糸リフトでフェイスラインを出す本数は?Vラインを作る引き上げ方のコツ

糸リフトでフェイスラインを出す本数は?Vラインを作る引き上げ方のコツ

糸リフトでフェイスラインを出すときの本数は、たるみの程度と狙う部位で決まり、片側3〜5本前後が一つの目安になります。多く入れるほど効果が伸びるわけではありません。

Vラインづくりで効いてくるのは本数そのものより、引き上げる方向と糸を通す層の設計です。耳の上方へ向けて余った組織をたぐり寄せる引き方が、自然な輪郭につながります。

本数の決め方から引き上げ方のコツ、効果がどのくらい持続するのか、ダウンタイムやリスク、ほかのたるみ治療との違いまで、20代から70代の方が判断材料にできるよう順に整理しました。

目次

本数は多いほど効くわけではない|糸リフトでフェイスラインを出す本数の目安

片側に多くの糸を入れた人と少なめにとどめた人を比べた研究では、引き上がり方や満足度に大きな差は出ませんでした。本数を増やすほど効くという思い込みは、いったん手放して大丈夫です。

狙う部位片側の本数の目安主な狙い
頬・中顔面2〜4本ほうれい線とこけの改善
あごライン2〜3本もたつきとVライン形成
あご下・首2〜4本二重あごのもたつき

片側3〜5本が一つの目安になる理由

フェイスライン全体を整える場合、片側でおよそ3〜5本というのが診察でよく選ぶ本数です。頬とあごラインを別々に支える必要があるため、1本では引き上げる力も範囲も足りません。

ただしこの数字は、あくまで中等度のたるみを想定した目安にすぎません。皮膚のゆるみが軽い方なら2本前後でも輪郭は変わりますし、強い方ほど本数は増えていきます。

本数を増やしても持続は比例しない

糸を多く入れれば長持ちする、とは限りません。本数を倍にしても、数週間後の引き上がりや患者さんの満足度はほとんど変わらなかったという比較試験があります。

大切なのは入れた本数ではなく、たるんだ組織をどれだけ的確な層でとらえられたかです。やみくもに増やすと費用も腫れも大きくなり、得られるものとの釣り合いが崩れてしまいます。

あなたに合う本数はたるみの程度で変わる

同じVラインを目指しても、必要な本数は人によってかなり違います。骨格や脂肪のつき方、皮膚のたるみ具合をみたうえで、医師が一人ひとり設計するものだと考えてください。

カウンセリングで「とりあえず◯本」と本数だけが先に決まる説明には、少し慎重になってよいでしょう。まず仕上がりの目標があり、そこから逆算して本数が決まる順番が自然です。

本数は途中で足すこともできます。最初は控えめに入れて経過をみて、物足りなければ次の機会に補う進め方なら、入れすぎによる不自然さを避けながら、理想の輪郭へ近づけます。

糸リフトがたるんだフェイスラインを引き上げる仕組み

糸リフトは、とげのついた糸で皮膚の下の組織を引っかけ、上方へ寄せて留める治療です。物理的に持ち上げる力と、糸が刺激するコラーゲンの2つで輪郭を支えます。

コグが組織を引っかけて持ち上げる

糸の表面には「コグ」と呼ばれる細かいとげが刻まれています。このとげが皮下の組織に食い込み、たるんで下がった脂肪や皮膚を引き上げる方向に固定してくれます。

切らずに細い針で挿入するため、傷はほとんど残りません。施術そのものは30分前後で終わることが多く、その日のうちに帰宅できる手軽さが、多くの方に選ばれる理由です。

糸が溶けたあとも続くコラーゲン産生の働き

吸収される糸は、数か月かけて体内で少しずつ分解されていきます。糸が消えても効果がすぐ終わらないのは、挿入された刺激に反応して、まわりにコラーゲンが作られるからです。

この働きで肌に薄い支えの層が残り、引き締まった感触がしばらく保たれます。糸リフトが単なる吊り上げで終わらず、肌質の変化まで期待される背景です。

糸リフトの種類と素材(PDO・PLLA・PCL)

糸の素材はいくつかあり、体内にとどまる期間が異なります。日本で広く使われるPDO(ポリジオキサノン)は分解が比較的早く、PLLAやPCLはより長くコラーゲンを刺激します。

