たるみ整形の種類は?費用・効果・ダウンタイムを徹底比較!

年齢を重ねるごとに気になる顔のたるみに「鏡を見るたびにフェイスラインがぼやけてきた」「ほうれい線が深くなった気がする」と感じる方は多いようです。

たるみの原因は一つではなく、皮膚や脂肪、筋肉など複数の要因が複雑に絡み合っています。そのため、ご自身の状態に合った治療法を選ぶことが若々しい印象を取り戻すための鍵となります。

この記事では、HIFU(ハイフ)や糸リフトといった「切らない治療」から、本格的な改善を目指すフェイスリフトなどの「切る治療」まで、さまざまなたるみ治療の種類を網羅的に解説します。

目次

あなたのたるみはどのタイプ?原因を知って対策を

お顔のたるみは見た目の印象を大きく左右する悩みの一つで、皮膚、脂肪、筋肉、骨格という4つの層の変化が原因で起こります。

効果的な治療法を見つけるには、ご自身のたるみの原因への正しい理解が第一歩です。

皮膚のたるみ(コラーゲン・エラスチンの減少)

肌のハリや弾力を支えているのは、真皮層に存在するコラーゲンやエラスチンといった成分です。しかし、加齢や紫外線の影響でこれらの成分は徐々に減少し、質も低下します。

その結果、皮膚そのものが弾力を失い、重力に負けて垂れ下がってしまいます。ちりめんジワや肌表面のゆるみとして現れるのが特徴です。

脂肪のたるみ(脂肪の下垂・ボリューム変化)

顔には皮膚を支えるクッションの役割を持つ皮下脂肪があります。年齢とともに、この脂肪を支えている組織がゆるむと、脂肪が重力に従って下方へ移動します。

例えば、頬の高い位置にあった脂肪が下がってほうれい線が深くなったり、フェイスラインに脂肪がたまって二重あごの原因になったりします。

筋肉のたるみ(SMAS筋膜のゆるみ)

皮膚や脂肪のさらに下には、SMAS(スマス)筋膜と呼ばれる薄い膜状の組織があります。

SMAS筋膜は、皮膚や皮下脂肪と表情筋をつなぎ、顔全体の構造を支える土台のような役割を担っています。

この筋膜が加齢によってゆるむと、その上にある皮膚や脂肪も一緒に垂れ下がり、顔全体の大きな構造的たるみにつながります。

骨格のたるみ(骨の萎縮)

知らない方も多いようですが、骨も加齢によって萎縮し、形が変化します。

頬骨やこめかみ、顎の骨が痩せると、その上の皮膚や脂肪を支えきれなくなります。この影響で顔に凹凸や影が生まれ、全体的にたるんだ印象を与えます。

骨格の変化は、たるみの根本的な原因の一つと言えます。

【切らない】たるみ治療の種類と特徴

メスを使わずにたるみを改善する治療は、ダウンタイムが短く、気軽に受けやすいという利点があります。

代表的な治療法には、超音波や高周波を用いるもの、糸を挿入するものなどがあります。

HIFU(ハイフ)高密度焦点式超音波

HIFUは、高密度の超音波エネルギーを皮膚の深層部に照射する治療法です。たるみの土台となるSMAS筋膜にピンポイントで熱エネルギーを加え、引き締めてリフトアップ効果をもたらします。

皮膚表面にはダメージを与えないため、施術直後からメイクが可能です。効果は数ヶ月かけて徐々に現れ、自然な変化を期待できます。

切らない治療法の比較

治療法特徴主な対象
HIFU(ハイフ)SMAS筋膜に直接アプローチし、土台から引き締めるフェイスラインのもたつき、軽度から中等度のたるみ
RF(高周波)真皮層のコラーゲン生成を促し、肌を引き締める肌のハリ不足、小じわ、毛穴の開き
注入治療ボリュームを補い、影や凹みを改善するほうれい線、マリオネットライン、こけた頬

RF(高周波・ラジオ波)

RF治療は、高周波の電気エネルギーを利用して皮膚の真皮層に熱を加える方法です。この熱によってコラーゲン線維が収縮し、即時的な引き締め効果が得られます。

さらに、熱刺激を受けた線維芽細胞が活性化し、長期的に新しいコラーゲンやエラスチンの生成を促します。肌全体のハリ感がアップし、小じわや毛穴の開きにも効果的です。

注入治療(ヒアルロン酸・コラーゲンブースター)

