ボトックス注射は、シワの改善や小顔効果を期待できる美容施術の一つです。 施術時間が短く、ダウンタイムも比較的短いため、気軽に受けられる施術として人気があります。
しかし、施術後に適切なケアを行わなければ、腫れや内出血、表情の違和感などのリスクが生じる可能性があるため注意が必要です。本記事では、ボトックス注射後の経過やダウンタイムの症例、施術後に気をつけるべきポイントについて詳しく解説します。
1. ボトックス注射後の経過
ボトックス注射の効果は、施術直後に現れるものではありません。時間の経過とともに効果が現れ始めるケースが一般的です。ここでは、ボトックス注射後の経過について詳しく解説します。
施術当日
一般的に、ボトックス注射は数十分程度で終わる施術であり、施術当日はほとんど変化が見られません。ただし、針を刺した部位に赤みや腫れが現れたり、まれに内出血が生じたりすることがあります。多くの場合、数時間以内に落ち着き、メイクでカバーも可能です。また、施術から数時間経過すると、腫れや違和感が残ることがあります。
ボトックス注射の副作用を抑えて効果を高めるには、施術当日の過ごし方が重要です。後述する注意点を踏まえたうえで、適切なケアを行なって、効果を最大限に引き出しましょう。
施術2〜3日後
ボトックス注射を受けた2〜3日後には、徐々に薬剤の効果が現れ始めます。筋肉の動きが少しずつ弱まり始めるため、表情の変化を感じる方もいるでしょう。しかし、この段階ではまだ完全な仕上がりではありません。施術当日と同様に、最大限の効果を出すためには、安静に過ごす必要があります。
また、施術後2〜3日が経過した後も、軽い腫れや内出血が残ることがありますが、ほとんどの場合は時間とともに改善する副作用であり、心配ありません。ただし、痛みや強い腫れが続く場合は、施術を受けたクリニックに相談することをおすすめします。
施術1週間後
ボトックスを注入して1週間後は、施術の効果が安定し始める時期です。筋肉の動きが抑えられ、シワの軽減やフェイスラインの変化を実感しやすくなるでしょう。個人差はありますが、表情の違和感や副作用が落ち着く方も多く、自然な仕上がりになります。
ただし、ボトックスの効果が弱い場合、表情が不自然に感じたり、左右に違和感が生じたりする可能性があるため、注意が必要です。一般的には、徐々に馴染んでいくため、経過観察をすることをおすすめします。しかし、極端に違和感を感じる場合は、クリニックに相談したうえで、状況に応じて追加のケアを受けましょう。
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2. ボトックス注射のダウンタイムの症状

ボトックス注射は、施術時間が短くメスを使わないため、比較的ダウンタイムが少ない施術です。しかし、完全にダウンタイムがないわけではありません。以下に挙げる症状が現れるケースもあるため、確認しておきましょう。
痛みや腫れ
ボトックス注射後には、軽い痛みや腫れが生じる可能性があります。痛みの原因は、針による刺激や、薬剤が皮下に広がる過程で起こる反応です。また、腫れは注射時の刺激や、薬剤が筋肉内に広がることによって発生します。
肌が敏感な方や血流が多い部位(目元や額など)に注射を受けた場合、腫れが目立つ傾向があるため注意が必要です。なお、通常は数時間から1日程度で落ち着き、適切なケアを行えば症状を最小限に抑えることができます。
赤みや内出血
一時的な赤みや内出血も、ボトックス注射のダウンタイムで発生する症状です。目元や額など皮膚が薄い部位では、内出血が起こりやすい傾向にあります。痛みや腫れと同様に、注射針の刺激によって起こる症状であり、ほとんどの場合は1日程度で解消するため心配ありません。ただし、施術後に血流が促進されると内出血が悪化する可能性があります。
気になる場合は、メイクでカバーすることも可能ですが、患部に刺激を与えないように注意しましょう。
表情の引きつれ
ボトックス注射は、筋肉の働きを抑制するため、施術後に表情のひきつれを感じることがあります。とくに、額や眉間、目元などの表情筋にボトックスを注入した場合、眉や口角の動きが不自然になることがあります。これは、周囲の筋肉とのバランスが一時的に変化するためです。
施術後1〜2週間でボトックスが安定すると、表情のひきつれも軽減するため、基本的には問題ありません。ただし、ボトックスの効果が強く出過ぎた場合、極端なひきつれが起こることがあります。改善するためには、医師に相談し、適切な処置をしてもらうことが大切です。
皮膚のたるみ
