顔のたるみにボトックスは効く?効果・費用・注意点を解説

顔のたるみにボトックスは効く?効果・費用・注意点を解説

「顎まわりのもたつきが気になる」「フェイスラインがぼやけてきた」と感じていませんか。

加齢による顔のたるみに対してボトックス注射は一定の効果が見込めますが、万能な治療ではありません。

この記事では、顔のたるみ治療に20年以上携わってきた経験をもとに、ボトックスの効果が発揮される場面と限界、費用の相場、施術前に知っておくべき注意点を丁寧に解説します。

目次

ボトックスは顔のたるみに本当に効果があるのか

結論から述べると、ボトックスは筋肉の収縮が原因で起こるたるみには効果を発揮しますが、皮膚の大幅なゆるみや脂肪の下垂には単独での改善が難しい治療法です。

自分のたるみの原因を正しく見極めたうえで、適応を判断することが大切でしょう。

顔のたるみが起きる原因は筋肉の老化と皮膚のゆるみ

顔のたるみは複数の要因が絡み合って生じます。加齢に伴いコラーゲンやエラスチンが減少し、皮膚のハリが失われることが大きな原因の一つです。同時に、脂肪組織が萎縮・移動し、重力に逆らえなくなった皮膚が下方へ垂れ下がります。

表情筋のバランスの変化も見逃せません。顔を下方向に引っ張る筋肉(広頸筋や口角下制筋など)が優位になると、フェイスラインが崩れます。ボトックスはこの筋肉の力関係に介入する治療です。

ボトックスが筋肉にはたらきかけてリフトアップする仕組み

ボトックスの有効成分であるボツリヌストキシンA型は、神経と筋肉のつなぎ目でアセチルコリンの放出を抑えます。注射した部位の筋肉の動きが一時的に弱まり、たるみの原因となる「下に引っ張る力」を減らせます。

たとえば、顎のラインに沿って広頸筋にボトックスを注入すると、下方向への引っ張り力が弱まり、上方向の力が優位に。これがフェイスラインの引き締め効果として現れます。

ボトックスの効果と限界

項目効果が期待できる効果が限定的
原因筋肉の過剰な収縮によるたるみ皮膚の大幅なゆるみ・脂肪の下垂
部位顎ライン・口角・首の縦じわ頬全体の脂肪移動・深いほうれい線
年齢層皮膚の弾力が残っている方皮膚の弛緩が著しい方
持続期間約3〜6か月繰り返し施術が前提

ボトックスだけでは改善しにくいたるみのパターン

皮膚そのものが大きくたるんでいる場合や、脂肪の量・位置が変化している場合、ボトックス単独で劇的な改善を得るのは困難です。

中等度以上のたるみには、ヒアルロン酸注入やHIFU(ハイフ)などの併用、あるいは外科的な治療が検討されるケースもあります。

ボトックスは「筋肉由来のたるみ」に対するピンポイントな治療と捉えると、期待値と結果のずれが小さくなるでしょう。

顔のたるみボトックスで用いられる注入法と持続期間

顔のたるみに対するボトックス治療には、注入する深さや部位によっていくつかの手技があります。代表的な方法を知っておくと、カウンセリング時に医師の説明を理解しやすくなるでしょう。

ネフェルティティリフトで顎ラインをすっきり整える方法

ネフェルティティリフトとは、顎のライン(下顎縁)から首にかけての広頸筋にボトックスを注入するテクニックです。名前は古代エジプトの王妃ネフェルティティの美しい顎のラインに由来しています。

広頸筋が顔を下向きに引っ張る力を弱めることで、相対的にフェイスラインが引き上がったように見える効果が得られます。とくに皮膚の弾力がまだ残っている30代〜50代前半の方に向いている手技です。

マイクロボトックスで肌のハリを取り戻す注入テクニック

マイクロボトックスは、通常よりも少量のボトックスを皮膚の浅い層に細かく注入する方法です。表層の筋線維だけに作用させ、自然な引き締め効果を狙います。

従来の深い注入と異なり、表情が不自然になりにくい点が特徴です。フェイスラインのたるみだけでなく、毛穴の引き締めや肌質改善も期待できるといわれています。

注射の持続期間と効果を長持ちさせるコツ

ボトックスの効果は通常、注射後2〜3日ごろから現れはじめ、2週間ほどで安定します。持続期間はおおむね3〜6か月が目安です。効果が薄れてきたタイミングで再注射することで状態を維持できます。

施術後24時間は注入部位を強くこすらないこと、激しい運動やサウナを避けることが推奨されます。定期的に施術を続けると筋肉が縮小し、注入間隔を徐々に延ばせるケースもあるようです。

