なぜ目の下はくぼむの?原因別にみる改善策|自力でできるマッサージから治療まで解説

なぜ目の下はくぼむの?原因別にみる改善策|自力でできるマッサージから治療まで解説

ふと鏡を見たとき、目の下のくぼみが気になったことはありませんか。疲れているように見えたり、実年齢より老けた印象を与えたりと、多くの女性を悩ませる目の下のくぼみ。

その原因は一つではなく、加齢や骨格、生活習慣など様々です。

この記事では、目の下がくぼんでしまう原因を詳しく掘り下げ、ご自身でできるマッサージなどのセルフケアから、美容クリニックでの専門的な治療法まで、幅広く解説します。

あなたの悩みに合った改善策を見つけるための、確かな情報をお届けします。

目次

そもそも「目の下のくぼみ」とは?

多くの人が「クマ」と混同しがちな「目の下のくぼみ」。まずは、その正体と見た目に与える影響について正しく理解することが、改善への第一歩です。

目の下のくぼみの正体

目の下のくぼみは、眼球を支えている「眼窩(がんか)」という骨のへりに沿って、皮膚が落ち込んで見える状態を指します。

目の周りの皮膚は非常に薄くデリケートなため、加齢や遺伝的な要因、生活習慣など、些細なことで変化が現れやすい部分です。このくぼみができると、その部分が影になり、暗く疲れた印象を与えてしまいます。

これは「影クマ」とも呼ばれ、一般的な血行不良による青クマや色素沈着による茶クマとは異なるものです。

くぼみが引き起こす見た目の印象

目の下にくぼみがあると、実際の体調とは関係なく、周囲にネガティブな印象を与えてしまうことがあります。

具体的には、「疲れている」「寝不足」「老けて見える」「不健康そう」といったイメージにつながりやすいです。

メイクで隠そうとしても、くぼみによる影は光の当たり方で目立ってしまうため、コンシーラーだけでは完全にカバーしきれないことが多いのも特徴です。

見た目の印象まとめ

くぼみがある場合の印象改善された場合の印象
疲れて見える元気で生き生きして見える
老けて見える若々しく見える
不健康そうに見える健康的で明るい印象になる

クマとの違い

目の下の悩みとして一括りにされがちな「クマ」と「くぼみ」ですが、原因と対処法が異なります。クマは主に「青クマ」「茶クマ」「黒クマ(影クマ)」の3種類に分けられます。

このうち、目の下のくぼみが原因でできる影が「黒クマ」にあたります。青クマは血行不良、茶クマは色素沈着が原因であり、マッサージや美白ケアで改善が期待できる場合があります。

しかし、黒クマは皮膚の構造的な問題であるため、根本的な改善には異なるアプローチが必要です。

なぜ目の下はくぼみやすいのか

目の周りの皮膚は、頬の皮膚の3分の1から4分の1程度の厚さしかなく、非常にデリケートです。また、皮脂腺が少なく乾燥しやすいため、ハリや弾力が失われやすいという特徴があります。

さらに、眼球をクッションのように支える眼窩脂肪が存在し、この脂肪やそれを支える組織が変化することで、くぼみやたるみが生じやすくなります。

これらの理由から、顔の中でも特にエイジングサインが現れやすい部位なのです。

なぜくぼむの?目の下のくぼみの主な原因

目の下のくぼみは、単一の原因ではなく、複数の要因が絡み合って発生します。ご自身の原因がどれに当てはまるかを知ることで、適切な対策が見えてきます。

加齢による構造的な変化

年齢を重ねることは、目の下のくぼみができる最も大きな原因の一つです。肌の内部で起こる構造的な変化が、見た目に影響を与えます。

眼窩脂肪(がんかしぼう)の突出

眼球の下には、クッションの役割を果たす眼窩脂肪があります。この脂肪を支えているのが、眼輪筋という目の周りの筋肉や、ロックウッド靭帯という支持組織です。

加齢によってこれらの筋力や支持組織が衰えると、眼窩脂肪を支えきれなくなり、前方に押し出されてきます。この突出した脂肪(目袋)の下に影ができ、くぼみとして認識されるのです。

