顔のたるみは筋肉が原因?フェイスラインを引き締める効果的筋トレ法

顔のたるみは筋肉が原因?フェイスラインを引き締める効果的筋トレ法

フェイスラインのゆるみや頬のたるみに「もしかして、顔の筋肉が衰えたせい?」と感じている方も多いのではないでしょうか。

顔の皮膚や脂肪を支える土台である筋肉は、確かにたるみと深い関係があります。

この記事では、顔のたるみと筋肉の関連性を詳しく解説し、ご自身でできる効果的な筋トレ法を紹介します。

目次

顔のたるみを引き起こす筋肉の真実

顔のたるみは、皮膚や脂肪を支える「表情筋」や「深層筋」が衰え、重力に抗えなくなるために引き起こされます。

顔には多くの筋肉があり、それらが複雑に連携して私たちの表情を作り出し、皮膚や脂肪を適切な位置に保っています。

この土台となる筋肉が弱ると支える力が低下し、たるみとして現れるのです。

表情筋の衰えによる影響

顔には約30種類以上もの「表情筋」が存在し、皮膚のすぐ下で複雑に張り巡らされています。

これらの筋肉は喜怒哀楽といった豊かな表情を生み出すだけでなく、皮膚や皮下脂肪を支える重要な役割を担っています。

しかし、日常生活で使う表情筋は全体の3割程度といわれ、意識して動かさないと年齢とともに衰えやすい特徴があります。

表情筋が衰えると皮膚を支える力が弱まり、頬が下がる、ほうれい線が深くなる、口角が下がるといった、見た目の印象を大きく左右するたるみにつながります。

深層筋(インナーマッスル)の重要性

表情筋だけでなく、そのさらに深層にある筋肉、いわゆる「深層筋(インナーマッスル)」もフェイスラインの維持に重要です。

特に、首から顎にかけての筋肉群は、フェイスラインの土台を形成しています。これらの深層筋が衰えると顎下の脂肪を支えきれなくなり、二重あごや首のたるみの原因となります。

表面的な筋肉だけでなく、深層の筋肉への意識が根本的なたるみ改善には必要です。

顔のたるみに関わる主な筋肉

筋肉の名称主な役割衰えると起こりやすい現象
前頭筋(ぜんとうきん)眉を上げ、額にしわを作る額の横じわ、まぶたのたるみ
眼輪筋(がんりんきん)目を閉じる、まばたきをする目の下のたるみ、目尻のしわ
大頬骨筋(だいきょうこつきん)口角を斜め上に引き上げる頬のたるみ、ほうれい線

加齢だけではない!筋肉が衰える日常生活の習慣

筋肉の衰えは加齢現象の一つですが、それだけが原因ではありません。

無表情で長時間過ごすときが多いデスクワーク、スマートフォンをうつむいて操作する姿勢、食事の際に片側だけで噛む癖などは特定の筋肉しか使わないため、他の筋肉の衰えを加速させます。

