ヒアルロン酸注射の効果はいつまで?持続期間を延ばすアフターケアとは

ヒアルロン酸注射の効果はいつまで?持続期間を延ばすアフターケアとは

ヒアルロン酸注射は、シワやたるみの改善、フェイスラインの形成などを目的とした美容医療です。

しかし、その効果がどのくらい続くのか、気になる方も多いでしょう。

この記事では、ヒアルロン酸注射の効果の持続期間を製剤や部位ごとに解説し、効果をできるだけ長持ちさせるためのアフターケアや注意点について詳しく説明します。

目次

ヒアルロン酸注射の基本的な効果と仕組み

ヒアルロン酸注射がなぜ肌の悩みを改善できるのか、その根本的な理由を知ることは、治療への理解を深める第一歩です。

はじめに、ヒアルロン酸そのものの性質と、注射によって得られる具体的な肌への効果についてみていきましょう。

そもそもヒアルロン酸とは何か

ヒアルロン酸は、もともと私たちの皮膚や関節、眼球などに存在するゼリー状の物質です。

非常に高い保水力を持ち、わずか1グラムで6リットルもの水分を保持できると言われています。

肌の内部では、コラーゲンやエラスチンといった弾力性を司る組織の間を埋めるように存在し、肌のハリやうるおいを保つ重要な役割を担っています。

しかし、体内のヒアルロン酸は年齢とともに減少し、これがシワやたるみ、乾燥といった肌の老化現象の一因となります。

美容医療で用いるヒアルロン酸製剤は、この失われたヒアルロン酸を直接的に補って肌の状態を改善します。

注射による肌への効果

ヒアルロン酸を皮膚の下に注射すると、その保水力とボリュームアップ効果により、さまざまな美容効果が期待できます。

肌の浅い層に注入すれば肌全体のうるおいやハリが向上し、キメが整います。

一方、深い層に注入すると皮膚を内側から持ち上げて、シワの溝を埋めたり、ボリューム低下を補ったりします。

主な肌への効果

  • 肌の保水力向上
  • ハリ・弾力の改善
  • 小ジワの軽減
  • 肌質の改善

なぜ、たるみやシワが改善するのか

シワやたるみは、皮膚の構造的な変化によって生じます。加齢により皮膚のヒアルロン酸やコラーゲンが減少するだけでなく、その下にある脂肪組織や骨も萎縮します。

この土台部分のボリュームが失われると、皮膚が支えを失い、たるみや深いシワとして現れます。

ヒアルロン酸注射は、このボリュームが失われた部分に製剤を注入し、物理的に皮膚を持ち上げてシワの溝を浅くします。

また、たるみによって生じた影を目立たなくしたり、フェイスラインを整えたりすることも可能です。

これは、単に皮膚の表面に働きかけるのではなく、肌の土台から構造を立て直す働きかけと言えます。

ヒアルロン酸による改善作用

悩みヒアルロン酸の主な作用期待できる効果
ほうれい線シワの直下や頬を持ち上げる溝が浅くなり、影が目立たなくなる
額のシワシワの溝を直接埋める平らで滑らかな額になる
こめかみの凹みボリュームを補う若々しく、バランスの取れた輪郭になる