これが「黒クマ」の典型的な状態です。

皮膚のたるみとコラーゲンの減少

肌のハリや弾力を保つために重要なコラーゲンやエラスチンは、加齢とともに減少し、質も低下します。これにより、目の下の薄い皮膚はハリを失い、たるみやすくなります。

皮膚がたるむことで、元々あった骨格との段差がより強調され、くぼみが深く見えるようになります。紫外線や乾燥も、コラーゲンの減少を加速させる要因となるため注意が必要です。

加齢による変化のポイント

要因内容結果
筋肉・靭帯の衰え眼窩脂肪を支える力が弱まる脂肪が突出し、影(くぼみ)ができる
コラーゲン減少皮膚のハリ・弾力が失われる皮膚がたるみ、くぼみが目立つ
骨の萎縮加齢で眼窩周辺の骨が痩せる土台が減り、皮膚が落ち込みやすくなる

骨格・遺伝的な要因

生まれつきの骨格によって、目の下がくぼんで見えやすい人もいます。例えば、頬骨の位置が低い、あるいは眼窩が相対的に大きい骨格の場合、若い頃から目の下に影ができやすい傾向があります。

これは病気や不調ではなく、あくまで個人の骨格的な特徴です。親や兄弟姉妹に同じような悩みを抱えている人がいる場合、遺伝的な要因が関係している可能性が高いでしょう。

生活習慣の乱れ

日々の生活習慣も、目の下のくぼみを助長する原因となります。特に、血行不良や目の酷使は大きく影響します。

睡眠不足と血行不良

睡眠不足は、全身の血行を悪化させます。目の周りには毛細血管が集中しており、血行不良になると血液が滞り、うっ血状態になります。

これが青クマの原因となるだけでなく、肌細胞への酸素や栄養の供給が滞るため、肌のターンオーバーが乱れ、ハリの低下につながります。結果として、くぼみが目立ちやすくなるのです。

長時間のPC・スマホ利用

パソコンやスマートフォンを長時間見続けると、まばたきの回数が減少し、目の周りの筋肉(眼輪筋)が凝り固まります。眼輪筋の緊張は血行不良を招き、目の疲れを蓄積させます。

また、画面を長時間見つめることで眼精疲労が起こり、目の周りの組織全体の健康状態を損なうことにもつながり、くぼみの悪化を招く可能性があります。

間違ったスキンケア

良かれと思って行っているスキンケアが、逆効果になっていることもあります。目の下の皮膚は非常に薄いため、強い摩擦は厳禁です。

クレンジングや洗顔の際にゴシゴシと擦ったり、マッサージで力を入れすぎたりすると、皮膚が伸びてたるみの原因になったり、色素沈着(茶クマ)を引き起こしたりする可能性があります。

アイメイクを落とす際は、専用のリムーバーを使い、優しくなでるようにオフすることが大切です。

【セルフケア編】自分でできる目の下のくぼみ改善策

目の下のくぼみの原因が生活習慣や初期のエイジングサインである場合、セルフケアで印象を改善できる可能性があります。毎日の積み重ねが重要です。

毎日のスキンケアを見直す

日々のスキンケアは、肌の健康を保つ基本です。特に目の周りは、重点的なケアを心がけましょう。

保湿の徹底とアイクリームの活用

目の周りは皮脂腺が少なく乾燥しやすいため、保湿が非常に重要です。乾燥は小じわの原因となり、くぼみを一層深く見せてしまいます。

化粧水や乳液での保湿はもちろんのこと、目の周り専用のアイクリームを取り入れることをお勧めします。

アイクリームには、セラミドやヒアルロン酸などの高保湿成分や、レチノールやナイアシンアミドなど、ハリを与える成分が配合されているものが多いです。

塗る際は、薬指の腹を使って、優しくポンポンと叩き込むように馴染ませましょう。

おすすめの保湿・ハリ成分

成分名期待できる効果
セラミド肌のバリア機能をサポートし、水分を保持する
ヒアルロン酸高い保水力で、肌にうるおいとハリを与える
レチノールコラーゲンの生成を促し、肌の弾力を高める
ナイアシンアミドコラーゲン生成促進、血行促進、美白効果など

紫外線対策の重要性

紫外線(UV-A)は、肌の奥深く(真皮層)まで到達し、コラーゲンやエラスチンを破壊する最大の要因です。これにより肌の弾力が失われ、たるみやくぼみにつながります。

季節や天候に関わらず、紫外線対策は一年中行いましょう。日焼け止めを塗る際は、目の周りも忘れずに、優しく塗布してください。サングラスやUVカット機能のある帽子、日傘の活用も効果的です。

