ハイフでやけどするリスクは?原因と対処法、安全に受けるための注意点

ハイフでやけどするリスクは?原因と対処法、安全に受けるための注意点

「切らないリフトアップ」として人気のハイフ(HIFU)ですが、インターネットで検索すると「やけど」という言葉を目にすることがあり、不安に感じる方も多いのではないでしょうか。

ハイフは高密度の超音波エネルギーを皮膚の深い層に照射して熱を発生させるため、理論上はやけどのリスクがゼロではありません。

しかし、そのリスクは適切な知識と対策によって大幅に低減できます。

目次

ハイフでやけどは本当に起こるのか

ハイフ治療を検討する際、多くの方が懸念するのが「やけど」のリスクです。結論から言うと、ハイフによるやけどの事例は報告されていますが、発生頻度は極めて稀です。

ハイフは、超音波エネルギーを一点に集中させて熱凝固点を形成し、組織の収縮とコラーゲン生成を促す治療です。この「熱」を利用する特性上、取り扱いを誤るとやけどにつながる可能性は否定できません。

しかし、医療機関で正規の機器を使用し、経験豊富な施術者が担当すれば、リスクは最小限に抑えられます。

ハイフの熱エネルギーと皮膚構造

ハイフは皮膚の表面を傷つけずに、狙った深さにピンポイントで熱エネルギーを届けます。主に、真皮層や、さらに深いSMAS(スマス)筋膜という層をターゲットにします。

このSMAS筋膜は皮膚の土台ともいえる重要な組織です。この層に熱を加えて土台から皮膚を引き締め、強力なリフトアップ効果をもたらします。

皮膚表面にはダメージがないため、ダウンタイムがほとんどないのが大きな特長です。

しかし、エネルギーが狙った層以外に影響を与えたり、過剰な熱が加わったりすると、やけどのリスクが生じます。

やけどが発生する確率

ハイフによるやけどの正確な発生確率を国内で大規模に調査したデータはありませんが、一般的に医療機関で受ける美容医療の重篤な合併症としては非常に低い水準と考えられています。

消費者安全調査委員会の公式データ「エステサロン等でのHIFU(ハイフ)による事故」によると、熱傷を含むHIFU関連の事故報告は、医療クリニックと比較してエステサロンおよびセルフエステサロンで圧倒的に多く発生しています。

日本の厚生労働省や米国のFDA(食品医薬品局)で承認された医療用ハイフ機器を、解剖学を熟知した医師や看護師が適切に使用すれば、やけどのリスクは限りなく低くなります。

医療ハイフとエステハイフの違い

項目医療ハイフエステハイフ
施術者医師・看護師(国家資格保有者)エステティシャン(資格不要)
機器の出力高い(SMAS筋膜まで届く)低い(法律上の制限あり)
万が一の対応診察、医薬品の処方など医療行為が可能医療行為は不可、提携医への紹介など

リスクがゼロではない理由

どれだけ安全性が高い医療機器でも、リスクが完全にゼロになるわけではありません。ハイフ治療におけるやけどのリスクは、主に「機器」と「人」の二つの要因に起因します。

機器の出力設定が不適切であったり、施術者の技術が未熟であったりすると、超音波エネルギーが皮膚の予期せぬ場所にダメージを与えてしまう可能性があります。

また、患者さん一人ひとりの骨格や脂肪のつき方、皮膚の厚さは異なります。

これらを正確に見極めずに画一的な照射を行うと、神経や血管が浅い部分、骨に近い部分などで熱がこもりやすくなり、やけどのリスクを高めます。

ハイフによるやけどの主な原因

ハイフによるやけどの主な原因は、「機器の不適切な出力設定」「施術者の技術力不足」「皮膚の薄い部位への照射」の3つです。

これらの要因が単独または複合的に作用して、やけどのリスクが高まります。

機器の不適切な出力設定

ハイフの効果は、照射するエネルギーの強さ(出力)に比例する面があります。

しかし、効果を追求するあまり出力を上げすぎると、組織が許容できる以上の熱エネルギーが加わり、やけどの原因となります。

熟練した施術者は肌の状態や部位、患者さんの痛みの感じ方などを総合的に判断し、効果と安全性のバランスが取れた出力に調整します。この微調整が、やけどを防ぐ上で非常に大切です。

