生まれつきのゴルゴ線は消えない?遺伝・骨格が原因でも改善できる治療法

生まれつきのゴルゴ線は消えない?遺伝・骨格が原因でも改善できる治療法

「若い頃から目の下のゴルゴ線が目立つ」「疲れていないのに、いつも疲れた顔に見られてしまう」そんなお悩みはありませんか。

生まれつきや遺伝、骨格が原因とされるゴルゴ線は、セルフケアでの改善が難しく、長年コンプレックスに感じている方も少なくありません。

しかし、諦める必要はありません。その原因が遺伝や骨格であっても、美容医療の力を借りることで、ゴルゴ線を改善し、若々しく明るい印象の目元を目指すことが可能です。

この記事では、生まれつきのゴルゴ線の原因から、改善が期待できる治療法、そして信頼できるクリニックの選び方まで、専門的な観点から詳しく解説します。

目次

そもそもゴルゴ線とは?生まれつき目立つ原因を解説

多くの方を悩ませるゴルゴ線ですが、その正体や原因について正しく理解している方は意外と少ないかもしれません。

まずは、ゴルゴ線とは何か、そしてなぜ生まれつき目立ってしまうのか、その根本的な原因を探っていきましょう。

ゴルゴ線(ミッドチークライン)の正体

ゴルゴ線とは、医学的には「ミッドチークライン」と呼ばれるもので、目頭の下から頬の中央あたりにかけて斜め下に入る線のことです。

これはシワとは異なり、皮膚や筋肉、脂肪の構造的な境目によって生じる「溝」や「くぼみ」です。

人気漫画の主人公の頬にある線に似ていることから、日本では「ゴルゴライン」や「ゴルゴ線」という通称で広く知られています。

この線があると、顔に影ができてしまい、疲れた印象や老けた印象を与えやすくなります。

生まれつきゴルゴ線が目立つ遺伝的・骨格的要因

ゴルゴ線は加齢によるたるみで目立つことが多いですが、若い方、特に10代や20代でもくっきりと現れる場合があります。これは、主に遺伝による骨格や顔の構造が影響しています。

親や親族にゴルゴ線が目立つ方がいる場合、その体質を受け継いでいる可能性があります。

主な遺伝的・骨格的要因

  • 頬骨の突出が少ない
  • 眼窩(がんか)のくぼみが大きい
  • 皮下脂肪が元々少ない

特に、頬の骨格が平坦であったり、目の周りの骨がくぼんでいたりすると、その部分を支える皮膚や脂肪が落ち込みやすくなり、生まれつきゴルゴ線が目立ちやすくなります。

また、皮膚を支えるリガメント(靭帯)の位置や強さも個人差があり、これもゴルゴ線の現れ方に関係しています。

加齢によってゴルゴ線が濃くなる理由

生まれつきの要因に加えて、年齢を重ねることでゴルゴ線はさらに深く、目立つようになります。

これは、肌のハリを支えるコラーゲンやエラスチンの減少、表情筋の衰え、そして皮下脂肪の減少や下垂が複合的に絡み合って起こります。

若い頃は気にならなかった、あるいはうっすらとしか存在しなかった線が、30代、40代と年齢を重ねるにつれてくっきりと刻まれていくのは、これらのエイジングサインが原因です。

加齢によるゴルゴ線の悪化要因

要因内容ゴルゴ線への影響
皮膚の弾力低下コラーゲンやエラスチンが減少し、肌のハリが失われる。皮膚が重力に負けてたるみ、溝が深くなる。
表情筋の衰え目の周りや頬の筋肉が衰え、脂肪を支えきれなくなる。皮膚や脂肪が下がり、線の上が影になる。
脂肪の移動・減少頬の脂肪が減少し、位置が下がる。頬のボリュームが失われ、くぼみが強調される。

