【ヒアルロン酸とは】肌への効果と美容医療での役割をスッキリ整理

【ヒアルロン酸とは】肌への効果と美容医療での役割をスッキリ整理

ヒアルロン酸は、多くの方が化粧品やサプリメントでその名を知っているでしょう。

ヒアルロン酸は、私たちの肌の潤いやハリを保つために、もともと体内に存在する重要な成分です。

しかし、年齢とともに減少してしまうため、乾燥やしわ、たるみといった肌悩みの原因となります。

この記事では、ヒアルロン酸の基本的な知識から、肌への具体的な効果、そして美容医療でどのように活用されているかまで分かりやすく解説します。

目次

そもそもヒアルロン酸とは何か

ヒアルロン酸は美容成分として広く知られていますが、その正体や体内での働きについて正確に理解している方は少ないかもしれません。

まず、ヒアルロン酸がどのような物質で、私たちの体にどう関わっているのか、その基本から見ていきましょう。

ヒアルロン酸の正体は「ムコ多糖類」

ヒアルロン酸は、アミノ酸と糖が結合した「ムコ多糖類」という物質の一種です。

ネバネバとした粘性が特徴で、私たちの体の中のさまざまな場所に存在しています。

特に皮膚や関節、眼球などに多く含まれており、細胞と細胞の間でクッションのような役割を果たしたり、組織の潤滑性を高めたりする働きを担っています。

化学的には、N-アセチルグルコサミンとグルクロン酸という2種類の糖が交互に長く連なった構造をしています。この構造が、ヒアルロン酸の持つ優れた保水力の源となっています。

体内でのヒアルロン酸の分布

ヒアルロン酸は体内のあらゆる組織に存在しますが、特にその濃度が高いのは皮膚です。

実に体内に存在するヒアルロン酸の約半分が皮膚に集中していると言われています。

皮膚以外では、関節の動きを滑らかにする関節液や、眼球の硝子体(しょうしたい)に多く含まれ、それぞれの器官が正常に機能するために重要な役割を果たしています。

体内におけるヒアルロン酸の主な存在場所と役割

存在場所主な役割特徴
皮膚(真皮)ハリ・弾力・潤いの維持細胞間の隙間を満たし、構造を支える
関節(関節液)関節の動きを滑らかにする軟骨を保護し、衝撃を吸収する
眼球(硝子体)眼球の形を保つ透明なゲル状で、眼球を満たしている

ヒアルロン酸が持つ驚異の保水力

ヒアルロン酸の最も注目すべき特性は、その非常に高い保水力です。ヒアルロン酸は、わずか1グラムで約6リットルもの水分を保持する能力があると言われています。

この性質により、皮膚の中では水分をたっぷりと抱え込み、肌のみずみずしさやハリを保ちます。

ヒアルロン酸が水分を抱え込むと肌の細胞が活動しやすい環境を整え、健やかな状態を維持することに貢献します。

肌におけるヒアルロン酸の重要な役割

ヒアルロン酸は体全体で重要な成分ですが、私たちの見た目の若々しさに直結する「肌」においては、どのような働きをしているのでしょうか。

ここでは、美肌を保つ上でのヒアルロン酸の3つの重要な役割を解説します。

肌の潤いを保つ天然の保湿成分

肌の構造は、外側から「表皮」「真皮」「皮下組織」の3層に分かれています。

ヒアルロン酸は主に真皮層に存在し、コラーゲンやエラスチンといった線維状のタンパク質の間を埋める基質(細胞外マトリックス)の主成分です。

その高い保水力で真皮層の水分量を維持し、肌全体の潤いを内側から支えています。

乾燥を防ぎ、みずみずしい肌を保つ上では、肌表面の保湿だけでなく、肌の土台となる部分の水分を確保するのが大切です。

ハリと弾力を支えるクッション機能

真皮では、コラーゲンが肌の骨組みとなり、エラスチンがその骨組みを繋ぎとめるゴムのような役割をしています。

ヒアルロン酸は、このコラーゲンとエラスチンが作る網目構造の隙間を埋めるゼリー状の物質です。

水分を豊富に含んだヒアルロン酸が隙間を満たすと、内側から押し上げるようなハリと、指で押したときに跳ね返すような弾力を保てます。

ヒアルロン酸が不足すると、このクッション機能が失われ、肌はしぼんでハリを失ってしまいます。

真皮の主要構成成分とそれぞれの役割

成分名主な役割たとえるなら
コラーゲン肌の構造を支える骨組みベッドのスプリング
エラスチンコラーゲンを束ね、弾性を与えるスプリングをつなぐゴム
ヒアルロン酸隙間を埋め、水分を保持するベッドのクッション材