出力が高ければ高いほど良い、というわけではない点を理解しましょう。

施術者の技術力不足

ハイフの施術は、ただ機器を肌に当てればよいという単純なものではありません。

超音波を照射するプローブ(カートリッジ)を皮膚に正しく密着させ、適切な深さ・角度で均一に動かす技術が必要です。

プローブが皮膚から浮いてしまうと超音波エネルギーが皮膚表面に集中してしまい、やけどを引き起こす大きな原因となります。

また、顔の解剖学的な構造を理解し、神経や太い血管が走行している部位を避けた照射も安全な施術には欠かせません。

技術力不足によるリスク

問題点発生するリスク対策
プローブの密着不足皮膚表面のやけど丁寧な施術、ジェルの適切な使用
照射スピードが遅すぎる熱の蓄積による深いやけど均一なスピードでの操作
危険部位への照射神経損傷、内出血解剖学の知識に基づく施術

皮膚の薄い部位への照射

顔の中でも、目元や口元、フェイスラインの骨に近い部分などは、皮膚や脂肪が薄い特徴があります。

このような部位は、超音波エネルギーが骨に反射して熱が集中しやすく、やけどのリスクが他の部位よりも高まります。

そのため施術者は部位に応じて、より浅い層に作用するカートリッジに変更したり、出力を下げたりするなどの調整を行います。

患者さん自身も、施術中に熱さや痛みを感じたときは、我慢せずにすぐに施術者に伝えましょう。

やけどを負った場合の症状と進行

万が一ハイフでやけどを負ってしまったときは、赤みやヒリヒリ感、水ぶくれなどができます。

やけどは重症度によって症状が異なり、放置すると色素沈着や瘢痕(きずあと)につながる可能性もありますので、症状について知っておきましょう。

初期症状(赤み・ヒリヒリ感)

施術直後から数時間以内に見られる最も軽い症状は、皮膚の赤みやヒリヒリとした痛みです。

これは、ハイフの熱エネルギーによる正常な反応(炎症)の範囲内であるケースも多いですが、通常は数時間から数日で自然に軽快します。

しかし、この赤みや痛みが通常よりも強く、長時間続く場合は軽度のやけど(I度熱傷)の可能性があります。施術後の経過を注意深く観察しましょう。

  • 強い赤みが引かない
  • 触れると熱感がある
  • ジンジン、ヒリヒリとした痛みが続く

中等症の症状(水ぶくれ)

赤みや痛みに加え、皮膚に水ぶくれ(水疱)ができたときは、中等症のやけど(II度熱傷)と考えられます。これは、皮膚の深い層までダメージが及んでいるサインです。

水ぶくれは外部の刺激や細菌から傷を守る役割があるため、自分で潰したり破ったりしてはいけません。速やかに施術を受けたクリニックに連絡し、医師の診察を受けてください。

適切な処置を行わないと、感染を起こしたり、跡が残りやすくなったりします。

重症の症状(皮膚の壊死・瘢痕化)

ハイフで起こる例は極めて稀ですが、最も重いやけど(III度熱傷)では皮膚の全層にダメージが及び、皮膚が白や黒に変色して感覚がなくなる場合があります。これは皮膚組織が壊死している状態です。

このレベルのやけどは皮膚の再生が困難であり、ケロイドやひきつれ(瘢痕拘縮)といった深刻な後遺症を残す可能性が高くなります。

このような重篤なやけどは、不適切な機器の使用や極端に未熟な施術が原因で起こるケースがほとんどであり、信頼できる医療機関ではまず起こり得ません。

やけどの重症度と主な症状

重症度(熱傷深度)主な症状皮膚の状態
I度(軽症)赤み、ヒリヒリ感、腫れ表皮のみの損傷
II度(中等症)強い痛み、水ぶくれ真皮まで損傷
III度(重症)痛みを感じない、皮膚の変色(白・黒)皮下組織まで損傷(壊死)

