ヒアルロン酸の肌への効果とは?塗るvs注入|美肌効果を徹底解説

ヒアルロン酸の肌への効果とは?塗るvs注入|美肌効果を徹底解説

肌のハリや潤いを保つ成分として広く知られる「ヒアルロン酸」。多くの化粧品に配合されている一方で、美容クリニックではシワやたるみの治療法として「ヒアルロン酸注入」が行われます。

「塗るケアと注入では、具体的に何が違うの?」「自分の肌悩みにはどちらが合っているの?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。

この記事では、ヒアルロン酸が肌に与える効果を科学的な視点から解き明かし、「塗る」場合と「注入」する場合の違い、そして美肌を目指すための正しい知識を徹底的に解説します。

目次

そもそもヒアルロン酸とは?肌の潤いを保つ重要な成分

ヒアルロン酸は私たちの体内に元々存在し、非常に高い保水力で肌の潤いやハリを支える重要な成分です。

その正体や肌での役割を正確に理解すると、効果的な美容法を選びやすくなります。私たちの体にもともと備わっている、美肌の鍵を握る成分の基本を見ていきましょう。

人間の体にもともと存在する物質

ヒアルロン酸は、もともと人間の皮膚や関節、眼球などに存在するゼリー状の物質です。

特に皮膚に多く含まれており、肌の水分を保持する上で中心的な役割を担います。

ヒアルロン酸は非常に高い保水力を持ち、わずか1グラムで約6リットルもの水分を抱え込めると言われています。この驚異的な保水力によって、肌はみずみずしさと潤いを保っています。

体内のヒアルロン酸が存在する主な部位と役割

部位主な役割特徴
皮膚(真皮)水分保持、ハリ・弾力の維持肌の潤いを保ち、クッションのような役割を果たす
関節潤滑・衝撃吸収関節の滑らかな動きを助け、軟骨を保護する
眼球(硝子体)形状維持、衝撃吸収眼球の形を保ち、網膜を保護する

肌のハリと弾力を支える役割

肌の構造は、表皮、真皮、皮下組織の3層から成り立っています。

ヒアルロン酸は主に真皮に存在し、コラーゲンやエラスチンといった線維状のタンパク質の間を埋める「細胞外マトリックス」の主成分です。

コラーゲンが肌の骨組みとして強度を保ち、エラスチンがその骨組みを繋ぎとめるバネのような役割を果たすのに対し、ヒアルロン酸はその隙間を水分で満たし、肌全体のハリと弾力を生み出しています。

ヒアルロン酸が豊富な肌は内側からふっくらと持ち上がり、弾力のある若々しい状態を維持します。

年齢とともに減少するヒアルロン酸

残念ながら、体内のヒアルロン酸の量は、赤ちゃんの時をピークに年齢とともに減少していきます。40代後半になると、ピーク時の半分程度にまで減ってしまうというデータもあります。

ヒアルロン酸が減少すると、肌は水分を十分に保てなくなり、乾燥しやすくなります。

さらに、コラーゲンやエラスチンを支える力も弱まるため、ハリが失われてシワやたるみといったエイジングサインが現れやすくなるのです。

ヒアルロン酸が減少する主な要因

  • 加齢による生成能力の低下
  • 紫外線による分解促進
  • ストレスや不規則な生活習慣
  • 喫煙

塗るヒアルロン酸化粧品の効果と限界

塗るヒアルロン酸化粧品は肌の表面(角質層:肌の最上層にあり、表面から0.02mm程度)を保湿する効果が高いものの、シワやたるみの根本原因である真皮層には届かないという限界があります。