主な注入法の比較

注入法注入の深さ適した悩み
ネフェルティティリフト筋肉内(やや深め)顎ラインのもたつき・首の縦じわ
マイクロボトックス皮膚の浅い層肌のハリ改善・毛穴の引き締め
従来の筋肉注射筋肉内額・眉間・目尻のしわ

ボトックスで改善が期待できる顔のたるみの種類

ボトックスはすべてのたるみに効くわけではありませんが、筋肉の過活動が原因となっている部位には有効な選択肢になります。ここからは部位別に、どのようなたるみに効果が見込めるかを紹介します。

フェイスラインのもたつきやブルドッグ顔に悩む方へ

顎から首にかけての広頸筋が過度に発達していたり、下方向へ引っ張る力が強い場合、フェイスラインが崩れてブルドッグのような印象になることがあります。

ネフェルティティリフトを行うと、この下向きの力が弱まり、すっきりとした顎のラインが期待できます。

ただし、皮膚のたるみ自体が大きい場合は、ボトックスだけで満足のいく結果を得るのは難しいかもしれません。治療前のカウンセリングで、自分のたるみがボトックスの適応かどうかを確認しましょう。

口角の下がりやマリオネットラインが気になる方へ

口角を下に引っ張る「口角下制筋(こうかくかせいきん)」にボトックスを注入すると、口角が自然に上がりやすくなります。口角が下がって不機嫌に見える表情や、口角から顎に向かって伸びるマリオネットラインの軽減にも効果が見込めるでしょう。

注入量が多すぎると口元の動きが制限されてしまうため、少量から始めて効果を確認しながら調整するのが安全です。経験豊富な医師に相談することをお勧めします。

たるみの種類とボトックスの適応

たるみの種類主な原因ボトックスの適応
フェイスラインの崩れ広頸筋の過活動適応あり
口角の下がり口角下制筋の緊張適応あり
額のたるみ・しわ前頭筋の過活動条件付きで適応あり
頬のたるみ・ほうれい線脂肪の下垂・皮膚弛緩単独では効果が限定的

額・眉間のしわとたるみを同時にケアしたい方へ

額の前頭筋にボトックスを打つと横じわを軽減できますが、眉が下がる可能性もあるため慎重な対応が求められます。眉間のしわに関しては、皺眉筋(しゅうびきん)への注射で高い効果が報告されています。

額と眉間を同時に治療する場合、筋肉のバランスを考慮した注入デザインが欠かせません。眉が下がりすぎると上まぶたのたるみが強調されてしまうため、注入量と部位の精密なコントロールが大切です。

顔のたるみボトックス治療にかかる費用の目安

ボトックスによるたるみ治療は自由診療(自費診療)となるため、クリニックによって料金が異なります。ご自身の予算と照らし合わせ、無理のない治療計画を立てることが大切です。

部位ごとの料金相場はどのくらいか

一般的に、顔のたるみ治療を目的としたボトックス注射の費用は、1回あたり3万円〜10万円程度が目安です。

額やエラ(咬筋)への注射は比較的費用が抑えられる傾向にあり、フェイスライン全体のネフェルティティリフトになると費用がやや高くなります。

使用するボトックス製剤のブランドや注入量によっても費用は変動します。厚生労働省の承認を受けた製剤を使用するクリニックを選ぶと、品質面での安心感が得られるでしょう。

定期的な施術にかかる年間コストを把握しておこう

ボトックスの効果は永続的ではないため、維持するには年に2〜3回の施術が必要になります。仮に1回6万円の施術を年3回受ける場合、年間コストは約18万円です。数年単位で考えると決して小さくない出費でしょう。

一方で、外科的なフェイスリフトの費用と比較すると、1回あたりの負担は抑えられます。長期的なトータルコストとダウンタイムの少なさを天秤にかけて判断する方も少なくありません。

費用を抑えたいならカウンセリングで見積もりを取ろう

クリニックによっては初回割引や複数回パックの料金プランを用意している場合があります。事前に複数のクリニックでカウンセリングを受け、見積もりを比較してみるのが賢明です。

ただし、費用の安さだけで選ぶのはリスクが伴います。使用する製剤の品質や医師の経験年数も含めて総合的に判断してください。

部位別の費用目安

施術部位1回あたりの費用目安推奨頻度
額・眉間2万〜5万円4〜6か月に1回
エラ(咬筋)3万〜8万円4〜6か月に1回
フェイスライン(ネフェルティティ)5万〜10万円3〜6か月に1回
マイクロボトックス(全顔)5万〜12万円3〜4か月に1回