やけどが疑われる場合の応急処置と治療法

やけどが疑われる場合、まずご自身で行うべき応急処置は「患部の冷却」です。

その後、自己判断で薬を塗ったりせず、速やかに施術を受けたクリニックへ連絡し、医師の診察を受けましょう。

まず行うべき応急処置

施術後に強い赤みや熱感、痛みを感じたときは、まず患部を冷やすのが基本です。清潔なタオルで包んだ保冷剤や、冷たい水で濡らしたタオルなどを優しく当てましょう。

ただし、氷や保冷剤を直接肌に当てるのは凍傷のリスクがあるため避けてください。

冷却すると、炎症を抑え、痛みを和らげる効果が期待できます。そして、自己判断で市販の薬などを塗らず、速やかに施術を受けたクリニックに連絡して指示を仰ぐ行動が重要です。

クリニックへの迅速な連絡と受診

やけどの治療は、初期対応がその後の経過を大きく左右します。症状が軽くても「これくらいなら大丈夫だろう」と放置せず、必ずクリニックに連絡してください。

その際、いつからどのような症状が出ているのか、スマートフォンのカメラで患部の写真を撮っておくと、電話での状況説明や後の診察に役立ちます。

信頼できるクリニックであれば、迅速に診察の予約を取り、責任を持って対応してくれるはずです。

医療機関での専門的な治療

クリニックでは医師がやけどの深さや範囲を正確に診断し、重症度に応じた治療を行います。

軽度では炎症を抑えるためのステロイド外用薬や、感染予防のための抗生剤軟膏などが処方されます。

水ぶくれができたときは必要に応じて清潔な医療器具で内容物を排出し、創傷被覆材(ドレッシング材)で保護する場合もあります。

治療中は紫外線や摩擦などの刺激を避け、肌を清潔に保つ心がけが、きれいに治すためのポイントです。

やけど治療で用いられる主な薬剤

薬剤の種類主な目的使用例
ステロイド外用薬炎症を抑える、赤みや腫れを鎮めるI度熱傷、II度熱傷の初期
抗生剤含有軟膏細菌感染の予防・治療II度熱傷(水ぶくれが破れた場合など)
非ステロイド性抗炎症薬炎症や痛みを和らげる軽度の炎症、ステロイドが使いにくい場合

やけどを過度に恐れないために|リスクと効果の正しい天秤

インターネットやSNSには、ハイフの失敗談やネガティブな情報が溢れており、「やけどが怖いからハイフは受けたくない」と感じている方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、正しい情報と間違った情報が氾濫する現代において、特定のリスクだけを過度に恐れると、本当に自分に必要な治療の機会を逃してしまいます。

やけどのリスクとたるみ改善の効果を比較し、信頼できるクリニックを選ぶと、安心して治療に望めるでしょう。

情報に惑わされず本質を見抜く

「ハイフでやけどした」という一件の書き込みは、非常に衝撃的で記憶に残りやすいものです。

しかし、その裏には、何万人、何十万人という人々が安全に施術を受け、その効果に満足しているという事実があります。

医療である以上、リスクはゼロではありません。大切なのは、そのリスクがどの程度の確率で、どのような条件下で起こりやすいのかを正しく理解することです。

極めて稀な事例に過剰反応するのではなく、ハイフで得られる「たるみ改善」「肌の引き締め」といった大きなメリットと比較し、冷静に判断しましょう。

不安な気持ちは医師に正直に話す

治療を始める前に、やけどのリスクやトラブル時の対応など、心配な点について医師に直接伝えることがとても重要です。

「大丈夫です」を繰り返したり、曖昧な返答をしたりするのではなく、明確で具体的な説明をしてくれるかどうかが信頼性を判断する一つの目安となります。

ご自身が十分に納得できる説明を受けた上で、治療を選択するようにしてください。

カウンセリングで確認したい安心ポイント

確認項目良い回答の例注意したい回答の例
やけどのリスクについて「リスクはゼロではありませんが、〇〇という対策で最小限にしています」「うちは絶対に大丈夫です」「起きたことがありません」
トラブル時の対応「すぐに診察し、必要に応じて〇〇の治療を無償で行います」「その時は考えます」「提携の皮膚科を紹介します」
施術者の経験「〇〇年の経験があり、定期的に研修も受けています」「誰がやっても同じです」「マニュアル通りなので安心です」