手軽に始められるスキンケアとして人気ですが、その役割と限界を正しく理解しておきましょう。

肌の表面を保湿する効果

化粧品に配合されているヒアルロン酸の最も大きな役割は、肌表面の保湿です。

ヒアルロン酸を肌に塗布すると、皮膚の最も外側にある角質層の表面に水分をたっぷり含んだ膜を形成します。

この膜が、肌内部からの水分蒸発を防ぐ「フタ」のような役割を果たし、同時に空気中の湿度を取り込んで肌に潤いを与えます。

乾燥による小ジワを目立たなくしたり、肌のキメを整えたりする効果が期待できます。

洗顔後につっぱりやすい肌や、日中の乾燥が気になる方にとっては、非常に有効な保湿成分です。

分子の大きさで変わる浸透力

ヒアルロン酸には、分子の大きさによっていくつかの種類があり、それぞれ肌への働きかけ方が異なります。

一般的に、分子が大きいほど皮膚表面での保水力が高く、分子が小さいほど角質層の内部へ浸透しやすくなります。

しかし、重要なのは、どんなに分子が小さくても、化粧品で真皮層までヒアルロン酸を届けられないという点です。

皮膚には外部からの異物の侵入を防ぐ「バリア機能」があるため、化粧品成分の浸透は角質層までにとどまります。

塗るヒアルロン酸の分子量の違いと特徴

種類特徴期待できる効果
高分子ヒアルロン酸分子が大きく、肌表面にとどまる肌表面に保護膜を形成し、高い保湿効果を発揮
低分子ヒアルロン酸分子が小さく、角質層に浸透しやすい角質層の水分量を高め、内側から潤いを与える
加水分解ヒアルロン酸さらに分子を小さくしたもの角質層のすみずみまで浸透し、保湿効果が持続

シワやたるみへの根本的な働きかけは難しい

塗るヒアルロン酸は優れた保湿成分ですが、その効果はあくまで角質層レベルでの水分保持に限られます。

加齢によって深く刻まれたシワや、顔全体のたるみは、皮膚の奥深くにある真皮層のヒアルロン酸やコラーゲンが減少・変性するのが根本的な原因です。

化粧品でヒアルロン酸を補っても、この真皮層の構造そのものを立て直せません。そのため、塗るケアだけで深いシワやたるみを解消するのは、残念ながら難しいと言わざるを得ません。

ヒアルロン酸注入による本質的な美肌効果

ヒアルロン酸注入は、シワやたるみの原因となる皮膚の内側に直接ヒアルロン酸を補充し、物理的にボリュームアップさせて本質的な改善を目指す治療法です。

加齢によって失われたヒアルロン酸を物理的に補充すると、塗るケアでは得られない、よりダイナミックな変化を得られます。

内側から物理的に肌を持ち上げる

ヒアルロン酸注入の最大の特徴は、気になるシワや凹みのある部分の皮下に、ジェル状のヒアルロン酸製剤を直接注入することです。

注入されたヒアルロン酸は皮膚の内側からボリュームを補い、凹んだ部分を物理的に持ち上げます。

その結果、シワの溝が浅くなったり、くぼみがふっくらしたりと、即時的な改善効果を実感できます。

これは、肌表面を潤すだけの化粧品とは全く異なる作用です。

塗るヒアルロン酸とヒアルロン酸注入の比較

項目塗るヒアルロン酸(化粧品)ヒアルロン酸注入
アプローチする層皮膚表面(角質層)皮膚の内側(真皮・皮下組織)
主な効果保湿、乾燥小ジワの改善シワ・たるみの改善、ボリュームアップ
即効性限定的(保湿効果はすぐ)非常に実感しやすい(施術直後から効果を実感)

ほうれい線やシワを目立たなくする

ヒアルロン酸注入が特に効果を発揮するのが、ほうれい線やマリオネットライン、眉間のシワといった、加齢によって深く刻まれるシワです。

これらのシワは、皮膚のボリュームロスやたるみが原因で生じます。シワの直下やその周辺にヒアルロン酸を注入し、失われたボリュームを補うと、溝が持ち上がりシワが目立たなくなります。

