顎のラインがない?シャープなフェイスラインを作る方法と原因を解説

顎のラインがない?シャープなフェイスラインを作る方法と原因を解説

「顎のラインがない」と悩み始めると、鏡を見るたびに気になってしまいがちです。

ぼやけたフェイスラインに「昔はもっとシャープだったのに」と感じるそのお悩み、実は加齢だけが原因ではないかもしれません。

この記事では、顎のラインがなくなる原因を多角的に分析し、ご自身でできるケア方法から美容医療まで、シャープなフェイスラインを取り戻すための具体的な方法を詳しく解説します。

目次

顎のラインがぼやける原因

シャープなフェイスラインは、若々しくすっきりとした印象を与えます。

しかし、様々な要因が重なることで、顎のラインは次第にぼやけてしまいます。

加齢による皮膚のたるみ

年齢を重ねると肌のハリや弾力を支えるコラーゲンやエラスチンが減少し、質も変化します。これにより、皮膚は重力に抗う力を失い、下方へ垂れ下がります。

特に頬の皮膚がたるむと、その重みでフェイスラインが崩れ、顎周りがもたついた印象になります。

皮下脂肪の増加と蓄積

体重の増加は、顔にも脂肪をつけます。特に顎の下は脂肪が蓄積しやすく、二重顎の原因となります。

一度ついた脂肪は落ちにくく、フェイスラインを不明瞭にする大きな要因です。

また、加齢によって皮膚がたるむと、元々あった脂肪がより目立ちやすくなる場合もあります。

むくみによる一時的な膨張

塩分の多い食事やアルコールの摂取、睡眠不足などが原因で、体内の水分バランスが崩れると顔がむくみます。朝、顔がパンパンに感じるのはこのためです。

むくみは一時的なものですが、慢性化すると血行不良などを招き、フェイスラインが定着してしまう場合もあります。

主な原因とその特徴

原因主な特徴影響
加齢によるたるみ頬の位置が下がる、ほうれい線が深くなるフェイスライン全体の崩れ
皮下脂肪の増加二重顎、顔が丸く見える顎と首の境界が曖昧になる
むくみ朝と夜で顔の印象が違う一時的だが慢性化のリスクあり

あなたの顎ラインはどのタイプ?セルフチェック

ご自身の顎ラインの悩みがどの原因から来ているのか、簡単なセルフチェックで確認してみましょう。原因のタイプによって、適した取り組み方が異なります。

たるみタイプの特徴と見分け方

鏡の前で顔を真下に向け、その状態でフェイスラインを確認してみてください。

正面を向いている時よりも輪郭が大きく崩れる場合、たるみが主な原因である可能性が高いです。

また、以前よりもほうれい線やマリオネットラインが目立つようになった方もこのタイプに当てはまります。

脂肪タイプの特徴と見分け方

顎の下の肉を指でつまんでみましょう。2cm以上つまめる場合は、皮下脂肪が原因と考えられます。

体重が増加してからフェイスラインが気になりだしたという方は、このタイプに該当するケースが多いです。顔全体が丸みを帯びているのも特徴です。

むくみタイプの特徴と見分け方

朝起きた時に顔が最も大きく感じ、夕方になると少しすっきりするという方は、むくみが原因かもしれません。

また、指で頬や顎のあたりを数秒間押してみて、跡がなかなか消えない場合もむくんでいるサインです。

塩辛いものを食べた翌日に症状が顕著に現れる傾向があります。

タイプ別チェック項目

チェック項目たるみタイプ脂肪タイプ
下を向いた時の輪郭大きく崩れるあまり変わらない
顎下の肉皮膚が伸びる感じ厚みがある
時間帯による変化あまりない朝が最も気になる