「何もしない」リスクも考える

たるみやシワといったエイジングサインは、放置していても自然に改善しません。むしろ、時間の経過とともに進行していきます。

ハイフを受けるリスクを考えるとき、同時に「ハイフを受けずに、たるみが進行していく」という、いわば現状維持や悪化のリスクも天秤にかける必要があります。

数年後に鏡を見たとき「あの時、勇気を出して治療を受けていればよかった」と後悔しないためにも、正しくリスクを管理しながら、前向きに治療を検討する価値は十分にあるといえます。

やけどのリスクを避けるためのクリニック選び

やけどのリスクを避けるためには、信頼できるクリニック選びが最も重要です。

具体的には、「経験豊富な医療従事者の在籍」「正規の医療用ハイフ機器の使用」「丁寧なカウンセリング」「充実したアフターフォロー体制」といった4点の確認がポイントになります。

価格の安さや手軽さだけで選んでしまうと、思わぬトラブルに巻き込まれる可能性があります。

経験豊富な医師・看護師が在籍しているか

ハイフは医療行為であり、施術者の知識と技術が結果と安全性を大きく左右します。

カウンセリングは医師が担当し、あなたの肌状態や骨格をしっかりと診察してくれるか、解剖学を熟知した上で施術プランを立ててくれるかを確認しましょう。

また、実際に施術を行う看護師の経験年数や、クリニック全体での症例数、定期的な技術研修の有無なども、技術力を測る上で重要な指標となります。

正規の医療用ハイフ機器を使用しているか

ハイフ機器には様々な種類がありますが、安全性と効果が科学的に証明され、国から承認を受けているものは限られます。

日本では厚生労働省、世界的には米国のFDAの承認が、信頼性の一つの基準となります。

クリニックのウェブサイトやカウンセリングで、使用している機器が承認された医療機器であるかを確認しましょう。

未承認の安価な機器や、エステサロン向けの低出力の機器では十分な効果が得られないばかりか、安全性にも懸念があります。

信頼性の高い医療用ハイフ機器の例

機器名承認機関特徴
ウルセラ米国FDA超音波エコーで筋膜を確認しながら照射可能
ウルトラセルQプラス– (広く普及)照射スピードが速く、痛みが少ない傾向
ソノクイーン– (広く普及)目元など細かい部位への照射が得意

カウンセリングの丁寧さと時間

施術前のカウンセリングは、あなたの希望を伝え、疑問や不安を解消するための非常に重要な時間です。

流れ作業のように短時間で終わらせたり、メリットばかりを強調してリスクの説明が不十分だったりするクリニックは注意が必要です。

質問一つひとつに真摯に耳を傾け、時間をかけて丁寧に説明してくれるか、複数の選択肢を提示した上で最も良い治療法を一緒に考えてくれる姿勢があるかを見極めましょう。

アフターフォローと緊急時対応体制

万が一、施術後に何らかのトラブルが起きた際の対応体制が整っているかも、必ず確認すべきポイントです。

施術後の診察は無料か、緊急時にいつでも連絡が取れる窓口はあるか、やけどなどの合併症が起きた場合の治療や保証はどうなっているかなどを事前に明確にしておきましょう。

「施術したら終わり」ではなく、患者さんの術後の経過まで責任を持って見守ってくれるクリニックを選びましょう。

安全に施術を受けるためのセルフチェックリスト

安全に施術を受けるためには、患者さん自身の準備も重要です。

施術前にはご自身の健康状態や既往歴を正確に医師へ伝え、当日は肌のコンディションを整え、施術中は痛みや熱さを我慢せずに伝えるとトラブルを防げます。

施術前に医師に伝えるべきこと

カウンセリングや診察の際には、ご自身の健康状態について正直に申告する必要があります。

特に、以下のような点に当てはまる場合は、必ず医師に伝えてください。これらは施術の可否や、施術方法の調整に関わる重要な情報です。

  • 現在治療中の病気や、服用中の薬
  • 過去の美容医療(ヒアルロン酸、ボトックス、糸リフトなど)の経験
  • 金属アレルギーやケロイド体質の有無
  • 妊娠中、授乳中、または妊娠の可能性
  • 金の糸やシリコンプロテーゼが顔に入っている

施術当日の肌コンディション

施術当日の肌の状態も安全性に影響します。

日焼けした直後の肌は炎症を起こしているため、ハイフの熱エネルギーによって過剰なダメージを受ける可能性があります。また、ニキビや湿疹など、肌に強い炎症がある部位は避けて照射する必要があります。

