「たるみ」と「しわ」は多くの方が抱えるお肌の悩みですが、これらが同時に現れることには明確な理由があります。
実は、たるみとしわは肌の奥深くでつながっており、それぞれが互いの原因となっているのです。
この記事では、たるみとしわが同時に進行する根本的な原因を解き明かし、日々のセルフケアから美容皮膚科での効果的な治療法まで、総合的なエイジングケアの方法を詳しく解説します。
なぜ?たるみとしわが同時に現れる肌の仕組み
たるみとしわは、肌の土台である真皮層のコラーゲンやエラスチンが減少・劣化して同時に発生します。
土台が崩れると皮膚全体が下がり「たるみ」となり、その余った皮膚が折れ曲がるため「しわ」が生まれるのです。
肌の弾力を支える柱の減少
若々しい肌のハリや弾力は、皮膚の深い部分にある真皮層が支えています。
真皮層はコラーゲンという線維状のタンパク質が網目状に張り巡らされ、その間をエラスチンという弾力性のある線維が束ねて、しっかりとした構造を保っています。
しかし、年齢を重ねるとコラーゲンやエラスチンを生み出す力が衰え、量も質も低下します。建物の柱や梁が弱くなるように、肌の土台が緩んでしまいます。
この土台の緩みが、重力に負けて肌が垂れ下がる「たるみ」の直接的な原因です。
土台の崩れが引き起こす表面の「しわ」
肌の土台である真皮層が崩れると、その影響は表面の表皮にも現れます。
土台が緩んで皮膚全体がたるむと皮膚が余ってしまい、その部分が折りたたまれて溝になります。これが「たるみじわ」と呼ばれる状態です。
ほうれい線やマリオネットラインのように顔の動きで頻繁に折りたたまれる部分は、たるみによってさらに深く、目立つしわとして定着します。
つまり、たるみを放置すると、しわを深刻化させてしまいます。
乾燥とたるみが作る「たるみ毛穴」
たるみは毛穴の目立ちにも関係します。肌のハリが失われて皮膚が垂れ下がると、本来は丸い形をしている毛穴が重力によって下に引っ張られて涙型や楕円形に変形します。これが「たるみ毛穴」です。
複数のたるみ毛穴がつながって、線状のしわのように見える「帯状毛穴」に発展するケースもあります。
肌表面の乾燥が加わると、キメが乱れてさらに毛穴が目立ちやすくなり、見た目の印象を大きく左右します。
見た目年齢を左右する「たるみ」と「しわ」の根本原因
たるみとしわの主な原因は、「加齢」「紫外線による光老化」「表情筋の衰えと皮下脂肪の変化」の3つです。
これらの要因が複雑に絡み合い、肌のハリを失わせ、見た目年齢を引き上げてしまいます。
加齢によるコラーゲンとエラスチンの質の変化
肌のハリを保つコラーゲンとエラスチンは、20代をピークに徐々に減少し始め、40代以降はそのスピードが加速します。
量が減るだけでなく、質も変化します。古くなったコラーゲンは硬くなり、エラスチンは弾力を失ってもろくなります。
その結果、肌が柔軟性を失い、一度できた癖が元に戻りにくくなるため、しわが刻まれやすくなります。
新しいコラーゲンやエラスチンを生成する力も弱まるため、肌の修復が追いつかなくなるのです。
年齢と肌内部の変化
年代 | 肌内部の主な変化 | 現れやすい悩み |
---|---|---|
30代 | コラーゲン・エラスチンの減少が始まる。肌の水分保持能力が低下し始める。 | 目元の小じわ、肌の乾燥、毛穴の開き |
40代 | コラーゲン・エラスチンの減少が加速。表情筋が衰え始める。 | ほうれい線、フェイスラインのたるみ、たるみ毛穴 |
50代以降 | 女性ホルモンの減少に伴い、肌の菲薄化(ひはくか)が進む。皮下脂肪が下垂する。 | 深いしわ、マリオネットライン、顔全体のたるみ |
紫外線による「光老化」というダメージ
肌の老化原因の約80%は、紫外線による「光老化」だと言われています。
紫外線の中でもUVA(紫外線A波)は、肌の奥深く真皮層にまで到達します。そして、ハリの源であるコラーゲンやエラスチンを破壊する酵素を活性化させます。
長年にわたって紫外線を浴び続ければ、このダメージが蓄積し、肌の弾力が着実に失われます。
日々の紫外線対策が、数年後、数十年後の肌を決定づける重要な要素です。
表情筋の衰えと皮下脂肪の変化
顔には約30種類以上の表情筋があり、これらの筋肉が皮膚や皮下脂肪を支えています。
しかし、日常生活で使われる表情筋は全体の3割程度とも言われ、使われない筋肉は加齢とともに衰えていきます。筋肉が衰えると、その上にある脂肪や皮膚を支えきれなくなり、たるみが生じます。
また、加齢によって皮下脂肪は減少しやすい部分と、逆に増えて下垂しやすい部分が出てきます。
頬の高い位置にあった脂肪が下がると目立つようになるのが、ほうれい線やゴルゴラインです。
あなたの悩みはどれ?たるみ・しわタイプ別セルフチェック
