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治療方法糸リフト・スレッドリフト

糸リフトは、特殊なコグを持つ糸を皮下に挿入し、物理的に組織を引き上げる治療です。メスを使わず、短時間で顔の輪郭をシャープに整え、若々しい印象を即座に作り出す効果が期待できます。

この施術は、単なる引き上げだけでなく、糸の周辺でコラーゲンが増殖し、肌のハリを長期的に維持する作用も備えています。糸の種類や本数、ダウンタイムの過ごし方が結果を左右します。

本記事では、後悔しない治療選択のために必要な素材の特性や、1年後の経過、術後の痛みへの対処法を詳しく解説します。

糸リフトの効果とデメリット・リスクの把握

糸リフトは、皮膚の深い層にある組織を直接持ち上げることで、ほうれい線やフェイスラインのたるみを劇的に改善します。糸の刺激で血流が良くなり、肌の内側から弾力が生まれます。

施術直後から変化を実感できる即効性が魅力ですが、同時に医療行為としてのリスクも存在します。メリットだけでなく、起こり得る副作用を正しく理解することが、満足度の高い治療に繋がります。

リフトアップと美肌の相乗効果

糸に付いた小さな突起が脂肪組織をしっかりと掴み、本来あるべき高い位置へと誘導します。こうして物理的に形を整えると、加齢による輪郭の崩れを自然に補正することが可能です。

さらに、挿入された糸は異物として認識され、それを包み込むようにコラーゲンが生成されます。その結果、糸が吸収された後も肌の土台が強化され、長期的なハリ感をもたらします。

主な副作用と消失までの目安

症状の種類主な原因回復の目安
ひきつれ感糸の固定力1〜2週間
皮膚の凸凹一時的な偏り10日前後
口の開けにくさ組織の緊張2週間程度

デメリットを回避するための注意点

糸リフトの失敗として挙げられる「引きつれ」や「不自然な左右差」は、医師の診断やデザインに起因する場合が多いです。適切な深さに糸を配置しないと、皮膚の表面に糸が透けるリスクもあります。

また、重度のたるみがある場合は糸リフト単独では限界があり、切開リフトが適しているケースも考えられます。ご自身の状態を見極め、適切な治療法を提案してくれるクリニック選びが大切です。

デメリットやリスクについて詳しく見る
糸リフトとは?効果と知っておくべきデメリット・リスク

糸リフトの持続期間と1年後の経過

効果の持続は使用する糸の素材に大きく依存しますが、一般的には数ヶ月から2年程度です。糸そのものが消えた後も、生成されたコラーゲンが組織を支えるため、完全な元通りにはなりません。

経過における変化

時間の経過とともに、劇的な引き上げから、じわじわとした肌質の改善へと役割が変化していきます。1年後の自分をイメージしながら、メンテナンスの計画を立てましょう。

  • 当日〜1週間:腫れやむくみがあるが、リフト効果は最大
  • 1ヶ月後:馴染みが良くなり、最も自然で美しい状態
  • 6ヶ月後:糸の吸収が始まるが、肌のハリが向上する時期
  • 1年後:リフト力は緩むが、肌内部のコラーゲンで維持

長期的なアンチエイジングの考え方

1年を経過すると、重力の影響で少しずつ元の位置に組織が戻り始めます。このタイミングで追加の施術を行うと、以前よりも強固な土台が作られ、より若々しい状態をキープしやすくなります。

一度に大量の糸を入れるよりも、定期的に適切な本数を補充するほうが顔全体のバランスを保ちやすいです。将来のたるみを予防するという視点で、継続的なケアを取り入れてください。

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糸リフトの効果はいつまで?1年後の状態と持続期間を解説

肌のハリを出すショッピングリフトの効果

ショッピングリフトは、短い糸を剣山のように細かく挿入し、肌の密度を高める施術法です。大きなリフトアップよりも、肌の「引き締め」や「タイトニング」を重視する方に適しています。

針の刺激と糸の吸収過程で起こる再生反応が、肌にツヤと弾力をもたらします。ダウンタイムが非常に短いため、日常生活をほとんど変えずに受けられる手軽さが、多くの支持を集めています。

小じわの解消と毛穴の引き締め

目元や口元の細かいシワに対し、細い糸を網目状に配置すると、内側から押し上げる力が働きます。この働きによって、年齢を感じさせやすい細部の質感を改善することが可能です。

また、皮下組織が刺激されるため代謝が上がり、毛穴の目立ちにくいキメ細やかな肌へと変化します。通常の糸リフトではアプローチしにくい部位を補完する役割も担っています。

ショッピングリフトの特性

項目一般的な内容期待される変化
糸の形状極細のストレート肌の厚み増加
推奨本数40本〜100本全体の引き締め
痛みチクッとする程度即時のメイク可

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ショッピングリフトの効果・値段・ダウンタイムを医師が徹底解説!