また、急激なダイエットによる栄養不足も筋肉量の減少を招き、たるみの原因となりえます。ご自身の生活習慣の見直しが、たるみ予防の第一歩です。

筋肉と皮膚の構造的なつながり

体の筋肉が骨と骨をつなぐのに対し、顔の表情筋の多くは骨から皮膚に直接付着している「皮筋」です。

この特殊な構造のため筋肉の動きがダイレクトに皮膚に伝わり、細やかな表情を作れます。

しかし、このつながりは、筋肉が衰えると皮膚も一緒に下垂してしまうというデメリットも持ち合わせています。

筋肉のハリが失われるとその上にある皮膚も弾力を失い、たるみとして表面化するのです。

たるみは本当に筋肉だけのせい?他の原因

顔のたるみは筋肉の衰えだけでなく、皮膚の弾力低下や皮下脂肪の変化、骨格の萎縮といった複数の原因が複雑に絡み合って起こります。

ご自身のたるみがどの原因によるものかを理解すると、より効果的な対策を立てられます。

コラーゲン・エラスチンの減少

皮膚の真皮層に存在するコラーゲンとエラスチンは、肌にハリと弾力を与える重要な成分です。

コラーゲンが皮膚の構造を支える鉄骨の役割を、エラスチンがそれらを束ねるゴムのような役割を果たしています。

しかし、加齢や紫外線の影響でこれらの成分は減少し、質も低下します。その結果、皮膚自体の弾力が失われ、筋肉や脂肪を支えきれずにたるんでしまうのです。

これは「肌のゆるみ」ともいえる状態で、筋肉の衰えと同時に進行するケースが多いです。

皮下脂肪の増減と移動

顔の皮下脂肪もたるみに大きく関わっています。若い頃は適切な位置にある皮下脂肪が、加齢とともに重力の影響で下方へ移動したり、特定の部位で増減したりします。

例えば、頬の高い位置にあった脂肪が下がれば、ほうれい線やマリオネットラインが目立つようになります。

また、体重の増減が激しいと皮膚が脂肪の変化についていけず、たるみとして残ってしまう場合もあります。脂肪の重みがたるみをさらに助長する要因となるのです。

たるみの主な原因比較

原因特徴主な対策
筋肉の衰え表情が乏しくなり、全体的に下がる表情筋トレーニング、美容医療(HIFUなど)
皮膚のゆるみ肌のハリがなく、細かいしわも目立つ紫外線対策、保湿、美容医療(高周波など)
脂肪の移動・増加ほうれい線や二重あごが目立つ体重管理、美容医療(脂肪溶解注射、糸リフトなど)

骨格の変化による影響

見過ごされがちですが、土台となる骨格の変化もたるみの原因です。加齢により骨密度が低下し、骨が萎縮することを「骨痩せ」といいます。

特に、頬骨や下顎骨が痩せるとその上の皮膚や脂肪を支える土台が小さくなるため、組織が余ってたるみが生じます。

こめかみがくぼんだり、目の周りが落ちくぼんだりするのも骨痩せが影響している可能性があります。

筋肉や皮膚だけでなく、骨格レベルでの変化も考慮に入れる必要があります。

むくみや血行不良が隠れた原因に

一時的なものと思われがちな「むくみ」も、慢性化するとたるみの原因になります。塩分の多い食事や睡眠不足、運動不足などによる血行不良は、顔に余分な水分や老廃物を溜め込みます。

この状態が続くと皮膚が伸びてしまい、むくみが解消された後も皮膚が元に戻らず、たるみとして定着してしまうケースがあります。

朝起きた時に顔がパンパンにむくんでいる日が多い方は注意が必要です。

あなたのたるみタイプは?筋肉のつき方でわかるセルフチェック法

顔のたるみは衰えている筋肉の部位によって「口角下がり」「ほうれい線」「二重あご」などのタイプに分けられ、鏡でセルフチェックが可能です。

ご自身のたるみがどのタイプに当てはまるかを知れば、より効果的なトレーニングやケアを行えます。

口角下がりタイプ(口輪筋・口角下制筋)

無表情の時に口角が「へ」の字に下がっている、不機嫌そうに見られがち、という方はこのタイプかもしれません。

口の周りを囲む「口輪筋」や、口角を下に引く「口角下制筋」の力が、口角を上げる筋肉よりも強くなっているか、あるいは口角を上げる筋肉が衰えている状態です。

この状態が続くと、マリオネットライン(口角から顎にかけての溝)がくっきりと刻まれる原因にもなります。

ほうれい線くっきりタイプ(頬筋・大頬骨筋)

頬全体が下がり、鼻の横から口角にかけての「ほうれい線」が深くなってきたと感じる方はこのタイプです。

頬を膨らませたりへこませたりする「頬筋」や、口角を笑顔の形に引き上げる「大頬骨筋」といった、頬周りの筋肉が衰えている可能性があります。

これらの筋肉が弱ると頬の脂肪を支えきれなくなり、雪崩のように垂れ下がってほうれい線の上にかぶさって溝をより深く見せてしまいます。

たるみタイプ別セルフチェックリスト

チェック項目口角下がりタイプほうれい線くっきりタイプ
無表情の時の口角下がっている普通またはやや下がり気味
気になるラインマリオネットラインほうれい線
周囲からの印象「疲れてる?」「怒ってる?」「老けた?」「疲れた印象」

二重あご・首のたるみタイプ(広頸筋・顎舌骨筋)

