目の下のクマ・たるみ取りの治療法比較|裏ハムラ法と脱脂注入の違いを徹底解説

鏡を見るたびに憂鬱になる目の下のクマやたるみ。疲れて見えたり実年齢より老けて見えたりする原因を取り除くには、医療の力を借りるのが近道です。
しかし、多くのクリニックで提案される「脱脂+脂肪注入」と、形成外科的な方法である「裏ハムラ法」のどちらを選ぶべきか迷う方が後を絶ちません。
両者は根本的に異なり、仕上がりの自然さや将来的な持続性に大きな差が生まれます。
この記事では、それぞれの治療法のメリット・デメリットやリスク、費用対効果を徹底的に比較します。
目の下のクマとたるみが発生する原因と構造の理解
目の下のクマやたるみは単なる皮膚の老化ではなく、眼窩脂肪の突出や骨格の萎縮、そして筋肉の緩みが複合的に絡み合って発生します。
そのため、表面的なスキンケアだけでは改善が難しく、根本原因に働きかける外科的治療が必要となります。
眼窩脂肪の突出と支持組織のゆるみ
目の下の膨らみの正体は、眼球を保護している「眼窩脂肪(がんかしぼう)」です。
若いうちは眼球を支えるロックウッド靭帯や、眼窩脂肪の手前にある眼窩隔膜、さらには眼輪筋といった組織がしっかりと張りを保っているため、脂肪は正しい位置に収まっています。
しかし、加齢や眼精疲労、遺伝的な要素によってこれらの支持組織が緩むと、支えきれなくなった眼窩脂肪が前方へと押し出されてきます。これが目の下の「目袋」と呼ばれる膨らみです。
さらに、重力の影響で頬の皮膚も下がるため、突出した脂肪の下に深い溝(ティアトラフ)が生まれ、より一層影が濃く見えるようになります。
この物理的な凹凸が原因であるため、化粧品で皮膚表面を保湿しても根本的な解決には至りません。
加齢による顔面骨の萎縮と凹み
脂肪が出るだけでなく、土台となる骨の変化も見逃せません。年齢を重ねると顔の骨、特に眼窩(目の入っている穴)の縁の部分の骨が吸収されて痩せていきます。
眼窩の下縁が後退することで、目の下のサポート力が失われ、中顔面のボリュームロスが発生します。
この骨の萎縮は、目の下のクマを強調させる大きな要因です。脂肪が飛び出している「凸」の部分と、骨が痩せて凹んでいる「凹」の部分の落差が大きくなるほど影は濃く、クマは目立ちます。
そのため治療においては「出ているものをどうするか」と同時に「足りない部分をどう補うか」を考える必要があります。
皮膚の菲薄化と眼輪筋の透け
皮膚そのものの変化もクマの要因の一つです。目の下の皮膚は顔の中で最も薄く、卵の薄皮程度しかありません。加齢とともにコラーゲンやエラスチンが減少すると、皮膚はさらに薄くなり、ハリを失います。
皮膚が薄くなると、その下にある眼輪筋という赤紫色の筋肉が透けて見えるようになります。これがいわゆる「赤クマ」や「紫クマ」の原因です。
また、色素沈着による「茶クマ」が併発しているケースも少なくありません。
脱脂手術や裏ハムラ法などの外科的治療は主に「黒クマ(影クマ)」を解消するものですが、皮膚の質感や色味の問題も考慮に入れた総合的な判断が重要です。
それぞれのクマのタイプと適応を整理すると以下のようになります。
クマの種類と特徴の整理
| クマの種類 | 主な原因 | 外科的治療の適応 |
|---|---|---|
| 黒クマ(影クマ) | 眼窩脂肪の突出と皮膚のたるみによる物理的な影 | 非常に高い効果が期待できる |
| 赤クマ | 眼輪筋が透けて見える、血行不良 | 脂肪の圧迫が減ることで改善する場合がある |
| 茶クマ | 色素沈着、摩擦によるシミ | 外科手術では改善しない(レーザー等が有効) |
脱脂術+脂肪注入(経結膜脱脂法)の特徴と仕組み
脱脂術と脂肪注入の組み合わせは、突出した脂肪を取り除き(引き算)、凹みに脂肪を補う(足し算)ことで、若々しいメリハリのある目元を作る治療法です。
膨らみを取り除きボリュームを補う
この治療法の基本的な考え方は「引き算」と「足し算」の組み合わせです。