的確な部位に注入すれば、顔の印象を大きく若返らせられます。

顔全体のたるみを自然にリフトアップ

近年では、単にシワの溝を埋めるだけでなく、顔全体の構造を考慮してリフトアップ効果を狙う注入法も主流になっています。

例えば、こめかみや頬、フェイスラインといった顔の土台となる部分にヒアルロン酸を注入すると、靭帯を支えてたるんだ皮膚を自然に引き上げられます。

この方法により特定のシワだけでなく、顔全体の印象がすっきりと引き締まり、より自然で若々しい仕上がりを目指せます。

肌質の改善と保水力の向上

ヒアルロン酸注入の効果は、ボリュームアップだけではありません。

皮膚の内部にヒアルロン酸が注入されると、その高い保水力によって周辺組織の水分量が増加します。こうした作用で、肌全体の潤いが高まり、乾燥しにくい状態になります。

また、注入されたヒアルロン酸が線維芽細胞を刺激し、コラーゲンの産生を促進するという報告もあります。

結果として、肌にハリとツヤが生まれ、キメが整うといった肌質改善効果も期待できるのです。

ヒアルロン酸治療で効果を実感しにくい人の意外な共通点

ヒアルロン酸治療で効果を実感しにくい場合、注入量や部位・層のミスマッチ、そもそも注入が最も適した治療ではないなど、治療方法自体に原因があるケースがほとんどです。

なぜ効果を実感しにくいのか、その背景にある意外な共通点を知ると、より満足度の高い治療に繋がります。

注入するヒアルロン酸の量が適切でない

効果を実感できない最も多い理由の一つが、注入量の問題です。シワや凹みの深さ、たるみの程度に対して、注入するヒアルロン酸の量が単純に不足しているケースです。

特に、費用を抑えたいという思いから少量のみの注入を希望すると、変化がわずかで満足感が得られない傾向があります。

逆に、過剰な注入は不自然な仕上がりの原因になります。解剖学を熟知した医師が個々の状態を正確に診断し、必要な量を適切に見極めることが重要です。

注入部位や深さ(層)が悩みに合っていない

顔の皮膚は非常に複雑な構造をしており、ヒアルロン酸を注入する深さ(層)が1ミリ違うだけで、効果の現れ方が大きく変わります。

例えば、ほうれい線を改善したい場合でも、原因が骨の萎縮なのか、皮下脂肪の下垂なのかによって、注入すべき部位や層は全く異なります。

原因と異なる場所に注入しても根本的な改善には繋がらず、「効果がない」と感じてしまいます。医師の診断力と技術力が、治療結果を大きく左右するのです。

効果を感じにくい場合の主な原因と対策

考えられる原因具体的な状況望ましいアプローチ
量の問題凹みに対して注入量が不足している医師と相談し、適切な量を注入する
技術的な問題注入部位や層が原因とずれている解剖学に精通した経験豊富な医師を選ぶ
適応の問題たるみが強く、外科手術が適している他の治療法(糸リフト、HIFUなど)も検討する

そもそもヒアルロン酸注入が第一選択ではないケース

ヒアルロン酸注入は万能ではありません。例えば、皮膚のたるみが非常に強い方ではヒアルロン酸だけでは支えきれず、十分なリフトアップ効果が得られない場合があります。

このようなケースでは、糸リフトやHIFU(高密度焦点式超音波)、あるいは外科的なフェイスリフト手術の方が適している可能性があります。

また、表情の癖によってできるシワ(眉間や額など)は、ヒアルロン酸よりもボツリヌストキシン注射の方が効果的な場合が多いです。

自分の悩みの原因に合った治療法の選択が満足への近道です。

効果の期待値と現実のギャップ

カウンセリングの段階で、医師と患者さんとの間で「どのような状態を目指すのか」というゴールの共有ができていないと、結果に対する満足度が低くなるときがあります。

患者さんが期待する変化と、ヒアルロン酸注入で達成可能な変化には、時にギャップが生じます。

信頼できる医師は治療のメリットだけでなく、限界やリスクについても正直に説明します。カウンセリングで十分に話し合い、現実的なゴールを共有すると、治療後の「こんなはずではなかった」を防ぎやすいです。

目的別に見るヒアルロン酸注入の種類と製剤の選び方

ヒアルロン酸製剤は、シワ改善向きの柔らかいものから輪郭形成向きの硬いものまで種類があり、目的や部位に応じて適切なものを選ぶことが治療の鍵となります。

それぞれ硬さや粘度、持続期間などが異なるため、自分に合った治療を受けるために製剤の種類と特徴について知っておきましょう。

シワの改善に適したヒアルロン酸

ほうれい線やマリオネットラインなど皮膚の浅い層から中層にかけてのシワには、比較的柔らかく、なじみの良いヒアルロン酸製剤を使用します。

これらの製剤は表情の動きに合わせて自然に伸縮し、皮膚表面を滑らかに整えられます。

注入後に凹凸ができにくく、自然な仕上がりになるのが特徴です。

ボリュームアップに適したヒアルロン酸

頬やこめかみのくぼみ、顎の形成など、顔の輪郭を整えたりボリュームを出したりする場合には、硬さのあるヒアルロン酸製剤を選びます。

これらの製剤は注入した部位でしっかりと形を保つ「形成力」が高く、リフトアップ効果も期待できます。

深い層に注入し、土台から顔の構造を支える役割を果たします。

ヒアルロン酸製剤の硬さと主な適応部位

製剤の硬さ主な適応部位期待される効果
柔らかいほうれい線、目の下のクマ、唇細かいシワの改善、自然なボリュームアップ
中間頬、ゴルゴライン適度なボリュームアップ、たるみの改善
硬い顎、鼻、こめかみ輪郭形成、しっかりとしたリフトアップ

