ボトックス注射は、シワの改善や小顔効果、多汗症の緩和など、さまざまな美容効果を期待できる施術です。しかし、その効果の持続期間や、より長く効果を保つための方法については、具体的に理解しておくことが重要です。
本記事では、ボトックス注射の効果がどの程度持続するのか、そしてその効果を長持ちさせるためのポイントについて詳しく解説します。
1. ボトックス注射の効果
ボトックス注射は、小顔やシワ改善など、多様な効果を期待できる施術です。ここでは、主な効果を5つ解説します。
小顔になる
ボトックス注射は、小顔を目指す美容医療として多くの方に活用されています。エラの張りやフェイスラインの改善に効果的です。
小顔になる理由として、エラ張りの原因となる「咬筋(こうきん)」に作用する点が挙げられます。咬筋は、食いしばりや歯ぎしりの影響で発達しやすい場所です。この筋肉が発達すると、フェイスラインが広がり、顔が大きく見えてしまいます。
ボトックス注射によって咬筋の働きを抑えると、筋肉が徐々に萎縮し、フェイスラインがスッキリ整います。正面から見たときにエラの張りが気になる場合や、フェイスラインをシャープにしたい方にはピッタリの施術です。ただし、ボトックス注射は筋肉に作用するため、骨格や脂肪で顔が大きく見える場合には効果が限られます。
シワが改善する
ボトックス注射は、シワの改善にも効果的です。表情筋にボトックスを注入することで、過剰な筋肉の動きを抑え、シワが目立ちにくくなります。
ボトックスの代表的な有効成分である「ボツリヌストキシン」は、筋肉の収縮や自律神経の調整を行う神経伝達物質「アセチルコリン」の放出を抑える作用があります。これにより、筋肉の収縮が一時的に弱まる仕組みです。
具体的には、額の横ジワ、眉間の縦ジワ、目尻の笑いジワ、鼻根部の横ジワ(バニーライン)、顎の梅干しジワなど、表情を作る際にできるシワに効果があります。
これらの部位にボトックスを注入することで、筋肉の緊張が和らぎ、シワが目立ちにくくなります。ただし、皮膚のたるみや乾燥が原因でできるシワには効果が限られるため、他の施術と組み合わせることが推奨されます。
多汗症が改善する
ボトックス注射は、多汗症の改善に効果的な治療法です。前述のボツリヌストキシンによるアセチルコリンの抑制が、汗腺の活動を抑えることに繋がります。
例えば、脇の下や手のひら、足の裏、頭部などの汗に悩んでいる場合は、当該箇所にボトックスを注入することで過剰な発汗を抑えることができます。施術時間は短く、ダウンタイムもほとんどないため、気軽にできる治療法といえるでしょう。
特に、ワキガの改善を希望する場合、根本的な治療にはならないものの、汗を抑えることで不快なにおいが軽減する可能性があります。メスを使わないため、手術に対して抵抗がある方にもおすすめです。
部分痩せする
ボトックス注射は、特定の筋肉が抑制されることで部分痩せにも効果を発揮します。筋肉の収縮が抑えられると、ボリュームが減少し、スリムなラインが作られます。
ふくらはぎや二の腕、太ももなど、筋肉が発達しやすい部位にボトックスを注入すると、筋肉の動きが制限されます。その結果、筋肉が萎縮してスリムなラインが形成される仕組みです。ただし、脂肪によって太く見える場合は、脂肪吸引や脂肪融解注射など、他の施術と併用することをおすすめします。
肩こりが改善する
ボトックス注射は、肩こりの改善にも効果的です。ボツリヌストキシンによって、筋肉の過度な収縮が抑えられることで、肩こりを引き越す緊張が緩和されるためです。肩こりの改善を望む方には、僧帽筋にボトックスを注入します。肩こりだけでなく、肩や首回りがスッキリする効果も期待できます。
例えば、デスクワークで肩こりに悩んでいる場合は、ボトックス注射を検討してみるのもおすすめです。慢性的な肩こりが改善されると、肩周りの動きがスムーズになり、日常生活がより快適になります。
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2. ボトックス注射の効果と持続期間