ヒアルロン酸などの注入剤を、たるみによってできた溝や凹みに注入し、ボリュームを補って影を目立たなくする治療です。ほうれい線やマリオネットライン、目の下のくぼみなどに直接働きかけます。

また、コラーゲンブースターと呼ばれる製剤は自身のコラーゲン生成能力を高め、肌の内側からハリを育てる新しい考え方の注入治療です。

糸リフト(スレッドリフト)

医療用の溶ける糸を皮下に挿入し、たるんだ皮膚や脂肪を物理的に引き上げる治療法です。コグ(トゲ)のついた糸を使用しながら、組織をしっかりと引っ掛けて持ち上げます。

即時的なリフトアップ効果を実感しやすく、フェイスラインをシャープに整えたい場合に有効です。

また、糸が吸収される過程でコラーゲン生成が促進され、肌のハリや弾力も向上します。

糸リフトの主な種類

糸の素材特徴持続期間の目安
PDOしなやかで柔軟性がある。コラーゲン生成効果を実感しやすい。約1年
PCL吸収されるまでの期間が長く、持続性に優れる。約2年~3年
PLLA硬さがあり、しっかりとしたリフトアップ力を持つ。約1年半~2年

【切る】たるみ治療(フェイスリフト)の種類と特徴

たるみが進行し、より根本的で長期的な改善を望む場合には、外科的な手術であるフェイスリフトが選択肢となります。

余分な皮膚を切除し、SMAS筋膜を直接引き上げるため、リフトアップ効果を実感しやすい方法です。

ミニリフト

こめかみや耳の前など、目立たない部分を比較的小さく切開し、頬やフェイスラインのたるみを引き上げる手術です。

傷跡が小さく、ダウンタイムもフルフェイスリフトに比べて短いのが特徴です。中等度のたるみが気になる方や、本格的な手術には抵抗がある方に適しています。

フルフェイスリフト

耳の前から後ろ、そして頭髪線に沿って広範囲に切開し、顔全体のたるみを根本から改善する手術です。

ゆるんだSMAS筋膜をしっかりと引き上げ、余分な皮膚を切除するため、最も効果を実感できる治療法とされています。首のたるみまで同時に改善することも可能です。

切るフェイスリフトの比較

手術法切開範囲効果と対象
ミニリフト限定的(耳の前など)頬やフェイスラインの中等度のたるみ
フルフェイスリフト広範囲(耳の前後、頭髪線)顔から首にかけての重度のたるみ
ネックリフト耳の後ろや顎の下首のしわやたるみ、二重あご

ネックリフト

首のたるみや深い横じわ、二重あごの改善に特化した手術です。耳の後ろや顎の下などを切開し、首の皮膚と広頚筋という筋肉を引き上げます。

フェイスリフトと同時に行うと、顔から首まで若々しく、すっきりとした印象に仕上げられます。

主要なたるみ治療の比較一覧

どの治療法が自分に合っているか判断するために、効果の持続期間、ダウンタイム、費用の3つの観点から主要な治療法を比較してみましょう。

効果の持続期間で比較

治療効果がどのくらい続くのかは、治療法を選択する上で大切な要素です。

一般的に、身体への負担が少ない治療ほど持続期間は短く、外科的な手術ほど長期間効果が続きます。

持続期間の目安

治療法持続期間の目安特徴
HIFU・RF半年~1年定期的なメンテナンスで効果を維持
糸リフト1年~2年糸の種類によって持続期間が変動
フェイスリフト5年~10年根本的な改善で長期的な効果を期待

ダウンタイムの長さで比較

施術後、日常生活に戻るまでの期間をダウンタイムと呼びます。赤みや腫れ、内出血などが主な症状です。

ご自身の生活スタイルに合わせて、許容できるダウンタイムの長さを考えましょう。

ダウンタイムの目安

治療法ダウンタイムの目安主な症状
HIFU・RF・注入ほぼなし~数日軽い赤み、腫れ、内出血
糸リフト数日~2週間腫れ、内出血、ひきつれ感
フェイスリフト2週間~1ヶ月以上強い腫れ、内出血、痛み、抜糸が必要