【製剤別】ヒアルロン酸注射の持続期間の目安

ヒアルロン酸注射の効果持続期間は、使用する製剤の種類によって大きく異なります。

ヒアルロン酸製剤の種類と特徴

美容医療で用いるヒアルロン酸製剤は、体内で自然に作られるヒアルロン酸とは異なり、効果を長持ちさせるために「架橋」という加工が施されています。

架橋とは、ヒアルロン酸の分子同士を結びつけて、分解・吸収されにくくする技術です。

この架橋の度合いや方法によって、製剤の硬さや粘度、そして持続期間が決まります。

一般的に柔らかい製剤は皮膚の浅い層や動きの多い部位に使用し、自然な仕上がりになりますが、持続期間は短めです。

一方、硬い製剤は鼻や顎の形成など、しっかりとした形作りが必要な部位に使用し、持続期間は長くなる傾向があります。

製剤の硬さ(架橋技術)と持続期間の関係

製剤の硬さは、主に架橋剤の種類や量によってコントロールされます。

架橋度が高いほど分子の結びつきが強固になり、体内の分解酵素による影響を受けにくくなるため、効果が長く持続します。

しかし、硬すぎる製剤を不適切な部位に使用すると、しこりになったり、表情が不自然になったりするリスクもあります。

このため、医師は患者さんの希望する仕上がりや注入部位、肌の状態を総合的に判断し、数ある製剤の中から最も適したものを選定します。この製剤選びが、ヒアルロン酸注射の満足度を左右する重要な要素の一つです。

製剤の硬さと主な用途

製剤の硬さ主な用途持続期間の傾向
柔らかい小ジワ、目の周り、唇短い(約6ヶ月〜1年)
中間ほうれい線、頬、額普通(約1年〜1年半)
硬い鼻、顎の形成、リフトアップ長い(約1年半〜2年)

主な製剤と持続期間

多くのクリニックでは、複数のヒアルロン酸製剤を取り扱っています。それぞれの製剤が持つ特性を活かし、患者さん一人ひとりのご要望に合わせた治療を提供してもらえます。

ただし、取り扱いのある製剤はクリニックごとに違いがありますので、確認が必要です。

代表的な製剤とその持続期間

製剤名(シリーズ)特徴持続期間の目安
ジュビダームビスタ®シリーズ厚生労働省承認。なじみやすく、自然な仕上がりが特徴。約1年〜2年
レスチレン®シリーズ厚生労働省承認。リフト力が高く、シャープなライン形成に適する。約6ヶ月〜1年半
スタイレージ®シリーズ抗酸化成分配合で、注入後の炎症を抑え、持続性を高める工夫がされている。約9ヶ月〜1年半