素材ごとに持続や費用感、肌への刺激の強さが変わってきます。どれが向くかは、たるみの程度と求める仕上がり次第なので、医師と相談しながら選ぶとよいでしょう。

  • PDO(ポリジオキサノン)|分解が早めで、初めての方が試しやすい
  • PLLA(ポリ乳酸)|コラーゲンへの刺激が長く続きやすい
  • PCL(ポリカプロラクトン)|吸収が緩やかで、支えが長く残りやすい

いずれの素材も体内で吸収される糸であり、入れたものがずっと残り続けるわけではありません。だからこそ持続には限りがあり、定期的な受け直しが前提になります。

Vラインを作る引き上げ方のコツと糸を通す向き

Vラインの決め手は、本数より引き上げる方向です。下がった頬やあごの組織を、こめかみから耳の上方へ向けてたぐり寄せると、横顔のラインがすっと締まって見えます。

引き上げる方向は耳の上方へ向けるのがコツ

たるみは重力で真下に落ちるため、引き戻す向きは斜め上が基本になります。あごのもたつきは耳の付け根あたりへ、頬のこけは少し外側の上方へと、部位ごとに角度を変えて設計します。

方向を間違えると、頬だけが不自然に外へ張ったり、口元が引きつれたりします。仕上がりの自然さは、糸を通すルートをどう描くかで大きく左右されると言ってよいでしょう。

引き上げたい部分の少し奥から糸を通し、こめかみ側でしっかり留めるのが基本の形です。皮膚の浅すぎる層を通すと表面が凸凹しやすいため、適切な深さを保つ技術が仕上がりを支えます。

フェイスラインと頬を別々に設計する

フェイスラインのもたつきと頬のたるみは、原因も落ちる方向も違います。同じ糸でまとめて引こうとせず、あご用と頬用に分けて本数とルートを組むほうが、輪郭はきれいに出ます。

あごラインには口角の脇からあご下のもたつきを支える糸を、頬には中顔面を持ち上げる糸を配置します。役割を分けることで、本数を増やしすぎずにVラインを引き出せます。

狙う部位引き上げる向き仕上げのコツ
あごライン耳の付け根へ斜め上もたつきを面でとらえる
頬・中顔面外側のこめかみへこけを作らず自然に
口角まわりほぼ真上へ引きつれを避ける

左右差を防ぐ本数とデザインの組み立て

顔はもともと左右非対称で、たるみ方にも差があります。同じ本数を機械的に左右へ入れると、かえって差が目立つことがあるため、ゆるみの強い側を厚めに支える調整が要ります。

仕上がりを左右するのは、本数の多さより配置のていねいさです。鏡の前で表情を動かしながら、引きつれや段差が出ない位置を確かめて入れていく作業が結果を決めます。

頬・あごライン・首で必要になる糸リフトの本数の違い

同じ糸リフトでも、狙う部位が変われば必要な本数も入れ方も変わります。頬は面で、あごラインは輪郭で、首は適応を選んで、と部位ごとに考え方を切り替える必要があります。

頬のたるみは中顔面を中心に設計する

頬のたるみは、ほうれい線やゴルゴ線として表に出てきます。中顔面の脂肪を上方へ戻すように糸を通すと、ほうれい線が浅くなり、顔全体が持ち上がった印象に変わります。

頬は範囲が広いぶん、片側2〜4本ほど使うことが多い部位です。ただ入れすぎると不自然な丸みが出るため、もとの骨格に合わせて控えめに留めるほうが品よく仕上がります。

もたつくあごラインと二重あごへのアプローチ

フェイスラインのもたつきは、Vラインを濁らせる一番の原因です。あご下からえらにかけて下がった組織を、後方の斜め上へ引き上げると、横顔の輪郭がはっきりしてきます。

二重あごが脂肪由来の場合、糸リフトだけでは変化が出にくいこともあります。皮膚のたるみが主な原因なのか、脂肪が多いのかで打つ手が変わるので、見立てが結果を分けます。

首のたるみは適応が限られる

首やあご下の深いたるみは、糸リフトの効果が出にくい部位です。皮膚のゆるみが強かったり、脂肪や筋肉のたるみが主体だったりすると、糸だけでは支えきれません。

軽いもたつきなら数本で印象は変わりますが、無理に本数で押し切るのはおすすめしません。適応を外れる場合は、別の治療や外科的な方法を提案されることもあります。

  • 頬|ほうれい線・ゴルゴ線・こけ
  • あごライン|もたつき・たるみによる丸み
  • あご下・首|二重あご・輪郭のぼやけ

どの部位を優先するかで、入れる本数の配分は大きく変わります。気になる場所をすべて欲張るより、輪郭への効きが大きいあごラインから整える進め方が、満足につながりやすいといえます。