生活習慣がゴルゴ線に与える影響

遺伝や加齢だけでなく、日々の生活習慣もゴルゴ線を悪化させる一因となり得ます。

例えば、スマートフォンやPCの長時間利用による眼精疲労は、目周りの血行不良を招き、筋肉のこわばりやたるみにつながります。

また、うつ伏せで寝る癖や頬杖をつく行為は、顔の片側に継続的な圧力をかけ、皮膚の構造を歪ませる可能性があります。

紫外線対策の不足や喫煙も、肌の老化を早め、ゴルゴ線を深くする要因となるため注意が必要です。

生まれつきのゴルゴ線はセルフケアで消せる?限界と注意点

ゴルゴ線をどうにかしたいと考えたとき、まず思い浮かぶのがマッサージやスキンケアなどのセルフケアではないでしょうか。

手軽に始められるこれらの方法は、果たして生まれつきのゴルゴ線に対してどれほどの効果が期待できるのでしょうか。その可能性と限界について解説します。

マッサージや表情筋トレーニングの効果

顔の血行を促進し、筋肉のコリをほぐすマッサージや、表情筋を鍛えるトレーニングは、むくみの解消やたるみの予防という点である程度の効果を期待できます。

血行が良くなることで顔色も明るくなり、一時的にゴルゴ線が目立ちにくく感じることもあるでしょう。しかし、これらのケアはあくまで現状維持や悪化の予防が主な目的です。

特に、骨格や脂肪の構造が原因である生まれつきのゴルゴ線を根本的に消し去ることは極めて困難です。

セルフケアのやりすぎが招くリスク

良かれと思って行うセルフケアも、方法を間違えると逆効果になることがあります。

特に注意したいのが、強い力でのマッサージです。顔の皮膚は非常にデリケートなため、強くこすったり引っ張ったりすると、皮膚を支える線維を傷つけ、たるみやシワを助長する原因になりかねません。

また、肌の摩擦はシミなどの色素沈着を引き起こすリスクも高めます。セルフケアを行う際は、必ず滑りの良いクリームやオイルを使用し、優しく丁寧なタッチを心がけることが重要です。

セルフケアの効果と限界

ケア方法期待できる効果限界・注意点
マッサージ血行促進、むくみ改善骨格起因の溝は消えない。摩擦による肌への負担。
表情筋トレーニング筋肉の衰え予防、ハリ感アップ効果の実感に時間がかかる。やりすぎはシワの原因に。
スキンケア保湿による乾燥小ジワ改善、ハリを与える構造的な溝を埋めることはできない。

高機能な化粧品でゴルゴ線は改善するのか

近年、エイジングケアを目的とした高機能な化粧品が数多く販売されています。

レチノールやナイアシンアミドなど、肌のハリや弾力にアプローチする成分が配合された製品は、皮膚表面のコンディションを整え、乾燥による小ジワを目立たなくさせる効果は期待できます。

しかし、化粧品が浸透するのは角質層までです。ゴルゴ線の根本原因である皮膚深層の構造、つまり骨格や脂肪、筋肉の層にまで作用し、溝を物理的に埋めることはできません。

したがって、化粧品のみでゴルゴ線を消すことは難しいと言えます。

遺伝や骨格によるゴルゴ線を改善する美容医療

セルフケアでは根本的な改善が難しい生まれつきのゴルゴ線。しかし、美容医療の分野では、こうした構造的な問題に直接アプローチし、悩みを解消するための様々な治療法が確立されています。

ここでは、代表的な治療法をいくつか紹介します。

美容クリニックで受けられる主な治療法

ゴルゴ線治療は、その原因や状態によってアプローチが異なります。

主な方法としては、くぼんだ部分にボリュームを補う「注入治療」、たるんだ皮膚を引き締める「照射治療」、そして物理的に皮膚を引き上げる「糸リフト(スレッドリフト)」などが挙げられます。

遺伝や骨格が主な原因で頬のボリュームが不足している場合には、特に注入治療が高い効果を発揮します。

治療法を選ぶ上での考え方

どの治療法が自分に適しているかは、ゴルゴ線の深さ、皮膚のたるみの程度、ライフスタイル(ダウンタイムがどれくらい取れるか)、そして予算などを総合的に考慮して判断します。

例えば、手軽に試したい、ダウンタイムを短くしたいという方にはヒアルロン酸注入が選択肢になりますし、より持続性の高い効果を望む方やアレルギーが心配な方には自身の脂肪を使った脂肪注入が向いている場合があります。

まずは専門の医師によるカウンセリングを受け、自分の状態を正確に診断してもらうことが、適切な治療法を選ぶための第一歩です。

ゴルゴ線の主な美容治療法

治療法アプローチ特徴
ヒアルロン酸注入溝やくぼみを製剤で埋める手軽でダウンタイムが短い。製剤は徐々に吸収される。
脂肪注入自身の脂肪を採取し、注入するアレルギーリスクが低い。定着すれば効果は長期間持続。
照射治療(HIFUなど)超音波などで皮膚深層に熱を与え、引き締めるたるみが原因の場合に有効。ダウンタイムがほとんどない。