費用の目安で比較

たるみ治療は自由診療のため、クリニックによって費用は大きく異なります。カウンセリング時に、総額でいくらかかるのかを必ず確認しましょう。

費用の目安

治療法費用の目安(1回)備考
HIFU・RF5万円~30万円照射範囲や機種による
糸リフト10万円~50万円使用する糸の本数や種類による
フェイスリフト80万円~200万円以上手術の範囲や術式による

ライフステージで考える「たるみ治療」の始めどき

「いつからたるみ治療を始めるべきか」という問いに、決まった答えはありません。ご自身のライフステージや価値観に合わせて、治療と向き合うのが大切です。

年代ごとの悩みや目標に合わせた治療計画を立てると、満足できるたるみ治療を行えるでしょう。

30代-40代|予防と初期治療の重要性

30代後半から40代は、たるみの兆候を感じ始める時期です。この段階では、将来の大きなたるみを予防するという観点が非常に重要になります。

HIFUやRF治療でコラーゲンの減少を食い止め、肌の土台を強化しておくと、5年後、10年後の肌状態は大きく変わります。

本格的な悩みになる前の「貯金」のような感覚で、メンテナンスを始めるのに良い時期です。

年代別アプローチの考え方

年代治療の目的推奨されるアプローチ例
30代-40代予防、初期症状の改善HIFU、RF治療、注入治療(部分的)
50代-60代顕在化したたるみの改善糸リフト、フェイスリフト、複合治療

50代-60代|複合的な取り組みを考える

50代以降になると、皮膚や脂肪、筋肉や骨格といった複数の要因が絡み合ったたるみが顕著になります。そのため、一つの治療法だけで満足のいく結果を得るのは難しくなるケースがあります。

例えば、フェイスリフトで土台を引き上げ、ヒアルロン酸で失われたボリュームを補い、RF治療で肌表面のハリを出す、といった複合的な働きかけが効果的です。

医師と相談し、オーダーメイドの治療計画を立てましょう。

大切なイベント前の治療計画

同窓会やお子様の結婚式など、大切なイベントを目標に治療を考える方も多くいらっしゃいます。その際は、ダウンタイムを考慮して計画を立てると良いです。

例えば、糸リフトならイベントの1〜2ヶ月前、HIFUなら効果が最大限に現れる3ヶ月前が目安です。

逆算してカウンセリングを受け、最高の状態でその日を迎えられるように準備しましょう。

治療と向き合う心の準備

美容医療は、見た目だけでなく心にも良い影響を与えます。

しかし、変化には勇気がいるものです。「周りに気づかれたらどうしよう」「失敗したら怖い」といった不安を感じるのは当然です。

信頼できる医師にその気持ちを正直に話し、どのような変化が起こるのか、リスクは何かを十分に理解すると心の準備につながります。焦らず、ご自身のペースで一歩を踏み出しましょう。

治療効果を最大化するアフターケアと日常生活の注意点

たるみ治療の効果を長持ちさせ、より良い結果を得るためには、施術後のケアが非常に重要です。クリニックでの治療とセルフケアを両立させれば、若々しい印象を長く保てます。

