ふとした瞬間に口角からあごにかけて伸びる「線」に気づき、憂鬱な気持ちになった方もいるのではないでしょうか。
その線は「マリオネットライン」と呼ばれ、実年齢よりも老けて見えたり、不機嫌な印象を与えたりする原因となります。
この記事では、マリオネットラインがなぜできるのか、その根本的な原因から、ご自身でできる予防策、そして美容クリニックで受けられる効果的な治療法まで医師の視点で詳しく解説します。
マリオネットラインとは?口元の印象を左右する「老け見え」サイン
マリオネットラインは、多くの人が悩むエイジングサインの一つです。
まずは、この線がどのようなもので、顔の印象にどう影響するのかを正しく理解することが大切です。
腹話術人形の口元に似ていることが名前の由来
マリオネットラインという名前は、腹話術で使われる操り人形(マリオネット)の口元の構造に由来します。
人形の口はあごの部分が分かれていて、口を動かすための線が入っています。口角からあごに向かって伸びる線が人形の口元の線に似ていることから、マリオネットラインと呼ばれるようになりました。
医学的には「口角溝(こうかくこう)」とも言います。
ほうれい線との違い
マリオネットラインは、しばしば「ほうれい線」と混同されますが、これらは全く別の場所にできるシワです。
ほうれい線が小鼻の横から口角に向かって伸びる線であるのに対し、マリオネットラインは口角から真下、あごに向かって伸びる線を指します。
できる場所が違うため、原因や効果的な治療法も異なります。
ほうれい線とマリオネットラインの位置
名称 | できる場所 | 主な原因 |
---|---|---|
ほうれい線 | 小鼻の脇から口角にかけて | 頬の脂肪の下垂、皮膚のたるみ |
マリオネットライン | 口角からあごにかけて | 頬全体のたるみ、口角下制筋の拘縮 |
マリオネットラインが与える顔の印象
マリオネットラインがあると口角が下がって見えるため、「不機嫌そう」「疲れている」「怒っている」といったネガティブな印象を与えがちです。
また、顔全体のたるみを示唆するサインでもあるため、実年齢よりも老けて見られる原因になります。
この線が1本あるだけで、顔の印象は大きく変わってしまうのです。
マリオネットラインが刻まれる原因
マリオネットラインは単一の原因ではなく、複数の要因が複雑に絡み合って現れます。主な原因を理解すると、適切な予防や治療につながります。
加齢による皮膚のたるみ
年齢を重ねると肌のハリや弾力を支えるコラーゲンやエラスチンが減少し、質も低下します。これにより皮膚の土台が緩み、重力に逆らえなくなった頬の皮膚や脂肪が下垂します。
このたるみが口元で滞り、深い溝となってマリオネットラインを形成するのです。
これは、マリオネットラインができる最も大きな原因の一つです。
顔の筋肉(口角下制筋)の過緊張
口角を下に引く役割を持つ「口角下制筋(こうかくかせいきん)」という筋肉があります。
この筋肉が、無意識の食いしばりや加齢によって過度に緊張し、硬く縮こまってしまう場合があります。
すると、常に口角が下に引っ張られる状態になり、皮膚に折り目がついてマリオネットラインがくっきりと刻まれてしまいます。
主な原因のまとめ
原因 | 内容 | 影響 |
---|---|---|
皮膚のたるみ | コラーゲン・エラスチンの減少 | 頬の皮膚や脂肪が下垂し、溝を作る |
筋肉の過緊張 | 口角下制筋が硬く縮こまる | 口角が下に引かれ、線が定着する |
骨格・脂肪の変化 | 骨の萎縮や脂肪の移動 | 皮膚を支える土台が変化し、たるみを生む |
骨格の構造と脂肪の下垂
加齢は皮膚だけでなく、顔の骨格や脂肪にも変化をもたらします。
頬やあごの骨が萎縮するとその上の皮膚や脂肪を支えきれなくなり、たるみが生じます。
また、若い頃は頬の高い位置にあった皮下脂肪(メーラーファットなど)が加齢とともに下方に移動し、口元にたまることもマリオネットラインを深くする一因です。
紫外線や乾燥による肌ダメージ
長年にわたって紫外線を浴び続けると肌のコラーゲンやエラスチンが破壊され、光老化と呼ばれる現象を引き起こします。
また、肌の乾燥はバリア機能の低下を招き、外部からの刺激を受けやすくして、肌の老化を加速させます。
これらのダメージの蓄積が肌の弾力低下を招き、結果的にマリオネットラインの形成につながります。
セルフチェック!あなたのマリオネットライン危険度は?
