ハイフの適切な施術間隔は?効果を持続させるための頻度とポイント

ハイフの適切な施術間隔は?効果を持続させるための頻度とポイント

ハイフ(HIFU)は、「切らないリフトアップ」として人気の施術です。その効果を実感すると、「この状態をずっと維持したい」「もっと効果を高めたい」と感じる方も多いのではないでしょうか。

しかし、効果を焦るあまり短い間隔で施術を繰り返すと、かえって肌への負担となる可能性があります。

この記事では、ハイフの効果を最大限に引き出して安全にたるみ治療を続けるために重要な「施術間隔」に焦点を当て、なぜ適切な間隔が必要なのか、理想的な頻度や効果を持続させるためのポイントを詳しく解説します。

目次

ハイフの基本と効果の持続期間

ハイフは高密度の超音波で肌の土台を引き締め、コラーゲン生成を促す治療です。効果は施術直後から現れ始め、約半年から1年間持続します。

この効果の仕組みと持続期間を確認すると、適切な施術間隔を理解しやすいです。

ハイフ(HIFU)とは

ハイフ(HIFU)は「高密度焦点式超音波」という技術の略称です。この技術は、超音波のエネルギーを皮膚の内部にある特定の層にピンポイントで集中させて熱エネルギーを発生させます。

メスを使わずに、肌の土台となるSMAS(スマス)筋膜という層に直接働きかけられるのが大きな特徴です。

SMAS筋膜が熱で収縮するため、施術直後から肌の引き締め効果を実感できます。

効果が現れる時期と持続性

ハイフの効果は、二段階で現れます。まず、施術直後にSMAS筋膜が熱収縮するため、すぐにリフトアップ効果や引き締め効果を感じられます。

その後、熱エネルギーによってダメージを受けた組織が修復される過程で、約1か月から3か月かけてコラーゲンやエラスチンの生成が活発になります。

その結果、肌の内部からハリや弾力が生まれ、長期的な効果へとつながります。

ハイフの効果発現と持続の目安

効果の種類効果が現れる時期効果のピーク
即時的な引き締め効果施術直後施術直後
長期的なハリ・弾力アップ施術後約1か月〜施術後約1〜3か月
総合的な効果の持続約半年〜1年

ハイフで期待できる主な美容効果

ハイフはSMAS筋膜へのアプローチとコラーゲン生成促進により、さまざまな悩みに対応します。

特に、加齢によって生じるたるみに関する悩みに効果を期待できます。

  • フェイスラインの引き締め
  • ほうれい線の改善
  • 目元のたるみや小じわの軽減
  • 肌のハリ・弾力アップ
  • 二重あごの改善

ハイフの理想的な施術間隔と頻度

ハイフの理想的な施術間隔は、肌の再生サイクルを考慮して3か月から半年に1回が目安です。

肌への負担を避けて効果を最大限に引き出すためには、この期間を守りましょう。

なぜ施術間隔をあける必要があるのか

ハイフは熱エネルギーで組織に意図的に軽いダメージを与え、その創傷治癒(傷が治る)の過程を利用してコラーゲン生成を促す治療です。この創傷治癒とコラーゲンの再構築には一定の時間が必要です。

肌が十分に回復していないうちに次の施術を行うと、肌に過度な負担がかかり、予期せぬトラブルの原因になる可能性があります。

肌の再生サイクルを尊重し、効果を最大限に引き出すために、適切な休息期間を設けることが大切です。

推奨される基本的な施術間隔

一般的に、ハイフの施術間隔は3か月から半年に1回が推奨されています。

これは、コラーゲンの生成がピークに達し、効果が安定するまでの期間と、効果が徐々に薄れてくるタイミングを考慮したものです。この間隔で定期的に施術を受けると、常に良い状態を維持しやすくなります。

ただし、これはあくまで目安であり、個人の肌の状態や使用する機器によって変動します。

使用する機器によって間隔は変わる

ハイフと一言で言っても、さまざまな種類の機器が存在し、それぞれ特徴や出力が異なります。

医療機関で使用する高出力のハイフと、エステサロンなどで使用される比較的出力の弱いハイフでは、推奨される施術間隔も異なります。

医療用ハイフとエステハイフの間隔の違い

種類特徴推奨される間隔の目安
医療用ハイフ高出力でSMAS筋膜に届く
医師・看護師が施術
3か月~1年に1回
エステハイフ低出力でアプローチする層が浅い1か月~3か月に1回