糸の種類と素材による違いと選び方

糸の素材には、主にPDO、PLLA、PCLの3種類があり、それぞれ硬さや吸収速度が異なります。持続力を優先するのか、それとも自然な柔軟性を重視するのかによって、選ぶべき素材は変わります。

最近では複数の素材を組み合わせ、各部位に適した働きかけを行う手法も一般的です。それぞれの特徴を把握し、自分の理想に近い素材を医師と相談して決定することが大切です。

素材別の性能と持続性の比較

PDOは引き締め力が強く、脂肪が多い部位の補正に威力を発揮します。ただ、半年程度で吸収されるため、初めての方や、定期的なメンテナンスを前提とする方に選ばれるケースが多いです。

PCLは2年近い持続期間を持ち、非常にしなやかなため違和感が少ない素材です。一度の施術で長く効果を保ちたい方に向いていますが、体質に合うかどうかを事前に確認する必要があります。

素材選びのガイドライン

  • PDO:即効的な引き締めと安全性を優先する方
  • PLLA:硬めの糸で強力な固定を求める方
  • PCL:長期持続としなやかな仕上がりを望む方

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糸リフトの種類と効果比較|PDO・PCL・PLLA糸の特徴を解説

施術当日の流れとダウンタイム・術後の痛み

施術は麻酔を含めて1時間程度で完了し、入院の必要はありません。術後は一時的な腫れや内出血が見られる場合もありますが、日常生活に大きな支障が出るケースは稀ですので安心してください。

痛みや違和感のピークは当日から3日目にかけて現れますが、処方される内服薬で十分にコントロール可能です。適切なアフターケアを行うと、回復を早められます。

ダウンタイムを快適に過ごすコツ

術後3日間は、飲酒や激しい運動、長風呂などの血流を促進する行為を控えてください。患部を軽く冷やすと、炎症を抑え、腫れが長引くのを防ぐことが可能になります。

また、大きな口を開けて笑ったり、硬いものを無理に噛んだりすると、糸がズレる原因になります。最低でも1週間は、顔に負担をかけない穏やかな生活を心がけてください。

回復までのスケジュール

時期主な状態推奨される行動
当日局所的な腫れ安静と冷却
3日目痛みの落ち着き洗顔やメイク
1週間内出血の消退軽い運動の再開

当日の流れとダウンタイムについて詳しく見る
糸リフトのやり方とは?施術の流れ・時間・ダウンタイム

よくある質問

糸リフトの効果を感じやすいのはどんな人ですか?

頬の脂肪が適度にあり、初期のたるみが気になり始めた方に最も高い効果が現れます。組織が下がりきる前に糸で支えることで、劇的なリフトアップと予防効果を同時に得られます。

逆に、極端に脂肪が少ない方や、皮膚が非常に薄い方の場合は、糸のラインが出やすくなるため注意が必要です。カウンセリングで皮膚の厚みや脂肪量を確認し、適応を見極めることが重要です。

笑った時に糸の違和感や痛みはありませんか?

施術から1〜2週間は、表情を動かした際に「チクッ」とした感覚や突っ張るような違和感が出る場合があります。これは糸が組織に馴染む過程で起こる正常な反応ですので過度な心配はいりません。

1ヶ月を経過する頃には、糸が組織と一体化し、笑っても違和感を感じなくなるのが一般的です。もし1ヶ月以上強い痛みが続く場合は、糸の露出や炎症の可能性があるため、早めに医師へ相談してください。

糸は何本入れるのが一番効果的でしょうか?

お顔の状態によりますが、片側4本ずつの計8本が標準的な本数です。フェイスラインだけでなく頬の位置を高くしたい場合は、さらに2〜4本追加すると、多角的なリフトアップが叶います。

本数が少なすぎると1本あたりの負担が増え、糸が切れやすくなったり持続が短くなったりします。十分な密度でバランス良く配置することが、美しく長持ちする仕上がりの秘訣と言えます。

仕事は何日くらい休む必要がありますか?

ほとんどの方は翌日から通常通り仕事に復帰しています。腫れが気になる場合でも、マスクや髪型でカバーできる程度である方が多いため、長期の休暇を設ける必要はほとんどありません。

接客業など顔を頻繁に動かす職業の方は、念のため翌日を休みにすると、精神的にも余裕を持って過ごせます。内出血が出た場合でも、コンシーラーで隠せる程度の薄い黄色になるのが一般的です。

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