施術当日は、肌が健康で落ち着いた状態であるのが望ましいです。

もし肌のコンディションに不安がある場合は、無理に施術を受けず、クリニックに相談して日程を調整することも検討しましょう。

施術を受けられない可能性のある状態

状態理由
強い日焼けの直後皮膚が炎症を起こしており、やけどのリスクが増大するため
施術部位の強い炎症・傷症状を悪化させたり、治りを遅らせたりする可能性があるため
体調不良(発熱など)体の免疫力が低下しており、予期せぬ副反応が出やすいため

施術中の痛みの伝え方

ハイフの施術中は、チクチクとした熱感や、骨に響くような軽い痛みを感じる場合があります。

これはエネルギーが正しく作用している証拠でもありますが、我慢できないほどの強い痛みや、焼けるような熱さを感じた場合は異常のサインかもしれません。

効果を期待するあまり痛みを我慢しすぎると、やけどにつながる可能性があります。「痛い」「熱い」と感じたら、遠慮なくすぐに施術者に伝えましょう。

施術者はその反応を見て、出力を調整したり、照射位置を微調整したりして対応します。

よくある質問

医療機関で施術を受けたとしても、ハイフによるやけどのリスクはゼロではありません。

ただ、知識や経験が豊富な施術者が適切な出力で適切に照射すれば、やけどの発生は極めて稀です。

安心して施術を任せられる、信頼できるクリニックを選ぶためにも、可能であれば複数の医療機関へ足を運んでカウンセリングを受けてみましょう。

ハイフの施術後、赤みがなかなか引きません。やけどでしょうか?

施術後の赤みは、通常数時間から長くても1~2日で治まります。

もし3日以上経っても強い赤みが続いたり、ヒリヒリとした痛みが強くなったりするようであれば、軽度のやけどの可能性も考えられます。

自己判断せず、まずは施術を受けたクリニックに電話で相談しましょう。状況に応じて、診察や適切な処置を提案してもらえます。

やけどをしてしまったら、跡は必ず残りますか?

必ず跡が残るわけではありません。軽度のやけど(I度)であれば、適切なケアを行えば跡を残さずきれいに治るケースがほとんどです。

水ぶくれができる中等症(II度)の場合でも、早期に専門的な治療を開始し、感染を起こさず、紫外線対策などを徹底すれば、色素沈着や傷跡のリスクを最小限に抑えられます。

跡を残さないためにも、放置せずに速やかに受診するようにしましょう。

やけどのリスクが低いハイフ機器はありますか?

特定の機器が他と比べて「やけどのリスクが低い」と一概に言うのは難しいです。なぜなら、安全性は機器そのものの性能だけでなく、施術者の技術力に大きく依存するためです。

ただし、超音波エコー機能で皮膚内部を可視化しながら照射できる「ウルセラ」のような機器は、SMAS筋膜を正確に捉えて神経などを避けやすいため、より安全性が高いとも考えられます。

重要なのは、承認された医療機器を、経験豊富な施術者が扱っているかという点です。

万が一やけどした場合、治療費はかかりますか?

クリニックの規定によりますが、多くの良心的なクリニックでは施術が原因で生じた合併症に対する診察や治療は、無償で対応しています。

このような保証制度が整っているかどうかも、クリニック選びの重要なポイントです。

カウンセリングの際に、万が一の際の保証内容について、書面などで明確に確認しておくと良いでしょう。

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この記事を書いた人

Dr.寺井美佐栄のアバター Dr.寺井美佐栄 ミサクリニック 六本木本院 院長

日本抗加齢医学会認定専門医。日本美容皮膚科学会、日本レーザー医学会、日本産業衛生学会専門医。
複数の大手美容皮膚科で10年以上の院長経験を経て、2022年9月にMiSA Clinic(ミサクリニック)を開業。YouTube等でも発信してきた、メスを使わずに”ナチュラルなキレイ”を引き出す技術には定評があり、ありがたいことに「SNSを見ました!」という方や、紹介・口コミ経由でたくさんのご相談を頂いてきました。皆様と共に、MiSA Clinicスタッフ一同、共に年を重ね、末永くお付き合いできる関係を目指して参ります。

資格
アラガン社ボトックスビスタ認定医
アラガン社ヒアルロン酸注入認定医

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