ただし、2024年6月の厚生労働省の通達により、医療機関以外(エステサロンを含む)で行うハイフは医師法違反であるとされています。

施術間隔が短すぎる場合のリスクと注意点

「早くきれいになりたい」という気持ちから、短い間隔で何度も施術を受けたいと考える方もいるかもしれません。

しかし、ハイフの施術間隔を詰めすぎると、肌への過度な負担や神経損傷、効果の頭打ちといったリスクが生じる可能性があります。

肌への過度な負担

前述の通り、ハイフは肌の創傷治癒の力を利用する治療です。肌が回復する前に次の刺激を与え続けると、回復力が追いつかなくなり、肌が疲弊してしまいます。

その結果、肌のバリア機能が低下し、乾燥や肌荒れを引き起こしやすくなる可能性があります。

神経損傷のリスク増加

頻繁な施術は、顔の神経に影響を与えるリスクを高める可能性があります。

ハイフは正しい知識と技術を持った施術者が行えば安全性の高い治療ですが、過度な施術は神経に微細なダメージを蓄積させることも考えられます。

しびれや違和感といった副作用のリスクを避けるためにも、医師が推奨する間隔を守りましょう。

効果が頭打ちになる可能性

短い間隔で施術を繰り返しても、効果がその分倍増するわけではありません。

コラーゲンの生成には時間がかかるため、肌の準備が整っていない状態で施術をしても、期待したほどの効果が得られない場合があります。

むしろ、コストだけがかさんでしまい、効果が頭打ちになる可能性も否定できません。

施術間隔が短すぎる場合の主なリスク

リスクのカテゴリ具体的な内容
肌への負担乾燥、赤み、肌荒れ、バリア機能の低下
副作用のリスクやけど、水ぶくれ、しびれ、違和感
効果の減退効果の頭打ち、コストパフォーマンスの低下

施術間隔が長すぎる場合のデメリット

ハイフの施術間隔が長すぎると、得られたリフトアップ効果が元に戻ってしまったり、その間にたるみが進行してしまったりする可能性があります。

継続的な効果を維持するためには、適切なタイミングでの施術が推奨されます。

効果が完全にリセットされる

ハイフの効果の持続期間は、一般的に半年から1年程度です。この期間を大幅に超えてしまうと、生成されたコラーゲンが徐々に減少し、たるみが元の状態に戻り始めます。

せっかく引き上がった状態を維持できず、毎回ゼロからのスタートになってしまい、効果の積み重ねが難しくなります。

たるみの進行を止められない

ハイフはすでにあるたるみを改善するだけでなく、将来のたるみを予防する効果も期待できます。定期的に施術を受けると、たるみが進行しにくい状態を維持できます。

しかし、間隔があきすぎると、その間に加齢によるたるみが進行してしまい、予防的な効果が薄れてしまいます。

結果的にコストがかかる場合も

一度たるみが進行してしまうと、それを改善するためにより多くのショット数や、より強力な治療が必要になる場合があります。

定期的にメンテナンスとして施術を受けていたほうが、長期的に見るとトータルの費用を抑えられる可能性もあります。

あなたの肌はどのタイプ?目的別ハイフ施術計画の立て方

ハイフの施術計画は画一的なものではなく、「積極的な改善」や「現状維持」といった目的、年齢、肌の状態に応じて個別で立てることが重要です。

ご自身のゴールを明確にすれば、より満足度の高い結果につながります。

現状維持か積極的な改善かで頻度は変わる

まず、ご自身の目的を明確にしましょう。「現状をキープしたい」のか、「もっとリフトアップしたい」のかによって、推奨される頻度は変わってきます。

目的別ハイフ施術頻度のモデルケース

目的施術の考え方推奨される間隔の目安
積極的な改善を目指す初めの1年間は効果を定着させるため、少し短い間隔で施術を重ねる。3〜4か月に1回(最初の2〜3回)
良い状態を維持したい効果が薄れ始めるタイミングで定期的にメンテナンスを行う。半年に1回
将来のたるみを予防したい加齢のペースに合わせて、定期的なケアとして取り入れる。半年に1回〜1年に1回