目の疲れを和らげるマッサージ

目の周りの筋肉をほぐし、血行を促進するマッサージは、くぼみやクマの改善に役立ちます。ただし、やり方を間違えると逆効果になるため、正しい方法で行うことが大切です。

正しいマッサージの方法

マッサージは、必ずアイクリームやオイルなどを塗って、指の滑りを良くした状態で行います。摩擦は絶対に避けましょう。

  1. 目頭の下の骨のくぼみを、薬指の腹で優しく3秒ほどプッシュします。
  2. 目の下の骨に沿って、目尻まで4〜5か所、優しくプッシュしていきます。
  3. こめかみを優しく指圧し、血行を促進します。
  4. 蒸しタオルで目元を温めると、さらに効果が高まります。

これらの動作を、気持ち良いと感じる程度の圧で行うのがポイントです。痛みを感じるほど強く押すのはやめましょう。

マッサージを行う際の注意点

項目注意点
力加減皮膚が動かない程度の、ごく優しい圧で行う
摩擦必ずクリームやオイルを使用し、滑りを良くする
頻度毎日行う場合は、1回1分程度に留める

生活習慣の改善

内側からのケアも、目の下のくぼみ改善には欠かせません。バランスの取れた生活を心がけましょう。

質の良い睡眠を確保する

睡眠中は、肌の修復や再生を促す成長ホルモンが分泌されます。特に、入眠後最初の3時間が「ゴールデンタイム」と呼ばれ重要です。

毎日6〜8時間の睡眠時間を確保するよう努め、就寝前にスマートフォンを見るのを控える、リラックスできる音楽を聴くなど、睡眠の質を高める工夫を取り入れましょう。

栄養バランスの取れた食事

肌は食べたもので作られます。タンパク質、ビタミン、ミネラルをバランス良く摂取することが、健康な肌を保つ基本です。

特に、血行を促進するビタミンE(アーモンド、かぼちゃなど)や、肌のハリを保つコラーゲンの生成を助けるビタミンC(パプリカ、ブロッコリーなど)、鉄分(レバー、ほうれん草など)を意識して摂ると良いでしょう。

セルフケアの限界と注意点

熱心にセルフケアを続けても、なかなか改善が見られないこともあります。それは、くぼみの原因がセルフケアで対処できる範囲を超えているのかもしれません。

セルフケアで改善できる範囲

セルフケアで改善が期待できるのは、主に血行不良や乾燥、生活習慣の乱れが原因の軽度のくぼみです。

これらの要因によって一時的に目立っているくぼみは、保湿やマッサージ、生活習慣の見直しによって、ある程度改善する可能性があります。

しかし、根本的な原因が加齢による脂肪の突出や骨格の構造にある場合、セルフケアだけで完全に解消するのは難しいのが現実です。

セルフケアは、あくまで「現状を悪化させない」「軽度の症状を緩和する」ための手段と捉えるのが良いでしょう。

間違ったマッサージのリスク

目の下のくぼみを早く治したい一心で、自己流の強いマッサージを続けることは非常に危険です。

強い力で皮膚を引っ張ったり擦ったりすると、皮膚を支えている繊細な線維が伸びてしまい、たるみを悪化させる原因になります。

また、摩擦によって色素沈着(茶クマ)を引き起こすこともあります。マッサージは必ず正しい方法で、優しく行うことを徹底してください。

セルフケアの〇と△

ケアの種類改善が期待できる症状注意が必要な症状
保湿・UVケア乾燥による小じわ、ハリ不足全ての症状において基本となるケア
マッサージ・温め血行不良による青クマ、むくみ脂肪の突出や皮膚のたるみには限定的
生活習慣改善睡眠不足や栄養不足による肌状態の悪化骨格や加齢による構造的問題には効果なし

改善が見られない場合の選択肢

数ヶ月間セルフケアを続けても一向に改善しない、あるいは年々くぼみが深くなっているように感じる場合は、美容医療を検討するタイミングかもしれません。

美容クリニックでは、セルフケアではアプローチできない皮膚の深い層や脂肪組織に直接働きかける治療が可能です。専門の医師に相談することで、自分の症状に合った最適な解決策が見つかるでしょう。

