ヒアルロン酸のダウンタイム期間と症状|早く回復するための過ごし方

ヒアルロン酸のダウンタイム期間と症状|早く回復するための過ごし方

ヒアルロン酸注入はシワやたるみの改善、輪郭形成に効果的な治療ですが、施術後の「ダウンタイム」について不安を感じる方も少なくありません。

「どのくらい腫れるの?」「仕事は休むべき?」「早く治す方法はある?」といった疑問や心配を抱えているのではないでしょうか。

この記事では、ヒアルロン酸注入後のダウンタイムについて、期間の目安、主な症状、そして回復を早めるための具体的な過ごし方まで詳しく解説します。

目次

ヒアルロン酸注入のダウンタイムとは?

美容医療に関心を持つと、しばしば「ダウンタイム」という言葉を耳にするかと思います。ヒアルロン酸注入を検討する上では、ダウンタイムを正しく理解することが大切です。

ダウンタイムの基本的な定義

ダウンタイムとは、美容医療の施術を受けてから、通常の生活に戻るまでの回復期間を指します。

具体的には、施術によって生じた腫れや内出血、赤みや痛みなどの症状が落ち着き、メイクなどで隠せる程度、あるいは完全に目立たなくなるまでの期間です。

この期間の長さや症状の程度は、施術内容や個人の体質、そして施術後のケアによって変わります。

なぜダウンタイムが起こるのか

ヒアルロン酸注入では、皮膚の下に針を刺して製剤を注入します。この「針を刺す」という行為自体が、皮膚や皮下組織に微細な傷を作ります。

体はこの傷を治そうとする過程で、炎症反応を起こします。この正常な体の反応が、腫れや赤み、痛みといったダウンタイムの主な症状として現れるのです。

また、針が毛細血管に触れると内出血が起こり、青あざや紫色のあざとして見える場合があります。

ヒアルロン酸注入の特長とダウンタイム

ヒアルロン酸注入は、メスを使用する外科手術と比較して体への負担が少なく、ダウンタイムが短いのが大きな特長です。

多くの場合、施術直後からメイクが可能で、日常生活に大きな支障をきたすことはありません。

しかし、注入する部位や量、使用する製剤の種類によって症状の出方は異なります。手軽さの中にも、個人差のある回復期間が存在する点を理解しておくことが大切です。

ダウンタイムの主な要因

要因解説影響
注入技術針を刺す深さや角度、注入の速度が影響します。経験豊富な医師は組織へのダメージを最小限に抑えます。
使用する針先端の丸い「鈍針」は血管を傷つけにくく、内出血のリスクを減らします。シャープな針に比べ、痛みや内出血が軽減される傾向があります。
体質血が固まりにくい、むくみやすいなど、個人の体質が症状の出やすさに関わります。同じ施術でも、症状の程度や回復期間に個人差が生じます。

