【30代のほうれい線】消したい!原因とおすすめ改善ケア・美容医療まで紹介

【30代のほうれい線】消したい!原因とおすすめ改善ケア・美容医療まで紹介

少しずつ現れてきたほうれい線に「まだ30代なのに…」と悩む方がいらっしゃいます。実は、30代は肌の質が変化し始め、ほうれい線が目立ちやすくなる年代です。

しかし、早くから正しい知識を持って対策をすれば、その進行を緩やかにし、改善を目指すことは十分に可能です。

この記事では、30代のほうれい線の原因を多角的に分析し、日々の生活で取り入れられるセルフケアから、美容皮膚科で受けられる効果的な治療法まで、専門的な視点から詳しく解説します。

目次

「まだ早い」は間違い?30代でほうれい線が目立つサイン

30代になると、多くの方が肌の変化を感じ始めます。

20代の頃には気にならなかったほうれい線が、ふとした瞬間に目につくようになったと感じるなら、肌の水分量やハリを支える成分が減少し始めているサインです。

エイジングケアは早すぎるということはなく、気づいたときが始めるべきタイミングです。

20代との肌の違いとは

30代の肌は、20代の頃と比べて水分量や皮脂量が減少し、乾燥しやすくなります。

また、肌のハリや弾力を支えるコラーゲンやエラスチンといった成分が、質・量ともに低下し始める時期です。

その結果、肌の内部構造が弱くなり、一度ついたシワや溝が元に戻りにくくなります。

30代の肌に起こる主な変化

項目20代の肌30代の肌
水分量多い減少し始める
コラーゲン豊富で質も良い量・質ともに低下
ターンオーバー約28日周期周期が乱れがちになる

ほうれい線の深さチェックリスト

自分のほうれい線がどの程度の状態なのか、客観的に把握することがケアの第一歩です。

以下の項目で、当てはまるものをチェックしてみましょう。数が多いほど、ほうれい線が進行している可能性があります。

  • 真顔でもほうれい線がはっきり見える
  • ファンデーションがほうれい線の溝にたまる
  • 夕方になるとほうれい線が濃くなる
  • 以前より口角が下がった気がする
  • 頬のハリがなくなったと感じる

スマホやPCの長時間利用が与える影響

現代の生活に欠かせないスマートフォンやパソコンですが、長時間の使用はほうれい線を深くする一因になります。

うつむいた姿勢は重力によって頬のたるみを助長し、無表情で画面を見続けると表情筋の衰えを招きます。

意識的に休憩を取り入れ、正しい姿勢を保つようにしましょう。

30代のほうれい線の3つの原因

30代のほうれい線は単一の原因ではなく、複数の要因が複雑に絡み合って現れます。

主に「肌のハリ・弾力の低下」「皮下脂肪の構造変化」「表情の癖と骨格の変化」という3つの原因が挙げられます。

肌のハリ・弾力の低下

肌の真皮層に存在するコラーゲンとエラスチンは、肌を内側から支える重要な役割を担っています。

しかし、加齢や紫外線の影響でこれらが減少・変性すると肌が弾力を失い、たるみが生じます。

このたるみが、ほうれい線という深い溝となって現れるのです。

ハリ・弾力を低下させる要因

要因主な内容対策
加齢コラーゲン等の生成能力が自然に低下するエイジングケア化粧品の使用
紫外線コラーゲン繊維を破壊・変性させる日焼け止めの徹底
乾燥肌表面のバリア機能が低下し、外部刺激を受けやすくなる十分な保湿ケア

皮下脂肪の構造変化

顔の皮下脂肪は年齢とともにその位置や量が変わります。若い頃は頬の高い位置にある脂肪が加齢により下垂したり、逆に萎縮したりするために、頬のボリュームが失われます。

この影響で皮膚が余り、ほうれい線上の皮膚がたるんで溝が深くなります。

表情の癖と骨格の変化

笑ったり話したりするときに使う表情筋も、ほうれい線の形成に関わっています。

特定の筋肉ばかりを使う癖があると、その部分に折りジワが定着しやすいです。

また、加齢による骨格の変化、特に頬骨や上顎骨が痩せると皮膚を支える土台が減り、たるみにつながる場合もあります。

「疲れ顔」に見えるのはほうれい線だけが原因じゃない?