肌質改善を目的としたヒアルロン酸

特定のシワやたるみの改善ではなく、肌全体の潤いやハリ、ツヤを向上させることを目的とした非常に柔らかいヒアルロン酸製剤もあります。

これは「スキンブースター」とも呼ばれ、皮膚の浅い層に広範囲にわたって少量ずつ注入します。

肌の保水力を高め、内側から輝くようなみずみずしい肌へと導きます。

医師との相談で自分に合う製剤を見つける

どの製剤が自分に合っているかは、自己判断できるものではありません。

肌の状態や骨格、脂肪のつき方やどのような仕上がりを希望するかによって、適した製剤と注入法が異なります。

経験豊富な医師は複数の製剤の特性を熟知しており、それらを組み合わせてオーダーメイドの治療を提案します。

カウンセリングで自分の希望をしっかりと伝え、医師と相談しながら治療計画を立てましょう。

クリニック選びで確認したいポイント

  • 医師の経験と実績
  • カウンセリングの丁寧さと分かりやすさ
  • 複数の製剤を取り扱っているか
  • アフターフォロー体制

ヒアルロン酸注入のダウンタイムと施術後の注意点

ヒアルロン酸注入のダウンタイムは主に内出血や腫れで、数日で治まる方が多いです。

メスを使わないため体への負担が少なく済みますが、施術後の経過を正しく理解し、適切なケアを行いましょう。

ダウンタイムの主な症状と期間

施術後には、いくつかの症状が現れる可能性がありますが、多くは一時的なものです。

主な症状は、注入部位の赤みや腫れ、痛みや内出血です。これらの症状は、注射針によって微小な血管が傷つくために起こります。

通常、赤みや腫れは2〜3日、内出血は1〜2週間程度で自然に吸収され、黄色っぽく変化しながら消えていきます。

ダウンタイムの主な症状と目安期間

症状持続期間の目安対処法
赤み・腫れ2~3日程度冷やすことで症状が和らぐことがある
内出血1~2週間程度コンシーラーでカバー可能。自然に消えるのを待つ
痛み・違和感数日~1週間程度通常は軽度。強い痛みが続く場合はクリニックに連絡

施術当日からできること・避けるべきこと

施術当日から洗顔やシャワー、メイクが可能です。

ただし、注入部位を強くこすったり、マッサージしたりするのは避けてください。ヒアルロン酸が移動したり、炎症が強まったりする原因となります。

また、血行が良くなると腫れや内出血が悪化する可能性があるため、施術当日の長時間の入浴やサウナ、激しい運動や過度な飲酒は控えるのが賢明です。

施術後の主な注意点

  • 注入部位を強く押したり、マッサージしたりしない
  • 当日の飲酒、サウナ、激しい運動は控える
  • 数日間は顔への強い刺激(エステなど)を避ける

内出血を最小限に抑えるために

内出血のリスクを完全にゼロにはできませんが、いくつかの工夫で最小限に抑えることは可能です。

クリニックでは、先端が丸く血管を傷つけにくい「マイクロカニューレ」という特殊な針を使用するところも多いです。

また、患者さん自身ができることとして、施術前から血液をサラサラにする作用のあるサプリメント(ビタミンE、DHA、EPAなど)や薬(アスピリンなど)を服用している場合は事前に医師に相談し、指示に従って休薬することが大切です。

ヒアルロン酸注入の効果はいつまで?持続期間と長持ちさせる秘訣

ヒアルロン酸注入の効果は製剤により半年から2年ほど持続します。

注入されたヒアルロン酸は時間とともに体内に吸収されるため、効果の持続期間と長持ちさせる方法について理解しておきましょう。

製剤の種類によって異なる持続期間

効果の持続期間は、使用するヒアルロン酸製剤の種類や注入部位、そして個人の体質によって大きく異なります。

一般的に、柔らかい製剤は吸収が早く、硬い製剤は吸収が遅い傾向にあります。

また、唇や口周りなど、よく動かす部位は吸収が早いと言われています。

製剤の種類と持続期間の目安

製剤の硬さ持続期間の目安主な使用部位
柔らかい約6ヶ月~1年唇、目の下
硬い約1年~2年顎、鼻、頬

効果をできるだけ長く保つための生活習慣

ヒアルロン酸の吸収速度は、生活習慣にも影響されます。

血行が促進されて新陳代謝が活発になると、ヒアルロン酸の吸収も早まる傾向があります。過度な運動や頻繁なサウナ、強いマッサージなどは、効果の持続期間を短くする可能性があります。