カウンセリングの重要性

満足のいく結果を得るためには、治療前のカウンセリングが非常に重要です。カウンセリングでは、自分の悩みや希望を医師に具体的に伝えるとともに、医師からの説明をしっかりと理解することが大切です。

治療法の詳細、期待できる効果、考えられるリスクや副作用、費用など、疑問や不安な点はすべて解消しておきましょう。

信頼できる医師は、患者一人ひとりの顔のバランスを見極め、最も適した治療計画を提案してくれます。

【注入治療】ヒアルロン酸でゴルゴ線を改善する

ゴルゴ線治療の中でも、特にポピュラーで多くの方に選ばれているのがヒアルロン酸注入です。メスを使わず、注射だけで気になる溝を改善できる手軽さが魅力です。

ここでは、ヒアルロン酸注入の詳細について掘り下げていきます。

ヒアルロン酸注入とは

ヒアルロン酸は、もともと人間の体内に存在する保湿・保水成分です。

これを医療用に精製したゲル状の製剤を、ゴルゴ線のくぼんだ部分の皮膚下に直接注入し、内側から肌を持ち上げて溝を目立たなくさせる治療です。

注入するヒアルロン酸には様々な硬さの種類があり、医師は治療部位や皮膚の状態に合わせて最適な製剤を選択します。施術時間は10分から20分程度と短く、多忙な方でも受けやすいのが特徴です。

ヒアルロン酸注入のメリットと効果の持続期間

最大のメリットは、施術直後から効果を実感できる点です。ダウンタイムもほとんどなく、注射による軽い赤みや腫れが出る程度で、翌日から通常通りの生活が送れます。

また、万が一仕上がりが気に入らない場合には、ヒアルロン酸を溶かす注射(ヒアルロニダーゼ)で元に戻すことも可能です。

効果の持続期間は、使用する製剤の種類や個人差によって異なりますが、一般的には半年から2年程度です。効果を維持するためには、定期的な再注入が必要となります。

ヒアルロン酸注入のメリット・デメリット

項目メリットデメリット
効果即効性があり、すぐに変化を実感できる効果は永久的ではなく、定期的な施術が必要
施術施術時間が短く、体への負担が少ない内出血や腫れのリスクがある(通常は数日で改善)
修正ヒアルロニダーゼで溶解し、修正が可能注入技術によって仕上がりが左右される

注入時の痛みとダウンタイム

注入時にはチクッとした痛みを感じますが、多くのクリニックでは麻酔クリームや極細の注射針を使用するなど、痛みを最小限に抑える工夫をしています。

施術後は、注入部位に軽い赤み、腫れ、内出血が出ることがありますが、これらは数日から1週間程度で自然に治まります。内出血はメイクでカバーできる程度であることがほとんどです。

当日の入浴や激しい運動、飲酒は血行を促進し、症状を長引かせる可能性があるため控えるように指示されます。

【注入治療】脂肪注入でゴルゴ線を改善する

ヒアルロン酸と並んで、ゴルゴ線のくぼみ改善に用いられるのが脂肪注入です。

自分自身の体から採取した脂肪を利用するため、アレルギーの心配がなく、より自然な仕上がりと長期的な効果が期待できる治療法です。

自己脂肪注入の仕組み

脂肪注入は、太ももやお腹など、自分自身の体から余分な脂肪を吸引し、その脂肪から不純物を取り除いて濃縮したものを、ゴルゴ線の気になる部分に注入する治療法です。

注入された脂肪の一部は体内に吸収されますが、残った脂肪は組織に定着し、半永久的にその場のボリュームを保ち続けます。

自分の組織を使うため、体へのなじみが良く、異物反応のリスクが極めて低いのが大きな特徴です。

脂肪注入のメリット・デメリット

項目メリットデメリット
持続性定着すれば効果は半永久的に持続する定着率に個人差があり、複数回の注入が必要な場合もある
安全性自己組織のためアレルギーや異物反応のリスクが低い脂肪吸引部に痛みや内出血などのダウンタイムがある
仕上がり柔らかく自然なボリュームアップが可能ヒアルロン酸のように溶解して修正することはできない

脂肪の定着率と効果の持続性

注入した脂肪がすべて定着するわけではなく、個人差や注入技術によっても異なりますが、一般的には約50%程度が定着すると言われています。定着しなかった脂肪は徐々に体内に吸収されます。

そのため、施術直後は少し多めに注入し、吸収される分を見越して最終的な仕上がりをデザインします。一度定着した脂肪は自身の組織として生き続けるため、効果は半永久的です。

