リフトアップ治療の効果・方法・値段を徹底比較|あなたに合っているのは?

リフトアップ治療の効果・方法・値段を徹底比較|あなたに合っているのは?

フェイスラインのもたつきや、深くなったほうれい線を「なんとかしたい」と思い、相談にいらっしゃる方が多いです。

リフトアップ治療には様々な方法があり、効果や値段、ダウンタイムも異なります。

この記事では、美容医療で行うリフトアップ治療の種類を網羅的に解説し、それぞれの効果、方法、費用を徹底比較します。

自分に合った治療法を見つけるための知識を得て、納得のいくたるみ改善を目指しましょう。

目次

なぜ、たるみは起きるの?リフトアップの基本

たるみは、肌の奥深くで起きている構造的な変化が関係しています。

単に皮膚が伸びるだけでなく、肌内部の成分減少や土台のゆるみ、骨格の変化といった複数の要因が重なって起こります。

肌の弾力を支える成分の減少

私たちの肌のハリや弾力は、真皮層に存在するコラーゲンやエラスチンといった線維状のタンパク質によって保たれています。

しかし、加齢や紫外線の影響でこれらの成分は徐々に減少し、質も低下します。その結果、肌gs弾力を失い、重力に逆らえなくなってたるみが生じます。

肌の構造とたるみの関係

肌の層役割加齢による変化
表皮外的刺激からの保護ターンオーバーが乱れ、乾燥しやすくなる
真皮ハリ・弾力を保つコラーゲン・エラスチンが減少し、弾力が失われる
皮下組織脂肪でクッションの役割脂肪が下垂・移動し、もたつきの原因になる

皮膚を支える土台のゆるみ

皮膚の下にはSMAS(スマス)筋膜という薄い膜があり、皮膚と筋肉をつなぎとめる重要な役割を担っています。

このSMAS筋膜が加齢によってゆるむと、その上にある皮膚や脂肪を支えきれなくなり、顔全体のたるみにつながります。

特にフェイスラインのもたつきは、このSMAS筋膜のゆるみが大きく影響します。

骨格の変化による影響

あまり知られていませんが、顔の骨も加齢によって少しずつ萎縮します。

特に、こめかみや頬骨、あごの骨が痩せることで、その上の皮膚や脂肪を支える土台が小さくなります。すると、布が余るように皮膚がたるみ、顔の印象が大きく変わる原因となります。

【セルフケアとの違い】美容医療だからこそ得られるリフトアップ効果

たるみ改善のために高級な化粧品を使ったり、話題の美顔器を試したりと、日々セルフケアに励んでいる方も多いでしょう。

しかし、セルフケアで得られる効果には限界があります。美容医療が提供するリフトアップ治療は、セルフケアでは届かない肌の深層部へ直接働きかけられる点に大きな違いがあります。

アプローチできる深さの違い

化粧品や美顔器が作用するのは、主に肌の表面である表皮層までです。

一方で、たるみの根本原因はさらに深い真皮層やSMAS筋膜、皮下脂肪にあります。

美容医療では、これらの層に熱エネルギーを加えたり、糸を挿入したりして土台から引き締め、持ち上げることが可能です。

アプローチ深度の比較

ケア方法主なアプローチ層期待できる効果
化粧品表皮層保湿、ハリ感の向上
美顔器表皮層〜真皮層浅層血行促進、一時的な引き締め
美容医療真皮層〜SMAS筋膜コラーゲン生成促進、根本的な引き上げ

効果の持続期間と確実性

セルフケアは毎日続けて現状維持を目指すものですが、一度現れたたるみを元に戻すのは困難です。

美容医療によるリフトアップ治療は、一度の施術で目に見える変化を期待でき、その効果も数ヶ月から数年にわたって持続します。

もちろん個人差はありますが、効果の確実性が高いのが特徴です。

医師による専門的な診断

自分のたるみの原因が何なのか、どの治療法が合っているのかを自己判断するのは非常に難しいです。

美容クリニックでは医師が専門的な知識と経験に基づいて肌の状態を診断し、一人ひとりのたるみの種類や骨格、生活スタイルに合わせた治療法を提案します。これが、より高い効果を得るための重要な要素です。