【美容医療編】クリニックで受けられる目の下のくぼみ治療

美容医療には、目の下のくぼみを改善するための様々な治療法があります。ここでは、代表的な治療法の特徴やメリット・デメリットを解説します。

ヒアルロン酸注入

手軽に受けられる治療として人気が高いのが、ヒアルロン酸注入です。

特徴と効果

ヒアルロン酸は、もともと体内に存在する保湿成分です。これをくぼみが気になる部分に注射器で注入し、皮膚を内側から持ち上げることで、くぼみや段差を目立たなくさせます。

施術時間が10分〜15分程度と短く、メスを使わないため、ダウンタイムがほとんどないのが大きな特徴です。注入直後から効果を実感しやすく、手軽に若々しい印象を取り戻したい方に適しています。

メリットとデメリット

メリットは、施術の手軽さと即効性です。一方、デメリットとしては、ヒアルロン酸が時間とともに体内に吸収されるため、効果が永久的ではない点が挙げられます。

効果の持続期間は使用する製剤や個人差によりますが、半年から1年程度が目安です。

また、注入技術によっては表面が凸凹したり、青白く透けて見えたりする(チンダル現象)リスクもあります。経験豊富な医師を選ぶことが重要です。

脂肪注入

自身の脂肪を利用して、より自然な仕上がりを目指す治療法です。

特徴と効果

自分自身の太ももやお腹などから採取した脂肪を、目の下のくぼんだ部分に注入する方法です。自分の組織を使うため、アレルギー反応のリスクが極めて低いのが特徴です。

注入した脂肪の一部は定着し、半永久的な効果が期待できます。ヒアルロン酸に比べて、より自然で滑らかな仕上がりになりやすいとされています。

メリットとデメリット

メリットは、安全性の高さと効果の持続性です。定着すれば長期的な効果が見込めます。

デメリットは、脂肪を採取する部位にもダウンタイム(腫れや内出血)が生じること、そして注入した脂肪の定着率に個人差があることです。

定着しなかった脂肪は吸収されてしまうため、場合によっては追加の注入が必要になることもあります。また、ヒアルロン酸注入に比べて費用が高くなる傾向があります。

下眼瞼脱脂術(経結膜脱脂法)

目の下のふくらみ(目袋)が原因でくぼみができている場合に、根本的な改善が期待できる手術です。

特徴と効果

下まぶたの裏側(結膜側)を小さく切開し、そこから突出している原因の眼窩脂肪を取り除く手術です。皮膚の表面に傷が残らないため、傷跡の心配がありません。

脂肪の突出がなくなることで、目の下の段差がフラットになり、くぼみや影が改善されます。一度取り除いた脂肪は再生しないため、効果は半永久的です。

メリットとデメリット

最大のメリットは、原因を根本から取り除くため、再発のリスクが低く効果が長期間持続することです。デメリットは、手術であるため、1〜2週間程度のダウンタイム(腫れ、内出血など)があることです。

また、脂肪を取りすぎてしまうと、逆にかえってくぼみが深くなってしまうリスクがあるため、医師の技術力が非常に重要になります。

たるみが強い場合は、脱脂だけでは皮膚の余りが目立ってしまうため、皮膚を切除する手術との組み合わせが必要になることもあります。

代表的な治療法の比較

治療法効果の持続期間ダウンタイム
ヒアルロン酸注入約半年〜1年ほとんどない(内出血の可能性あり)
脂肪注入半永久的(定着すれば)1〜2週間程度
下眼瞼脱脂術半永久的1〜2週間程度

その他の治療法

上記以外にも、肌の再生能力を利用したPRP皮膚再生療法や、高周波(RF)や超音波(HIFU)を用いたリフトアップ治療などがあります。

これらの治療は、特に皮膚のハリや弾力の低下が気になる場合に適しています。

どの治療が自分に合っているかは、症状や原因によって異なるため、まずは専門のクリニックでカウンセリングを受けることが大切です。

自分に合った治療法の選び方

多くの選択肢の中から、自分にとって最善の治療法を選ぶためには、いくつかのポイントがあります。

原因と症状で選ぶ

まずは自分の目の下のくぼみが、どのタイプなのかを正しく知ることが重要です。

単に皮膚が痩せているだけなのか、脂肪が突出しているのか、皮膚がたるんでいるのかによって、適した治療法は異なります。

  • 軽度のくぼみ、ボリューム不足 → ヒアルロン酸注入、脂肪注入
  • 脂肪の突出(目袋)が目立つ → 下眼瞼脱脂術
  • 皮膚のたるみ、小じわが気になる → リフトアップ治療、PRP皮膚再生療法