※持続期間はあくまで目安であり、個人差や注入部位によって変動します。

【部位別】ヒアルロン酸注射の効果と持続期間

ヒアルロン酸注射は、顔のさまざまな部位に適用でき、それぞれで期待される効果や持続期間が異なります。ここでは、代表的な注入部位ごとに、その特徴を解説します。

ほうれい線・マリオネットライン

ほうれい線や口角から下に伸びるマリオネットラインは、年齢を感じさせやすい代表的なシワです。

これらの部位には中程度の硬さのヒアルロン酸を注入し、シワの溝を直接埋めたり、頬のたるみをリフトアップしたりして改善を図ります。

表情によってよく動く部位であるため、持続期間は1年〜1年半程度が目安となります。

定期的にメンテナンスをすると、良い状態を維持しやすくなります。

額・こめかみ・眉間

額の横ジワや眉間の縦ジワ、そして加齢によってくぼんでくるこめかみも、ヒアルロン酸の良い適応です。

額や眉間には、比較的柔らかい製剤を使用して自然な表情を損なわないように仕上げます。

こめかみのくぼみには、ある程度の硬さがある製剤でボリュームを補い、若々しい輪郭を取り戻します。

これらの部位は動きが少ないため効果は比較的長く持続し、1年半〜2年程度が期待できます。

目の下・ゴルゴライン

目の下のクマやたるみ、頬の中央を斜めに走るゴルゴラインは、疲れた印象や老けた印象を与えます。

このエリアの皮膚は非常に薄くデリケートなため、柔らかくなじみの良い製剤を慎重に注入する必要があります。

適切に注入すると影がなくなり、顔全体が明るく元気な印象に変わります。

持続期間は個人差が大きいですが、一般的には1年程度が目安です。非常に繊細な技術が求められる部位です。

部位別のお悩みと持続期間の目安

注入部位主なお悩み持続期間の目安
ほうれい線深いシワ、たるみによる影約1年〜1年半
こめかみ凹み、骨ばった印象約1年半〜2年
目の下クマ、たるみ、くぼみ約1年

唇・鼻・顎の形成

ヒアルロン酸はシワ改善だけでなく、パーツの形成(プチ整形)にも用いられます。

唇に注入すれば、厚みを出したり、輪郭をはっきりさせたりできます。鼻筋を高くしたり、鼻先をシャープにしたり、顎のラインを整えたりすることも可能です。

これらの形成目的の施術では、形を維持するために硬めの製剤を使用します。このため持続期間も長く、1年半〜2年程度効果が続くケースも珍しくありません。

注入量やデザインによって顔の印象が大きく変わるため、医師との十分なすり合わせが重要です。

ヒアルロン酸注射の効果を長持ちさせるアフターケア

ヒアルロン酸の効果を最大限に引き出し、できるだけ長く持続させるためには、施術後の過ごし方がとても重要です。

施術当日から日常生活に至るまでの注意点や心がけたいことを確認しておきましょう。

施術当日の過ごし方

施術当日は、注入部位への刺激を避けるのが最も大切です。血行が良くなると腫れや内出血のリスクが高まるため、激しい運動や長時間の入浴、サウナや飲酒は控えましょう。

シャワーは当日から可能ですが、注入部位を強くこすらないように注意してください。洗顔やスキンケアも、優しく触れる程度にとどめましょう。

施術後1週間の注意点

施術後1週間程度は、ヒアルロン酸が組織になじんで安定するまでの大切な期間です。

注入部位へのマッサージや圧迫は、製剤が移動したり変形したりする原因となるため絶対に避けてください。エステティックサロンでのフェイシャルマッサージや、美顔器の使用も控えましょう。

また、うつ伏せで寝ると顔に圧力がかかるため、仰向けで寝るように心がけると良いでしょう。

施術後の注意点まとめ

期間主な注意点理由
当日激しい運動、長時間の入浴、飲酒を避ける血行促進による腫れ・内出血の悪化を防ぐため
〜1週間注入部位のマッサージや圧迫を避ける製剤の移動や変形を防ぐため
〜2週間歯科治療、他の美容施術を避ける(要相談)感染リスクや注入部位への影響を避けるため

日常生活で心がけたいこと

長期的に効果を持続させるためには、生活習慣の見直しが有効です。

特に紫外線は、肌のコラーゲンやヒアルロン酸を破壊する大きな要因です。季節を問わず、日焼け止めを塗るなどの紫外線対策を徹底しましょう。

また、喫煙は血行を悪化させ、肌の老化を促進します。バランスの取れた食事や十分な睡眠も、肌の健康を保ってヒアルロン酸の効果を長持ちさせる上で大切です。

過度なダイエットは顔の脂肪を急激に減少させ、せっかく注入したヒアルロン酸の効果を分かりにくくしてしまう可能性もあるため注意が必要です。

効果持続のために避けたい生活習慣

  • 紫外線対策を怠る
  • 喫煙
  • 睡眠不足
  • 過度なダイエット

他の美容医療との併用

ヒアルロン酸注射は他の美容医療と組み合わせると、相乗効果が期待できる場合があります。

たとえば、HIFU(高密度焦点式超音波)や高周波(RF)治療器などで肌の土台を引き締めてからヒアルロン酸を注入すると、より少ない注入量で効果的なリフトアップが可能です。