「もしかして自分も?」と感じたら、簡単なセルフチェックで現在の状態を確認してみましょう。
早期に気づくことが、悪化を防ぐ第一歩です。ご自身の状態を客観的に把握し、今後の対策を考えていきましょう。
口角の位置を鏡で確認する
まず、正面から鏡を見て、真顔になったときの口角の位置を確認します。
口角が水平よりも下がっている場合は注意が必要です。口角下制筋が緊張しているか、頬のたるみが始まっているサインかもしれません。
無表情の時の口元の状態
次に、無表情の状態で口角からあごにかけて、うっすらとでも線や影が見えるかを確認します。
まだシワとして定着していなくても、影が見える場合は「マリオネットライン予備軍」と言えます。この段階でケアを始めることが重要です。
肌のハリ・弾力の低下をチェック
頬を指で軽くつまんでみましょう。若い頃のような弾力や跳ね返すようなハリが感じられない場合、皮膚のたるみが進行している可能性があります。
つまんだ跡がなかなか消えない場合も、肌の弾力が低下している証拠です。
危険度別アドバイス
危険度レベル | 状態 | 推奨される対策 |
---|---|---|
低(予備軍) | 無表情では見えないが、笑うと影ができる | 保湿ケアの徹底、紫外線対策、姿勢の改善 |
中 | 無表情でもうっすら線や影が見える | 上記に加え、表情筋トレーニング、エイジングケア化粧品の使用 |
高 | 無表情でもくっきりとした線がある | セルフケアでの改善は困難。美容クリニックへの相談を推奨 |
日常生活で悪化させるNG習慣と予防策
マリオネットラインは、日々の何気ない習慣によって知らず知らずのうちに悪化する場合があります。ご自身の生活を見直し、予防に努めましょう。
姿勢の悪さ(猫背・スマホ首)
猫背やスマートフォンを見る際のうつむいた姿勢(スマホ首)は、首や肩の血行不良を招くだけでなく、顔全体の皮膚を下に引っ張る原因になります。
特に、首の前側にある広頚筋(こうけいきん)が衰えるとフェイスラインのたるみを引き起こし、マリオネットラインを助長します。
噛み癖や歯ぎしり
片方の歯ばかりで噛む癖があると顔の片側の筋肉だけが酷使され、顔の歪みにつながります。
また、睡眠中の歯ぎしりや日中の食いしばりは、口角下制筋を含む口周りの筋肉を常に緊張させ、マリオネットラインを深く刻む直接的な原因となります。
悪化させる習慣と予防策
NG習慣 | 予防策 |
---|---|
猫背・スマホ首 | 意識して背筋を伸ばす、スマホは目の高さで見る |
片側での噛み癖 | 左右均等に噛むことを意識する |
急激なダイエット | 栄養バランスを考え、緩やかに減量する |
急激なダイエットによる影響
短期間で大幅に体重を落とすと皮膚が脂肪の減少についていけず、たるんでしまう場合があります。これは顔も例外ではありません。
顔の脂肪が急激に減るため皮膚が余り、頬がこけて見えるだけでなく、マリオネットラインやほうれい線が目立つ原因になります。
予防のために意識したい生活習慣
マリオネットラインの予防と悪化防止には、日々の積み重ねが大切です。
以下の点を意識して生活しましょう。
- 紫外線対策を年間通して行う
- 保湿を重視したスキンケア
- タンパク質やビタミンを意識したバランスの良い食事
- 質の良い睡眠を十分にとる
自宅でできるセルフケアの限界と注意点
マリオネットラインを改善しようと、ご自身でマッサージやエクササイズに取り組む方も多いでしょう。
しかし、セルフケアには限界があり、やり方を間違えると逆効果になるケースもあるため注意が必要です。
表情筋トレーニングの効果とリスク
口周りの筋肉を鍛える表情筋トレーニングは、たるみの予防にある程度の効果を期待できます。
しかし、すでにできてしまったマリオネットラインを消すのは困難です。
また、自己流で過度に行うとかえって特定の筋肉が緊張し、シワを深くしてしまうリスクもあります。
マッサージはやり方を間違えると逆効果に
顔のマッサージは血行を促進し、むくみを改善する効果がありますが、強い力で肌を擦るのは禁物です。
摩擦は肌にダメージを与え、たるみやシワの原因になります。また、皮膚を支えている靭帯(リガメント)を伸ばしてしまい、たるみを悪化させる可能性も指摘されています。