施術後の正しいスキンケア

施術後の肌は、デリケートな状態になっています。特に、熱を加える治療や糸リフトの後は、肌のバリア機能が一時的に低下する場合があります。

  • 十分な保湿
  • 徹底した紫外線対策
  • 肌への摩擦を避ける

これらの基本的なスキンケアをいつも以上に丁寧に行うと、肌の回復を助け、治療効果を高めます。

日常生活で心がけたいこと

普段の生活習慣も、たるみの進行に影響を与えます。バランスの取れた食事で肌の栄養を補給し、質の良い睡眠で成長ホルモンの分泌を促しましょう。

また、喫煙は血行を悪化させ、コラーゲンの破壊を進めるため、たるみの大敵です。禁煙もアンチエイジングにつながります。

定期的なメンテナンスの考え方

一度治療を受けたら終わり、ではありません。加齢は常に進行していくため、定期的なメンテナンスを取り入れると、良好な状態を維持できます。

例えば、半年に一度のRF治療や、一年に一度のHIFUなど、医師と相談しながら長期的なプランを立てることが、将来の自分への投資となります。

後悔しないためのクリニック選びのポイント

たるみ治療の成否は、クリニック選びにかかっていると言っても過言ではありません。安心して任せられるクリニックを見つけるために、以下のポイントを確認しましょう。

医師の経験と専門性を見極める

たるみ治療は、解剖学的な知識と豊富な経験が必要です。医師の経歴や専門医資格の有無は一つの指標になります。

また、その医師が得意とする施術や症例写真をウェブサイトなどで確認し、ご自身の美的感覚と合うかどうかを判断するのも大切です。

カウンセリングの質で判断する

良いカウンセリングは一方的な説明ではありません。悩みや希望を丁寧に聞き、複数の治療選択肢をメリット・デメリットの両面から提示してくれます。

リスクや副作用についても隠さず説明し、あなたの質問に誠実に答えてくれる医師を選びましょう。

クリニック選びのチェックポイント

  • たるみ治療の症例数が豊富か
  • カウンセリングは医師が直接行うか
  • メリットだけでなくリスクの説明も十分か
  • 料金体系が明確で、追加費用の説明があるか
  • アフターフォロー体制が整っているか

費用体系の透明性を確認する

提示された費用に何が含まれているのか(診察料、麻酔代、薬代、アフターケアなど)を明確に確認することが重要です。

カウンセリング当日に契約を急かしたり、不必要なオプションを勧めたりするクリニックは注意が必要です。見積書を書面で受け取り、納得した上で判断しましょう。

たるみ整形に関するよくある質問

たるみ整形には、大きく分けて「切らない治療法」と「切る治療法」があります。

近年人気があるのは切らない治療ではありますが、たるみの原因や状態は人によって異なりますので、一概にどちらが良いとは言い切れません。

ご自身に合った方法でたるみを改善するためには、まずは信頼できるクリニック選びから始めてみましょう。

治療中の痛みはどのくらいありますか?

痛みの感じ方には個人差がありますが、多くの治療では麻酔を使用し痛みをコントロールします。HIFUやRF治療はチクチクとした熱感を感じる場合があります。

糸リフトやフェイスリフトでは局所麻酔や静脈麻酔を用いるため、手術中の痛みはほとんどありません。術後に痛みが出るときは、処方される痛み止めで対応できます。

治療後、いつからメイクができますか?

治療法によって異なります。HIFUやRF、ヒアルロン酸注入などの施術は、基本的に当日からメイクが可能です。ただし、注入治療の場合は注射部位を避ける必要があります。

糸リフトの場合は、数日間は傷口を避けてメイクをしてください。フェイスリフトの手術後は、抜糸が完了する1週間後あたりから可能になるのが一般的です。

効果はいつから実感できますか?

これも治療法により様々です。糸リフトやフェイスリフトは、施術直後から物理的な引き上げ効果を実感できます。ヒアルロン酸注入も、直後からボリュームアップの効果が見られます。

一方、HIFUやRF治療は、熱によってコラーゲンが生成されるのを待つため、効果の実感がピークに達するのは施術後2〜3ヶ月後になります。

男性でも治療を受けられますか?

もちろん男性も受けられます。近年、男性の美容意識も高まっており、たるみ治療を受けられる男性は増えています。

男性は皮膚が厚く、骨格もしっかりしているため、女性とは異なる方法が必要な場合があります。男性の治療経験が豊富なクリニックを選ぶと、より安心して相談できるでしょう。

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この記事を書いた人

Dr.寺井美佐栄のアバター Dr.寺井美佐栄 ミサクリニック 六本木本院 院長

日本抗加齢医学会認定専門医。日本美容皮膚科学会、日本レーザー医学会、日本産業衛生学会専門医。
複数の大手美容皮膚科で10年以上の院長経験を経て、2022年9月にMiSA Clinic(ミサクリニック)を開業。YouTube等でも発信してきた、メスを使わずに”ナチュラルなキレイ”を引き出す技術には定評があり、ありがたいことに「SNSを見ました!」という方や、紹介・口コミ経由でたくさんのご相談を頂いてきました。皆様と共に、MiSA Clinicスタッフ一同、共に年を重ね、末永くお付き合いできる関係を目指して参ります。

資格
アラガン社ボトックスビスタ認定医
アラガン社ヒアルロン酸注入認定医

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