【部位別】ヒアルロン酸注入のダウンタイム期間の目安

ヒアルロン酸を注入する部位によって、皮膚の厚さや血管の多さが異なるため、ダウンタイムの期間や症状の出方にも違いが見られます。

ここでは、人気の施術部位ごとにダウンタイムの一般的な目安を確認しておきましょう。

額・こめかみ

額やこめかみは、丸みを持たせて若々しい印象を作る人気の部位です。

比較的範囲が広く、注入量も多くなる傾向があるため、重力の影響で注入部位より下にむくみが出る場合があります。

施術後2〜3日目が腫れのピークとなり、1週間ほどで徐々に落ち着いていきます。

内出血はあまり目立ちにくい部位ですが、生じた場合は1〜2週間で黄色っぽくなり消えていきます。

目の下・涙袋

目の周りの皮膚は非常に薄く、毛細血管が豊富なため、他の部位に比べて内出血や腫れが出やすい傾向にあります。特に涙袋形成では、繊細な技術が求められます。

小さな内出血でもコンシーラーで隠しにくい場合があるため、大切な予定があるときは、2週間程度の余裕を持っておくと安心です。

腫れは数日〜1週間程度で引いていくケースがほとんどです。

鼻・顎

鼻筋を高くしたり、顎のラインをシャープにしたりする輪郭形成では、比較的硬めのヒアルロン酸を使用します。

これらの部位は皮膚が硬く、大きな血管が少ないため、腫れや内出血は比較的起こりにくいとされています。

軽い腫れや違和感が数日間続く場合がありますが、1週間ほどでなじんで自然な仕上がりになります。

唇・口周り

唇は血流が非常に豊富な部位であり、食事や会話でよく動かすため、腫れが出やすい特徴があります。

施術直後から翌日にかけて腫れが目立つ方が多く、アヒルのように見えるときもありますが、通常2〜3日でピークを越えて1週間程度で落ち着きます。

ほうれい線などの口周りも会話や食事で動くため、なじむまでに少し時間がかかるケースがあります。

部位別ダウンタイム目安表

施術部位主な症状期間の目安
額・こめかみ腫れ、むくみ、まれに内出血1〜2週間
目の下・涙袋内出血、腫れ1〜2週間(内出血が長引く場合あり)
鼻・顎軽い腫れ、違和感数日〜1週間
唇・口周り腫れ、内出血、違和感3日〜1週間(腫れが目立ちやすい)

ダウンタイム中に現れる症状と経過

ヒアルロン酸注入後のダウンタイムでは、いくつかの特有の症状が現れます。

これらの症状がどのように現れ、時間と共にどう変化していくのかを知ると、過度に心配せずに落ち着いて回復期間を過ごせます。

腫れ・むくみ

腫れやむくみは、最も一般的に見られる症状です。これは、針による刺激とヒアルロン酸製剤が組織に注入されたことによる体の自然な反応です。

通常、施術直後から現れ始め、2〜3日後をピークに徐々に引いていきます。朝起きた時にむくみを強く感じる場合があります。

ほとんどの方は、1週間程度で気にならないレベルまで改善します。

内出血(あざ)

注入時に針が毛細血管に触れることで起こるのが内出血です。

施術直後は赤紫色や青色に見え、数日経つと徐々に色が薄くなり、緑色から黄色へと変化しながら1〜2週間かけて吸収されて消えていきます。

メイクでカバーできる程度のものがほとんどですが、広範囲に出た場合は完全に消えるまで少し時間がかかります。

痛み・違和感

施術部位には、ジンジンとした軽い痛みや、押した時のような圧痛を感じる場合があります。

ほとんどの方は痛み止めを飲むほどではなく、2〜3日で自然に和らぎます。

また、ヒアルロン酸が組織になじむまでは表情を動かした時に「何か入っている」ような違和感や、つっぱり感を感じる場合もありますが、これも1〜2週間で徐々になくなっていきます。

赤み・熱感

針を刺したことによる刺激で、施術部位に赤みや熱っぽさを感じる方もいます。

これは一時的な炎症反応であり、通常は施術当日〜翌日には治まります。

ただ、赤みや熱感が数日経っても引かない、あるいは強くなるときは感染症の可能性も考えられるため、速やかにクリニックへ連絡しましょう。

症状の一般的な経過

期間主な状態対処法
施術直後〜3日目腫れ、痛み、赤みが最も出やすい時期。内出血が目立ち始める。濡れタオルなどで優しく冷やす。安静に過ごす。
4日目〜1週間目大きな腫れや痛みは引き、内出血の色が変化し始める。違和感が残る。激しい運動や飲酒は避ける。保湿を心がける。
2週目以降ほとんどの症状が落ち着き、仕上がりが安定してくる。効果を確認し、気になる点があればクリニックに相談する。

ダウンタイム中の「ちょっとした違和感」との向き合い方

ダウンタイムというと、腫れや内出血といった目に見える症状に焦点が当てられがちです。

しかし、実際に施術を受けた方が本当に気になるのは、データには現れにくい「ちょっとした違和感」ではないでしょうか。

ここでは、そうした感覚的な変化と、その向き合い方について掘り下げていきます。

「つっぱり感」はなじむサイン?

施術後、特に皮膚が薄い部位や、一度に多くの量を注入した部位で「つっぱる感じ」を訴える方がいます。

これは、今まで存在しなかったボリュームが加わったために、皮膚や組織がそれに適応しようとしている状態です。

このつっぱり感は、ヒアルロン酸が周囲の組織と水分を結合させ、定着していく過程で生じる自然な感覚です。

多くの場合は1〜2週間かけて組織が伸展し、ヒアルロン酸がなじむと、この感覚は自然に消えていきます。

不安になるかもしれませんが、むしろ仕上がりに向けての準備期間と捉えられます。

「動かしにくさ」はいつまで続く?