フェイスラインがぼやけてきた、下を向くと顎の下にお肉がたまる、という方はこのタイプです。

首の前面を覆う薄い「広頸筋」や、顎の下の深層にある「顎舌骨筋」などが衰えていることが考えられます。

これらの筋肉は、顎下の皮膚や脂肪を引き締めておく役割を担っています。スマートフォンの長時間利用など、うつむき姿勢が長いと特に衰えやすい部分です。

タイプ別の日常で意識すべきポイント

ご自身のタイプがわかったら、日常生活で意識すべき点も変わってきます。

口角下がりタイプの方は、意識的に口角を上げる笑顔を心がけることが大切です。ほうれい線くっきりタイプの方は、食事の際によく噛む、特に左右均等に噛むように意識すると良いでしょう。

二重あごタイプの方はPCやスマホを見るときの姿勢を見直し、なるべく顔を正面に向けて首を伸ばす時間を増やす工夫が効果的です。

フェイスラインを引き締める!表情筋トレーニングの基本

表情筋トレーニングは、正しいフォームで無理なく継続するのが基本です。

やみくもなトレーニングは逆効果になるため、注意点を守る必要があります。正しい知識を身につけ、効果的にトレーニングを行いましょう。

トレーニングを始める前の注意点

まず、トレーニングを始める前には手をきれいに洗い、顔も清潔な状態にしておきましょう。

肌に摩擦を与えすぎないよう、滑りを良くするためにマッサージクリームやオイルを使用するのも一つの方法です。

ただし、トレーニングの種類によっては何もつけない方が良い場合もあります。

また、肌に炎症やニキビなどのトラブルがある場合は、悪化させる可能性があるためトレーニングを避けましょう。

トレーニングを行う上での心構え

ポイント内容理由
リラックス体全体の力を抜き、鏡の前で行う余計な力みはしわの原因になるため
意識集中動かしている筋肉を意識するトレーニング効果を高めるため
無理は禁物痛みを感じたらすぐに中止する筋肉や皮膚を傷つけないため

正しいフォームと頻度

表情筋トレーニングで最も重要なのは、正しいフォームです。狙った筋肉以外に力が入ってしまうと、かえって不要なしわを定着させてしまう危険性があります。

鏡を見ながら、どこの筋肉が動いているかをしっかり確認しながら、ゆっくりと丁寧に行いましょう。

頻度については、毎日少しずつ続けるのが理想です。

1日に長時間行うよりも1回数分程度のトレーニングを毎日継続するほうが、筋肉への負担も少なく効果的です。やりすぎは禁物です。

ウォームアップとクールダウンのすすめ

体の筋トレと同様に、顔のトレーニングでも準備運動と整理運動を取り入れると良いでしょう。

ウォームアップとしては、顔全体を優しくマッサージして血行を促進したり、軽く口を開け閉めしたりして筋肉をほぐします。

クールダウンではトレーニングで使った筋肉を優しく伸ばすようなストレッチ、冷たいタオルで軽く冷やす、といった工程で筋肉の興奮を鎮め、リラックスさせられます。

トレーニングの基本的な流れ

流れ内容
準備清潔な手と顔、鏡の用意
ウォームアップ顔全体の軽いマッサージ
メイントレーニング目的の部位を意識してゆっくり動かす
クールダウン使った筋肉のストレッチ

効果を実感するまでの期間の目安

表情筋トレーニングの効果は、すぐには現れません。体の筋トレと同じように継続が重要です。

一般的には毎日続けて1〜2ヶ月ほどで、顔がすっきりした、表情が作りやすくなったといった変化を感じ始める方が多いようです。

もちろん個人差はありますが、焦らずにコツコツと続ける努力が成功への鍵となります。

部位別の効果的なフェイスライン筋トレ法

気になる部位別に効果的なトレーニングを行うと、効率的にフェイスラインを引き締められます。

鏡を見ながら正しい動きを意識して行いましょう。各トレーニングは1セット5〜10回を目安に、無理のない範囲で実践してください。

頬のたるみを引き上げるトレーニング

頬全体のたるみをリフトアップし、ほうれい線を目立たなくすることを目指します。頬の大きな筋肉である大頬骨筋や小頬骨筋を鍛えます。

1. 口を閉じて、頬を大きく膨らませます。風船を膨らませるようなイメージです。
2. そのまま5秒間キープします。
3. 次に、ストローで吸うように、頬を思いきりすぼめます。
4. そのまま5秒間キープします。
5. 1〜4を1セットとして、数回繰り返します。