まず、下まぶたの裏側(結膜)に小さな穴を開け、そこから突出している眼窩脂肪を引き出して切除します。これが「脱脂」です。
しかし、脂肪を取るだけでは、元々あったボリュームがなくなるため、目の下が窪んでしまったり、小ジワが増えたりするリスクがあります。
また、目の下の溝(ティアトラフ)の凹みは脱脂だけでは解消できません。
そこで、太ももや腹部から採取したご自身の脂肪を加工し、目の下の凹んでいる部分や頬にかけて注入します。これが「足し算」の部分です。
採取した脂肪の加工と定着率
注入する脂肪は、単に採取したものをそのまま入れるわけではありません。
遠心分離機にかけて不純物(血液や麻酔液、老化細胞など)を取り除き、濃縮した脂肪(コンデンスリッチファットなど)を使用するのが一般的です。
さらに細かく加工したナノファットなどを浅い層に入れるケースもあります。
ただし、注入した脂肪がすべてその場に残るわけではない点に注意が必要です。注入された脂肪の一部は体に吸収され、最終的に定着するのは一部です。
医師は吸収される分を見越してやや多めに注入するなど、高度な計算と経験が求められます。
脱脂注入法の基本的な流れ
| 段階 | 内容 | 所要時間目安 |
|---|---|---|
| 脂肪採取 | 太もも等の目立たない場所から脂肪を吸引 | 20〜30分 |
| 脂肪加工 | 遠心分離機で不純物を除去し濃縮 | 10〜15分 |
| 脱脂手術 | 下まぶたの裏から眼窩脂肪を除去 | 20〜30分 |
| 注入手術 | 加工した脂肪を目の下・頬へ注入 | 15〜20分 |
メリットとデメリットのバランス
最大のメリットは、皮膚表面に傷がつかない、手術時間が比較的短い、といった点です。
また、中顔面(ゴルゴライン周辺)のボリュームロスが激しい人の場合、脂肪注入によって顔全体に若々しい張りを出せる点も有利に働きます。
一方で、デメリットも存在します。太ももなどの脂肪採取部位に傷と痛みが生じることと、注入した脂肪がしこりになったり凸凹になったりするリスクです。
さらに、将来的に体重が増加した場合、目の下に移植した脂肪も大きくなり、不自然な膨らみが出る可能性もゼロではありません。
裏ハムラ法(経結膜的眼窩脂肪移動術)の理論と利点
裏ハムラ法は突出した脂肪を切除せずに凹んでいる部分へ移動させて、滑らかで自然な目元を形成し、長期的な再発防止効果も期待できる術式です。
脂肪を捨てずに移動させる再配置テクニック
裏ハムラ法の最大の特徴は、突出した眼窩脂肪を切除せずに利用する点にあります。
目の下の膨らんでいる部分の脂肪を、その下にある凹んでいる部分(ティアトラフなどの骨の縁)へスライドさせて移動(再配置)し、骨膜などに固定します。
この操作によって、膨らみを解消しつつ、凹みを埋められます。
自分自身の組織を、血流を保ったまま移動させるため、脂肪注入のように「吸収されて減る」という心配がありません。質感も自然で、本来あるべき滑らかな曲線を再現しやすいのが特徴です。
再発防止効果とティアトラフの改善
裏ハムラ法では脂肪を移動させて固定する際に、目の下の凹みの原因となっている靭帯(ティアトラフリガメント)を剥離・解除します。
強力な引き込み構造を解除した上で、そこに脂肪を敷き詰めるため、強固な再発防止効果を発揮します。
その結果、移動させた脂肪がクッションとなり、将来的に再び脂肪が下がってこようとするのを防ぐ役割も果たします。
単に形を整えるだけでなく、老化の進行を食い止める構造的なリフォームを行う手術と言えます。
皮膚を切らないアプローチの重要性
通常のハムラ法はまつ毛の生え際を切開して皮膚のたるみも同時に切除しますが、裏ハムラ法はまぶたの裏側(結膜)からアプローチします。
そのため、顔の表面には一切傷が残りません。
裏ハムラ法と表ハムラ法の比較
| 項目 | 裏ハムラ法 | 表ハムラ法(皮膚切開) |
|---|---|---|
| 切開場所 | 下まぶたの裏側(結膜) | まつ毛のすぐ下の皮膚 |
| 皮膚のたるみ処理 | できない(皮膚は切除しない) | 可能(余分な皮膚を切除) |