マッサージを行う際は必ず滑りの良いクリームやオイルを使い、優しく行うのが重要です。
セルフケアの種類と注意点
セルフケア | 期待できる効果 | 注意点・リスク |
---|---|---|
表情筋トレーニング | たるみの予防、血行促進 | やりすぎるとシワが悪化する可能性 |
マッサージ | むくみ改善、血行促進 | 強い摩擦はたるみや色素沈着の原因に |
エイジングケア化粧品 | 乾燥予防、ハリ感の維持 | 深いシワやたるみの根本改善は難しい |
エイジングケア化粧品の役割
レチノールやナイアシンアミドなど、シワ改善効果が認められた成分を含む化粧品は、肌のハリを保ち、浅い乾燥小ジワを目立たなくする効果が期待できます。
しかし、これらはあくまでスキンケアの一環です。たるみや筋肉の拘縮が原因でできた深いマリオネットラインを、化粧品だけで完全に消すことはできません。
セルフケアで改善が見込めない理由
セルフケアはあくまで「予防」や「悪化防止」が主な目的です。
マリオネットラインは、皮膚や脂肪、筋肉や骨格といった複数の層にわたる構造的な変化が原因で生じます。
そのため、皮膚の表面からアプローチするセルフケアだけでは根本的な原因に働きかけられず、改善には限界があるのです。
美容クリニックで受けられる効果的な治療法
セルフケアで改善が難しいマリオネットラインには、美容クリニックでの専門的な治療が有効です。
原因や症状の程度に合わせて、様々な治療法から適切なものを選択します。
ヒアルロン酸注入
ヒアルロン酸注入は、マリオネットラインの溝やその周辺にヒアルロン酸製剤を注入し、皮膚を内側から持ち上げて溝を目立たなくする治療です。
たるみの原因となっている頬やフェイスラインのボリュームロスを補うため、リフトアップ効果も期待できます。
使用する製剤には様々な硬さがあり、医師が症状や部位に合わせて選択します。
比較的ダウンタイムが短く、施術直後から変化を実感できるため、手軽に受けやすい治療の一つです。
ヒアルロン酸注入の概要
項目 | 内容 |
---|---|
メリット | 即効性がある、ダウンタイムが短い、細かなデザイン調整が可能 |
デメリット | 効果は永久ではない(半年~2年程度)、内出血や腫れのリスク |
費用目安 | 5万円~15万円程度(使用量による) |
ボツリヌス・トキシン(ボトックス)注射
口角を下に引く口角下制筋の過緊張が主な原因である場合に有効なのが、ボツリヌス・トキシン注射です。
筋肉の働きを一時的に緩める作用により口角が自然に上がり、マリオネットラインが浅くなります。
ヒアルロン酸注入と組み合わせると、より効果を実感しやすい場合もあります。
ボツリヌス・トキシン注射の概要
項目 | 内容 |
---|---|
メリット | 筋肉の緊張を直接緩和、口角が上がる、施術時間が短い |
デメリット | 効果は永久ではない(3~6ヶ月程度)、表情に違和感が出る可能性 |
費用目安 | 2万円~5万円程度 |
HIFU(ハイフ)などの照射治療
HIFU(高密度焦点式超音波)は、皮膚の土台であるSMAS(スマス)筋膜に超音波の熱エネルギーを集中させて照射し、組織を収縮させてたるみを引き締める治療です。
さらに、熱刺激によってコラーゲンの生成が長期的に促進されるため、肌の内側からハリと弾力がよみがえります。
メスや注射を使わずにリフトアップができる人気の治療法です。
HIFU(ハイフ)の概要
項目 | 内容 |
---|---|
メリット | ダウンタイムがほぼない、肌の根本から引き締める、美肌効果も期待できる |
デメリット | 効果の実感に時間がかかる(1~3ヶ月後がピーク)、施術中に痛みを感じることがある |
費用目安 | 5万円~20万円程度(照射範囲による) |
糸リフト(スレッドリフト)
糸リフトはコグ(とげ)の付いた特殊な糸を皮下に挿入し、たるんだ皮膚や脂肪を物理的に引き上げる治療です。
頬やフェイスラインのたるみを強力にリフトアップするため、マリオネットラインの改善に効果を発揮しやすいです。
即時的なリフトアップ効果に加え、糸が吸収される過程でコラーゲン生成が促進されるため、長期的な肌質の改善も期待できます。