肌のターンオーバーをサポート

肌の細胞は、一定の周期で新しく生まれ変わっています。この代謝の仕組みを「ターンオーバー」と呼びます。

ヒアルロン酸は、細胞が必要とする栄養素を運んだり、老廃物を排出したりするための通り道としての役割も担っています。

真皮層がヒアルロン酸で満たされて潤いのある環境が保たれていると、細胞の活動が活発になり、正常なターンオーバーを促進します。これによって健やかで透明感のある肌が維持されます。

加齢とともに減少するヒアルロン酸

残念ながら、体内のヒアルロン酸の量は年齢とともに減少していきます。

赤ちゃんの肌に最も多く含まれており、その後は減少し続け、40代後半になると20代の頃の約半分にまで落ち込むと言われています。

ヒアルロン酸を作り出す線維芽細胞の働きが加齢によって衰えるのが主な原因です。また、紫外線やストレスなども、ヒアルロン酸の減少や質の低下を招く要因となります。

ヒアルロン酸が減少すると起こる肌トラブル

肌の潤いとハリを支えるヒアルロン酸が減少すると、さまざまなエイジングサインが現れ始めます。

具体的にどのような肌トラブルにつながるのかを理解すると、適切なケアの必要性が見えてくるでしょう。

乾燥としわの発生

体内のヒアルロン酸が減少して肌の保水力が低下すると、まず感じるのが「乾燥」です。肌が乾燥すると表面のバリア機能が低下し、外部からの刺激を受けやすくなります。

さらに、真皮層の水分が失われると肌の柔軟性がなくなり、表情の動きなどによってできた皮膚の溝が元に戻りにくくなります。

これが、乾燥による小じわ(ちりめんじわ)や、さらに深いしわの原因となります。

たるみとほうれい線の深化

ヒアルロン酸の減少は、しわだけでなく「たるみ」の大きな原因にもなります。

真皮層でクッションの役割を果たしていたヒアルロン酸が失われると、肌の土台がスカスカの状態になります。

この結果、皮膚の構造を支えきれなくなり、重力に負けて肌全体が下垂します。これがたるみです。

頬のたるみは、口元のほうれい線やマリオネットラインを目立たせる要因となり、見た目の年齢印象を大きく左右します。

ヒアルロン酸の減少が引き起こす主な肌悩み

肌トラブル主な原因見た目の変化
乾燥・小じわ保水力の低下、肌表面の柔軟性喪失肌のつっぱり、目元や口元の細かいしわ
たるみ真皮層のボリューム減少、支持力の低下フェイスラインの崩れ、毛穴の開き
ほうれい線頬のたるみによる皮膚の下垂口元の深い溝が目立つ

肌のくすみと透明感の低下

肌の透明感は、角質層の水分量と、肌のキメが整っているかどうかによって決まります。

ヒアルロン酸が減少し肌が乾燥するとキメが乱れ、光が均一に反射されなくなります。これが肌がくすんで見える原因の一つです。

また、前述の通り、ヒアルロン酸の減少はターンオーバーの乱れにもつながります。古い角質が剥がれ落ちずに肌表面に留まるため、肌のごわつきやくすみ、透明感の低下を招きます。