ほうれい線を目立たなくするトレーニング

ほうれい線の原因となる、口周りの筋肉の衰えに働きかけます。口輪筋を鍛え、頬の筋肉との連携を良くします。

1. 口を軽く開け、「お」の形を作ります。このとき、鼻の下をしっかり伸ばし、ほうれい線を伸ばすように意識します。
2. そのままの口の形で、目線をゆっくりと上に向け、5秒間キープします。
3. ゆっくりと元の表情に戻します。
4. これを1セットとして、数回繰り返します。

部位別トレーニングのポイント

部位ターゲットとなる筋肉意識するポイント
大頬骨筋、小頬骨筋頬を限界まで膨らませる・すぼめる
口元(ほうれい線)口輪筋鼻の下を伸ばし、ほうれい線をアイロンがけするイメージ
首(二重あご)広頸筋、顎舌骨筋首の前側をしっかり伸ばす

口角を上げるトレーニング

下がった口角をきゅっと引き上げ、明るい印象の口元を目指します。口角挙筋や大頬骨筋を意識して行います。

1. 口を閉じ、左右の口角を片方ずつ、ゆっくりと限界まで引き上げます。「いー」と発音するときの口の形です。
2. 引き上げた状態で5秒間キープします。
3. ゆっくりと元に戻し、反対側も同様に行います。
4. 最後に、両方の口角を同時に引き上げて5秒間キープします。

二重あごを解消する首のトレーニング

フェイスラインのもたつきや二重あごの改善に効果的です。首から顎にかけての筋肉を鍛えます。

1. 背筋を伸ばして正面を向き、ゆっくりと顔を上に向けます。
2. 天井と顔が平行になるくらいまで上げたら、顎を天井に突き出すようにして5秒間キープします。首の前側が伸びているのを感じましょう。
3. そのままの状態で、舌を上顎にぐっと押し付け、さらに5秒間キープします。
4. ゆっくりと元の姿勢に戻します。これを数回繰り返します。

筋トレ効果を高める生活習慣の改善

筋トレ効果を高めるには、筋肉の材料となる栄養摂取、成長ホルモンを促す睡眠、紫外線対策、正しい姿勢の維持といった生活習慣が重要です。

トレーニング以外の時間、つまり日常生活の過ごし方を見直すと、体の中からたるみにくい状態を作れます。

栄養バランスの取れた食事

筋肉はタンパク質を主成分として作られています。そのため、筋肉量を維持してトレーニングの効果を高めるには、良質なタンパク質の十分な摂取が必要です。

肉や魚、卵や大豆製品などを毎日の食事にバランス良く取り入れましょう。

また、肌のハリを保つビタミンCや、血行を促進するビタミンE、抗酸化作用のあるポリフェノールなどもたるみ予防に役立つ栄養素です。

たるみ対策におすすめの栄養素と食材

栄養素主な働き多く含まれる食材
タンパク質筋肉や肌の材料となる鶏むね肉、鮭、卵、豆腐
ビタミンCコラーゲンの生成を助けるパプリカ、ブロッコリー、キウイ
ビタミンE血行を促進し、抗酸化作用があるアーモンド、アボカド、かぼちゃ