切らないリフトアップ治療の種類と特徴

メスを使わないリフトアップ治療は、ダウンタイムが短く気軽に受けられる点が魅力です。

代表的な方法としてHIFU(ハイフ)、高周波(RF)、糸リフト(スレッドリフト)があり、それぞれ熱エネルギーで引き締める、糸で物理的に引き上げるなど、異なる方法でたるみを改善します。

HIFU(ハイフ)

高密度焦点式超音波という技術を使い、狙った深さにピンポイントで熱エネルギーを届けます。

SMAS筋膜に直接働きかけられるのが最大の特徴で、肌の土台からの引き締めが可能です。

また、熱ダメージを受けた組織が修復される過程でコラーゲンの生成が促進され、肌のハリや弾力もアップします。

高周波(RF)

高周波の電磁波を肌に照射し、皮膚の内部で熱を発生させます。

主に真皮層のコラーゲン線維をターゲットにし、熱によって線維を収縮させて即時的な引き締め効果をもたらします。

HIFUと同様に、創傷治癒の働きで長期的なコラーゲン生成も促し、肌質改善効果も期待できます。

糸リフト(スレッドリフト)

医療用の溶ける糸を皮下に挿入し、物理的にたるみを引き上げる治療です。

コグと呼ばれるトゲのついた糸を組織に引っかけて、リフトアップ効果を発揮します。

挿入した糸の周りではコラーゲン生成が促進されるため、肌のハリ感向上も見込めます。フェイスラインやマリオネットラインの改善に適しています。

主な「切らない治療」の比較

治療法アプローチ層特徴
HIFU真皮層〜SMAS筋膜肌の土台から引き締める。小顔効果も期待できる。
高周波表皮〜真皮層皮膚の引き締め、ハリ感アップに優れる。
糸リフト皮下組織物理的にたるみを引き上げる即効性が高い。

切るリフトアップ治療(フェイスリフト)の種類と特徴

進行したたるみを根本から改善し、長期間の効果を望む場合、フェイスリフト手術が有効な選択肢となります。

この手術は皮膚の余りを除去し、土台となるSMAS筋膜を直接引き上げて、大きな変化をもたらします。ダウンタイムは長くなりますが、高い満足度が期待できる治療法です。

SMAS法

皮膚だけでなく、その下にあるSMAS筋膜を引き上げる、現在主流となっているフェイスリフトの方法です。

耳の前などを切開し、ゆるんだSMAS筋膜を引っ張り上げて固定し、余った皮膚を切除します。皮膚だけを引き上げる方法に比べて、自然な仕上がりで効果が長持ちします。

ミニリフト

切開範囲をSMAS法よりも小さく限定し、体への負担を軽減した方法です。主に頬や口元のたるみが気になる場合に適応されます。

傷跡が目立ちにくく、ダウンタイムも比較的短いですが、広範囲の強いたるみには対応が難しい場合があります。

フルフェイスリフト

顔全体から首にかけての広範囲のたるみを改善するための手術です。こめかみから耳の前を通り、耳の後ろまで広めに切開し、SMAS筋膜を大きく引き上げます。

顔全体の若返りが図れ、効果の持続期間も非常に長いのがメリットです。

切る治療の選択肢

手術方法主な対象部位特徴
SMAS法頬、フェイスライン、口元効果と持続性のバランスが良い標準的な術式。
ミニリフト頬、口元切開範囲が小さく、負担が少ない。
フルフェイスリフト顔全体、首最もリフトアップ効果を実感しやすく、持続期間も長い。

【値段・効果・持続期間】リフトアップ治療の費用対効果を比較

リフトアップ治療の価値は単なる値段ではなく、得られる効果と持続期間を合わせた費用対効果で判断することが重要です。

1回あたりの費用が安くてもメンテナンスが頻繁に必要な治療もあれば、初期費用は高くても長期間効果が続く治療もあります。各治療の値段と持続性を比較し、長期的な視点で検討しましょう。

