ヒアルロン酸注入後の仕上がりに満足できなかったり、修正したいと考えたりしたとき、ヒアルロン酸溶解注射(ヒアルロニダーゼ注射)が選択肢になります。
しかし、「ヒアルロン酸を溶かすのにいくらかかるのか」「料金はクリニックによって違うのか」など、費用に関する不安を持つ方も多いでしょう。
ヒアルロン酸溶解注射の料金は、注入量や部位、クリニックの方針によって変動します。安心して施術を受けるために、料金体系やクリニック選びの基準をしっかり確認しましょう。
ヒアルロン酸溶解注射とは?
ヒアルロン酸溶解注射は、体内に注入されたヒアルロン酸を分解・吸収させる目的で行う施術です。
ヒアルロン酸注入後の仕上がりが不自然だったり、しこりができたりした場合の修正治療として用いられます。
ヒアルロン酸溶解注射の役割
ヒアルロン酸溶解注射の主な役割は、ヒアルロン酸注入によって生じた問題を解決することです。
注入量が多すぎて膨らみすぎた、左右差が生じた、注入物が皮膚の上から透けて見える(チンダル現象)、血管閉塞などの合併症が疑われるといった場合に、注入されたヒアルロン酸を迅速に分解します。
その結果、組織へのダメージを最小限に抑えたり、見た目の不自然さを改善したりします。修正治療として非常に重要な役割を担っています。
どのような場合に使用するか
溶解注射が検討されるのは、主にヒアルロン酸注入後の「仕上がりの不満」と「合併症の発生」の2つのケースです。
仕上がりの不満には、デザインが気に入らない、膨らみすぎて不自然、凹凸ができた、左右非対称になったなどが含まれます。
また、重大な合併症である血管閉塞(ヒアルロン酸が血管に詰まり、血流が途絶える状態)が起きた際は、組織の壊死を防ぐために緊急で溶解注射を行う必要があります。
そのほか、感染やアレルギー反応が疑われる場合にも使用するケースがあります。
使用する薬剤(ヒアルロニダーゼ)について
ヒアルロン酸溶解注射で使用する薬剤は「ヒアルロニダーゼ」という酵素です。ヒアルロニダーゼは、ヒアルロン酸の分子構造を分解する働きを持っています。
もともと人間の体内にも存在する酵素ですが、治療ではウシやヒツジなどの動物由来のものや、ヒト由来の遺伝子組み換え製剤を用います。
ヒアルロン酸注入部位にヒアルロニダーゼを注射すると、数時間から数日で注入されていたヒアルロン酸が分解され、体内に吸収されていきます。
ただし、ヒアルロン酸製剤の種類(架橋の度合いなど)によっては1回の注射で溶けきらず、複数回の施術が必要になるときもあります。
溶解注射のメリットとデメリット
最大のメリットは、ヒアルロン酸注入による問題を迅速にリセットできる点です。
仕上がりに納得がいかない場合、他の修正方法では時間がかかったり、完全な修正が難しかったりしますが、溶解注射なら注入されたヒアルロン酸そのものを除去できます。
また、血管閉塞などの緊急時にも対応できる点は大きな利点です。
一方、デメリットとしては、アレルギー反応のリスクがゼロではない点が挙げられます。特に動物由来のヒアルロニダーゼでは、事前にアレルギーテストが必要な場合があります。
また、注入されたヒアルロン酸だけでなく、もともと体内にある自身のヒアルロン酸にもわずかながら影響を与え、一時的に皮膚のハリが失われる可能性も指摘されています。
ヒアルロン酸を溶かす料金相場
ヒアルロン酸溶解注射の料金は、施術範囲や使用する薬剤の量、クリニックによって大きく異なります。適正価格で治療を受けるための第一歩として、一般的な相場観を持っておきましょう。
料金の決まり方
料金は主に「施術部位」「溶解するヒアルロン酸の量(使用するヒアルロニダーゼの量)」「クリニックの技術料」によって決まります。
広範囲を溶かす場合や、硬いヒアルロン酸(架橋度が高い製剤)を溶かすために多くの薬剤が必要な場合は、料金が高くなる傾向があります。
また、自由診療であるため、クリニックごとに料金設定が異なります。都心部のクリニックや、技術力に定評のある医師が在籍するクリニックでは、料金がやや高めに設定されているところもあります。