ただし、施術を受けるタイミングには注意が必要です。ヒアルロン酸注入後に熱を加える施術を行うと、ヒアルロン酸の分解を早めてしまう可能性があります。

どのような順番で、どのくらいの間隔を空けて施術を受けるべきか、医師に相談して計画的に治療を進めましょう。

「思ったより効果が短い」と感じる方のための考察

「期待していたよりも早く効果がなくなった」と感じる方が、まれにいらっしゃいます。

その背景には、単に製剤が吸収されたという理由だけではなく、いくつかの要因が考えられます。

初回注入は吸収されやすい?身体の反応について

「初めてのヒアルロン酸は吸収が早い」という話を耳にしたことがあるかもしれません。医学的に明確な根拠はありませんが、いくつかの可能性が考えられます。

一つは、初めて注入されたヒアルロン酸に対して体が異物と認識し、分解・吸収しようとする反応が活発に起こるという可能性です。

また、注入前のシワや凹みが深い状態から初めて改善された状態を見ると、その変化の大きさに感動する一方で、少しでも元に戻ると「効果がなくなった」と敏感に感じやすいという心理的な側面もあります。

回数を重ねるとベースの状態が改善され、わずかな変化に一喜一憂しなくなる方も多いです。

生活習慣が持続期間に与える影響

先述のアフターケアとも関連しますが、日々の生活習慣は持続期間に少なからず影響を与えます。

特に代謝が良い方や、日常的に激しい運動をする方は、ヒアルロン酸の吸収が早まる傾向があると言われています。また、サウナやホットヨガを頻繁に行う方も同様です。

これらの習慣が悪いというわけではありませんが、ご自身の生活スタイルが持続期間に影響する可能性があることを理解しておくと良いです。

もし心当たりがある場合はカウンセリング時に医師に伝えておくと、製剤選びや注入計画の参考になります。

生活習慣と持続期間への影響

生活習慣の例持続期間への影響考えられる理由
頻繁な激しい運動短くなる可能性がある全身の代謝が活発になるため
サウナ・ホットヨガ短くなる可能性がある血行促進と発汗により代謝が上がるため
喫煙短くなる可能性がある血行不良や活性酸素が肌老化を促進するため

注入量の適切性とデザインの重要性

「効果が短い」と感じる原因として、実は「注入量が不足していた」というケースも少なくありません。

特に初めての施術では、変化に対する不安から控えめな注入を希望される方もいます。その結果、元々のシワや凹みの深さに対して注入量が足りず、早い段階で物足りなさを感じてしまう場合があります。

また、どこにどのくらいの量を、どの深さに注入するかという「デザイン」も非常に重要です。

的確な注入デザインがなされていないと、十分な量を入れても期待した効果が得られず、「効果がなかった」という不満につながりかねません。これは、医師の技術力と経験が大きく関わる部分です。

理想と現実のギャップを埋めるカウンセリング

最終的に、満足度を大きく左右するのは、施術前のカウンセリングです。

患者さんが「どのような状態になりたいか」という理想と、ヒアルロン酸注射で「実際に実現可能なこと」には、時としてギャップが存在します。このギャップを事前にしっかりと埋めておくと、満足度の高い治療につながります。

優れた医師は、ただ希望通りに注入するだけではありません。患者さんの骨格や表情のクセ、生活スタイルまでを考慮し、ヒアルロン酸でできることとできないこと、メリットだけでなくリスクについても丁寧に説明します。

そして、期待される効果の持続期間についても、個人差を含めて現実的な見通しを伝えます。

この相互理解のうえで治療に進むことが、「思ったより短かった」という残念な結果を防ぐ鍵となります。

ヒアルロン酸注射のダウンタイムとリスク

ヒアルロン酸注射は比較的負担の少ない治療ですが、医療行為である以上、ダウンタイムやリスクが全くないわけではありません。

安心して施術を受けるために、起こりうる症状について正しく理解しておきましょう。

起こりうる副作用と症状

施術後に最も一般的に見られる症状は、注入部位の赤みや腫れ、痛みや内出血です。これらは、注射針が皮膚を通過する際の刺激や、ヒアルロン酸が組織になじむ過程で起こる一時的な反応です。