治療法ごとの値段の目安

リフトアップ治療の費用は使用する機器や糸の種類、施術範囲、クリニックによって大きく異なります。

各治療の費用相場

治療法値段の目安(1回)主な内訳
HIFU5万円~30万円ショット数、使用機器
糸リフト10万円~50万円糸の本数、糸の種類
フェイスリフト80万円~200万円以上手術範囲、麻酔費用

正確な費用は、カウンセリングで確認しましょう。

効果の持続期間と考えるべきこと

治療の効果がどれくらい続くのかは、長期的なコストパフォーマンスを考える上で欠かせません。

例えば、1回の費用が安くても、効果が短く頻繁に治療が必要な場合、結果的に高額になるケースもあります。

逆に、初期費用は高くても、長期間効果が持続するなら、トータルでの満足度は高くなる可能性があります。

効果の持続期間比較

治療法持続期間の目安メンテナンスの考え方
HIFU・高周波半年~1年定期的な施術で効果を維持する
糸リフト1年~2年効果が薄れてきたら追加や再施術を検討
フェイスリフト5年~10年一度で長期的な効果を得る

値段に含まれるサービス内容の確認

提示される費用に何が含まれているのかを事前に確認しましょう。カウンセリング料や初診料、麻酔代や薬代、術後の検診費用などが別途必要な場合があります。

総額でいくらかかるのかを把握し、複数のクリニックを比較検討するのも一つの方法です。

あなたに合った治療法の選び方|失敗しないためのポイント

自分に合ったリフトアップ治療を見つけるには、「たるみの進行度」「生活スタイルに合うダウンタイム」「信頼できるクリニック」という3つの視点から総合的に判断しましょう。

ご自身の状態と希望を明確にすると、数ある選択肢の中から後悔のない治療法を選べます。

たるみの種類と進行度で選ぶ

初期のたるみなのか、それともかなり進行しているのかによって、適した治療法は大きく変わります。

ハリ不足、軽いもたつきといった初期のたるみには、HIFUや高周波治療で肌質の改善と引き締めを図るのがおすすめです。

ほうれい線、フェイスラインの乱れなどの中等度のたるみが気になる方は、糸リフトで物理的に引き上げるか、HIFUと注入治療などを組み合わせる方法が効果的です。

深いシワ、全体的な下垂といった重度のたるみでは、フェイスリフト手術が根本的な解決策として適しています。

生活スタイルとダウンタイムを考慮する

仕事や家庭の事情で、長い休みを取れない方も多いでしょう。

治療後の腫れや赤みといったダウンタイムをどれくらい許容できるかは、治療法選択の重要な基準になります。

ダウンタイムの目安

治療法ダウンタイムの目安主な症状
HIFU・高周波ほぼなし〜数日軽い赤み、筋肉痛のような鈍痛
糸リフト数日〜2週間腫れ、内出血、ひきつれ感
フェイスリフト2週間〜1ヶ月以上強い腫れ、内出血、痛み、固定が必要

信頼できる医師・クリニックを見つける

最終的に治療の成否を分けるのは、医師の技術力と診断力です。

カウンセリングでは、あなたの悩みを親身に聞いてくれるか、リスクやデメリットも正直に説明してくれるか、複数の選択肢を提示してくれるかなどを確認しましょう。

症例写真などを参考にし、自分が「この先生になら任せられる」と心から思える医師を見つけると、満足のいく結果へつながります。

治療後の「こんなはずじゃなかった」を防ぐ思考法

リフトアップ治療で後悔しないためには、医師とゴールのイメージを正確に共有し、ダウンタイムを「完成までの準備期間」と前向きに捉える心構えが重要です。

カウンセリングを有効活用し、期待値と現実のギャップを埋める手順が、治療の満足度を大きく左右します。

ゴールのイメージを医師と共有する重要性

「若返りたい」「たるみをなくしたい」という漠然とした希望だけでは、医師との間に認識のズレが生じやすくなります。

「フェイスラインをシャープにしたい」「ほうれい線を今より少し浅くしたい」など、できるだけ具体的に自分のなりたいイメージを伝えましょう。写真などを見せながら話すのも良い方法です。