ほうれい線やマリオネットラインなど、表情筋の近くにヒアルロン酸を注入した際は、一時的に口元が動かしにくい、笑いにくいと感じるケースがあります。

これは、注入されたヒアルロン酸がまだ組織に完全になじんでおらず、筋肉の動きをわずかに妨げているために起こります。

無理に大きく動かそうとせず、自然に過ごすようにしましょう。この症状も、ヒアルロン酸が定着するにつれて、1週間ほどで徐々に改善されていきます。

「見た目の変化」に対する心の準備

施術直後は腫れやむくみによって、自分が想像していた仕上がりよりも「膨らみすぎている」「不自然に見える」と感じ、不安になるときがあるかもしれません。特に初めてヒアルロン酸注入を受ける方は、鏡を見るたびに心配になりやすいです。

しかし、これは最終的な仕上がりではありません。ダウンタイムの症状が落ち着くにつれてボリュームは少し減り、より自然なラインに変化していきます。

施術後数日間は「まだ完成形ではない」と心に留め、落ち着いて経過を見守る心の準備が重要です。

不安な時のクリニックとの連携方法

少しでも不安や疑問を感じたら、一人で抱え込まずに施術を受けたクリニックに相談しましょう。

その際、「なんとなく不安」と伝えるよりも、「笑った時に右側のつっぱり感が強い」「朝のむくみが3日経っても引かない」など、できるだけ具体的に状況を伝えると良いです。

具体的な情報があると、医師や看護師は的確なアドバイスをしやすくなります。信頼できるクリニックは、こうしたダウンタイム中の不安にも寄り添い、丁寧にサポートしてくれます。

違和感の種類と捉え方

感じる違和感考えられる原因心の持ち方
つっぱり感・異物感ヒアルロン酸が組織になじむ過程「今はなじんでいる最中」と経過を見守る。
動かしにくさ注入物が表情筋の動きに一時的に影響無理に動かさず、自然に過ごす。
見た目の過剰な変化腫れやむくみによる一時的なもの「これは本当の仕上がりではない」と理解する。

ダウンタイムを長引かせないための注意点

ヒアルロン酸注入後のダウンタイムは、施術後の過ごし方によって期間が短くも長くもなります。

症状を悪化させず、スムーズな回復を促すために、特に注意したいポイントをいくつか紹介します。

施術当日の過ごし方

施術当日は、安静に過ごすのが基本です。注入部位はデリケートな状態にあるため、なるべく触ったり、こすったりしないように注意しましょう。

洗顔やスキンケアは可能ですが、施術部位を強く押さないように優しく行います。

また、施術直後のメイクは針穴から雑菌が入るリスクを避けるため、数時間〜当日は控えるよう指示されるケースが多いです。クリニックの指示に必ず従ってください。

血行を促進する行動は避ける

血行が良くなると血管が拡張して腫れや内出血、痛みが強くなる可能性があります。ダウンタイム中は、血行を過度に促進する行動を控えましょう。

  • 長時間の入浴
  • サウナや岩盤浴
  • 激しい運動や筋力トレーニング
  • 過度な飲酒

シャワーは当日から可能ですが、長湯は避け、ぬるめのお湯で短時間で済ませるようにします。

運動や飲酒は、少なくとも2〜3日、できれば1週間程度は控えるのが理想です。

施術部位への刺激を最小限に

注入したヒアルロン酸が定着するまでは、外部からの強い刺激を避けることが大切です。

強い力でマッサージをしたり、顔をうつ伏せにして寝たりすると、ヒアルロン酸が移動したり変形したりする原因になりかねません。

エステティックサロンでのフェイシャルマッサージや、美顔器の使用も、最低でも2週間は控えるようにしましょう。

ダウンタイム中に避けるべきこと

カテゴリ具体的な行動控える期間の目安
入浴関連長時間の入浴、サウナ、岩盤浴2〜3日
運動・飲酒激しい運動、過度な飲酒3日〜1週間
物理的刺激施術部位のマッサージ、うつ伏せ寝、美顔器2週間〜1ヶ月

