためにレーザー治療を定期的に受けるなど、小さなケアを積み重ねていくことで、長期的に美しい目元を保つことにつながります。
【たるみとクマが併発】あなたの悩みに効くのはどれ?治療法別効果に関するよくある質問
ここでは、目の下のたるみとクマの治療に関して、多くの方が疑問に思う点についてお答えします。
- 目の下のたるみとクマの治療は何歳から受けるのが良いですか?
-
治療に適した年齢に決まりはありません。たるみやクマの原因は加齢だけでなく、骨格や遺伝も関係するため、20代や30代で悩んでいる方も少なくありません。
年齢にかかわらず、ご自身が「気になる」と感じ、改善したいと強く思った時が治療を検討するタイミングと言えるでしょう。
ただし、成長期である10代の場合は、まずは生活習慣の見直しやセルフケアから始めることを推奨します。
- 治療は痛いのでしょうか?
-
痛みには個人差がありますが、多くの治療では麻酔を使用するため、強い痛みを感じることはほとんどありません。
ヒアルロン酸注入では麻酔クリームや局所麻酔を、外科手術では局所麻酔や静脈麻酔などを用います。
治療内容によって麻酔の方法も異なりますので、痛みが心配な方は、カウンセリングの際に医師に詳しく確認し、不安を解消しておくことが大切です。
- 一度の治療で効果は永久に続きますか?
-
治療法によって効果の持続期間は異なります。ヒアルロン酸注入のように体内に吸収される製剤を使用する治療は、効果が一時的であり、維持するためには定期的な施術が必要です。
一方、下眼瞼脱脂術やハムラ法などの外科手術は、原因に直接アプローチするため、効果は半永久的と言えます。
しかし、手術後も加齢による変化は続きますので、全く変化しないわけではありません。日々のセルフケアやメンテナンスを行うことで、より長く良い状態を保つことができます。
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