ボトックス注射で起こりうる副作用と失敗を防ぐ注意点

ボトックスは比較的安全性の高い施術ですが、リスクがゼロではありません。副作用の多くは注入量の過多や部位の誤りから生じます。正しい知識を持っておくことが、安心の第一歩です。

注射後にまぶたが下がるなど起こりうる副作用とは

ボトックスの代表的な副作用として、注入部位周辺の内出血や腫れ、一時的な頭痛が報告されています。これらは通常1〜2週間以内に自然に収まるものがほとんどです。

まれに起こる副作用として、まぶたの下垂(眼瞼下垂)があります。額や眉間に注入したボトックスがまぶたを持ち上げる筋肉に広がってしまうことが原因です。通常は数週間で回復しますが、施術者の技術によってリスクが左右される副作用といえます。

注入量や部位を誤ると表情が不自然になるリスク

ボトックスの量が多すぎたり、注入ポイントがずれたりすると、笑ったときに口角が片方だけ上がらない、眉の高さが左右で異なるといった表情の非対称が生じる場合があります。

こうしたトラブルは、顔の解剖学に精通した医師に依頼すると大幅にリスクを下げられます。初めて施術を受ける方は少量から始めるのが安全です。

起こりうる主な副作用

副作用頻度回復の目安
注入部位の内出血・腫れ比較的多い1〜2週間程度
一時的な頭痛ときどき数日以内
まぶたの下垂まれ2〜6週間程度
表情の左右非対称まれ効果消失まで(3〜4か月)

安全に治療を受けるために守りたい施術前後の過ごし方

施術を受ける当日は、血行を促進するアルコールの摂取や激しい運動を控えてください。血流が活発になると内出血のリスクが高まります。施術後も同様に、当日は安静に過ごすことが望ましいでしょう。

また、施術後4時間程度は横にならず、注入部位を触ったり揉んだりしないように心がけてください。ボトックスが意図しない部位に拡散するのを防ぐためです。

万が一、強い痛みや視力の変化を感じた場合はすぐに施術を受けたクリニックへ連絡しましょう。

顔のたるみにボトックス以外で効果的な治療法はあるか

ボトックス単独ではカバーしきれないたるみに対しては、他の治療法との併用や、別のアプローチを検討する価値があります。自分のたるみの状態に合った組み合わせを見つけることが、満足度の高い結果につながります。

ヒアルロン酸注入でボリュームを補い顔を引き上げる

ヒアルロン酸は皮膚の下にボリュームを加えて、失われた立体感を取り戻す治療です。頬やこめかみ、顎先に注入することで、間接的にたるみが目立ちにくくなる効果が得られます。

ボトックスが「引っ張る力を弱める」治療であるのに対し、ヒアルロン酸は「支える力を加える」治療です。両者を組み合わせると、より自然で立体的なリフトアップ効果が期待できるでしょう。

HIFUやRF治療で皮膚の深層からリフトアップを目指す

HIFU(高密度焦点式超音波)はSMAS筋膜と呼ばれる深い層に超音波エネルギーを当て、組織を収縮させてリフトアップを図る治療です。RF(ラジオ波)治療は真皮層のコラーゲン産生を促し、肌の引き締めとハリ改善に寄与します。

どちらもメスを使わず、ダウンタイムが比較的短い治療です。ボトックスとは異なる角度からたるみにアプローチするため、併用することで相乗効果が得られるケースもあります。

外科的フェイスリフトと非外科的治療はどちらが合うか

中等度から重度のたるみには、外科的なフェイスリフトが根本的な改善をもたらす場合があります。皮膚と筋膜を直接引き上げるため、5〜10年ほど効果が続くとされています。

ただし、手術にはダウンタイムやリスクが伴います。軽度のたるみであればボトックスやヒアルロン酸で十分な効果を実感できる場合も多いため、医師と相談しながら段階的に治療を進めるのがよいかもしれません。

他の治療法を検討する際のポイント

  • たるみの原因が「筋肉」「脂肪」「皮膚」のいずれかを見極める
  • ダウンタイムの許容範囲を事前に決めておく
  • 予算と通院頻度のバランスを考慮する
  • 複数の治療を組み合わせるメリットを医師に確認する

顔のたるみにボトックスを受ける前に確認したいクリニックの選び方

ボトックス治療の仕上がりは、医師の技量やクリニックの方針によって大きく左右されます。後悔しないためにも、以下のポイントを押さえてクリニックを比較してください。

形成外科や皮膚科の専門医が在籍しているか

ボトックス注射は顔の解剖学を熟知した医師が行うべき施術です。形成外科専門医や皮膚科専門医の資格を持つ医師が在籍しているクリニックは、技術面での安心材料の一つになります。