その顎ラインの悩み、実は「隠れ要因」が影響しているかも

加齢や脂肪、むくみといった一般的な原因のほかにも、日常生活に潜む見落としがちな要因がフェイスラインを崩しているかもしれません。

他の人とは違うと感じるその悩みには「隠れ要因」が関係している可能性があります。

歯の食いしばりや噛み癖がエラ張りの原因に

無意識のうちに歯を食いしばったり、就寝中に歯ぎしりをしたりする癖がある方もいます。

これらの行為は、顎の筋肉である「咬筋(こうきん)」を過度に発達させます。咬筋が発達すると、エラが張ったように見え、フェイスラインが角ばってしまいます。

これによってシャープさとは程遠い、ごつごつとした印象の輪郭になるのです。

ストレスが引き起こす表情筋のこわばり

精神的なストレスは、全身の筋肉を緊張させます。これには顔の表情筋も含まれます。

常に緊張状態で表情筋がこわばっていると血行が悪くなり、むくみやたるみを助長します。

また、口角が下がり「への字口」が癖になると、ブルドッグのように頬がたるんで見える原因にもなります。

スマートフォン操作時の姿勢

長時間スマートフォンを操作する際、うつむいた姿勢を続けている方も多いでしょう。

この姿勢は首や肩に負担をかけるだけでなく、重力の影響で顔の皮膚や脂肪が下方に引っ張られ、たるみを加速させます。

顎を引いた状態が続くことで二重顎も定着しやすくなり、「スマホ顔」とも呼ばれる特有のフェイスラインの崩れを引き起こします。

隠れ要因とフェイスラインへの影響

隠れ要因具体的な行動フェイスラインへの影響
食いしばり・噛み癖日中・就寝中の無意識な噛み締め咬筋の発達によるエラ張り
ストレス表情筋の持続的な緊張血行不良、むくみ、たるみの助長
長時間のスマホ操作うつむき姿勢の継続たるみの加速、二重顎の定着

自宅で始められるフェイスラインケア

美容クリニックでの治療を考える前に、まずはご自宅でできるケアから始めてみるのも一つの方法です。毎日の積み重ねが、未来のフェイスラインを左右します。

表情筋を鍛えるエクササイズ

顔には多くの筋肉があり、これらを意識的に動かすとたるみの予防や改善が期待できます。

「あ・い・う・え・お」と口を大きく動かす、頬を膨らませたりへこませたりする運動など、簡単なエクササイズを日常に取り入れましょう。

大切なのは、毎日少しずつでも継続することです。

リンパの流れを促すマッサージ

むくみや老廃物の排出を促すためには、リンパマッサージが有効です。

耳の下から首筋、鎖骨へとリンパを流すように、優しい圧でマッサージします。

肌への摩擦を避けるため、必ずクリームやオイルを使用してください。強い力でこするのは逆効果なので注意が必要です。

美顔器やスキンケア用品の活用

市販の美顔器には、EMS(電気的筋肉刺激)やRF(ラジオ波)など、表情筋に働きかけたり、肌の深部を温めてコラーゲンの生成を促したりする機能を持つものがあります。

また、リフトアップ効果やハリを与える成分が配合されたスキンケア用品を併用するのも、セルフケアの効果を高める上で重要です。

セルフケアの種類と期待できる効果

ケア方法主な目的期待できる効果
表情筋エクササイズ筋肉の衰えを防ぐたるみの予防・改善
リンパマッサージ老廃物の排出促進むくみの解消
美顔器・スキンケア肌のハリ・弾力アップ肌質の改善、リフトアップ補助

生活習慣の見直しで内側から働きかける

シャープなフェイスラインを保つためには外側からのケアだけでなく、内側からの働きかけ、つまり生活習慣の見直しも大切です。健康的な体づくりが美しい輪郭の土台となります。

栄養バランスの取れた食事

塩分の多い食事はむくみの原因になります。加工食品や外食を控え、カリウムを多く含む野菜や果物を積極的に摂取しましょう。

また、肌の材料となるタンパク質や、抗酸化作用のあるビタミン類も重要です。

  • カリウムを多く含む食品(例:バナナ、ほうれん草、アボカド)
  • 良質なタンパク質(例:鶏肉、魚、大豆製品)
  • ビタミンが豊富な食材(例:パプリカ、ブロッコリー、キウイフルーツ)

バランスの取れた食事は、健康的な肌と体型を維持する基本です。

質の良い睡眠の確保

睡眠不足は成長ホルモンの分泌を妨げ、肌のターンオーバーを乱す原因となります。

また、ストレスホルモンであるコルチゾールの増加にもつながり、むくみや肌荒れを引き起こします。

毎日6〜8時間程度の質の良い睡眠を確保するよう心がけましょう。

正しい姿勢を意識する

デスクワーク中や歩行時など、常に正しい姿勢を意識することが大切です。背筋を伸ばして顎を軽く引くと、首や肩への負担が軽減され、顔のたるみ予防につながります。

特にPCやスマートフォンを使用する際は、画面が目線の高さに来るように調整する工夫が必要です。

生活習慣改善のポイント

項目改善のポイントフェイスラインへの好影響
食事減塩、カリウム・タンパク質の摂取むくみ防止、肌の健康維持
睡眠6〜8時間の質の良い睡眠肌の修復促進、ストレス軽減
姿勢背筋を伸ばし、顎を軽く引くたるみ予防、血行促進