「最近、疲れてる?」と聞かれるときが増えたなら、その原因はほうれい線だけではないかもしれません。

30代の顔の印象は、目頭から頬に伸びる「ゴルゴライン」や「頬のトップ位置の低下」など、ほうれい線を含む複数のエイジングサインが複合的に影響し合って作られます。

ほうれい線とゴルゴラインの複合的な影響

ほうれい線と同様に、目頭から頬の中央にかけて斜めに伸びる線を「ゴルゴライン(ミッドチークライン)」と呼びます。

このゴルゴラインが現れると頬がこけた印象や疲れた印象を与え、ほうれい線と相まってさらに老けた印象を強めてしまいます。

これらは共に、皮下組織のたるみやボリューム減少が原因です。

頬のトップ位置の低下が与える印象

若々しい印象は、笑ったときにぷっくりと高くなる頬の位置(チークトップ)が大きく関係します。

30代になると頬を支える靭帯が緩み、脂肪が下垂して、頬のトップ位置が下がってきます。

その結果、顔全体が間延びした印象になり、ほうれい線が一層目立つようになります。

顔の印象を左右するエイジングサイン

サイン主な原因与える印象
ほうれい線皮膚・脂肪のたるみ老け顔、口元のもたつき
ゴルゴライン靭帯の緩み、脂肪の減少疲れ顔、不健康
頬の位置低下靭帯の緩み、脂肪の下垂間延びした顔、平坦な顔

目元の影と口角の下がりも老け見えを加速

目元のくぼみやクマ、無意識のうちに下がっている口角なども、顔全体の印象を暗く見せる要因です。

これらも顔の構造的な変化が原因であり、ほうれい線と同時にケアを考えると、より効果的に若々しい印象を取り戻せます。

自宅で始められるほうれい線改善セルフケア

美容医療に頼る前に、まずは自宅でできるケアから始めましょう。日々の積み重ねが未来の肌を大きく左右します。

基本は、「保湿とエイジングケア化粧品」「紫外線対策」「表情筋トレーニング」「生活習慣の見直し」の4つです。

保湿とエイジングケア化粧品の選び方

肌の乾燥は、あらゆる肌トラブルの引き金になります。特に30代からは水分を補うだけでなく、肌のハリをサポートする成分を取り入れるのが重要です。

化粧品を選ぶ際は、以下の成分が配合されているかチェックしてみましょう。

注目のエイジングケア成分

成分カテゴリ代表的な成分期待できる効果
保湿成分セラミド、ヒアルロン酸肌の水分を保持し、乾燥を防ぐ
ハリ・弾力ケアレチノール、ビタミンC誘導体コラーゲンの生成をサポートする
抗酸化成分ナイアシンアミド、アスタキサンチン肌の酸化を防ぎ、老化の進行を緩やかにする

紫外線対策の徹底

紫外線は肌の老化を促進する最大の外的要因です。夏場や晴れた日だけでなく、一年を通した紫外線対策がほうれい線の予防・改善には必要です。

日焼け止めはSPF・PA値を確認し、シーンに合わせて選び、こまめに塗り直す習慣をつけましょう。

表情筋トレーニングの正しい方法

顔の筋肉を鍛えれば、たるみを内側から引き上げる効果が期待できます。

ただし、間違った方法はかえってシワを深くする可能性もあるため、注意が必要です。

口を大きく開けて「あ・い・う・え・お」と動かす、頬を膨らませたりすぼめたりするなどの運動を、鏡を見ながらゆっくりと行いましょう。

生活習慣の見直し

美しい肌は健康的な生活習慣から作られます。栄養バランスの取れた食事や質の良い睡眠、適度な運動は肌のターンオーバーを整え、健やかな状態を保つために大切です。

なかでも、抗酸化作用のあるビタミン類や、肌の材料となるタンパク質を意識的に摂取しましょう。

セルフケアの限界と美容医療への期待

日々のセルフケアは非常に重要ですが、すでに深く刻まれてしまったほうれい線を完全に消すのは難しいのが現実です。

化粧品では届かない肌の深層へ働きかけられる美容医療を正しく理解し、選択肢の一つとして考えると良いでしょう。

なぜセルフケアだけでは消えないのか

ほうれい線は皮膚表面の乾燥小ジワとは異なり、皮膚や皮下脂肪、筋肉や骨格といった複数の層にわたる構造的な変化が原因です。

化粧品が浸透するのは角質層までであり、その下の層で起きているたるみやボリューム減少に直接作用できません。

そのため、セルフケアはあくまで「予防」や「現状維持」が主な目的となります。

セルフケアと美容医療の違い

アプローチセルフケア美容医療
対象皮膚の表面(角質層)皮膚の深層、皮下組織、筋肉
目的予防、現状維持、乾燥小ジワの改善たるみの引き上げ、ボリューム補充、シワの改善
即効性緩やか比較的高い