質の良い睡眠の確保

睡眠中は成長ホルモンが分泌され、日中に受けたダメージを修復し、筋肉や肌の再生を促す大切な時間です。

睡眠不足が続くと成長ホルモンの分泌が減少し、筋肉の修復が追いつかなくなったり、肌のターンオーバーが乱れたりして、たるみを助長します。

毎日6〜8時間程度の十分な睡眠時間を確保し、就寝前にスマートフォンを見るのを控えるなど睡眠の質を高める工夫をしましょう。

紫外線対策の徹底

紫外線は肌のたるみを引き起こす最大の外的要因の一つです。

紫外線(特にUVA)は肌の奥深く真皮層にまで到達し、ハリや弾力を保つコラーゲンやエラスチンを破壊してしまいます。この現象を「光老化」と呼びます。

筋肉をいくら鍛えても、その上にある皮膚がダメージを受けていては、たるみが改善しません。

季節や天候に関わらず日焼け止めを塗る、帽子や日傘を活用するなど、年間を通した紫外線対策を徹底しましょう。

正しい姿勢を保つ意識

猫背や頭が前に突き出た姿勢は、顔のたるみに直結します。

特に、うつむき加減でスマートフォンを長時間操作する姿勢は首の筋肉に負担をかけ、重力の影響で顔全体の皮膚や脂肪が下方に引っ張られる原因となります。

この影響で二重あごやフェイスラインの崩れを引き起こします。

普段から背筋を伸ばし、顎を軽く引いて、頭のてっぺんが天井から糸で吊られているようなイメージで正しい姿勢を保つように意識しましょう。

日常生活で避けたいNG習慣

  • 長時間のスマホ操作(うつむき姿勢)
  • 食事での片側噛み
  • 頬杖をつく癖
  • 無表情で過ごす時間が長い

セルフケアの限界と美容医療という選択肢

セルフケアで改善が難しい進行したたるみには限界があり、その場合は美容医療が有効な選択肢となります。

表情筋トレーニングや生活習慣の改善は、たるみの予防や初期段階の改善に有効です。

しかし、すでにたるみが進行してしまっている場合には、美容医療の力を借りることも検討しましょう。

筋トレだけでは改善が難しいケース

表情筋トレーニングは、あくまで筋肉に働きかける方法です。

そのため、たるみの原因が筋肉の衰えだけでなく、皮膚のゆるみ(コラーゲンの減少)や皮下脂肪の移動・下垂、骨格の萎縮などが大きく関わっている場合、筋トレだけで満足のいく結果を得るのは難しいケースが多いです。

特に、深く刻まれたほうれい線やマリオネットライン、脂肪の下垂によるフェイスラインの大きな崩れなどはセルフケアでの改善には限界があります。

美容クリニックで受けられるたるみ治療の種類

美容クリニックでは、たるみの原因や程度、患者さんの希望に応じて様々な治療法を提案します。

メスを使わない手軽な治療から、より効果を実感しやすい外科的な治療まで、選択肢は多岐にわたります。

代表的なものには、高密度の超音波で筋膜を引き締めるHIFU(ハイフ)、特殊な糸を挿入して物理的にたるみを引き上げる糸リフト、ヒアルロン酸などを注入してボリュームを補う注入治療などがあります。

主な美容医療によるたるみ治療法

治療法アプローチする層特徴
HIFU(ハイフ)SMAS筋膜、皮下脂肪超音波で深層から引き締める。ダウンタイムが少ない。
高周波(RF)治療真皮層、皮下脂肪熱エネルギーでコラーゲン生成を促し、肌を引き締める。
糸リフト皮下脂肪溶ける糸で物理的に脂肪を引き上げる。即時的な効果が高い。

治療法ごとの特徴とダウンタイム

各治療法には、それぞれ特徴とメリット・デメリットがあります。

例えば、HIFUはダウンタイム(施術後の回復期間)がほとんどなく、日常生活に支障をきたしにくいのが利点ですが、効果の現れ方には個人差があります。

一方、糸リフトは引き上げ効果を実感しやすいですが、数日間は腫れや内出血、軽い痛みを伴う場合があります。

ご自身の生活スタイルや、どの程度の効果を望むかに合わせて適した治療法を選びましょう。

専門医に相談する重要性

顔のたるみの原因は一人ひとり異なります。自己判断でケアを続けるよりも、まずはたるみ治療を専門とする医師の診察を受け、ご自身のたるみの原因を正確に診断してもらうことが改善への一番の近道です。

カウンセリングでは現在の状態だけでなく、将来的なたるみの進行予測や、それに合わせた治療計画についても相談できます。

疑問や不安な点を解消し、納得した上で治療に進むと満足のいく結果につながります。

顔のたるみと筋肉に関するよくある質問

顔のたるみは筋肉の衰えが原因となっているケースが多く見受けられます。そういった場合は、フェイスライン引き上げる筋トレや頬の筋肉を鍛える運動が効果的です。

ただ、皮膚弾力の低下や骨の萎縮、筋膜のゆるみなども顔のたるみの原因として挙げられ、複数の要素が絡み合っている方も少なくありません。

そのため、本格的にたるみを改善したい、効果的にフェイスラインをすっきりさせたいとお考えの方にはクリニックでの美容医療がおすすめです。

フェイスラインの筋トレはやりすぎると逆効果になりますか?