また、紫外線対策や保湿といった日々のスキンケアを丁寧に行い、肌の健康状態を良好に保つ工夫も、美しい状態を長くキープするために重要です。

定期的なメンテナンスで美肌をキープ

ヒアルロン酸の効果を維持するためには、定期的なメンテナンスが推奨されます。

効果が完全になくなってから再度注入するよりも、少し物足りなさを感じ始めたタイミングで追加注入(タッチアップ)を行うほうが、より少ない量で良い状態をキープできます。

また、定期的に注入を続けるとコラーゲンの生成が促進され、肌そのものが若々しくなる効果も期待できます。

医師と相談しながら、自分に合ったメンテナンス計画を立てましょう。

ヒアルロン酸注入に関するよくある質問(Q&A)

ヒアルロン酸はもともと肌に存在する成分で、肌のハリ・弾力を支える役割があります。

化粧水や美容液として塗ると肌の表面がうるおい、小ジワを目立たなくしたり、肌のキメを整えたり、バリア機能をアップさせたりする効果が期待できます。

一方、クリニックで注入する方法では、シワやたるみの改善、ボリュームアップ、肌質改善効果などが期待できます。

持続期間に関しても、塗るヒアルロン酸は一時的ですが、ヒアルロン酸注入は半年から2年程度とより長く効果を保てるのがメリットです。

痛みはどのくらいありますか?

痛みの感じ方には個人差がありますが、多くのクリニックでは痛みを最小限に抑えるための工夫をしています。

注入部位に麻酔クリームを塗布したり、製剤自体に麻酔成分が含まれていたりするため、多くの方が我慢できる程度の痛みです。注射のチクッとした感覚や、製剤が入ってくる際の鈍い感覚がある場合があります。

施術後、不自然な顔になりませんか?

適切な量と部位に注入すれば、非常に自然な仕上がりが期待できます。不自然に見えるケースは、過剰な量を注入したり、その方の骨格や表情の動きを無視して注入したりした場合に起こり得ます。

経験豊富な医師は、顔全体のバランスを見ながら、あくまでも自然な美しさを引き出すことを目指します。カウンセリングで仕上がりのイメージをしっかりと共有しましょう。

ヒアルロン酸を溶かすことはできますか?

可能です。万が一、仕上がりに満足できない場合や修正したい場合には、「ヒアルロニダーゼ」という分解酵素を注射すると、注入したヒアルロン酸を溶かして元に戻せます。

この修正が可能であるという点も、ヒアルロン酸注入の安心材料の一つです。

どのくらいの頻度で施術を受けるのが良いですか?

施術の頻度は、使用した製剤や個人の満足度によって異なります。一般的には、効果が薄れてきたと感じる半年から1年半後くらいに次の施術を検討する方が多いです。

ただし、これはあくまで目安です。医師と相談の上、ご自身の生活スタイルや予算に合わせてメンテナンスのタイミングを決めるのが良いでしょう。

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この記事を書いた人

Dr.寺井美佐栄のアバター Dr.寺井美佐栄 ミサクリニック 六本木本院 院長

日本抗加齢医学会認定専門医。日本美容皮膚科学会、日本レーザー医学会、日本産業衛生学会専門医。
複数の大手美容皮膚科で10年以上の院長経験を経て、2022年9月にMiSA Clinic(ミサクリニック)を開業。YouTube等でも発信してきた、メスを使わずに”ナチュラルなキレイ”を引き出す技術には定評があり、ありがたいことに「SNSを見ました!」という方や、紹介・口コミ経由でたくさんのご相談を頂いてきました。皆様と共に、MiSA Clinicスタッフ一同、共に年を重ね、末永くお付き合いできる関係を目指して参ります。

資格
アラガン社ボトックスビスタ認定医
アラガン社ヒアルロン酸注入認定医

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