糸リフトの概要
項目 | 内容 |
---|---|
メリット | 即時的なリフトアップ効果が高い、フェイスラインがシャープになる |
デメリット | 腫れや痛み、引きつれ感が出やすい、医師の技術力で結果が左右される |
費用目安 | 10万円~30万円程度(本数や種類による) |
マリオネットライン治療を成功させるためのクリニック選び
満足のいく結果を得るためには、治療法だけでなく、どのクリニックで受けるかが非常に重要です。後悔しないためのクリニック選びのポイントを確認しましょう。
医師の経験と技術力を見極める
マリオネットラインの治療は、顔全体のバランスを見ながら行う繊細な技術が必要です。
特にヒアルロン酸注入や糸リフトは、医師の技量によって仕上がりが大きく左右されます。
クリニックのウェブサイトで症例写真を確認したり、医師の経歴や資格を調べたりして、信頼できる医師を選びましょう。
カウンセリングの丁寧さと相性
治療前のカウンセリングで悩みや希望を親身に聞いてくれるか、治療法のメリットだけでなくリスクやデメリットについてもきちんと説明してくれるかを確認しましょう。
疑問や不安に丁寧に答えてくれる医師であれば、安心して治療を任せられます。医師との相性も大切な要素です。
複数の治療選択肢を提案できるか
マリオネットラインの原因は一つではないため、効果的な方法も人それぞれです。
ヒアルロン酸注入だけ、HIFUだけ、といったように特定の治療法しか勧めないクリニックではなく、状態に合わせて複数の治療法を組み合わせるなど、幅広い選択肢を提案できるクリニックが望ましいです。
料金体系の明確さ
カウンセリングの際に、提示された治療にかかる総額の費用を明確に説明してくれるクリニックを選びましょう。
施術代の他に、初診料や麻酔代、薬代などが別途必要な場合もあります。
「後から追加料金を請求された」といったトラブルを避けるためにも、料金体系が明瞭であるかどうかは重要なポイントです。
マリオネットラインに関するよくある質問
マリオネットラインは口角からあごに向かって伸びる線を指し、目立つ原因は皮膚のたるみや筋肉のこわばり、脂肪の下垂など様々です。そのため、早い人では20代でも目立ち始める方もいます。
浅いラインであればセルフケアでもある程度の改善が期待できるものの、深くなってしまっている場合はクリニックでの美容医療が良い選択肢となります。
ご自身の原因を特定して、それに合った治療法を選ぶためにも、マリオネットラインを改善したい方はいちどクリニックに足を運んでみましょう。
- 治療の痛みやダウンタイムはどのくらいですか?
-
治療法によって異なります。注射治療はチクッとした痛みを伴いますが、麻酔クリームを使用すると軽減できます。HIFUは骨に近い部分で響くような痛みを感じる場合があります。
ヒアルロン酸・ボツリヌスによる内出血や腫れ、赤みが数日から2週間程度、HIFUによる赤みや筋肉痛のような鈍痛は数時間から数日程度、糸リフトによる腫れや痛み、引きつれ感は1週間から1ヶ月程度がダウンタイムの目安です。
施術後の過ごし方もダウンタイムの長さに影響しますので、クリニックの指示に従いましょう。
- 治療効果はどのくらい持続しますか?
-
これも治療法や使用する製剤、個人の体質によって変わります。ヒアルロン酸は半年から2年、ボツリヌス・トキシンは3ヶ月から半年が目安です。
HIFUや糸リフトはコラーゲン生成を促す効果もあるため、より長期的な効果が期待できますが、効果を維持するためには定期的なメンテナンスが推奨されます。
- 一度できたら自力で消すことは不可能ですか?
-
残念ながら、一度くっきりと刻まれてしまったマリオネットラインを、マッサージや化粧品などのセルフケアだけで完全に消すのは非常に困難です。
これは、たるみや筋肉、脂肪や骨格といった皮膚の深い層の構造的な問題が原因だからです。
悪化を防ぐためのセルフケアは重要ですが、改善を望むのであれば美容クリニックでの治療が最も効果的な方法と言えます。
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