部位別の料金目安
料金設定はクリニックによって「1部位あたり」「薬剤1本(バイアル)あたり」「注入量(cc)あたり」など様々です。
あくまで目安ですが、比較的小さな範囲である涙袋や唇の一部であれば30,000円~50,000円程度、頬や額など広範囲になると50,000円~100,000円程度が相場となる場合が多いようです。
他院で注入したヒアルロン酸を溶かす際は、通常料金よりも割高になる「他院修正費用」が設定されているクリニックもあります。
部位別料金の比較目安(1回あたり)
| 施術部位 | 料金相場の目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 涙袋(片側) | 20,000円~40,000円 | 両側の場合、料金が異なることがあります。 |
| 唇(一部) | 30,000円~50,000円 | 全体のバランスを見て注入量を決めます。 |
| 頬・ほうれい線 | 50,000円~80,000円 | 溶解範囲によって変動します。 |
| 額・こめかみ | 60,000円~100,000円 | 広範囲になるため高額になりがちです。 |
| 他院修正 | 通常料金の1.5~2倍程度 | クリニックにより設定が異なります。 |
クリニック形態別の料金傾向
大手美容クリニックチェーンは、薬剤の大量仕入れなどにより、比較的料金を抑えている場合があります。キャンペーンを頻繁に行っているのも特徴です。
一方、個人経営のクリニックや、特定の分野に強みを持つ専門クリニックでは、医師の技術料や丁寧なカウンセリング料が反映され、料金がやや高めになる場合もあります。
ただし、料金だけでクリニックの良し悪しを判断できませんので、自分の希望や不安にどれだけ応えてくれるかを重視しましょう。
料金に含まれるもの
提示される料金に何が含まれているかの事前確認は非常に重要です。一般的に、料金には「ヒアルロニダーゼの薬剤費」と「医師の手技料」が含まれています。
しかし、「初診料・再診料」「カウンセリング料」「麻酔代(麻酔クリームや局所麻酔)」「アレルギーテスト代」「施術後の薬代」などが別途必要になる場合があります。
総額でいくらかかるのかを、カウンセリングの段階で明確にしておきましょう。
ヒアルロン酸溶解注射の料金を抑えるポイント
修正治療とはいえ、費用はできるだけ抑えたいものです。料金を抑えるためには、いくつかのポイントを意識してクリニックやプランを選ぶ必要があります。
クリニック選びの視点
まず、複数のクリニックでカウンセリングを受け、見積もりを比較検討するのがおすすめです。
その際、単純な料金の安さだけでなく、なぜその料金設定なのか(他院修正費用が含まれているか、使用する薬剤の種類は何かなど)を確認しましょう。
また、ヒアルロン酸注入を行ったクリニックで溶解を依頼する場合、修正費用を割引または無料で対応してくれるケースもあります。まずは施術を受けたクリニックに相談してみるのも一つの方法です。
キャンペーンやモニター制度の活用
クリニックによっては、期間限定のキャンペーンや、症例写真の提供などを条件に割引価格で施術を受けられるモニター制度を設けているところがあります。
これらの制度を利用すれば、通常料金よりも費用を抑えられます。
ただし、モニターには審査があったり、条件(通院回数や写真の使用範囲など)が定められていたりするため、内容は十分に確認しましょう。
料金体系の確認
料金体系が明瞭なクリニックを選ぶことが重要です。ウェブサイトやカウンセリングで提示された料金以外に、追加費用が発生しないかを必ず確認してください。
「1部位」と記載されていても、その範囲の定義がクリニックによって異なる場合があります。
どの範囲までが料金に含まれるのか、麻酔代や診察料は別途必要なのかを具体的に質問しましょう。
確認すべき追加費用
| 費用項目 | 含まれているか | 別途の場合の目安 |
|---|---|---|