喫煙と飲酒の影響

アルコールと同様に、喫煙もダウンタイムに影響を与えます。タバコに含まれるニコチンは血管を収縮させ、血行を悪くする作用があります。

これによって傷の治りに必要な酸素や栄養が施術部位に行き渡りにくくなり、回復を遅らせる可能性があります。

また、肌のターンオーバーも乱れがちになるため、内出血が消えるのに時間がかかる場合もあります。

ダウンタイム中は、できるだけ禁煙または節煙を心がけるのが望ましいです。

ダウンタイムを早く回復させるための過ごし方

ダウンタイム中の注意点を守ると同時に、回復を積極的にサポートする過ごし方を意識すると、より早く美しい仕上がりへと近づけます。

ここでは、回復を早めるための具体的な方法を紹介します。

冷却(クーリング)の正しい方法

施術後の冷却は、腫れや赤み、痛みを和らげるのに非常に有効です。ただし、やりすぎは逆効果になるときもあります。

清潔なタオルやガーゼで保冷剤を包み、施術部位に優しく当てるのが正しい方法です。1回あたり5〜10分程度を目安に、1日に数回行いましょう。

直接保冷剤を当てたり、長時間冷やし続けたりすると、凍傷や血行不良の原因になるため注意が必要です。

安静と十分な睡眠

体は、睡眠中に最も活発に組織の修復を行います。ダウンタイム中は意識的に十分な睡眠時間を確保しましょう。

特に、施術後2〜3日は体を休める心がけが大切です。

また、就寝時には枕を少し高くすると、頭部に余分な水分が溜まるのを防ぎ、顔のむくみ軽減に繋がります。

バランスの取れた食事と水分補給

体の内側からのケアも、回復を早める上で重要です。タンパク質やビタミン、ミネラルなど、栄養バランスの取れた食事を心がけましょう。

なかでも皮膚や血管の健康を保つビタミンCや、組織の修復を助ける亜鉛などを積極的に摂取すると良いでしょう。

また、十分な水分補給は体の新陳代謝を促し、老廃物の排出を助けるため、むくみの改善にも効果的です。

回復をサポートする栄養素

栄養素主な働き多く含まれる食品
タンパク質皮膚や血管など、組織の材料となる。肉、魚、卵、大豆製品
ビタミンCコラーゲンの生成を助け、血管を丈夫にする。パプリカ、ブロッコリー、キウイ
亜鉛細胞の再生を促し、傷の治りを助ける。牡蠣、レバー、牛肉

ストレスを溜めない工夫

ストレスは自律神経のバランスを乱し、血行不良や免疫力の低下を招きやすいです。これらの状態は、ダウンタイムの回復を遅らせる一因になり得ます。

回復期間中は、リラックスできる時間を作る工夫が大切です。好きな音楽を聴いたり、穏やかな香りのアロマを焚いたり、軽い散歩をしたりするなど、自分に合った方法で心身をリフレッシュさせましょう。

ダウンタイムの症状を気にしすぎることもストレスになるため、ゆったりとした気持ちで過ごすように心がけてください。

こんな症状が出たら要注意!クリニックに相談すべきサイン

ほとんどのダウンタイムの症状は、時間の経過と共に自然に軽快します。しかし、中には合併症のサインである可能性があり、迅速な対応が必要なケースもごくまれに存在します。

以下のような症状が現れた場合は自己判断せずに、すぐに施術を受けたクリニックへ連絡してください。

強い痛みが続く、または悪化する

施術後、数日経っても痛みが引かない、あるいは日に日に痛みが強くなる場合は注意が必要です。

通常のダウンタイムの痛みは、徐々に和らいでいくのが一般的です。我慢できないほどの強い痛みが続く場合は、血行障害や感染症などの初期症状である可能性が考えられます。

腫れや赤みが広範囲に広がる

施術部位だけでなく、その周辺にまで腫れや赤みが広がっていく場合も、注意深い観察が必要です。

特に、触ると熱を帯びている(熱感)、硬くなっているなどの症状を伴う場合は、感染症を起こしている可能性があります。早めに医師の診察を受けましょう。

皮膚の色が異常に変化する(白くなる、紫色になる)