美容医療で得られる効果とは

美容医療では、専門的な知識と技術を持つ医師が、ほうれい線の原因となっている層に直接アプローチします。

たるんだ組織を引き上げたり、減少したボリュームを補ったりしながら、セルフケアでは難しい根本的な改善を目指せるのがメリットです。

クリニック選びで失敗しないためのポイント

満足のいく結果を得るためには、信頼できるクリニックを選ぶことが重要です。

カウンセリングで悩みを親身に聞いてくれるか、治療法のメリットだけでなくデメリットやリスクも丁寧に説明してくれるか、などを基準に判断しましょう。

  • カウンセリングが丁寧である
  • 複数の治療選択肢を提示してくれる
  • 医師の実績や症例が豊富である
  • 料金体系が明確である

30代におすすめのほうれい線治療法

30代のほうれい線治療では、溝やくぼみを直接埋める「ヒアルロン酸注入」、たるみを引き締めてリフトアップする「ハイフ(HIFU)」、糸で物理的にたるみを引き上げる「糸リフト」が代表的な選択肢です。

原因や希望、ご自身の生活スタイルに応じて適切な治療法を選びましょう。

ヒアルロン酸注入

ヒアルロン酸注入は、ほうれい線の溝やその周辺にヒアルロン酸製剤を注入し、くぼみを内側から持ち上げて目立たなくさせる治療です。

失われたボリュームを補って、若々しい印象を取り戻します。施術時間が短く、ダウンタイムがほとんどないため、手軽に受けやすい治療として人気があります。

ハイフ(HIFU)

ハイフは、高密度の超音波エネルギーを皮膚の深層にあるSMAS(筋膜)層に照射し、熱で引き締めてリフトアップ効果をもたらす治療です。

皮膚表面を傷つけずに、たるみの根本原因に働きかけられます。将来のたるみ予防としても効果が期待できます。

糸リフト(スレッドリフト)

糸リフトは、特殊な突起のついた医療用の糸を皮下に挿入し、たるんだ皮膚や脂肪を物理的に引き上げる治療です。

ほうれい線だけでなく、フェイスラインのもたつきなども改善できます。また、挿入した糸が周辺組織のコラーゲン生成を促す効果もあります。

各治療法のメリット・デメリットと費用の目安

どの治療法にも良い点と注意すべき点があります。それぞれの特徴を比較検討し、医師と相談の上で適した方法を決定しましょう。

ヒアルロン酸注入の特徴

ヒアルロン酸注入は即効性が高く、施術直後から効果を実感しやすいのが最大のメリットです。

ただし、効果は永久ではなく、持続期間は製剤の種類によりますが半年から2年程度です。効果を維持するためには定期的な施術が必要です。

ヒアルロン酸注入の概要

項目内容
メリット即効性が高い、ダウンタイムが短い、細かなデザインが可能
デメリット効果が一時的、内出血のリスク、注入技術による差が大きい
費用の目安1本あたり 5万円~10万円程度

ハイフ(HIFU)の特徴

ハイフはダウンタイムがほとんどなく、施術後すぐにメイクができる点が魅力です。

効果の現れ方には個人差があり、施術直後から実感できる場合と、1~3ヶ月かけて徐々に引き締まってくる場合があります。

ハイフ(HIFU)の概要

項目内容
メリットダウンタイムがほぼない、たるみの根本にアプローチ、美肌効果も期待できる
デメリット効果の現れ方が緩やか、脂肪が少ない人には効果が出にくい場合がある
費用の目安全顔 5万円~15万円程度

糸リフト(スレッドリフト)の特徴

糸リフトは物理的に引き上げるため、たるみに対するリフトアップ効果を実感しやすいのが特徴です。

施術後には腫れや痛み、ひきつれ感などが数日から数週間続く場合があります。効果の持続期間は糸の種類によりますが、1年~2年程度です。

治療法を選ぶ際の考え方

ほうれい線の状態や原因、求める効果や許容できるダウンタイム、予算などによって適した治療法が異なります。

「すぐに溝を埋めたい」ならヒアルロン酸注入、「将来のためにたるみを予防したい」ならハイフ、「全体的に引き上げたい」なら糸リフト、といったように、自分の希望を明確にして医師に相談すると良いでしょう。

30代のほうれい線に関するよくある質問

30代は仕事や家庭などで責任が増える年代でもありますし、忙しさもあって、ほうれい線が気になり始めてもそのままにしてしまう方も多いです。

ただ、放っておくと少しずつ溝が深くなっていくケースがほとんどで、早めに対応したほうが改善しやすい特徴があります。

10年後、20年後の美しさのために、まずはセルフケアを徹底し、それでも効果を実感できないときは美容医療を検討するのがおすすめです。

治療の痛みやダウンタイムはどのくらいですか?