美容医療におけるヒアルロン酸注入治療

加齢によって減少してしまったヒアルロン酸を直接的に補う方法として、美容医療では「ヒアルロン酸注入」が行われます。

しわやたるみ、くぼみといった悩みを改善するために、医療用のヒアルロン酸製剤を皮膚に注入する治療法です。

ヒアルロン酸注入の目的と効果

ヒアルロン酸注入は、加齢によってボリュームが失われた部分を物理的に補い、しわや溝を目立たなくさせるのが主な目的です。

ほうれい線やマリオネットラインなどの深いしわ、目の下のくぼみ、こめかみのへこみなどに注入して皮膚を内側から持ち上げ、若々しい印象を取り戻す効果が期待できます。

また、鼻筋を高くしたり、唇をふっくらさせたり、顎のラインをシャープにしたりといった、輪郭形成(プチ整形)にも用いられます。

注入に使われるヒアルロン酸製剤の種類

美容医療で用いるヒアルロン酸製剤は化粧品に含まれるものとは異なり、体内で分解されにくいように「架橋(かきょう)」という加工が施されています。

この架橋の度合いによって、製剤の硬さや粘度が異なります。

医師が治療する部位や目的、肌の状態に合わせて、さまざまな種類の製剤を使い分けます。

ヒアルロン酸製剤の硬さと主な用途

製剤の硬さ主な用途特徴
柔らかい目元の小じわ、唇、涙袋皮膚の薄い部位になじみやすい
中間ほうれい線、ゴルゴライン、頬しわや溝を自然に持ち上げる
硬い鼻、顎、輪郭形成形をしっかりと作り、維持する

治療部位と期待できる変化

ヒアルロン酸注入は、顔のさまざまな悩みに対応できる汎用性の高い治療です。

どこに注入すると、どのような変化が期待できるのかを知っておくと、自分に合った治療法を検討しやすくなります

  • 額のしわ
  • こめかみのくぼみ
  • 目の下のくま・くぼみ
  • ほうれい線
  • 唇のボリュームアップ

治療の流れとダウンタイム

一般的には、ヒアルロン酸注入はカウンセリング当日に治療を受けることも可能です。

治療部位を冷却したり、麻酔クリームを塗布したりした後、極細の針やカニューレ(先端の丸い針)を使ってヒアルロン酸を注入します。

治療時間は部位によりますが、10分から30分程度です。

注入直後は、多少の赤みや腫れ、内出血が出る場合がありますが、数日から1週間程度で落ち着く方がほとんどです。この期間をダウンタイムと呼びます。

ヒアルロン酸注入で後悔しないためのポイント

手軽に受けられるイメージのあるヒアルロン酸注入ですが、満足のいく結果を得るためには、いくつかの重要なポイントがあります。

安易に治療を決めるのではなく、慎重に検討すると後悔を防げます。

製剤の品質と安全性の確認

ヒアルロン酸製剤には、国内外のさまざまなメーカーから多くの種類が販売されています。中には、品質が安定していなかったり、安全性が十分に確認されていなかったりする製品も存在します。

治療を受けるクリニックが、厚生労働省の承認を得ている製剤や、世界的に広く使用され安全性の実績がある製剤を使用しているかを確認することは非常に重要です。

カウンセリングの際に、使用する製剤の名前や特徴について遠慮なく質問しましょう。

医師の技術力と経験の見極め

ヒアルロン酸注入は、単に注入すれば良いという単純な治療ではありません。

顔の解剖学的な構造を熟知し、一人ひとりの骨格や筋肉の動き、皮膚の状態に合わせて、適切な深さ・量・部位に注入する技術が必要です。

注入量が多すぎたり注入する層が浅すぎたりすると、不自然な膨らみや凸凹、青みがかって見える「チンダル現象」の原因となります。

医師の症例写真を見たり、カウンセリングでの説明の丁寧さから、信頼できる医師かどうかを見極めましょう。

カウンセリングで確認すべき項目

  • 使用するヒアルロン酸製剤の種類と承認状況
  • 具体的な注入部位と量の提案、その理由
  • 期待できる効果と持続期間
  • 考えられるリスクや副作用、その対処法
  • 治療費用の総額