特にたるみが気になり始めたばかりの方や集中的に改善したい方は、最初のうちは少し間隔を詰めて施術を受け、効果が定着してきたら間隔をあけていく、という計画が効果的です。

年齢や肌の状態で間隔を調整する

肌のコラーゲン生成能力やターンオーバーの速さは、年齢によって異なります。

若い世代と肌の回復に時間がかかる世代とでは、同じ施術を受けても反応が違うため、間隔の調整が必要です。

年代別に見る施術間隔の考え方

年代肌の状態と目的間隔の考え方
20代後半〜30代たるみ予防が主目的。肌の回復力も高い。半年に1回〜1年に1回で予防的ケア。
40代〜50代たるみが気になり始める。積極的な改善と維持が目的。最初は3〜6か月間隔で、その後は半年に1回の維持期へ。
60代以降肌の回復に時間がかかる点を考慮し、無理のない計画を立てる。医師と相談の上、肌状態に合わせて半年〜1年の間隔で慎重に。

大切なイベントに合わせた施術計画

結婚式や同窓会など、特定のイベントに向けて最高の状態で臨みたいという場合もあるでしょう。

ハイフの効果がピークに達するのは施術後1か月から3か月後です。そのため、イベントの当日から逆算して、1か月から3か月前に施術を受けるのがおすすめです。

直前すぎると赤みや腫れが残る可能性もゼロではないため、余裕を持ったスケジュールを立てましょう。

ハイフの効果を最大限に引き出し長持ちさせる日常のケア

ハイフの効果を長持ちさせるには、施術後の徹底した保湿と紫外線対策が欠かせません。

また、バランスの取れた食事や良質な睡眠といった内側からのケアも、美しい肌を維持する上で重要な役割を果たします。

施術後の保湿ケアを徹底する

ハイフ後の肌は、熱エネルギーの影響で一時的に乾燥しやすくなっています。

肌が乾燥するとバリア機能が低下し、せっかくの美容効果も半減してしまいます。施術当日から、いつも以上に丁寧な保湿を心がけてください。

  • セラミド
  • ヒアルロン酸
  • コラーゲン

上記のような保湿成分が配合された化粧水や美容液を使い、最後にクリームや乳液でしっかりと蓋をして水分を閉じ込めましょう。

紫外線対策は年間を通じて行う

紫外線は肌のコラーゲンやエラスチンを破壊し、たるみやシワの大きな原因となります。

ハイフでせっかくコラーゲンの生成を促しても、紫外線を浴びてしまっては台無しです。施術後のデリケートな肌は特に紫外線の影響を受けやすいため、徹底した対策が必要です。

日々の紫外線対策のポイント

対策ポイント
日焼け止めの使用季節や天候に関わらず毎日塗る。2〜3時間おきに塗り直すのが理想。
物理的な遮光帽子、日傘、サングラスなどを活用する。
アフターケア日差しを浴びた後は、美白成分や抗炎症成分の入ったスキンケアでケアする。

バランスの取れた食事と良質な睡眠

肌は体の中から作られます。コラーゲンの材料となるタンパク質や、その合成を助けるビタミンC、抗酸化作用のあるビタミンA・Eなどを意識的に摂取すると、美しい肌を保つことにつながります。