逆効果になる可能性があります。表情筋トレーニングを過度に行うと特定の筋肉が発達しすぎてしまい、かえって表情が硬くなったり、意図しないしわが定着したりする場合があります。

特に、眉間や額にしわを寄せるような動きは注意が必要です。

1回のトレーニングは数分程度にとどめ、正しいフォームでゆっくりと行うように心がけてください。痛みや違和感がある場合は、すぐに中止しましょう。

効果はどのくらいで現れますか?

個人差が大きいですが、セルフケアの表情筋トレーニングの場合、毎日継続して1ヶ月から2ヶ月ほどで顔がすっきりした、表情が動かしやすくなったといった変化を感じ始める方が多いです。

美容医療は治療法によって異なります。HIFUのように効果が徐々に現れるものもあれば、糸リフトのように直後から変化がわかるものもあります。詳しくはカウンセリング時に医師にご確認ください。

筋トレとマッサージはどちらが効果的ですか?

目的が異なるため、一概にどちらが優れているとは言えません。筋トレは、筋肉そのものを鍛えて土台から引き上げることを目的とします。

一方、マッサージは血行やリンパの流れを促進し、むくみや老廃物を排出して顔をすっきりさせる効果が期待できます。両方を組み合わせると相乗効果が期待できます。

ただし、マッサージは強い摩擦が肌への負担となり、たるみを悪化させる場合もあるため、専門家の指導のもと優しく行うのが重要です。

男性でも同じトレーニングで効果がありますか?

効果は期待できます。男性は女性に比べて皮膚が厚く、皮下脂肪も少ない傾向にありますが、たるみの基本的な原因(筋肉の衰え、コラーゲンの減少など)は同じです。

そのため、この記事で紹介したような表情筋トレーニングは、男性のフェイスラインの引き締めやたるみ予防にも有効です。男性も、ぜひ日々のケアに取り入れてみてください。

参考文献

VAN BORSEL, John, et al. The effectiveness of facial exercises for facial rejuvenation: a systematic review. Aesthetic surgery journal, 2014, 34.1: 22-27.

LIM, Hyoung Won. Effects of facial exercise for facial muscle strengthening and rejuvenation: systematic review. The Journal of Korean Physical Therapy, 2021, 33.6: 297-303.

FURLAN, Andreza Sonego, et al. Facial Exercises: Enhancing Facial Structure and Reducing Signs of Aging-A Comprehensive Review. Current Cosmetic Science, 2024, 3.1: E181223224616.

KIVILUOMA, Leena. Vital Face: Facial Exercises and Massage for Health and Beauty. Singing Dragon, 2013.

VERMA, Kritin K., et al. Facial Contouring Through Jaw Exercises: A Report of Two Cases Examining Efficacy and Consumer Expectations. Cureus, 2024, 16.11.

IBRAHIM, Fatimah; ARIFIN, Nooranida; RAHIM, Zubaidah HA. Effect of orofacial myofunctional exercise using an oral rehabilitation tool on labial closure strength, tongue elevation strength and skin elasticity. Journal of Physical Therapy Science, 2013, 25.1: 11-14.

BALWANI, Rajani D.; CHOUDHARI, Vinod M.; WASU, Isha P. Facial Yoga for Skin Rejuvenation. International Ayurvedic Medical Journal, 2020, 8.4: 3307-3309.

LOUARN, Claude Le; BUTHIAU, Didier; BUIS, Jacques. Structural aging: the facial recurve concept. Aesthetic Plastic Surgery, 2007, 31.3: 213-218.

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

Dr.寺井美佐栄のアバター Dr.寺井美佐栄 ミサクリニック 六本木本院 院長

日本抗加齢医学会認定専門医。日本美容皮膚科学会、日本レーザー医学会、日本産業衛生学会専門医。
複数の大手美容皮膚科で10年以上の院長経験を経て、2022年9月にMiSA Clinic(ミサクリニック)を開業。YouTube等でも発信してきた、メスを使わずに”ナチュラルなキレイ”を引き出す技術には定評があり、ありがたいことに「SNSを見ました!」という方や、紹介・口コミ経由でたくさんのご相談を頂いてきました。皆様と共に、MiSA Clinicスタッフ一同、共に年を重ね、末永くお付き合いできる関係を目指して参ります。

資格
アラガン社ボトックスビスタ認定医
アラガン社ヒアルロン酸注入認定医

目次