| 初診料・再診料 | 要確認 | 1,000円~3,000円程度 |
| 麻酔代(クリーム・注射) | 要確認 | 3,000円~5,000円程度 |
| アレルギーテスト代 | 要確認 | 5,000円~10,000円程度 |
| 他院修正費用 | 要確認 | 通常料金に追加ありの場合も |
適正価格の見極め方
料金相場から極端に安い場合は、注意が必要です。使用するヒアルロニダーゼの品質が低かったり、医師の経験が浅かったりする可能性も否定できません。
逆に高すぎる場合も、その根拠(医師の技術力が高い、特別な薬剤を使用するなど)が明確でなければ、納得して治療を受けるのは難しいでしょう。
料金相場を参考にしつつ、カウンセリングでの説明の丁寧さ、医師の実績、クリニックの信頼性などを総合的に判断し、自分が納得できる適正価格のクリニックを選びましょう。
料金以外で比較すべきクリニック選びの重要点
溶解注射は、単に薬剤を注射すればよいという単純な施術ではありません。
料金の安さだけで選ぶと、満足のいく結果が得られない可能性があります。医師の技術やクリニックの体制も重要な比較ポイントです。
医師の技術力と経験
溶解注射は、適切な深さて適切な範囲に、適切な量の薬剤を注入する高度な技術が求められます。
注入されたヒアルロン酸の種類や量、深さを見極め、過不足なく溶かす必要があります。溶かしすぎると、かえって凹みやたるみが生じる原因にもなりかねません。
ヒアルロン酸注入と溶解の両方において豊富な経験と知識を持つ医師を選ぶことが、成功の鍵となります。
カウンセリングの丁寧さ
現在の状態について、なぜ修正したいのか、どのような仕上がりを希望するのかを丁寧にヒアリングしてくれるクリニックを選びましょう。
また、溶解注射のリスクや副作用、施術後の経過についてもしっかりと説明してくれるかどうかも重要です。
患者さんの不安に寄り添い、疑問点一つひとつに明確に答えてくれる医師やカウンセラーがいるクリニックは信頼できます。
アフターフォロー体制
施術後に万が一、強い腫れやアレルギー反応などが出た場合に、迅速かつ適切に対応してくれる体制が整っているかを確認しましょう。
施術後の検診が無料で行われるか、緊急時の連絡先が明確になっているかなど、アフターフォローの手厚さもクリニック選びの大切な基準です。
口コミや症例写真の確認
実際にそのクリニックで溶解注射を受けた人の口コミや評価を参考にするのも有効です。
ただし、ネット上の口コミは個人の感想であり、すべてが正しいとは限りません。あくまで参考程度にとどめ、鵜呑みにしないよう注意しましょう。
また、溶解注射の症例写真(ビフォーアフター)を公開しているクリニックであれば、医師の技術力や仕上がりのイメージを具体的に確認する助けになります。
クリニック比較のポイント
| 比較項目 | 確認すべき内容 | 重要度 |
|---|---|---|
| 医師の経験・技術 | 症例数、専門医資格、溶解注射の実績 | 高 |
| カウンセリング | 説明の分かりやすさ、親身な対応か | 高 |
| アフターフォロー | 術後の検診、緊急時対応の有無 | 中~高 |
| 料金の明瞭さ | 総額表示か、追加費用の有無 | 高 |
| 口コミ・評判 | リアルな体験談、クリニックの雰囲気 | 中 |
ヒアルロン酸溶解注射の施術の流れ
実際に溶解注射を受ける場合、どのような流れで進むのかを解説します。事前に全体の流れを把握しておくと、当日の不安を軽減できるでしょう。
予約とカウンセリング
まずは電話やウェブサイトからカウンセリングの予約を取ります。
当日は医師による診察とカウンセリングが行われます。現在の状態、注入時期、使用したヒアルロン酸製剤(分かれば)、修正したい理由、希望する仕上がりなどを詳しく伝えます。
医師は肌の状態やヒアルロン酸の注入箇所を触診し、溶解注射が適しているか、どのような方法で行うか、リスクや費用について説明します。ここで疑問点はすべて解消しておきましょう。
施術前の準備