ご自身のたるみやしわがどのタイプかの確認は、適切なケアを選ぶ第一歩です。
悩みは、肌表面の乾燥が原因の「乾燥小じわ」、表情の癖で刻まれる「表情じわ」、そして肌深層の変化による「構造的なたるみ」に大別できます。
皮膚表面の乾燥小じわと初期たるみ
目元や口元に現れるちりめん状の浅いしわは、主に肌表面の角質層の水分不足が原因です。スキンケアで十分に保湿すれば改善が見込める一方、放置すると深いしわへと進行する可能性があります。
また、肌のハリが少し失われ始め、頬を指で軽く押し上げると毛穴が目立たなくなる場合、それは「たるみ毛穴」のサインかもしれません。
これらはエイジングの初期段階で見られる症状です。
筋肉の動きが作る表情じわとほうれい線
笑った時にできる目尻のしわや、考え込むときに寄る眉間のしわなど、特定の表情を繰り返して定着するのが表情じわです。
若い頃は表情を戻せば消えていたものが、肌の弾力が低下すると、無表情の時でも跡が残るようになります。
ほうれい線も、頬の筋肉と口元の筋肉の境界線にできる溝であり、頬のたるみが進行するとともに深くなっていきます。
たるみ・しわのタイプ別特徴
タイプ | 主な原因 | 現れやすい場所 |
---|---|---|
乾燥小じわ | 角質層の水分不足 | 目元、口元 |
表情じわ | 表情の癖、コラーゲン減少 | 眉間、額、目尻 |
たるみじわ | 真皮層の衰え、表情筋の衰え | ほうれい線、マリオネットライン |
深層部が原因の構造的なたるみ
フェイスラインのもたつきや二重あご、頬全体の垂れ下がりは皮膚だけでなく、その下にある皮下脂肪や筋肉、さらには骨を支える靭帯の緩みといった、より深い層の構造的な変化が原因です。
この段階になるとセルフケアだけで改善するのは難しく、より根本的な取り組みが必要になります。
顔の重心が全体的に下がったように感じたら、構造的なたるみが進行しているサインです。
「表情の癖」が刻む未来のしわ地図 – 無意識な習慣を見直す
日常の何気ない表情の癖や姿勢が、将来のしわやたるみを深く刻む原因となります。
デスクワーク中の眉間のしわや、スマートフォンを見る際のうつむき姿勢など、無意識の習慣がどのように見た目年齢に影響を与えるのかを確認しておきましょう。
デスクワーク中の眉間と額のしわ
パソコンのモニターを集中して見つめている時、無意識に眉間に力が入り、険しい表情になっている方が少なくありません。
また、画面が見えにくいために目を細めたり、逆に目を見開いたりして額にしわを寄せる癖がある方もいます。
こうした緊張状態が長時間続くと、眉間や額の筋肉が常に収縮した状態になり、深い縦じわや横じわとして定着してしまいます。
1時間に1度は意識的に顔の力を抜き、遠くを見るなどして筋肉をリラックスさせましょう。
スマートフォンが作る首のしわと二重あご
スマートフォンを操作する時、多くの人が頭を前に突き出し、うつむいた姿勢になります。
この姿勢は「スマホ首」や「ストレートネック」とも呼ばれ、首や肩への負担だけでなく、美容にも大きな影響を与えます。
首の皮膚は顔よりも薄く、しわができやすい部分です。うつむくと首の前面に横じわが刻まれるだけでなく、顎の下に脂肪が集まりやすくなり、フェイスラインのたるみや二重あごの原因にもなります。
スマホはできるだけ顔の高さまで持ち上げて操作するよう心がけましょう。
あなたの癖はどれ?習慣とエイジングサインの関連
日常の癖・習慣 | 関連するエイジングサイン | 簡単な対策 |
---|---|---|
眉間に力を入れてPC作業 | 眉間の縦じわ、額の横じわ | 意識的に顔の力を抜き、休憩を入れる |
うつむいてスマホ操作 | 首の横じわ、二重あご、たるみ | スマホを目の高さに持ち上げる |
片側だけで食べ物を噛む | 片側のほうれい線が深くなる、フェイスラインの左右差 | 左右均等に噛むように意識する |
食事中の噛み癖とフェイスラインの非対称
食事の際に、いつも同じ側の歯で食べ物を噛む癖のある方もいるでしょう。
片側だけで噛む習慣があると、よく使う側の筋肉(咬筋)ばかりが発達し、顔の左右のバランスが崩れる原因になります。
使われる側の筋肉は硬く盛り上がり、使われない側の筋肉は衰えてたるみやすくなります。その結果、ほうれい線の深さやフェイスラインの形に左右差が生まれるケースがあります。
食事の際は、意識して左右両方の歯を均等に使うようにしましょう。
自宅でできるリフトアップ&エイジングケアの間違いと正解
良かれと思って行っている毎日のセルフケアが、実はたるみやしわを悪化させている可能性があります。
自己流マッサージのリスクや、本当の意味での保湿、そして効果的な紫外線対策について正しい知識を身につけましょう。
自己流マッサージがたるみを招く?