ボトックス注射の効果は個人差がありますが、3〜6ヶ月程度持続するケースが一般的です。例えば、シワ取り目的であれば3〜4ヶ月、エラやふくらはぎの部分痩せ目的では半年程度続くこともあります。また、多汗症の治療では、半年以上効果が続くことも珍しくありません。
持続期間が変動する理由として、個人の体質や施術部位、使用する製剤の種類などが挙げられます。さらに筋肉の厚みや代謝の速さも、持続期間に大きく影響する要素の一つです。そのほか、表情筋のような細かい筋肉よりも、エラや太ももなどの大きな筋肉の方が効果が長持ちする傾向にあります。
なお、効果を安定させるには、定期的な施術が有効です。ただし、過度に施術を受けると抗体が形成され、効果が現れにくくなることがあります。適切な施術期間については、医師と相談して決めることが重要です。
3. ボトックス注射の効果が現れるタイミング
ボトックス注射の効果が現れるタイミングも、持続期間と同様に個人差があり、施術部位によっても異なります。
一般的に、施術直後は目立った効果は現れません。効果が現れ始めるのは施術後2〜3日目です。特に、目尻や眉間のシワなど、小さな筋肉を対象にボトックスを注入した場合は、この段階で変化が感じられます。
効果のピークは、施術から1〜2週間後に現れます。ただし、エラの張りやふくらはぎの筋肉縮小など、大きな筋肉にボトックスを注入した場合は、1ヶ月程度かかることも多いでしょう。
効果がなかなか現れない場合は、体質や代謝が影響している可能性があります。代謝が早いと効果が出にくい傾向がありますが、継続的に施術を受けることで徐々に効果が得られます。そのほか、ボトックスの量が十分でない場合も効果が現れない理由の一つです。施術部位が適切ではないことも考えられるため、医師に相談することが大切です。
4. ボトックス注射の効果を長持ちさせる方法

ボトックス注射の効果を長期間維持させるには、以下の5つのポイントを抑えることが大切です。
適切な製剤を選ぶ
ボトックス注射の効果を最大限に引き出し、持続させるためには、適切な製剤選びが重要です。信頼性の高い製剤を選ぶことで、安全性と効果の両立が確保できます。注意するべき点は、厚生労働省や各国の保険機関による認可を受けていることです。厳格な審査を通過した製剤は、安全性と有効性が確認されています。
また、施術部位や目的に合った製剤を選ぶことも、効果を長持ちさせるための重要なポイントです。例えば、エラの張りやボディライン改善には硬めの製剤、シワの改善には柔らかめの製剤が適しています。
なお、安価な製剤の中には、正規品ではなく品質が保証されていないものもあるため、注意が必要です。価格だけで選ぶと効果が不十分であったり、安全性に問題がある場合があります。信頼できるクリニックで、医師と相談しながら、適切な製剤を選ぶように心がけましょう。
定期的に注入する
ボトックス注射の効果を長期的に維持するためには、定期的な施術が必要です。効果が持続している間に再度ボトックスを注入すると、筋肉の動きが抑制され、効果を持続させることが可能です。
例えば、シワ取りの効果は3〜4ヶ月程度持続しますが、定期的に施術を受けることで、さらに効果を保ちやすくなります。また、効果が出るまでに時間がかかるエラや肩のボトックスも定期的な注入によって筋肉の使用頻度が減り、施術間隔を延ばせる可能性があります。
ただし、施術の頻度は個人の状態や目的によって異なります。医師と相談しながら、施術計画を立てることが重要です。
施術箇所に触れない
ボトックス注射後は、施術箇所を触らないことが重要です。注入した部位を揉んだり擦ったりすると、薬剤が意図しない場所に拡散し、効果が半減します。また、効果が不均一になる可能性もあり、顔の対称性や表情の自然さが損なわれることにも注意が必要です。
施術当日は、施術箇所を刺激から保護することが推奨されています。不用意に触れると、効果が薄れるだけでなく、思わぬ副作用を招くこともあるため、十分注意して過ごしましょう。
激しい運動や長時間の入浴を避ける