カウンセリングの内容に納得し、施術を受けることが決まったら、同意書へのサインと料金の支払いを行います。
その後、施術室へ移動します。メイクをしている場合は、施術部位のメイクを落とします。施術の痛みを軽減するため、通常は麻酔クリームを塗布し、30分程度時間を置きます。
アレルギーが懸念される場合は、事前に皮内テストを行うときもあります。
注射の実施
麻酔が効いてきたら、医師が溶解する部位をデザイン(マーキング)し、ヒアルロニダーゼを注射していきます。
注射は極細の針を使用する場合が多いですが、チクッとした痛みを感じるときがあります。必要に応じて冷やしながら、慎重に薬剤を注入していきます。
施術時間自体は、部位にもよりますが5分から15分程度と短時間です。
施術後の経過観察
注射が終わったら注入部位を軽く圧迫止血し、状態を確認します。特に異常がなければ、そのまま帰宅できます。
クリニックによっては、腫れを抑える薬や抗アレルギー薬が処方される場合があります。
施術直後は注入部位が少し膨らんだり、赤みが出たりするケースがありますが、通常は数時間から数日で落ち着きます。
ヒアルロン酸溶解注射の注意点とリスク
ヒアルロン酸溶解注射は修正治療として有効ですが、リスクや注意点も存在します。施術を受ける前に、起こり得るデメリットについてもしっかりと理解しておくと良いです。
起こり得る副作用やダウンタイム
施術直後には、注射による赤みや腫れ、内出血や痛み、むくみなどが出る方がいます。これらは一時的な反応であることがほとんどで、数日から1週間程度で自然に軽快していきます。
内出血が出た場合は、完全に消えるまでに1~2週間かかるケースもあります。
施術当日は、血行が良くなるような長時間の入浴や激しい運動、飲酒は避けるよう指示されるのが一般的です。
主な副作用と期間
| 副作用 | 症状 | 目安期間 |
|---|---|---|
| 腫れ・赤み | 注入部位が膨らむ、赤みを帯びる | 数時間~3日程度 |
| 内出血 | 注入部位が青紫~黄色っぽくなる | 1~2週間程度 |
| 痛み・違和感 | チクチクした痛み、触った時の違和感 | 2~3日程度 |
アレルギー反応の可能性
ヒアルロニダーゼは、もともと体内に存在する酵素ですが、治療で使用する製剤(特に動物由来のもの)に対してアレルギー反応を起こす可能性があります。
症状としては、強い赤みや腫れ、かゆみ、場合によってはアナフィラキシーショック(重篤なアレルギー反応)などが報告されています。
アレルギーが心配な方や、過去にアレルギー歴がある方は、必ず医師に申告し、必要に応じて事前にアレルギーテストを受けるようにしましょう。
期待通りに溶けないケース
注入されているヒアルロン酸の種類(架橋度が高い硬い製剤など)や量、注入からの経過時間、または注入部位の組織の状態(しこりや被膜が形成されている場合など)によっては、1回の溶解注射で完全に溶けきらないときがあります。
その場合は、1~2週間程度間隔をあけて、複数回の注射が必要になります。
溶解後の皮膚の状態
ヒアルロン酸によって保たれていたボリュームが急になくなると、一時的に皮膚がしぼんだように感じたり、シワやたるみが目立つようになったりする場合があります。
これは、ヒアルロン酸がなくなるために起こる自然な変化ですが、特に多くの量を一度に溶かした際に感じやすいようです。
また、ごく稀に、自身のヒアルロン酸も分解され、一時的に皮膚のハリが失われることも考えられます。
これらの変化は時間とともに改善する方が多いですが、不安な点は医師に相談しましょう。
溶解注射後のアフターケア
施術の効果を最大限に引き出し、ダウンタイムを最小限に抑えるためには、施術後の適切なアフターケアが重要です。医師の指示に従い、安静に過ごしましょう。
施術当日の過ごし方
施術当日は、注入部位への刺激を避けることが大切です。
洗顔やシャワーは当日から可能ですが、注入部位を強くこすったり、マッサージしたりするのはやめましょう。メイクも可能ですが、針穴の部分は避けるか、翌日からにするのが無難です。