たるみ改善のために、顔を強くこすったり、引っ張ったりするマッサージをしている方も見受けられます。良かれと思って行っているマッサージも、やり方を間違えると逆効果になる場合があります。
肌への強い摩擦は表皮を傷つけてバリア機能を低下させるだけでなく、真皮層のコラーゲン線維にダメージを与え、たるみを助長する可能性があります。
マッサージを行う際は必ず滑りの良いクリームやオイルを使用し、肌を持ち上げるように優しく行うと良いです。
スキンケアのNG行動と正しい対策
やってはいけないNG行動 | 肌への影響 | 推奨される正しいケア |
---|---|---|
強い力での洗顔・マッサージ | 摩擦による肌ダメージ、たるみの悪化 | 摩擦を避けて優しく触れる |
保湿を化粧水だけで済ませる | 水分が蒸発し、かえって乾燥する | 乳液やクリームで油分のフタをする |
日焼け止めを少量しか塗らない | 紫外線防御効果が十分に得られない | 製品記載の適量をムラなく塗る |
保湿ケアの本当の意味と成分選び
保湿というと、化粧水で水分を与えることだけを考えがちですが、それだけでは不十分です。与えた水分が蒸発しないように、乳液やクリームなどの油分でしっかりとフタをするのが本当の保湿ケアです。
しわやたるみが気になる肌には保湿成分に加えて、エイジングケア効果のある成分を取り入れると良いでしょう。
例えば、コラーゲンの生成をサポートするレチノールやビタミンC誘導体、高い保水力を持つセラミドやヒアルロン酸などが配合された化粧品を選ぶのがおすすめです。
毎日続けるべき効果的な紫外線対策
紫外線対策は夏だけのものではありません。UVAは雲や窓ガラスも透過するため、一年中、室内外を問わず対策が必要です。
日焼け止めは表示されているSPFやPAの効果を十分に得るために、適量をムラなく塗る必要があり、顔全体で500円玉大が目安です。
汗をかいたりマスクで擦れたりすると落ちてしまうため、2〜3時間おきの塗り直しを習慣にしましょう。
塗り直しには、スプレータイプやパウダータイプの日焼け止めを併用すると便利です。
内側からハリを育む食事と生活スタイル
肌のハリは外側からのケアだけでなく、内側からの働きかけも重要です。
美肌を作る栄養素をバランス良く摂取する食事、老化の原因となる酸化を防ぐ生活、そして肌の修復に欠かせない質の良い睡眠が健やかな肌を育みます。
ハリのある肌を作るための栄養素
美しい肌は日々の食事から作られます。特に、肌の材料となる栄養素の意識的な摂取が重要です。
コラーゲンの主成分であるタンパク質は、肉や魚、卵や大豆製品からしっかり摂りましょう。
そして、そのタンパク質からコラーゲンを再合成する際には、ビタミンCが必要です。ビタミンCはピーマンやブロッコリー、果物などに多く含まれます。
また、鉄分もコラーゲン生成に重要な役割を果たします。これらの栄養素をバランス良く摂ると、内側からハリのある肌を育てられます。
肌のハリをサポートする食品
- タンパク質(肉、魚、卵、大豆製品)
- ビタミンC(赤ピーマン、ブロッコリー、キウイフルーツ)
- ビタミンA(レバー、うなぎ、緑黄色野菜)
- ビタミンE(ナッツ類、アボカド)
酸化ストレスから肌を守る食事
紫外線やストレス、大気汚染などによって体内に発生する活性酸素は細胞を傷つけ、肌の老化を促進する「酸化」の原因となります。この酸化から体を守るのが「抗酸化物質」です。
ビタミンA(β-カロテン)、ビタミンC、ビタミンEは代表的な抗酸化ビタミンであり、色の濃い野菜や果物に多く含まれるポリフェノールも強力な抗酸化作用を持ちます。
これらの食品を積極的に食事に取り入れ、酸化に負けない体を作りましょう。
抗酸化作用を持つ主な栄養素と食品
栄養素 | 主な働き | 多く含まれる食品 |
---|---|---|
ビタミンC | 活性酸素の除去、コラーゲン生成補助 | 柑橘類、イチゴ、ピーマン |
ビタミンE | 細胞膜の酸化を防ぐ、血行促進 | アーモンド、かぼちゃ、アボカド |
ポリフェノール | 強力な抗酸化作用 | 緑茶、赤ワイン、ブルーベリー、カカオ |