糸リフトの効果はどのくらい持続する?フェイスラインが戻る時期

糸リフトは一度で半永久的に若返る治療ではありません。引き上げの効果は永続せず、半年から1年半ほどかけて少しずつもとへ戻っていくのが一般的です。

持続の目安は半年〜1年半ほど

効果がどのくらい続くかは、使う糸の素材で変わります。分解の早いPDOで半年から1年、長く刺激が続くPLLAやPCLで1年から1年半ほどが、おおまかな目安になります。

挿入直後がもっとも引き上がり、そこから時間とともに少しずつ落ち着いていきます。糸が支える力と、新しく作られたコラーゲンの量が、戻るまでの期間を左右します。

糸の素材持続の目安特徴
PDO半年〜1年初めての方が試しやすい
PLLA1年〜1年半コラーゲン刺激が長い
PCL1年〜1年半吸収が緩やかで支えが続く

戻りを左右する要素(たるみの程度・年齢・生活習慣)

同じ糸を入れても、戻る早さには個人差があります。もともとのたるみが強い方や年齢が高い方ほど、組織を支える力が落ちているため、効果が抜けるのも早くなりがちです。

日々の習慣も無関係ではありません。急な体重の増減や強い紫外線、うつむき姿勢の長時間化は、せっかく整えた輪郭の戻りを早める要因になります。

効果を長持ちさせる受け直しの間隔

効果を保ちたいなら、完全に戻りきる前に受け直すのが現実的です。糸が支えとコラーゲンを残している段階で重ねると、土台が積み上がり、前回より長持ちしやすくなります。

受け直しの間隔は、半年から1年ごとに見直す方が多い印象です。毎回フルで入れ直すより、減った支えを補う形で本数を調整すると、体への負担も費用も抑えられます。

受け直すたびにコラーゲンの土台が少しずつ厚くなるため、続けるほど一度に必要な本数が減っていく方もいます。あせって本数を盛るより、年単位で計画を組むほうが結果的に効率的だといえます。

糸リフトのダウンタイムと起こりうるリスク・失敗例

「腫れて仕事に行けないのでは」と不安に思う方は多いはずです。実際のダウンタイムは比較的軽く、吸収糸での重い合併症は5%未満という報告がありますが、ゼロではありません。

腫れ・内出血・つっぱり感などの一般的な反応

施術後の数日は、腫れや軽い内出血、引っぱられるようなつっぱり感が出やすい時期です。多くは1〜2週間で自然に落ち着き、日常生活そのものは翌日から送れることがほとんどです。

痛みは麻酔で抑えられ、術後もうずく程度にとどまる方が大半でしょう。腫れを長引かせないために、当日の激しい運動や飲酒、長湯は控えておくと安心です。

主な反応起こりやすさ落ち着く目安
腫れ・むくみよくある数日〜1週間
内出血ときどき1〜2週間
つっぱり感よくある2週間前後

引きつれ・左右差・糸の露出といったトラブル

頻度は高くないものの、注意したいトラブルもあります。引きつれやえくぼのようなくぼみ、左右差、まれに糸の先が透けたり触れたりする露出が起こることがあります。

その多くは、糸を通す層や本数の設計、術後の経過観察でかなり防げます。万一気になる症状が出ても、早めに相談すれば調整やフォローで対応できる範囲がほとんどです。

失敗を避けるためのクリニック選びの目

仕上がりの差は、糸の種類より施術者の腕で決まる部分が大きいといえます。顔の解剖を熟知し、引き上げる方向を立体で描ける医師に任せることが、何よりの失敗対策です。

本数や費用だけで決めず、リスクや戻りまで正直に説明してくれるかを確かめてください。安さや本数の多さを前面に出す宣伝には、いったん立ち止まる冷静さがあってよいでしょう。

糸リフトとほかのたるみ治療の違いと選び方

たるみ治療に唯一の正解はなく、糸リフトはあくまで選択肢の一つです。引き上げる力は外科手術に及びませんが、切らずに輪郭を整えたい方には、ちょうどよい中間の手段になります。

切る治療と切らない治療の差

外科的なフェイスリフトは、皮膚やその下の層を直接動かすため、効果が大きく長く続きます。そのぶん傷やダウンタイム、費用の負担も大きく、誰にでも勧められるわけではありません。