カウンセリングでの十分な意思疎通

自分がどのような仕上がりを望んでいるのかを、具体的に医師に伝えることが成功の鍵です。

理想のイメージを共有し、それに対してヒアルロン酸注入で何ができて、何ができないのかを正確に理解する必要があります。

医師からの提案に疑問や不安があれば、納得できるまで話し合いましょう。この相互理解が、結果への満足度を大きく左右します。

過剰な注入を避ける意識

「もっと、もっと」と注入を繰り返しているうちに、客観的に見ると不自然な状態になっていても、自分では気づいていない方も見受けられます。

信頼できる医師は、患者さんの希望をすべて受け入れるのではなく、医学的な観点から不自然になる可能性がある場合はきちんと「やりすぎ」であると指摘してくれます。

自然な美しさを目指し、過剰な注入を避ける冷静な判断が重要です。

注入だけではない!ヒアルロン酸との賢い付き合い方

ここでは、注入治療に頼る前に知っておきたい、ヒアルロン酸との賢い付き合い方についてお話しします。

塗るヒアルロン酸と飲むヒアルロン酸の効果の限界

ヒアルロン酸配合の化粧品やサプリメントは数多く市販されています。これらはある程度の効果が期待できます。ただし、その効果の範囲を正しく理解することが大切です。

「塗る」ヒアルロン酸は、分子量が大きいため真皮層まで浸透するのは難しく、主に肌の表面(角質層)を保湿する役割を果たします。

「飲む」ヒアルロン酸は体内で一度分解されてから再合成されるため、そのすべてが皮膚のヒアルロン酸になるわけではありません。

それぞれの役割を理解し、過度な期待をせずに日々のケアに取り入れるのが賢明です。

ヒアルロン酸の摂取方法による効果の違い

方法作用する場所主な効果限界・注意点
塗る(化粧品)角質層(肌表面)肌表面の保湿真皮層には届かず、しわ・たるみの根本改善は難しい
飲む(サプリ)全身全身の潤いを補助する可能性肌に届く量は限定的で、効果の実感には個人差がある
注入(医療)真皮層・皮下組織しわ・たるみの直接的な改善医師の技術や費用、ダウンタイムが必要

ヒアルロン酸を「守る」生活習慣

体内のヒアルロン酸を増やすのは難しくても、その減少を緩やかにし、質を保つ努力は可能です。

ヒアルロン酸を分解する酵素の働きを活性化させたり、線維芽細胞にダメージを与えたりする要因を避ける工夫が大切です。

なかでも紫外線対策は最も重要です。紫外線は、ヒアルロン酸だけでなくコラーゲンやエラスチンにもダメージを与え、あらゆる肌老化の原因となります。

ヒアルロン酸を守るための生活習慣

対策具体的な行動理由
紫外線対策日焼け止めの使用、帽子や日傘の活用紫外線による線維芽細胞へのダメージを防ぐ
抗酸化緑黄色野菜や果物を摂取する活性酸素による細胞の酸化を防ぐ
質の良い睡眠十分な睡眠時間を確保する成長ホルモンの分泌を促し、肌の修復を助ける

自分の肌状態を正しく知る重要性

自分の肌悩みは、本当にヒアルロン酸の減少だけが原因なのかどうかを考えてみましょう。

例えばたるみの原因には、ヒアルロン酸の減少による皮膚の問題だけでなく、その下にある脂肪の増減や、骨格の変化も関わっています。

自分の肌や顔立ちの変化が何に起因するのかを正しく知ることが、最も良い解決策を見つける第一歩です。

自己判断でケアを続けるのではなく、時には専門家である医師の診断を受け、客観的な視点から自分の状態を把握するのがおすすめです。

美容医療を「選択肢の一つ」として考える

セルフケアには限界があり、加齢による変化を完全には食い止められません。

日々の努力を尽くした上で、それでも気になる悩みが出てきたときに、初めて美容医療が有効な「選択肢の一つ」となります。

ヒアルロン酸注入は失われたものを補い、自信を取り戻すための素晴らしいツールです。

しかし、それに依存するのではなく、自分の生活や体と向き合う姿勢を基本に、上手に医療を活用するという考え方が長期的に見て心身ともに健やかな美しさを育みます。

ヒアルロン酸治療の注意点とリスク

ヒアルロン酸注入は比較的安全性の高い治療ですが、医療行為である以上、リスクが全くないわけではありません。

治療を受ける前には、起こりうる副作用や合併症について十分に理解しておく必要があります。

一般的な副作用と対処法

治療後に見られる可能性のある一般的な副作用は、ほとんどが一時的なものです。

しかし、症状が長引いたり、悪化したりするときは速やかに治療を受けたクリニックに相談してください。

ヒアルロン酸注入後の一般的な副作用

副作用主な症状一般的な経過
腫れ・赤み注入部位が少し膨らんだり、赤っぽくなったりする数時間から2〜3日で自然に治まる
内出血注入部位が青紫色や黄色っぽくなる1〜2週間程度で吸収され、消えていく
痛み・違和感注入部位の軽い痛みや、つっぱるような感覚数日で軽快することが多い