これは最も注意すべきサインの一つです。注入したヒアルロン酸が血管を圧迫したり、血管内に詰まったりして、血流障害が起きている可能性があります。

皮膚の色が部分的に白っぽくなる、網目状の紫色の模様が現れるなどの変化が見られたときは、緊急を要する状態です。

放置すると皮膚の壊死につながるリスクがあるため、時間外であっても直ちにクリニックに連絡し、指示を仰いでください。

アレルギー反応や感染症の兆候

非常にまれですが、ヒアルロン酸に対してアレルギー反応を起こす方もいます。

強いかゆみやじんましん、息苦しさなどの症状が現れたときは、アレルギーが疑われます。

また、施術部位から膿が出る、腫れや痛みが悪化するといった症状は、細菌感染のサインです。これらの場合も、速やかな医療処置が必要です。

クリニックへの連絡が必要な症状

症状考えられるリスク緊急度
悪化する強い痛み血行障害、感染症
広がる腫れ・赤み・熱感感染症
皮膚の変色(白色・紫色)血行障害(血管塞栓)極めて高(緊急)
強いかゆみ、膿、発熱アレルギー、感染症

ヒアルロン酸のダウンタイムに関するよくある質問(Q&A)

ヒアルロン酸のダウンタイムの症状を確認すると、「怖い」と感じてしまうかもしれません。

しかし、重篤な合併症が起こるケースはごくまれで、ほとんどの方が腫れやむくみ、赤身や内出血程度にとどまります。

ダウンタイムの症状が軽く、期間が短く済むようにするためには信頼できるクリニックを選び、ダウンタイム中の過ごし方にも気をつけましょう。

ダウンタイム中、メイクはいつからできますか?

多くのクリニックでは、施術の数時間後から、あるいは翌日から可能としています。ただし、これは針穴が完全に閉じているのが前提です。施術当日はなるべく控え、翌日からにするほうがより安全です。

メイクをする際やクレンジングの際は、施術部位を強くこすらないように注意してください。内出血がある場合は、グリーンのコンシーラーを使うと赤みが、イエローのコンシーラーを使うと青みや紫みがカバーしやすくなります。

仕事は何日くらい休む必要がありますか?

デスクワークのように身体的な負担の少ないお仕事であれば、施術翌日から復帰される方がほとんどです。ヒアルロン酸注入はダウンタイムが短いのが利点であり、長期の休暇は基本的に必要ありません。

ただし、目の下など内出血が目立ちやすい部位の施術を受ける場合や、接客業など人前に出るお仕事で見た目が気になる場合は2〜3日のお休みがあると、より安心して過ごせるかもしれません。

ご自身の仕事内容と、どの程度見た目が気になるかを考慮して判断すると良いでしょう。

注入したヒアルロン酸が動くことはありますか?

注入直後からヒアルロン酸が組織になじんで安定するまでの約2週間〜1ヶ月は、強い力で圧迫したりマッサージしたりすると、動いたり形が崩れたりする可能性があります。

この期間は、うつ伏せ寝や顔のマッサージ、美顔器の使用などを避けてください。

適切に注入され、ダウンタイムを安静に過ごせば、ヒアルロン酸が勝手に大きく移動するとは考えにくいです。定着してしまえば、日常生活の動きで変形する心配はほとんどありません。

ダウンタイムがほとんどない人もいますか?

いらっしゃいます。ダウンタイムの症状の出方には大きな個人差があります。

体質的に内出血しにくい方や、注入量が少ない場合、また医師の技術や使用する針(先端の丸い鈍針など)によっては目立った腫れや内出血がほとんどなく、施術直後から普段通りに過ごせる方も少なくありません。

しかし、「自分は大丈夫だろう」と過信せず、万が一症状が出た場合に備えて、施術後の数日間は大切な予定を入れないように調整しておくことをおすすめします。

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この記事を書いた人

Dr.寺井美佐栄のアバター Dr.寺井美佐栄 ミサクリニック 六本木本院 院長

日本抗加齢医学会認定専門医。日本美容皮膚科学会、日本レーザー医学会、日本産業衛生学会専門医。
複数の大手美容皮膚科で10年以上の院長経験を経て、2022年9月にMiSA Clinic(ミサクリニック)を開業。YouTube等でも発信してきた、メスを使わずに”ナチュラルなキレイ”を引き出す技術には定評があり、ありがたいことに「SNSを見ました!」という方や、紹介・口コミ経由でたくさんのご相談を頂いてきました。皆様と共に、MiSA Clinicスタッフ一同、共に年を重ね、末永くお付き合いできる関係を目指して参ります。

資格
アラガン社ボトックスビスタ認定医
アラガン社ヒアルロン酸注入認定医

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