糸リフトは切らずに行え、回復も早い代わりに、変化の幅と持続は控えめです。どちらが上ということではなく、たるみの程度と許容できる負担で選ぶものだと考えてください。

治療引き上げの力向いている方
糸リフト中くらい切らずに輪郭を整えたい方
HIFU・高周波ゆるやか軽いたるみ・予防をしたい方
フェイスリフト手術大きい強いたるみをしっかり治したい方

HIFUや高周波と組み合わせる選択肢

糸リフトと、肌を内側から引き締めるHIFUや高周波は、得意分野が違います。物理的に吊り上げる糸と、肌全体を底上げする照射を合わせると、効果の幅が広がります。

たとえば照射でハリを出してから糸で輪郭を整えると、それぞれ単独より自然な仕上がりを狙えます。順番や間隔は肌の状態で変わるため、計画は医師と一緒に立てるのが安心です。

同じ日にまとめて行うか、期間を空けて段階的に進めるかも、肌の負担を見ながら決めていきます。一度にすべてを詰め込まず、優先順位をつけて組み立てると、ダウンタイムも分散できます。

カウンセリングで何を確かめるべき?

後悔しないために、カウンセリングでは仕上がりの目標を具体的に共有してください。どこを、どのくらい、どんな向きに引き上げるのかを、本数の話より先にすり合わせることが大切です。

あわせて、ダウンタイムや戻る時期、起こりうるリスクの説明も確かめましょう。良い面ばかりでなく、限界まで率直に話してくれる医師ほど、長くつき合える相手だといえます。

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よくある質問

糸リフトの本数が少ないと、効果は出にくいのでしょうか?

本数の多さと効果の高さは、必ずしも一致しません。少ない本数でも、たるみをとらえる層と引き上げる方向が的確なら、輪郭はしっかり変わります。

大切なのは、あなたのたるみに合った設計です。やみくもに増やすより、効きの大きい部位へ過不足なく配置するほうが、自然で満足度の高い仕上がりにつながります。

糸リフトでフェイスラインを出す施術に、強い痛みはありますか?

施術中は局所麻酔を使うため、強い痛みを感じることはほとんどありません。引っぱられる感覚や軽い圧迫感はあっても、我慢が必要なほどではない方が大半です。

術後は数日、うずきやつっぱり感が残ることがあります。痛み止めで和らぐ範囲がほとんどなので、過度に怖がらなくて大丈夫です。気になる痛みが続くときは医師へ相談してください。

糸リフトのダウンタイム中に、メイクや洗顔はしてもよいですか?

洗顔やメイクは、針を刺した部位を強くこすらなければ、翌日から可能なことが多いです。腫れや内出血が気になる時期は、やさしく扱うように心がけてください。

一方で、施術直後の強いマッサージや、口を大きく動かす表情は数週間控えるほうが無難です。固定が落ち着くまでは、糸に余計な力をかけない過ごし方が安心につながります。

糸リフトは、何歳くらいまで受けられますか?

年齢そのものに上限はなく、70代の方が受けることも珍しくありません。判断の基準になるのは年齢より、皮膚や組織が糸の支えに応えられる状態かどうかです。

ただし、たるみが非常に強い場合は糸だけで満足のいく変化を出しにくいこともあります。適応を見立てたうえで、合う治療を医師と一緒に選んでいくとよいでしょう。

糸リフトの効果が切れたあと、たるみは前より悪化しますか?

糸が吸収されても、入れる前より急にたるみが進むことは基本的にありません。効果は時間をかけて少しずつもとの状態へ近づいていく、というのが本当のところです。

むしろ刺激で作られたコラーゲンが、わずかな支えとして残ることもあります。加齢による自然なたるみは続くため、輪郭を保ちたい場合は計画的な受け直しを検討してください。

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この記事を書いた人

Dr.寺井美佐栄のアバター Dr.寺井美佐栄 ミサクリニック 六本木本院 院長

日本抗加齢医学会認定専門医。日本美容皮膚科学会、日本レーザー医学会、日本産業衛生学会専門医。
複数の大手美容皮膚科で10年以上の院長経験を経て、2022年9月にMiSA Clinic(ミサクリニック)を開業。YouTube等でも発信してきた、メスを使わずに”ナチュラルなキレイ”を引き出す技術には定評があり、ありがたいことに「SNSを見ました!」という方や、紹介・口コミ経由でたくさんのご相談を頂いてきました。皆様と共に、MiSA Clinicスタッフ一同、共に年を重ね、末永くお付き合いできる関係を目指して参ります。

資格
アラガン社ボトックスビスタ認定医
アラガン社ヒアルロン酸注入認定医

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