| 傷跡 | 表面には全く残らない | 数ヶ月赤みがあり、最終的に白い線になる |
| ダウンタイム | 腫れ・内出血は1〜2週間程度 | 抜糸が必要。腫れは2週間以上続くことも |
また、眼輪筋を傷つけるリスクが低いため、術後の「あっかんべー」状態(外反)のリスクも極めて低く抑えられます。
涙袋の形成に必要な眼輪筋の緊張も保たれやすいため、術後に涙袋が消失する心配も少ないのが利点です。
ただし、皮膚の余剰があまりに多い場合は、裏ハムラ法だけではシワが残る可能性があるため、慎重な適応判断が必要です。
徹底比較|裏ハムラ法 vs 脱脂+脂肪注入
治療法選びの決定打は、仕上がりの自然さ、ダウンタイムの許容度、そして将来的なメンテナンスの有無をどう天秤にかけるかにあります。
仕上がりの自然さと触感の違い
仕上がりの「美しさ」において、裏ハムラ法は非常に高い評価を得ています。
理由は、元々そこにある脂肪を移動させるだけなので、触った時の違和感がなく、表情を作った時にも自然な連動性を保てるからです。
他方、脱脂+脂肪注入は、脂肪を注入した箇所が将来的にしこりになったり、笑った時に注入部分だけが浮き上がって見えたりするリスクがわずかながら存在します。
特に皮膚が薄い方の場合、注入した脂肪の粒感が見えてしまう可能性も否定できません。
ただし、中顔面全体をふっくらさせたいという要望に対しては、脂肪注入の方がボリュームを出せるため有利です。
総合比較
| 比較項目 | 脱脂+脂肪注入 | 裏ハムラ法 |
|---|---|---|
| 手術時間 | 1時間〜1時間半程度 | 1時間半〜2時間程度 |
| 他部位への傷 | あり(太ももや腹部) | なし |
| 定着率・持続性 | 個人差あり(吸収される分を予測) | 極めて高い(血流を保った移動) |
| しこりのリスク | あり(注入技術に依存) | なし |
| 再発のリスク | 注入脂肪の減少により再発の可能性あり | 構造的修復のため再発しにくい |
身体への負担とダウンタイムの比較
身体への侵襲(ダメージ)という点では、脱脂+脂肪注入のほうが太ももなどの他部位にも麻酔と吸引を行う分、負担範囲が広くなります。
術後は目の下だけでなく、太ももの筋肉痛のような痛みや内出血のケアも必要です。
裏ハムラ法は目の下だけの手術で完結しますが、手術手技としては脱脂よりも複雑で、剥離する範囲も広いため、目の周りの腫れや内出血は脱脂単体よりも強く出る傾向があります。
特に術後2〜3日は視界がぼやけたり、目ヤニが増えたりする場合があります。
社会復帰までの期間は、どちらを選んでも1週間から2週間程度見ておくのが無難ですが、裏ハムラ法のほうが直後の腫れが目立つケースが多いです。
長期的なコストパフォーマンスと持続性
費用面で見ると、一般的に脱脂+脂肪注入の方が初期費用は安く設定しているクリニックが多いです。しかし、注入した脂肪の定着率が悪かった場合、数年後に再注入が必要になる可能性があります。
裏ハムラ法は技術料が高く設定されている場合が多く、初期費用は高額になりがちです。しかし、移動させた脂肪は生着率がほぼ100%であり、効果は半永久的に持続します。
「一生に一度の手術」と考えるならば、長期的なコストパフォーマンスは裏ハムラ法のほうが優れているという見方もできます。
あなたに適しているのはどっち?タイプ別診断
骨格や脂肪の量、皮膚のたるみ具合によって適した治療法が異なるため、ご自身のタイプを正しく把握しましょう。医学的な優劣だけでなく、求めるゴールによって、合う治療法が異なります。
脱脂+脂肪注入が向いている人の特徴
脱脂と脂肪注入の組み合わせは、顔全体のバランスを整えたい場合に適しています。
特に、目の下だけでなく、ゴルゴラインや頬のコケも気になっている方は、同時に脂肪を注入すると若々しい印象を一気に作れます。
脱脂+脂肪注入推奨チェック
- 目の下の膨らみだけでなく、頬全体やゴルゴラインのボリューム不足も同時に解消したい