ボトックス注射のダウンタイム中に皮膚のたるみを感じる方も少なくありません。ボトックスは、筋肉の動きを抑制することでシワを軽減します。人によっては、筋肉の動きが弱まると、皮膚を支える力が減少してたるみが目立つ傾向にあります。フェイスラインや目元の施術を受けた際は、表情の変化とともにたるみを感じやすいでしょう。
多くの場合、ボトックスが安定する1〜2週間後には自然な状態に戻ります。また、適切な保湿で肌のハリをサポートできるため、施術後は丁寧にケアをしましょう。
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3. ボトックス注射後の注意点

ボトックス注射後の症状を抑え、安心して過ごすためには、以下の注意点を押さえることが大切です。ここでは、5つの注意点を解説します。
注入した部位に触れない
ボトックス注射後は、注入部位には触れないようにすることが重要です。施術後すぐに強く触れたり、マッサージをしたりすると、薬剤が意図しない部位に拡散し、効果が不均一になる可能性があります。
ボトックスは、筋肉の動きを抑えることでシワを軽減しますが、注入直後はまだ薬剤が完全に定着していません。このタイミングで刺激を加えると、ボトックスが周囲の筋肉に影響を及ぼし、不自然な表情や左右非対称の原因になる可能性があります。また、細菌が入り込むリスクもあるため、感染を防ぐためにも施術後は患部に極力触れないようにしましょう。
施術当日は、洗顔やスキンケアをする際に強くこすらないように気をつける必要があります。また、施術後しばらくはマッサージやエステ、鍼治療など、顔に刺激を与える行為は避けるようにしましょう
運動や長時間の入浴を避ける
ボトックス注射を受けたあとは、運動や長時間の入浴を避けましょう。運動や入浴は血流を促進し、ボトックスが意図しない部位に拡散するおそれがあるため、施術後の経過に影響を及ぼす可能性があります。
ボトックスは注入後、筋肉に徐々に浸透し、効果を発揮します。しかし、施術直後に激しい運動をすると血流が増加し、薬剤が本来の注入部位以外に拡散しやすくなります。さらに、長時間の入浴やサウナも体温を上昇させ、血流を促進するため、腫れや内出血が悪化するリスクもあります。サウナや岩盤浴、長時間の入浴は、少なくとも施術後24時間は控えるのが望ましいとされています。
飲酒を控える
ボトックス注射後は、アルコールの摂取を控えましょう。
ボトックスは筋肉に作用し、時間をかけて効果を発揮しますが、施術直後はまだ薬剤が定着していない状態です。この段階でアルコールを摂取すると、血管が拡張し、内出血や腫れが悪化する可能性があります。また、アルコールは体内の炎症を促進し、回復を遅らせるおそれもあるため、十分に注意しましょう。
一般的には、施術後24時間は飲酒を控えたほうがよいとされています。施術後の食事にも気を配り、水分補給をしっかり行いながら、バランスの取れた食生活を意識することも大切です。
直後に横にならない
ボトックス注射の施術直後に横になると、薬剤が意図しない方向に拡散し、効果にムラが出る可能性があります。その結果、不自然な表情や左右差が生じるおそれがあるため、注意が必要です。
施術後は、最低でも4時間は横にならないことが推奨されています。また、就寝時もできるだけ仰向けの姿勢を意識することで、顔に余計な圧力がかかりにくくなります。
痛みがある場合はアイシングをする
ボトックス注射後に痛みや腫れを感じた場合は、患部を冷やす「アイシング」が有効です。施術後の痛みや腫れは、注射による刺激や軽い炎症が原因で起こることがあります。血流が増加すると腫れが悪化しやすいため、患部を冷やして血管を収縮させることで、炎症を抑えることが可能です。
具体的には、氷や保冷剤をタオルに包み、5〜10分ほど優しく患部に当てるとよいでしょう。ただし、直接肌に当てると凍傷のリスクがあるため、冷やす際は必ず布やガーゼで包み、冷やしすぎないようにしましょう。
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4. ボトックス注射後の食事について
ボトックス注射後に、普段通りに食事ができるか不安に感じる方もいるかもしれません。基本的には、ボトックスが食事に大きな影響を与えることはありません。
ただし、小顔ボトックスは咬筋の働きを抑える施術のため、一時的に咀嚼の違和感を感じる場合があります。そのため、施術直後は、固い食べ物や咀嚼に負担のかかる食材は避けるようにしましょう。