多くの場合はこれらの原因が複合しているため、カウンセリングで医師に診断してもらい、最適な治療法を提案してもらうのが確実です。

ダウンタイムや費用で比較する

治療法を選ぶ上では、現実的な側面も考慮に入れる必要があります。仕事やプライベートのスケジュールを考え、どのくらいのダウンタイムなら許容できるかを考えましょう。

週末の休みで乗り切りたいのか、1週間程度の休みが取れるのかによって、選択できる治療は変わってきます。また、治療にかかる費用もクリニックや治療法によって大きく異なります。

カウンセリングの際に、総額でいくらかかるのか、追加費用の有無などをしっかりと確認することが大切です。

信頼できるクリニック選びのポイント

最も重要なのは、信頼できる医師とクリニックを見つけることです。安さだけで選ぶのではなく、以下の点をチェックしましょう。

  • カウンセリングが丁寧で、親身に話を聞いてくれるか
  • メリットだけでなく、リスクやデメリットもきちんと説明してくれるか
  • 症例写真が豊富で、自分の理想に近い仕上がりのものがあるか
  • アフターフォローの体制が整っているか

いくつかのクリニックでカウンセリングを受け、比較検討することで、安心して治療を任せられる場所を見つけやすくなります。

目の下のくぼみに関するよくある質問

最後に、目の下のくぼみに関して多くの方が抱く疑問にお答えします。

くぼみは一度できたら自力では治りませんか?

原因によります。睡眠不足や疲労による一時的な血行不良が原因の軽いくぼみであれば、セルフケアや生活習慣の改善で目立たなくなる可能性はあります。

しかし、加齢による脂肪の突出や皮膚の構造的なたるみが原因の場合、セルフケアだけで完全に元の状態に戻すことは困難です。

現状維持や悪化の予防は可能ですが、根本的な改善を目指すなら美容医療の力を借りるのが現実的な選択肢となります。

若いのに目の下がくぼむのはなぜですか?

20代や30代前半で目の下のくぼみが気になる場合、遺伝的な骨格の影響が大きいと考えられます。

もともと頬骨が低い、眼窩が大きいなどの骨格的な特徴があると、若い頃から影ができやすく、くぼんで見えやすいです。

また、長時間のデスクワークによる眼精疲労や、スマートフォンの見過ぎによる血行不良、急激なダイエットによる顔の脂肪減少なども、若年層のくぼみの原因となり得ます。

治療後に気をつけることはありますか?

どの治療を受けたかによって異なりますが、共通して言えるのは、術後しばらくは血行が良くなる行為(長時間の入浴、激しい運動、飲酒など)を避けることです。

これらは腫れや内出血を長引かせる原因になります。また、施術部位を強く擦ったり、圧迫したりしないように注意が必要です。

詳細な注意点については、治療を受けるクリニックの指示に必ず従ってください。

男性でも目の下のくぼみ治療は受けられますか?

もちろん可能です。目の下のくぼみやクマは、性別に関係なく多くの方が悩んでいる症状です。

近年、男性の美容意識も高まっており、ビジネスシーンでの印象を良くしたいなどの理由で、治療を受ける男性は増えています。

クリニックも男性の患者を歓迎しているところがほとんどですので、気兼ねなく相談してみてください。

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この記事を書いた人

Dr.寺井美佐栄のアバター Dr.寺井美佐栄 ミサクリニック 六本木本院 院長

日本抗加齢医学会認定専門医。日本美容皮膚科学会、日本レーザー医学会、日本産業衛生学会専門医。
複数の大手美容皮膚科で10年以上の院長経験を経て、2022年9月にMiSA Clinic(ミサクリニック)を開業。YouTube等でも発信してきた、メスを使わずに”ナチュラルなキレイ”を引き出す技術には定評があり、ありがたいことに「SNSを見ました!」という方や、紹介・口コミ経由でたくさんのご相談を頂いてきました。皆様と共に、MiSA Clinicスタッフ一同、共に年を重ね、末永くお付き合いできる関係を目指して参ります。

資格
アラガン社ボトックスビスタ認定医
アラガン社ヒアルロン酸注入認定医

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