重篤な合併症の可能性

非常に稀ですが、重篤な合併症が起こる可能性もゼロではありません。

最も注意すべきは「血管閉塞」です。これは、注入されたヒアルロン酸が血管内に入り込み、血流を妨げてしまう状態です。

血流が途絶えると、皮膚の壊死や、場合によっては失明といった深刻な事態につながる可能性があります。

多くのクリニックでは顔の解剖を熟知した経験豊富な医師が慎重に手技を行いリスクを最小限に抑えますが、万が一、注入後に激しい痛みや皮膚の色の急激な変化が現れた場合は直ちに医療機関を受診する必要があります。

  • アレルギー反応(発赤、腫れ、かゆみなど)
  • 感染(注入部位の熱感、腫れ、痛み)
  • 肉芽腫(しこりの形成)

修正や溶解注射について

万が一仕上がりが気に入らなかった場合やトラブルが生じた場合に、ヒアルロニダーゼという分解酵素を注射し、注入したヒアルロン酸を溶かして修正できる点がヒアルロン酸注入のメリットです。

ただし、溶解注射にもアレルギーのリスクなどがあるため、安易に行うべきではありません。

最初から修正が必要ないように、信頼できる医師を選ぶことが何よりも大切です。

ヒアルロン酸に関するよくある質問

ヒアルロン酸はもともと人の肌にも存在し、最大6,000倍もの水分を抱え込める成分です。

化粧水や美容液などに含まれるものには、基本タイプ、高保湿タイプ、浸透タイプなどがあり、水分を取り込む力や肌への浸透力といった特徴に違いがあります。

ただ、肌に浸透しやすいタイプであっても角質層(表皮の最も浅い層)までにとどまり、肌悩みを改善する効果も美容医療のヒアルロン注入には及ばないのが実情です。

毎日のスキンケアにヒアルロン酸を取り入れるのはもちろんですが、より効果実感したい方は、いちどクリニックに相談してみるのがおすすめです。

ヒアルロン酸注入に痛みはありますか?

極細の針を使用し、製剤にも麻酔成分が含まれているものが多いため、痛みは最小限に抑えられます。チクッとした軽い痛みを感じる程度で、多くの方が我慢できる範囲です。

痛みが心配な方には麻酔クリームやテープを使用しながら、さらに痛みを和らげる工夫をしています。

効果はどのくらい続きますか?

効果の持続期間は、使用する製剤の種類や注入部位、また個人の体質によって異なります。一般的には、柔らかい製剤で半年から1年、硬い製剤で1年から2年程度が目安です。

ヒアルロン酸は徐々に体内に吸収されていくため、効果を維持するためには定期的な治療が必要です。

注入後に不自然な顔になりませんか?

経験豊富な医師が、一人ひとりの顔のバランスを見ながら適切な量を適切な場所に注入すれば、不自然な仕上がりになることはありません。むしろ、自然な若返り効果が期待できます。

カウンセリングで仕上がりのイメージをしっかりと共有し、過剰な注入を避けると、自然で満足のいく結果につながります。

費用はどのくらいかかりますか?

費用は、使用するヒアルロン酸製剤の種類と注入量によって決まります。自由診療のため、クリニックによって価格設定は異なります。

国内承認品では1本(1cc)あたり8~12万円程度、海外製では5~8万円程度が一つの目安です。

正確な費用については、カウンセリングの際にご確認ください。

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この記事を書いた人

Dr.寺井美佐栄のアバター Dr.寺井美佐栄 ミサクリニック 六本木本院 院長

日本抗加齢医学会認定専門医。日本美容皮膚科学会、日本レーザー医学会、日本産業衛生学会専門医。
複数の大手美容皮膚科で10年以上の院長経験を経て、2022年9月にMiSA Clinic(ミサクリニック)を開業。YouTube等でも発信してきた、メスを使わずに”ナチュラルなキレイ”を引き出す技術には定評があり、ありがたいことに「SNSを見ました!」という方や、紹介・口コミ経由でたくさんのご相談を頂いてきました。皆様と共に、MiSA Clinicスタッフ一同、共に年を重ね、末永くお付き合いできる関係を目指して参ります。

資格
アラガン社ボトックスビスタ認定医
アラガン社ヒアルロン酸注入認定医

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