ボトックス注射の効果を安定させるには、施術後に激しい運動や長時間の入浴を避けることが賢明です。
施術後に血流を促す行動をすると、薬剤が拡散してしまう可能性があります。製剤が意図しない場所に広がると、顔に左右差が生じたり、表情が不自然になることもあります。また、体温が上がると薬剤の代謝が早まり、効果の持続期間が短くなることもあります。施術後24時間以内は、急激な血流の変化を避けて安静に過ごすよう心がけましょう。
他の施術と併用する
ボトックス注射と他の美容施術を併用する方法も、効果を持続させる上で効果的です。例えば、ヒアルロン酸注射や成長因子注射を組み合わせると、筋肉の動きによるシワだけでなく、静止時のシワにも高い効果が期待できます。
ただし、施術の組み合わせやタイミングには注意が必要です。例えば、ボトックス注射後は、フォトフェイシャルやRF治療、レーザー治療などの施術を受ける際、2週間ほど間隔を空けることが推奨されています。 また、クリニックによっては、ボトックス注射後の他の美容施術は1〜2週間あけることを推奨している場合もあるため、事前に確認することが大切です。
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5. ボトックス注射をやめるとどうなる?
ボトックス注射を中止すると、効果が徐々に薄れ、最終的には施術前の状態に戻ります。 前述の通り、ボトックスの効果は一時的であり、持続期間は3〜6ヶ月程度が一般的です。したがって、注射をやめると、抑制していた筋肉が回復し、再びシワやエラの張りが目立つようになります。
ただし、こうした現象は老化の進行によるものではありません。単純に元の状態に戻るだけであり、再びボトックス注射を受けると効果が復活します。
6. ボトックス注射を打ち続けるとどうなる?

ボトックス注射を繰り返し受けることに不安を感じる方も多いかもしれません。ここでは、ボトックス注射を打ち続けた場合にどうなるかについて解説します。
重篤な健康被害はほとんどない
基本的に、ボトックス注射は、繰り返し注入しても重篤な健康被害が生じることはほとんどありません。その理由は、注入したボトックスが体内に蓄積しない特徴があるためです。時間が経過すると体内で分解・排出されるため、適切な間隔で施術を受けていればトラブルは発生しません。
ただし、一時的な副作用が発生する可能性はあります。例えば、施術直後に注入部位の痛みや腫れを感じたり、針を使用したことによる内出血が発生することがあります。いずれも軽度であり、数日以内に治ることが一般的です。万が一、副作用が長引いた場合は、医師に相談して適切な対処を行う必要があります。
薬剤耐性がつく可能性がある
ボトックス注射の主成分であるボツリヌストキシンは、神経の働きを一時的に抑制する点が特徴です。しかし、頻繁に投与し続けると、免疫システムがボツリヌストキシンを異物と認識し、「中和抗体」を作る可能性があります。
中和抗体は、異物と認識したものが再び体内に入った際に、分解・排除しようとする働きがあります。その結果、ボトックスの効果が弱まったり、効かなくなったりする仕組みです。こうした薬剤耐性のリスクを最小限に抑えるためには、注射の間隔に留意する必要があります。最低でも3ヶ月以上空けると耐性がつきにくく、効果が長持ちするでしょう。
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7. まとめ
ボトックス注射は、シワの改善や小顔効果、多汗症の緩和など、多くの美容目的に使用される施術です。その効果は一時的ですが、適切な施術間隔を守ることで、継続的な改善が期待できます。
効果を長持ちさせるためには、適切な製剤の選択や定期的な施術、施術後のケアが重要です。施術箇所への刺激を避けることや、激しい運動や長時間の入浴を控えることで、効果をより持続させることが可能です。また、他の美容施術との併用も効果を高める方法の一つです。
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