- 目の下の皮膚に十分な厚みとハリがあり、脂肪を減らしてもシワになりにくい
- 太ももや腹部など、顔以外の部位から脂肪を採取することに抵抗がない
- 手術にかかる初期費用を、裏ハムラ法と比較してある程度抑えたい
- 目の下の凹みが非常に深く、移動させる眼窩脂肪の量が足りない可能性がある
裏ハムラ法が向いている人の特徴
裏ハムラ法は、異物を入れずに自然な仕上がりを追求したい人、そして長期的な安定性を求める人に良い方法です。
特に、眼窩脂肪の量が十分にあり、それを凹みの補填に回せる人にとっては、最も理にかなった治療法と言えます。
裏ハムラ法推奨チェック
- ヒアルロン酸や他部位の脂肪など、後から注入する異物を極力使いたくない
- 目の下の膨らみ(脂肪)の量が多く、その直下の凹みも目立っている
- 再発のリスクを抑え、将来的なメンテナンスの手間や費用を減らしたい
- 注入した脂肪による不自然な膨らみやしこりのリスクを確実に避けたい
- 太ももや腹部など、身体の他の部分に新たな傷跡を作りたくない
皮膚切除(表ハムラ法)が必要なケース
ここで注意が必要なのは、どちらの方法でも対応が難しい「皮膚のたるみが著しい」ケースです。
60代以上の方や、長期間膨らみを放置して皮膚が伸びきってしまった方の場合、中身(脂肪)を処理しても、外側の皮が余ってシワシワになってしまうときがあります。
この場合は、まつ毛の下を切開して皮膚を切り取る「表ハムラ法」を検討する必要があります。医師の診察で、皮膚の弾力がどの程度残っているかを正確に見極めてもらいましょう。
知っておくべきリスクと合併症
どのような名医が執刀してもリスクはゼロではありません。特有の合併症とダウンタイムの症状を事前に理解し、冷静な判断基準を持つと良いです。
脱脂+脂肪注入特有のリスク
最も懸念されるのは、注入した脂肪に関連するトラブルです。注入量が多すぎると「過矯正」となり、目の下が不自然に膨らんで見えたり、触った時に硬いしこり(石灰化)を感じたりするときがあります。
逆に注入量が少なすぎたり、吸収が予想以上に進んだりすると、再び凹みが目立ってしまいます。
一度注入して定着した脂肪をきれいに取り除くのは非常に難しいため、医師の注入センスと経験が結果を大きく左右します。
裏ハムラ法特有のリスク
裏ハムラ法は高度な技術を要するため、執刀医の技量による差が出やすい手術です。固定が不十分だと移動した脂肪が後戻りして再発する可能性があります。
また、稀なケースですが、術後の癒着や拘縮によって下まぶたが外側に引っ張られるような感覚が残る方もいます。
さらに、眼窩下神経という感覚神経の近くを操作するため、一時的に頬や上唇付近に知覚鈍麻(しびれ)が生じる場合がありますが、これは通常数ヶ月で回復します。
共通するダウンタイム中の症状
どちらの手術も、術後数日間は目元が腫れ、内出血によって紫色や黄色に変色する場合があります。
また、結膜浮腫(白目がゼリー状にブヨブヨと浮き上がる症状)が出るケースもありますが、これも1〜2週間で自然に治まります。
主なリスク発生頻度と対応
| リスク項目 | 内容と対応 |
|---|---|
| 内出血 | ほぼ全員に発生。メイクで隠せる程度になるまで1〜2週間。自然吸収を待つ。 |
| 結膜下出血 | 白目が赤く染まる。視力に影響はなく、2週間程度で消失。 |
| 左右差 | 元々の骨格差による場合が多い。微調整が必要な場合もある。 |
| 複視(物が二重に見える) | 麻酔の影響や一時的な筋肉の麻痺。数時間〜翌日には治るのが通常。 |
失敗しないためのクリニック・医師選びのポイント
成功の鍵は、眼窩の解剖を熟知した医師を見極めることにあり、カウンセリングでの診断力と長期経過の症例写真が信頼の証となります。
「値段が安いから」「広告でよく見るから」という理由だけで選ぶと、取り返しのつかない結果になるため注意しましょう。
解剖学的知識と形成外科的バックグラウンド