ヒアルロン酸のように定期的なメンテナンスが不要になる点は、長期的に見ると大きなメリットと言えるでしょう。

ヒアルロン酸注入との比較

手軽さや修正のしやすさを重視するならヒアルロン酸、持続性や安全性を重視するなら脂肪注入、というように、それぞれに異なる長所があります。

脂肪注入は脂肪を採取する手間と、その分のダウンタイムが必要になるため、ヒアルロン酸に比べて体への負担や費用は大きくなる傾向があります。

どちらの治療が自分にとってより良い選択なのかは、医師と相談しながら、それぞれのメリット・デメリットを十分に理解した上で決定することが大切です。

【照射・糸治療】皮膚のたるみからくるゴルゴ線へのアプローチ

ゴルゴ線の原因が頬のボリューム不足だけでなく、皮膚のたるみも関係している場合、注入治療と合わせて、あるいは単独で、たるみを改善する治療を行うことで、より高い効果を得ることができます。

ここでは、照射治療と糸リフトについて解説します。

HIFU(ハイフ)などによるリフトアップ治療

HIFU(高密度焦点式超音波)は、超音波の熱エネルギーを皮膚の深い層(SMAS筋膜)にピンポイントで照射し、熱で組織を収縮させることでたるみを引き締める治療です。

メスを使わずにリフトアップ効果が得られ、ダウンタイムもほとんどないことから人気の治療です。

コラーゲンの生成も促進するため、肌のハリや弾力アップも期待できます。ゴルゴ線周辺の皮膚がたるんでいる場合に、土台から引き締めることで溝を目立ちにくくします。

糸リフト(スレッドリフト)の働き

糸リフトは、コグ(トゲ)の付いた特殊な医療用の糸を皮下に挿入し、たるんだ皮膚や脂肪を物理的に引き上げる治療法です。

注入治療が「くぼみを埋める」アプローチであるのに対し、糸リフトは「組織を引き上げる」アプローチでゴルゴ線の改善を図ります。

たるみを強力にリフトアップできるため、変化が分かりやすいのが特徴です。また、挿入した糸の刺激によって周辺組織のコラーゲン生成が促され、肌質の改善効果も期待できます。

注入治療との組み合わせ

ゴルゴ線の状態によっては、これらの治療を単独で行うよりも、注入治療と組み合わせることで相乗効果が生まれ、より理想的な仕上がりを目指せることがあります。

例えば、まずHIFUや糸リフトで全体のたるみを引き上げてから、それでも残る細かなくぼみに対してヒアルロン酸を少量注入するといった方法です。

複合的なアプローチにより、顔全体のバランスを整えながら、自然で若々しい印象を作り出すことが可能になります。どの治療を組み合わせるのが最適かは、医師の診断に基づいて決定します。

たるみ治療と注入治療の役割分担

治療法主な役割ゴルゴ線への効果
注入治療ボリュームを補充し、くぼみを埋める溝を直接的に浅くする
照射・糸治療皮膚や皮下組織を引き上げるたるみを改善し、間接的に溝を目立たなくする

ゴルゴ線治療を受けるクリニック選びのポイント

生まれつきのゴルゴ線を改善するための治療は、どのクリニックで受けるかによって結果が大きく変わる可能性があります。

大切な自分の顔を任せるのですから、慎重に、そして納得のいくクリニック選びをしましょう。

医師の技術力と症例数の確認

ゴルゴ線治療、特にヒアルロン酸や脂肪の注入治療は、医師の技術と美的センスが仕上がりを大きく左右します。

注入する量や深さ、位置をミリ単位で調整する必要があり、顔の解剖学的な知識も深く要求されます。

クリニックのウェブサイトなどで、担当医師の経歴や資格、特にゴルゴ線や目の下の治療に関する症例数をしっかりと確認しましょう。

多くの症例写真を公開しているクリニックは、それだけ経験が豊富であることの一つの指標となります。

カウンセリングの丁寧さと相性

前述の通り、カウンセリングは治療の成功を左右する重要な時間です。あなたの悩みに親身に耳を傾け、時間をかけて丁寧に説明してくれる医師を選びましょう。

治療のメリットだけでなく、リスクやデメリット、起こりうる副作用についても隠さず説明してくれるかどうかが、信頼できる医師を見極めるポイントです。

質問しやすい雰囲気か、スタッフの対応は丁寧かなど、クリニック全体の雰囲気と自分との相性も確認しておくと良いでしょう。

クリニック選びで比較すべきポイント

比較項目確認すべき内容
医師の実績専門医資格の有無、症例数、得意な施術
カウンセリング説明の分かりやすさ、質問への対応、リスク説明の有無
料金体系料金が明確か、追加費用の有無、アフターケアの費用