また、血流を促進する行為、例えば長時間の入浴やサウナ、激しい運動やアルコールの摂取は腫れや内出血を助長する可能性があるため、当日は控えるようにしましょう。
腫れや内出血への対処法
腫れや赤みが気になるときは、清潔なタオルやガーゼで包んだ保冷剤などで軽く冷やすと、症状が和らぎやすいです。ただし、冷やしすぎは血行不良を招くため、短時間(1回10分程度)にとどめましょう。
内出血は時間経過とともに自然に吸収されて消えていきますが、コンシーラーなどでカバーも可能です。
もし腫れや痛みが数日経っても引かない、あるいは悪化するような場合は、すぐに施術を受けたクリニックに連絡してください。
再注入を検討する場合のタイミング
溶解注射でヒアルロン酸を溶かした後、再度ヒアルロン酸注入を行ってデザインを修正したいと考えるときもあるでしょう。再注入を行うタイミングは、溶解注射の影響が完全になくなってからが望ましいです。
ヒアルロニダーゼの効果は数日間持続するといわれており、また、溶解による腫れやむくみが完全に引くのにも時間がかかります。
一般的には、溶解注射から最低でも1~2週間、できれば1ヶ月程度の間隔をあけてからの再注入を推奨するクリニックが多いです。焦らず、医師と相談しながら適切なタイミングを決めましょう。
ケア方法の概要
| 項目 | 対処法 | 注意点 |
|---|---|---|
| 当日の過ごし方 | 安静にする、激しい運動・飲酒・長風呂を避ける | 注入部位を強くこすらない |
| 腫れ・赤み | 保冷剤などで短時間冷やす | 冷やしすぎに注意 |
| 内出血 | 時間経過で吸収されるのを待つ(メイクでカバー可) | 悪化する場合はクリニックに相談 |
| 再注入の時期 | 最低1~2週間あける(医師と相談) | 焦って注入しない |
よくある質問
ヒアルロン酸を溶かす際にかかる料金の相場は、2~10万円程度です。施術範囲や薬剤の量、クリニックによっても異なりますので、可能であれば複数の院を比較検討してみましょう。
ただ、後悔しないためには、かかる料金だけでなく施術者の知識や技術力も重要となります。口コミなども上手に活用しながら信頼できるクリニックを選ぶと良いでしょう。
- 痛みはありますか?
-
施術前に麻酔クリームを使用するのが一般的ですが、注射の針を刺す際にチクッとした痛みを感じる場合があります。
また、ヒアルロニダーゼの薬剤が注入される際に、少ししみるような、押されるような感覚を伴う方もいます。
痛みの感じ方には個人差がありますが、我慢できないほどの強い痛みではありません。
- 施術時間はどのくらいですか?
-
注射自体にかかる時間は、部位や範囲にもよりますが、5分から15分程度と非常に短時間です。
ただし、施術前のカウンセリングや麻酔クリームを塗布して待つ時間(約30分)、施術後のクーリングや説明を含めると、クリニックでの滞在時間は1時間から1時間半程度を見込んでおくとよいでしょう。
- 何回くらいで溶けますか?
-
多くの場合、1回の施術で効果を実感できます。ヒアルロニダーゼは即効性があり、数時間後からヒアルロン酸の分解が始まり、1~2日でかなりボリュームダウンするケースが多いです。
ただし、注入されているヒアルロン酸の量が多い場合や、架橋度が高く硬い製剤の場合は、1回で溶けきらず、数回(1~2週間あけて)の施術が必要になることもあります。
- 溶解注射で元の顔に戻りますか?
-
ヒアルロン酸を注入する「前」の状態に完全に戻ることを目指しますが、いくつかの要因によって左右されます。
ヒアルロン酸が注入されていた期間や量によって、皮膚が伸びてしまっている場合、溶解後にたるみとして感じられる可能性があります。
また、注入されていたヒアルロン酸だけでなく、ご自身の体内のヒアルロン酸にもわずかに影響し、一時的にハリが失われることも考えられます。
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