治療法によって異なります。ヒアルロン酸注入や糸リフトでは麻酔を使用するため、施術中の痛みは緩和されます。注入後は内出血や腫れが数日出る場合があります。

ハイフは施術中にチクチクとした熱感を感じるケースがありますが、麻酔は不要な場合が多く、ダウンタイムはほとんどありません。

効果はどのくらい持続しますか?

これも治療法や個人差によります。ヒアルロン酸や糸リフトは体内に吸収されるため、効果は半年から2年程度で徐々に薄れていきます。ハイフの効果は半年から1年程度持続すると言われています。

どの治療法でも、効果を長持ちさせるためには、定期的なメンテナンスや日々のセルフケアが大切です。

治療後に気をつけることはありますか?

治療当日は、飲酒や激しい運動、長時間の入浴など血行が良くなる行為は避ける必要があります。また、注入治療や糸リフトの後は、施術部位を強くマッサージしたり、圧迫したりしないように注意が必要です。

紫外線対策や保湿ケアは、どの治療後も継続して行うようにしましょう。

男性でも治療を受けられますか?

もちろん可能です。近年、美意識の高まりから男性の患者さんも増えています。

ほうれい線の悩みは性別に関係ありません。クリニックでは、男性の骨格や皮膚の厚さに合わせた治療法を提案しますので、気軽にカウンセリングに足を運んでみましょう。

参考文献

BEER, Gertrude M.; MANESTAR, Mirjana; MIHIC‐PROBST, Daniela. The causes of the nasolabial crease: a histomorphological study. Clinical Anatomy, 2013, 26.2: 196-203.

HONG, Gi-Woong, et al. Why do nasolabial folds appear? Exploring the anatomical perspectives and the role of thread-based interventions. Diagnostics, 2024, 14.7: 716.

WANG, Chenglong, et al. Effectiveness and safety of hyaluronic acid gel with lidocaine for the treatment of nasolabial folds: a systematic review and meta-analysis. Aesthetic Plastic Surgery, 2018, 42.4: 1104-1110.

LEE, Sang Yeul. Prominent Nasolabial Fold: An Overview of Treatments. Archives of Aesthetic Plastic Surgery, 2011, 17.3: 143-152.

STEFURA, Tomasz, et al. Tissue fillers for the nasolabial fold area: a systematic review and meta-analysis of randomized clinical trials. Aesthetic Plastic Surgery, 2021, 45.5: 2300-2316.

JACOBSON, Laurie GS, et al. Treatment of nasolabial folds and jowls with a noninvasive radiofrequency device. Archives of dermatology, 2003, 139.10: 1371-1372.

AYATOLLAHI, Azin, et al. Systematic review and meta-analysis of safety and efficacy of high-intensity focused ultrasound (HIFU) for face and neck rejuvenation. Lasers in Medical Science, 2020, 35.5: 1007-1024.

YI, Kyu‐Ho, et al. Hyaluronic acid filler injection for deep nasolabial folds: a novel intraoral approach. Clinical Anatomy, 2022, 35.6: 820-823.

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

Dr.寺井美佐栄のアバター Dr.寺井美佐栄 ミサクリニック 六本木本院 院長

日本抗加齢医学会認定専門医。日本美容皮膚科学会、日本レーザー医学会、日本産業衛生学会専門医。
複数の大手美容皮膚科で10年以上の院長経験を経て、2022年9月にMiSA Clinic(ミサクリニック)を開業。YouTube等でも発信してきた、メスを使わずに”ナチュラルなキレイ”を引き出す技術には定評があり、ありがたいことに「SNSを見ました!」という方や、紹介・口コミ経由でたくさんのご相談を頂いてきました。皆様と共に、MiSA Clinicスタッフ一同、共に年を重ね、末永くお付き合いできる関係を目指して参ります。

資格
アラガン社ボトックスビスタ認定医
アラガン社ヒアルロン酸注入認定医

目次