ほとんどの場合、数日から1週間程度で自然に軽快します。内出血は、メイクで隠せる程度のものがほとんどです。

まれに、アレルギー反応や、注入部位が凸凹になる、しこりができるといったことも起こり得ます。

非常にまれですが、最も重篤なリスクとして血管閉塞があります。これは、注入されたヒアルロン酸が血管を詰まらせ、皮膚の血流を妨げてしまう状態です。

早期に適切な処置を行えば回復可能ですが、放置すると皮膚壊死に至る危険性もあります。

ダウンタイムの主な症状

  • 赤み・腫れ
  • 痛み・違和感
  • 内出血

ダウンタイムの期間と過ごし方

ダウンタイムの長さは、注入部位や量、体質によって個人差があります。一般的には、腫れや赤みは2〜3日、内出血は1〜2週間で落ち着く方が多いです。

この期間は、アフターケアの項目で説明した通り、血行を促進するような行為を避けて注入部位に刺激を与えないように安静に過ごすのが、ダウンタイムを長引かせないコツです。

万が一、強い痛みや腫れ、皮膚の色の変化などが現れた場合は自己判断せず、速やかに施術を受けたクリニックに連絡してください。

症状別の一般的な期間

症状一般的な持続期間対処法
腫れ・赤み2日〜3日冷やすことで症状が和らぐ場合がある
内出血1週間〜2週間コンシーラーなどでカバー可能
強い痛み・変色通常は起こらない直ちにクリニックへ連絡する

リスクを最小限に抑えるために

ヒアルロン酸注射のリスクをゼロにすることはできませんが、最小限に抑えるための方法があります。最も重要なのは、信頼できる医療機関で、経験豊富な医師による施術を受けることです。

顔の解剖学を熟知した医師は、危険な血管の位置を避け、適切な深さに正確に注入する技術を持っています。また、万が一のトラブルが発生した際にも、迅速かつ的確に対応できます。

ヒアルロン酸を溶かせる分解酵素(ヒアルロニダーゼ)を常備しているかどうかも、クリニック選びの重要なポイントです。

安さだけで選ぶのではなく、安全性と技術力を重視してクリニックを選びましょう。

失敗しないクリニック選びのポイント

ヒアルロン酸注射の成否は、医師の技術力と経験に大きく依存します。

満足のいく結果を得るために、どのような基準でクリニックを選べばよいのか、具体的なポイントを解説します。

医師の技術力と経験を見極める

医師の技術力は、ウェブサイトの症例写真や経歴である程度推測できます。

症例写真を見る際は、自分と似たタイプの悩みを持つ人の写真を探し、その仕上がりが自然で美しいかを確認しましょう。

ビフォーアフターの変化が分かりやすく、さまざまな角度から撮影された写真が掲載されていると信頼性が高いです。

また、所属学会や専門医資格なども、医師の知識や技術を測る一つの指標となります。

カウンセリングの質と丁寧さ

良いクリニックは、カウンセリングに十分な時間をかけます。患者さんの悩みや希望を丁寧にヒアリングし、それに対してどのような治療法があり、どのような効果が期待できるのかを分かりやすく説明してくれます。

メリットだけでなく、ダウンタイムやリスク、費用についても隠さず説明し、患者さんが納得した上で治療に進む姿勢が重要です。

一方的に治療を勧めてきたり、質問に曖昧に答えたりするような場合は注意が必要です。

カウンセリングでの確認事項

  • 自分の希望が正確に伝わっているか
  • リスクや副作用の説明は十分か
  • 費用体系は明確か
  • 医師と直接話せる時間はあるか

取り扱っている製剤の種類

ヒアルロン酸製剤には多くの種類があり、それぞれに特性があります。

幅広い種類の製剤を取り扱っているクリニックは、それだけ多くの症例に対応してきた証拠であり、患者さん一人ひとりの状態や希望に合わせて製剤を選択できる可能性が高いです。