裏ハムラ法をはじめとする目の下の手術は、眼球に近い部分を操作するため、眼窩内の解剖に精通していることが絶対条件です。
形成外科専門医の資格を持っているか、あるいは目の下の手術において豊富な執刀経験があるかを確認してください。特に裏ハムラ法は習得難易度が高いため、対応できる医師は限られています。
「裏ハムラもできますが、脱脂の方がいいですよ」と安易に誘導せず、両方のメリット・デメリットを公平に説明できる医師が信頼できます。
カウンセリングでの診断力を見る
カウンセリングの際、あなたの目の下の状態を触診し、皮膚の厚みや骨格の凹凸、眼球の出具合などを丁寧に確認してくれるかを見てください。
単に「脂肪を取りましょう」と言うだけでなく、「あなたの骨格だと、脂肪を取るだけではここが窪む可能性があります」といった具体的なシミュレーションを示してくれる医師を選びましょう。
メリットだけでなく、リスクについても時間をかけて説明してくれる姿勢が重要です。
症例写真の質と量を確認する
ホームページやSNSに掲載されている症例写真も判断材料になります。
ただし、直後の写真やメイクありの写真だけでなく、術後3ヶ月、半年、1年といった長期経過の写真を掲載しているクリニックが信頼できます。
また、自分と似たような骨格やクマのタイプの症例があるかを探し、どのような変化を遂げているかを確認しましょう。
よくある質問
目の下のたるみを取りたいと相談にいらっしゃる方は意外と多いです。裏ハムラ法、脱脂注入といった方法がありますが、どちらが適しているかは人によって異なります。
まずはクリニックでカウンセリングを受け、ご自身のたるみの状態とそれに合った治療法を確認してみましょう。
たるみ治療は早ければ早いだけ改善しやすく、費用も抑えられる傾向がありますので、早めの相談がおすすめです。
- 手術中の痛みはどの程度ありますか?
-
手術は局所麻酔に加えて、静脈麻酔や笑気麻酔を併用して行うのが一般的です。そのため、手術中に鋭い痛みを感じることはほとんどありません。
多くの患者さんは眠っているような状態で手術を受けられます。術後は麻酔が切れると鈍痛を感じる場合がありますが、処方される痛み止めを内服すると十分にコントロールできる範囲です。
- 術後いつからメイクやコンタクトレンズが可能ですか?
-
アイメイク以外のファンデーションなどは翌日から可能なクリニックが多いですが、目元のメイクは傷口からの感染を防ぐため、1週間程度控えることが推奨されます。
コンタクトレンズについても、まぶたの裏側を操作しているため、傷が塞がるまでの1週間程度は使用を控え、メガネで過ごす必要があります。
- クマが再発する可能性はありますか?
-
脱脂のみの場合や、注入した脂肪が吸収されてしまった場合は、数年後に再び凹みが目立ってくる可能性があります。
一方、裏ハムラ法は脂肪を再配置して固定するため、構造的に再発しにくい術式です。
ただし、手術の効果に関わらず加齢による自然な皮膚のたるみや骨の萎縮は進行するため、10年、20年という単位で見れば変化は現れますが、手術をしていない場合と比べれば若々しい状態を保てます。
- 片目だけ治療することはできますか?
-
可能です。クマやたるみに左右差がある場合、片目だけ手術を行うときもあります。
ただし、片方だけを手術すると、術後の腫れや微妙な左右差が気になるケースがあるため、基本的には両目同時にバランスを見ながら整えることを推奨する医師が多いです。
診察時に左右のバランスを詳しく確認してもらいましょう。
- シワも一緒に消えますか?
-
ここが重要な誤解ポイントですが、裏ハムラ法や脱脂注入は「膨らみと凹み」を治す手術であり、表面の細かい「ちりめんジワ」を消す手術ではありません。
膨らみがなくなるため皮膚が少し余り、一時的に小ジワが増えたように見える場合もあります。
細かいシワが気になるときは、別途スネコス注射やレーザー治療などの皮膚治療を併用すると良いでしょう。
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