また、睡眠中には成長ホルモンが分泌され、肌の修復や再生が活発になります。質の良い睡眠を十分にとる工夫も、ハイフの効果を持続させる上で大切です。

他の美容医療との組み合わせと施術間隔

ハイフはヒアルロン酸注入や糸リフトなど他の美容医療と組み合わせると、相乗効果が期待できます。

ただし、安全に施術を行うためには、それぞれの治療の特性を理解し、医師の管理のもとで適切な間隔をあける必要があります。

ヒアルロン酸注入やボトックス注射との併用

ハイフはたるみ、ヒアルロン酸はボリュームの補填、ボトックスは表情じわの改善と、それぞれ得意な分野が異なります。

これらを組み合わせれば、より自然で若々しい印象を目指せます。

施術の順番や間隔は医師の判断によりますが、一般的にはハイフの熱が他の注入剤に影響を与えないよう、順序や期間を考慮します。

ダーマペンやピーリングとの組み合わせ

ハイフが肌の土台に働きかけるのに対し、ダーマペンやピーリングは肌の表面の質感や毛穴、ニキビ跡などに働きかけます。

肌の深い層と浅い層の両方からケアするため、全体的な肌質の向上が期待できます。

ただし、どちらも肌に刺激を与える施術のため、肌の回復期間を十分に確保する必要があります。

糸リフト(スレッドリフト)との併用

糸リフトは物理的にたるみを引き上げる力が強く、即効性があります。ハイフと組み合わせると、より強力なリフトアップ効果と持続性を得られるのがメリットです。

どちらを先に行うか、どのくらい間隔をあけるかは、使用する糸の種類や医師の方針によって大きく異なるため、事前のカウンセリングが重要です。

他の施術との併用間隔の目安

施術の種類ハイフとの間隔の目安注意点
ヒアルロン酸・ボトックス同日可能な場合もあるが、2週間〜1か月あけるのが一般的。ハイフを先に施術する場合が多い。
ダーマペン・ピーリング2週間〜1か月以上あける。肌の赤みや炎症が完全に引いてから行う。
糸リフト1か月〜3か月以上あける。医師による慎重な判断が必要。

※上記はあくまで一般的な目安です。必ず施術を受けるクリニックの医師に相談し、指示に従ってください。

ハイフの施術間隔に関するよくある質問

ハイフの施術間隔は3ヶ月~半年が一つの目安ですが、肌の状態や年齢、目的などによって適したタイミングが変わります。

次の施術までの期間は長すぎても短すぎても望ましくないため、医師と相談しながらご自身の肌に合った間隔で受けるようにしましょう。

最初の数回は詰めて受けた方が良いですか?

たるみの状態や目指すゴールによりますが、より早く効果を実感して定着させたい場合には、最初の2〜3回を3〜4か月間隔で受けていただくことをご提案する場合があります。

肌の引き締まり感が定着した後は、半年に1回程度のメンテナンスに移行すると、良い状態を効率的に維持しやすくなります。

効果を感じられなくなったら次の施術を受けるべきですか?

「効果が完全になくなった」と感じる前に、次の施術を受けるのが理想的です。

一般的に、効果のピークは施術後1〜3か月で、そこから緩やかに元の状態に戻っていきます。効果が少し落ちてきたかな、と感じる半年前後のタイミングが次の施術に適した時期と言えます。

痛みが強かった場合、次は間隔をあけた方が良いですか?

施術の痛みの感じ方と、推奨される施術間隔に直接的な関係はありません。痛みが強い場合は、次回施術時に出力を調整したり、麻酔クリームを使用したりして対応が可能です。

痛みが不安な場合は、遠慮なく医師やスタッフに相談しましょう。施術間隔については、痛みの有無ではなく、肌の回復と効果のサイクルに基づいて判断します。

イベントの直前に受けても大丈夫ですか?

イベントの直前(1週間以内など)に受けるのはあまりおすすめしません。施術後に赤みや腫れ、筋肉痛のような鈍い痛みが出る場合があり、これらのダウンタイムには個人差があるためです。

また、ハイフのコラーゲン生成による効果が最も高まるのは施術後1〜3か月後です。大切なイベントに向けては、最低でも1か月以上、できれば2〜3か月前に施術を終えておくのが良いでしょう。

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この記事を書いた人

Dr.寺井美佐栄のアバター Dr.寺井美佐栄 ミサクリニック 六本木本院 院長

日本抗加齢医学会認定専門医。日本美容皮膚科学会、日本レーザー医学会、日本産業衛生学会専門医。
複数の大手美容皮膚科で10年以上の院長経験を経て、2022年9月にMiSA Clinic(ミサクリニック)を開業。YouTube等でも発信してきた、メスを使わずに”ナチュラルなキレイ”を引き出す技術には定評があり、ありがたいことに「SNSを見ました!」という方や、紹介・口コミ経由でたくさんのご相談を頂いてきました。皆様と共に、MiSA Clinicスタッフ一同、共に年を重ね、末永くお付き合いできる関係を目指して参ります。

資格
アラガン社ボトックスビスタ認定医
アラガン社ヒアルロン酸注入認定医

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