美肌と睡眠の深い関係
睡眠中は、肌のダメージを修復して新しい細胞を生み出す「成長ホルモン」が最も多く分泌されるゴールデンタイムです。
特に、入眠後の最初の3時間は深いノンレム睡眠に入りやすく、成長ホルモンの分泌が活発になります。
睡眠不足が続くと、この修復作業が十分に行われず、肌のターンオーバーが乱れてたるみやしわ、くすみなどの原因となります。毎日6〜8時間程度の質の良い睡眠を確保するよう心がけましょう。
たるみ・しわ改善のための美容皮膚科治療法
セルフケアでは改善が難しい深いたるみやしわには、美容皮膚科での治療が効果的です。
肌の深層から引き締めるHIFUや糸リフト、しわの溝を埋めるヒアルロン酸注入など、悩みに合わせた様々な選択肢があります。
HIFU(ハイフ)|深層から引き締める
HIFUは「高密度焦点式超音波」の略で、皮膚の表面を傷つけずに、狙った深さに超音波の熱エネルギーを集中させる治療です。主なターゲットは、皮膚の土台であるSMAS(スマス)筋膜です。
SMAS筋膜に熱を加えて組織を収縮させ、即時的なリフトアップ効果をもたらします。
さらに、熱ダメージを受けた組織が治癒する過程で新しいコラーゲンが生成されるため、中長期的に肌のハリや弾力が向上します。
メスを使わずに本格的なリフトアップが期待できる人気の治療です。
お悩み別|推奨される治療法
- フェイスラインのもたつきが気になる → HIFU、糸リフト
- ほうれい線やマリオネットラインを今すぐ消したい → ヒアルロン酸注入
- 肌全体のハリ・ツヤを改善したい → 高周波治療、レーザー治療
糸リフト(スレッドリフト)|物理的に引き上げる
糸リフトは、コグ(とげ)の付いた医療用の特殊な糸を皮下に挿入し、たるんだ組織を物理的に引き上げる治療法です。
ほうれい線やフェイスラインのもたつきに対して、即時的なリフトアップ効果が期待できます。
挿入された糸の周りではコラーゲン生成が促進されるため、肌のハリ感アップにもつながります。
糸は時間とともに体内に吸収されるため、安全性が高いのも特徴です。使用する糸の種類や本数、挿入する方向によって仕上がりを細かく調整できます。
代表的なクリニック治療法の比較
治療法 | 特徴 | ダウンタイムの目安 |
---|---|---|
HIFU(ハイフ) | SMAS筋膜にアプローチし、土台から引き締める。 | ほぼなし〜数日の軽い赤みや筋肉痛のような痛み |
糸リフト | 糸で物理的にたるみを引き上げる。即時性が高い。 | 数日〜2週間程度の腫れ、内出血、ひきつれ感 |
ヒアルロン酸注入 | しわの溝を埋めたり、ボリュームを補ったりする。 | ほぼなし〜数日の内出血や腫れ |
ヒアルロン酸注入|しわの溝を埋めてボリュームを補う
ヒアルロン酸は、もともと体内に存在する保水成分です。これを気になるしわの溝に直接注入して、肌を内側から持ち上げてしわを目立たなくさせます。
また、加齢によってボリュームが減少したこめかみや頬、顎などに注入すれば、若々しい輪郭を取り戻すことも可能です。
硬さや粒子の大きさが異なる様々な種類のヒアルロン酸があり、注入する部位や目的に応じて使い分けて、自然な仕上がりを実現します。
高周波・レーザー治療|コラーゲン生成を促す
高周波(RF)やレーザーは、真皮層に熱エネルギーを与えて、コラーゲンやエラスチンの生成を促進する治療法です。
HIFUよりも浅い層に作用し、肌全体の引き締めやハリ感のアップ、小じわや毛穴の改善に効果的です。
施術中の痛みが少なくダウンタイムもほとんどないため、手軽に受けられるエイジングケアとして人気があります。
定期的に受けるのが基本で、肌の老化を緩やかにして良い状態の維持を目指します。
後悔しない美容皮膚科選びのポイント
たるみ・しわ治療を成功させるためには、信頼できるクリニック選びが何よりも大切です。
医師の経歴や症例実績の確認、納得できるまで話を聞いてくれるカウンセリング、そして明確な料金体系の3つのポイントを押さえて後悔のない選択をしましょう。
医師の経歴と症例実績の確認