料金体系の明確さとアフターフォロー

治療にかかる費用は、施術料金だけでなく、カウンセリング料、麻酔代、薬代、そして術後の検診やケアにかかる費用など、総額でいくらになるのかを事前に明確に提示してくれるクリニックを選びましょう。

「追加でこの費用が必要です」と後から言われることのないよう、料金体系が明瞭なところを選ぶのが安心です。

また、万が一、施術後に何らかのトラブルが起きた際のアフターフォロー体制が整っているかどうかも、必ず確認しておきたい重要なポイントです。

複数のクリニックで相談する

一つのクリニックの話だけを鵜呑みにせず、できれば2〜3つのクリニックでカウンセリングを受けてみることをお勧めします。

それぞれのクリニックで異なる診断や治療法の提案を受けることで、より多角的な視点から自分の状態を理解し、比較検討することができます。

複数の医師の意見を聞くことで、最も自分に合っていて、信頼できると感じるクリニックと医師を見つけることができるでしょう。

生まれつきのゴルゴ線に関するよくある質問

ここでは、生まれつきのゴルゴ線やその治療に関して、多くの方が疑問に思う点についてお答えします。

ゴルゴ線の治療に痛みはありますか?

注入治療の場合、注射針を刺す際にチクッとした痛みを感じます。

しかし、多くのクリニックでは、施術前に麻酔クリームを塗布したり、痛みを緩和する成分が含まれた製剤を使用したり、極細の針を用いるなどの工夫をしていますので、多くの方が我慢できる程度の痛みです。

痛みに弱い方は、カウンセリングの際に遠慮なく医師に相談してください。HIFUなどの照射治療は、皮膚の奥に響くような熱感や軽い痛みを感じることがあります。

治療後のダウンタイムはどのくらいですか?

治療法によって異なります。ヒアルロン酸注入の場合、ダウンタイムはほとんどありませんが、まれに内出血や腫れが出ることがあり、その場合は数日から1週間程度で治まります。

脂肪注入の場合は、注入部位の腫れや内出血に加えて、脂肪を吸引した部位にも痛みや腫れ、内出血が生じ、回復に1〜2週間程度かかることがあります。

HIFUや糸リフトも、軽い腫れや赤み、引きつれ感などが数日間続く場合がありますが、いずれもメイクでカバーできることがほとんどです。

効果はいつから実感できますか?

ヒアルロン酸注入や脂肪注入は、くぼみが物理的に持ち上がるため、施術直後から効果を実感できます。

ただし、施術直後は麻酔や腫れの影響で少し膨らみすぎているように感じることもあります。

最終的な仕上がりは、腫れが完全に引く1〜2週間後が目安となります。

HIFUの場合は、施術直後にも引き締まりを実感できますが、コラーゲンが再構築されることで効果が最大化するのは、施術後1〜3ヶ月経ってからです。

治療を受けられない場合はありますか?

妊娠中・授乳中の方、治療部位に皮膚疾患や感染症がある方、血液をサラサラにする薬を服用している方、重篤なアレルギー体質の方などは、治療を受けられない場合があります。

また、持病がある方は、必ずカウンセリングの際に医師に申告し、治療が可能かどうかを判断してもらう必要があります。

安全に治療を受けるためにも、ご自身の健康状態について正確に伝えることが大切です。

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この記事を書いた人

Dr.寺井美佐栄のアバター Dr.寺井美佐栄 ミサクリニック 六本木本院 院長

日本抗加齢医学会認定専門医。日本美容皮膚科学会、日本レーザー医学会、日本産業衛生学会専門医。
複数の大手美容皮膚科で10年以上の院長経験を経て、2022年9月にMiSA Clinic(ミサクリニック)を開業。YouTube等でも発信してきた、メスを使わずに”ナチュラルなキレイ”を引き出す技術には定評があり、ありがたいことに「SNSを見ました!」という方や、紹介・口コミ経由でたくさんのご相談を頂いてきました。皆様と共に、MiSA Clinicスタッフ一同、共に年を重ね、末永くお付き合いできる関係を目指して参ります。

資格
アラガン社ボトックスビスタ認定医
アラガン社ヒアルロン酸注入認定医

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