特定の製剤しか扱っていない場合、それが自分の悩みに合っているとは限りません。カウンセリング時に、なぜその製剤を勧めるのか、理由を尋ねてみるのも良いでしょう。

料金体系の透明性

料金体系が明確であるかどうかは、信頼できるクリニックの条件の一つです。

ウェブサイトに料金が明記されているか、カウンセリング時に総額いくらかかるのかを明示した見積もりを提示してくれるかを確認しましょう。

「ヒアルロン酸1本〇〇円」とだけ書かれていても、実際には麻酔代や針代などが別途必要になるケースもあります。

後から追加料金を請求されることのないよう、施術に関わる全ての費用が含まれているかを確認すると良いです。

クリニック選びのチェックポイント

チェック項目確認する内容良いクリニックの傾向
症例写真仕上がりの自然さ、写真の質と量豊富で質の高い症例写真を公開している
カウンセリング説明の分かりやすさ、丁寧さ、時間時間をかけて丁寧に説明し、質問にしっかり答える
料金総額表示、追加費用の有無料金体系が明瞭で、見積もりを提示する

ヒアルロン酸注射に関するよくある質問

ヒアルロン酸注射は、たるみ改善やリフトアップ、シワや目元のくぼみ改善など、様々な効果が期待できます。

効果の持続期間は製剤や部位によって異なりますが、半年~2年程度が一つの目安です。

医療機関によって取り扱いのある製剤が異なりますので、複数のところでカウンセリングを受けて、自分の肌悩みに合った製剤やクリニックを探すのも良いでしょう。

痛みはどのくらいありますか?

痛みの感じ方には個人差がありますが、注射針を刺す際にチクッとした痛みを感じます。

多くのクリニックでは、痛みを軽減するために極細の針を使用したり、注入部位を冷やしたり、ご希望に応じて麻酔クリームやブロック麻酔を使用したりします。

多くの方は我慢できる程度の痛みですが、不安な方は遠慮なく相談しましょう。

施術時間はどのくらいですか?

施術時間は、注入する部位や本数によって異なりますが、実際の注入にかかる時間は10分〜30分程度です。

これに加えて、カウンセリングや麻酔の時間が別途必要になります。初回は全体で1時間〜1時間半程度の余裕を見ていただくと良いでしょう。

施術後、いつからメイクできますか?

メイクは、注射針の跡を避ければ当日から可能です。ただし、注入部位を強くこすったり、マッサージしたりしないように注意してください。

洗顔やクレンジングも、施術後数日間は優しく行うように心がけましょう。

効果がなくなった後、施術前よりたるんだりしませんか?

ヒアルロン酸が吸収されて効果がなくなった後、施術前よりもたるみが悪化するということはありません。ヒアルロン酸は徐々に体内に吸収されて元の状態に戻るだけです。

むしろ、注入されたヒアルロン酸がコラーゲンの生成を促す作用もあるため、肌質が改善され、施術前より良い状態になることも期待できます。

良い状態を維持するためには、効果が完全になくなる前に定期的にメンテナンスの施術を受けるのがおすすめです。

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この記事を書いた人

Dr.寺井美佐栄のアバター Dr.寺井美佐栄 ミサクリニック 六本木本院 院長

日本抗加齢医学会認定専門医。日本美容皮膚科学会、日本レーザー医学会、日本産業衛生学会専門医。
複数の大手美容皮膚科で10年以上の院長経験を経て、2022年9月にMiSA Clinic(ミサクリニック)を開業。YouTube等でも発信してきた、メスを使わずに”ナチュラルなキレイ”を引き出す技術には定評があり、ありがたいことに「SNSを見ました!」という方や、紹介・口コミ経由でたくさんのご相談を頂いてきました。皆様と共に、MiSA Clinicスタッフ一同、共に年を重ね、末永くお付き合いできる関係を目指して参ります。

資格
アラガン社ボトックスビスタ認定医
アラガン社ヒアルロン酸注入認定医

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