たるみやしわの治療は、医師の技術力と美的センスが結果を大きく左右します。
まずは、担当する医師が形成外科や皮膚科の専門的な知識を持っているか、また、たるみ治療の経験が豊富かどうかを確認しましょう。
クリニックのウェブサイトに掲載されている症例写真は、医師の技術力や仕上がりの雰囲気を知る上で重要な参考資料です。
自分と似たタイプの症例や、自分が理想とする仕上がりに近い症例があるかを確認すると分かりやすいでしょう。
カウンセリングで悩みや希望を深く理解してくれるか
良いクリニックは、カウンセリングの時間を非常に重視します。悩みやコンプレックス、どのような状態になりたいかという希望を、時間をかけて丁寧にヒアリングしてくれるはずです。
また、肌の状態や骨格を正確に診察した上で、適切な治療法だけでなく、そのメリットやデメリット、リスクについても隠さず説明してくれる医師は信頼できます。
一方的に治療を勧めるのではなく、あなたの意思を尊重してくれる姿勢があるかを見極めましょう。
カウンセリングでの確認
- 治療の具体的な効果と限界
- 考えられるリスクや副作用
- ダウンタイムの期間と過ごし方
- 料金総額と追加費用の有無
明確で分かりやすい料金体系
美容医療は自由診療のため、料金はクリニックによって異なります。ウェブサイトに掲載されている料金だけでなく、カウンセリング時に総額でいくらかかるのかを明確に提示してもらうことが重要です。
見積もりには施術費用以外に、初診料や麻酔代、薬代やアフターケア代などが含まれているかを確認しましょう。
「キャンペーン価格」などの安い料金だけを強調するのではなく、料金体系全体が透明で分かりやすいクリニックを選ぶと安心です。
たるみ・しわ治療に関するよくある質問
たるみとしわはお互いに影響し合っているため、同時に現れやすい肌悩みです。ただ、逆にいうと正しい方法で治療をすれば、どちらも一緒に改善できます。
保湿や紫外線対策、食事内容の見直しといった基本を押さえつつ、より効果的な方法をお考えの場合はクリニックの無料カウンセリングに足を運んでみましょう。
- 治療の痛みはどのくらいですか?
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HIFUは骨の近くでズーンと響くような熱感を感じる場合があります。糸リフトやヒアルロン酸注入は局所麻酔を使用するため、麻酔注射の際にチクッとした痛みがありますが、施術中の痛みはほとんどありません。
高周波やレーザー治療は温かい感覚がある程度で、痛みは非常に軽微です。
痛みが心配な方には麻酔クリームや笑気麻酔など、痛みを緩和する様々な方法を用意していますので、カウンセリング時にご相談ください。
- ダウンタイムはどれくらい必要ですか?
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HIFUや高周波治療は赤みが出ても数時間で引く方がほとんどで、ダウンタイムはほぼないと言えます。当日からメイクも可能です。
ヒアルロン酸注入は、まれに内出血が出る場合がありますが、コンシーラーで隠せる程度です。糸リフトは数日から2週間程度、腫れや内出血、口を開けた時の違和感などが出るときがあります。
大切なご予定がある場合は、余裕を持ったスケジュールで治療を受けると良いでしょう。
- 効果はどのくらい持続しますか?
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効果の持続期間も治療法や個人差によります。ヒアルロン酸は製剤の種類によりますが、半年から2年程度です。
糸リフトは糸が吸収されるまでの1年から2年程度、リフトアップ効果が持続します。HIFUは施術後2〜3ヶ月かけてコラーゲンが増えて効果のピークを迎え、半年から1年ほど持続します。
これらの治療は、効果が完全になくなる前に定期的にメンテナンスを行うと、より良い状態を長く維持できます。
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