医師があなたの希望を医学的な観点から評価し、実現可能な範囲と適切な方法を提案します。

ダウンタイムは「完成までの準備期間」

特に糸リフトやフェイスリフトでは、術後に腫れや内出血、ひきつれ感などが現れます。

この期間を「失敗したかもしれない」と不安に過ごすのではなく、「美しくなるための準備期間」と捉えることが大切です。

多くの症状は時間とともに必ず軽快します。術前にダウンタイムの経過について詳しい説明を受け、心の準備をしておきましょう。

理想と現実のギャップを埋めるカウンセリング活用術

カウンセリングは、単に治療の説明を受ける場ではありません。

不安や疑問を解消し、医師と信頼関係を築くための大切な時間です。どんな些細なことでも遠慮せずに質問しましょう。

  • 期待できる効果の限界はどこまでか
  • 考えられるリスクや副作用は何か
  • 自分と似た症例の写真を見せてもらう

これらの質問を通じて治療への理解を深め、過度な期待を現実的なものに調整していくと、満足のできる結果につながります。

リフトアップに関するよくある質問

「リフトアップ治療」と一言でいっても、期待できる効果や、得意なたるみの状態、肌への負担や値段が異なります。

状態に合った方法を選ぶとリフトアップ効果を実感しやすいのはもちろんですが、最も合う治療法をご自身で選択するのは正直なところ難しいです。

そのためリフトアップ治療を検討している方は、たるみの原因や肌の状態、自分に合った治療法を確認するためにも、まずはクリニックに相談してみるのがおすすめです。

治療中の痛みはありますか?

治療法によって異なります。HIFUや高周波は、チクチクとした熱感や骨に響くような痛みを感じる場合があります。多くのクリニックでは麻酔クリームなどを使用し、痛みを緩和します。

糸リフトやフェイスリフトは局所麻酔や静脈麻酔を使用するため、手術中の痛みはほとんどありません。術後に痛みが出るケースがありますが、処方される痛み止めでコントロール可能です。

効果はいつから実感できますか?

これも治療法によります。糸リフトやフェイスリフトは、術直後から物理的な引き上げ効果を実感できますが、腫れが引いて完成するのは数ヶ月後です。

HIFUや高周波は、施術直後の引き締め効果に加え、コラーゲンが生成される2〜3ヶ月後に最も効果を実感しやすくなります。

リフトアップ治療の値段の違いは何ですか?

値段は主に、治療の侵襲度(体への負担)、効果の持続性、使用する機器や材料のコストによって決まります。

例えば、フェイスリフトは医師の高い技術と長い手術時間を要し、効果も長期にわたるため高額になります。HIFUは使用する機器の価格やショット数、糸リフトは使用する糸の種類や本数で費用が変動します。

一度治療を受けたら、ずっと効果は続きますか?

どの治療法も、効果は永久ではありません。治療後も加齢による変化は続くため、時間とともに効果は薄れていきます。

しかし、治療を受けた分だけ、数年後の状態は何もしていない場合と比べて若々しい状態を保てます。効果を維持するためには、定期的なメンテナンス治療や、日々のスキンケア、紫外線対策などが大切です。

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この記事を書いた人

Dr.寺井美佐栄のアバター Dr.寺井美佐栄 ミサクリニック 六本木本院 院長

日本抗加齢医学会認定専門医。日本美容皮膚科学会、日本レーザー医学会、日本産業衛生学会専門医。
複数の大手美容皮膚科で10年以上の院長経験を経て、2022年9月にMiSA Clinic(ミサクリニック)を開業。YouTube等でも発信してきた、メスを使わずに”ナチュラルなキレイ”を引き出す技術には定評があり、ありがたいことに「SNSを見ました!」という方や、紹介・口コミ経由でたくさんのご相談を頂いてきました。皆様と共に、MiSA Clinicスタッフ一同、共に年を重ね、末永くお付き合いできる関係を目指して参ります。

資格
アラガン社ボトックスビスタ認定医
アラガン社ヒアルロン酸注入認定医

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