加えて、ボトックス治療の症例数が豊富かどうかも確認しましょう。注入テクニックは経験に裏打ちされる部分が大きく、症例数の多い医師ほど微調整に長けている傾向があります。

信頼できるクリニックを見分けるチェックリスト

  • 専門医資格(形成外科・皮膚科など)を持つ医師が施術を担当
  • 厚生労働省承認のボトックス製剤を使用している
  • 施術前にリスクを含めた丁寧な説明がある
  • アフターケアや緊急時の連絡体制が明確に整っている

カウンセリングで治療方針とリスクを丁寧に説明してくれるか

良いクリニックのカウンセリングでは、患者の希望を聞いたうえで「ボトックスで改善できる範囲」と「期待通りにいかない可能性」の両方を正直に伝えてくれます。メリットだけを強調し、リスクの説明が曖昧なクリニックには注意してください。

治療方針が明確でない場合や、質問に対して回答が曖昧な場合は、別のクリニックでセカンドオピニオンを求めることも検討しましょう。

アフターケアの体制が整っているか

施術後に問題が起きたとき、迅速に対応してもらえるかは重要な判断基準です。副作用への対処法や再診のスケジュールを事前に確認しておくと安心です。

施術後の経過観察を丁寧に行い、必要に応じて追加注入や修正を提案してくれるクリニックは信頼に値するでしょう。

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よくある質問

顔のたるみに対するボトックス注射の効果はどのくらい持続しますか?

ボトックス注射の効果は、個人差はありますが一般的に3〜6か月程度持続します。効果が薄れたタイミングで再度施術を受けると、改善状態を維持できます。

継続して施術を受けると筋肉が徐々に縮小し、注射の間隔を延ばせるケースも報告されています。施術回数や間隔は担当医と相談しながら決めていくのがよいでしょう。

顔のたるみボトックス治療に痛みはありますか?

ボトックス注射には細い針を使用するため、痛みは比較的軽度です。注射時にチクッとした感覚がありますが、多くの方が耐えられる程度と感じています。

痛みが心配な方は、施術前に表面麻酔のクリームを塗布してもらえます。冷却しながら注射を行うなど、痛みを和らげる工夫をしているクリニックもあります。

ボトックスで顔のたるみを治療した後のダウンタイムはどれくらいですか?

ボトックス注射はダウンタイムがほとんどない治療です。施術直後からメイクや日常生活に復帰できる方がほとんどでしょう。注入部位に軽い赤みが出るときがありますが、数時間から1日程度で落ち着きます。

内出血が生じた場合でも、コンシーラーで隠せる程度のものが多く、1〜2週間で消えるのが一般的です。

ボトックスによる顔のたるみ治療は何歳から受けられますか?

ボトックスの適応年齢に厳密な制限はありませんが、一般的には20代後半以降の成人を対象に施術が行われています。予防的な目的で20代から始める方もいれば、50代・60代で初めて受ける方もいます。

年齢よりも、たるみの状態や皮膚の弾力、筋肉の動きを総合的に評価して適応を判断します。まずは医師のカウンセリングを受けて、ご自身に合った治療プランを立てましょう。

顔のたるみに対するボトックスとヒアルロン酸はどちらが効果的ですか?

ボトックスとヒアルロン酸は作用する仕組みが異なるため、単純にどちらが優れているとは言い切れません。ボトックスは筋肉の動きを弱めてたるみを軽減し、ヒアルロン酸は失われたボリュームを補います。

たるみの原因が筋肉の過活動にある場合はボトックスが向いていますし、ボリュームの減少が主な原因であればヒアルロン酸のほうが効果的でしょう。両方を組み合わせることで、より自然なリフトアップ効果を得ている方も多くいらっしゃいます。

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この記事を書いた人

Dr.寺井美佐栄のアバター Dr.寺井美佐栄 ミサクリニック 六本木本院 院長

日本抗加齢医学会認定専門医。日本美容皮膚科学会、日本レーザー医学会、日本産業衛生学会専門医。
複数の大手美容皮膚科で10年以上の院長経験を経て、2022年9月にMiSA Clinic(ミサクリニック)を開業。YouTube等でも発信してきた、メスを使わずに”ナチュラルなキレイ”を引き出す技術には定評があり、ありがたいことに「SNSを見ました!」という方や、紹介・口コミ経由でたくさんのご相談を頂いてきました。皆様と共に、MiSA Clinicスタッフ一同、共に年を重ね、末永くお付き合いできる関係を目指して参ります。

資格
アラガン社ボトックスビスタ認定医
アラガン社ヒアルロン酸注入認定医

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