違和感が気になる場合は、柔らかい食材を中心にした、バランスの良い食事を意識するとよいでしょう。例えば、スープや煮込み料理、豆腐や卵料理などは咀嚼の負担を軽減しつつ、栄養もしっかり摂取できます。
5. ボトックス注射の失敗例(後遺症)
ここでは、ボトックス注射で起こり得る失敗例や後遺症について、解説します。
不自然な眉尻になる(スポック・ブロー)
ボトックス注射後に、眉尻だけが不自然に上がることがあります。これは「スポック・ブロー」と呼ばれる状態です。ボトックスが適切な部位に均等に注入されないと、一部の筋肉だけが過剰に働き、バランスが崩れることがあります。眉の動きを調整する額へのボトックス注射では、このような症状が起こりやすいとされています。
スポック・ブローが発生した場合は、追加のボトックス注射で改善できます。こうしたトラブルが発生しないためにも、経験豊富な医師のもとで施術を受け、適量のボトックスを均一に注入することが重要です。
表情が作れなくなる
ボトックス注射後には、表情が作れなくなるケースもあります。これは、ボトックスの効果が強く出すぎたことで筋肉の動きが制限される場合に起こります。ボトックスは表情筋の動きを抑えてシワを軽減する施術ですが、効果が強く出すぎると筋肉の動きが制限され、不自然な表情になることがあります。
こうした症状が出た場合でも、ボトックスの効果は時間とともに徐々に弱まるため、多くの場合は数ヶ月以内に改善します。 ただし、違和感が強い場合は、施術を受けたクリニックに相談するのがよいでしょう。
左右非対称になる
ボトックス注射後のトラブルとして、顔の左右に差が出るケースがあります。これは、ボトックスの注入量や施術箇所のバランスが適切でない場合に、筋肉の動きに偏りが生じることが原因です。
例えば、額の片側に多く注入すると、片方の眉だけが上がったり、または片側の表情が動きにくくなったりする可能性があります。左右の非対称が目立つ場合は、追加のボトックス注射でバランスの調整が可能です。
ただし、施術直後はまだボトックスが完全に定着していないため、1〜2週間ほど様子を見ることが大切です。 それでも違和感が続く場合は、クリニックに相談して適切な対処を受けましょう。
6. ボトックス注射を失敗しないためのクリニック選び

ボトックス注射を安全に実施するには、クリニック選びが重要です。ここでは、失敗を防ぐために押さえておきたいクリニック選びのポイントを解説します。
ボトックス注射の実績が豊富
ボトックス注射を検討している場合は、実績のあるクリニックを選ぶことが大切です。ボトックスは注入量や部位のバランスによって仕上がりが大きく左右されるため、経験が浅い医師による施術では、不自然な表情や左右差が出るリスクがあります。
施術経験が豊富なクリニックであれば、多くの症例をもとに、患者の顔の筋肉の動きやバランスを考慮しながら、適切な施術を提供できるため、より自然な仕上がりを期待できます。
丁寧なカウンセリング
ボトックスの効果や仕上がりは、注入量や施術部位によって異なるため、施術前の十分な相談が重要です。
例えば、シワ改善や小顔効果を目的にボトックス注射を受ける場合、顔の筋肉の動きやバランスを正確に把握しなければ、不自然な仕上がりや左右差が生じる可能性があります。丁寧なカウンセリングを行うクリニックであれば、理想の仕上がりや不安点を医師としっかり共有できるため、安心して施術を受けられます。
充実したアフターケア
ボトックス注射の効果を最大限に引き出し、トラブルを防ぐためには、施術後のアフターケアが充実しているクリニックを選ぶことが重要です。
ボトックスは施術後すぐに効果が確定するわけではなく、数日から1週間かけて徐々に浸透し、表情や筋肉の動きが変化します。この過程で、不自然な仕上がりや左右差が生じた場合、適切なアフターケアを受けなければなりません。施術後も丁寧にフォローしてくれるクリニックであれば、不安な点が出てきても安心して対応を任せられます。
ボトックス注射は、シワの改善や小顔効果が期待できる施術です。施術時間が短く、ダウンタイムも少ないとされていますが、腫れや内出血などの副作用が起こる可能性もあります。こうしたトラブルを避けるには、信頼できるクリニック選びが重要です。経験豊富な医師が在籍し、カウンセリングやアフターケアが充実しているクリニックを選ぶようにしましょう。
ミサクリニックでは、お一人おひとりに合わせた施術プランを提案し、ボトックス注射後の経過や仕上がりに関するアフターケアも丁寧に行っています。 ボトックス注射を検討されている方は、ミサクリニックの無料カウンセリングでお気軽にご相談ください。