セルフケアの限界と美容医療という選択肢

セルフケアは予防や現状維持には有効ですが、すでに進行してしまったたるみや、骨格に起因する問題を根本的に解決するのは難しい場合があります。

そのような時には、美容医療が有効な選択肢となります。

セルフケアで改善が難しいケース

加齢によって深く刻まれたほうれい線やマリオネットライン、大幅な体重減少後に残った皮膚のたるみなどは、化粧品やマッサージだけで元に戻すのは困難です。

また、生まれつきの骨格や、過度に発達した咬筋によるエラ張りも、セルフケアでの改善には限界があります。

美容医療だからこそ可能なアプローチ

美容医療では医師の診断のもと、肌の深層部や脂肪層、筋肉に直接働きかけられます。

たるみを引き上げる、不要な脂肪を減らす、筋肉の働きを調整するなど、原因に対してより直接的で効果を実感しやすい治療法を選択できます。

治療を検討するタイミング

「セルフケアを続けても効果を感じられない」「イベントまでに確実にフェイスラインを整えたい」「コンプレックスを根本的に解消したい」と感じたときが、美容医療を検討する一つのタイミングです。

まずは専門のクリニックでカウンセリングを受け、ご自身の状態や希望に合った治療法について相談してみることをおすすめします。

セルフケアと美容医療の比較

比較項目セルフケア美容医療
効果の現れ方緩やか、予防が中心比較的早く、改善が目的
アプローチ範囲皮膚の表面が中心皮膚深層、脂肪、筋肉、骨格
持続性継続が必要治療法により数ヶ月〜数年

美容クリニックで受けられるフェイスライン治療

美容クリニックではお悩みの原因やご希望に応じて、様々な治療法を提案します。ここでは代表的な治療法をいくつか紹介します。

HIFU(ハイフ)などの照射治療

高密度焦点式超音波(HIFU)は、皮膚の土台となるSMAS筋膜に熱エネルギーを加えて引き締める治療法です。

メスを使わずにリフトアップ効果を得られるため、ダウンタイムが気になる方にも人気があります。たるみが主な原因の方に適しています。

糸リフト(スレッドリフト)

医療用の溶ける糸を皮下に挿入し、たるんだ皮膚を物理的に引き上げる治療です。

引き上げ効果がすぐに実感でき、コラーゲン生成を促す効果も期待できます。中度から重度のたるみにお悩みの方に有効な選択肢です。

脂肪溶解注射・脂肪吸引

顎下やフェイスラインの余分な脂肪が原因の場合、脂肪溶解注射で脂肪細胞を減らしたり、脂肪吸引で直接脂肪を取り除いたりする方法があります。

二重顎の解消や、すっきりとした輪郭形成に効果を発揮します。

ボツリヌストキシン注射

エラ張りの原因となる咬筋の過剰な働きを、ボツリヌストキシン注射で抑制する治療です。

発達した筋肉が弛緩するため、フェイスラインがすっきりとシャープになります。食いしばりや歯ぎしりの癖がある方にも効果的です。

代表的な美容治療法の特徴

治療法主な対象特徴
HIFU(ハイフ)軽度〜中度のたるみメスを使わない、ダウンタイムが少ない
糸リフト中度〜重度のたるみ即時的なリフトアップ効果
脂肪溶解注射部分的な脂肪脂肪細胞を減らす、ダウンタイムが短い

顎のラインに関するよくある質問

自分の顎のラインがないことに悩み始めると「他の人はどうなんだろう?」と、人に会っても顎に目が行きがちになる方もいるでしょう。

骨格や顔の形は人それぞれですが、フェイスラインにコンプレックスをお持ちの方も少なくありません。

コンプレックスは生活の質にも影響を与えてしまいますので、シャープな印象を手に入れたい、顎ラインのもたつきを解消したい、とお考えの方はいちどクリニックの無料カウンセリングに足を運んでみましょう。

マッサージはやりすぎると逆効果になりますか?

その可能性があります。強い力で肌をこすると、摩擦によって色素沈着やシワ、たるみを引き起こす場合があります。

マッサージを行う際は必ずクリームやオイルを使い、優しく滑らせるように行いましょう。リンパを流す程度の優しい圧で十分です。

治療の効果はどのくらい持続しますか?

治療法によって大きく異なります。HIFUは半年から1年、糸リフトは1年から2年程度が持続期間の目安です。

脂肪溶解注射や脂肪吸引は半永久的な効果が期待できますが、体重が増加すると再び脂肪がつく可能性があります。ボツリヌストキシン注射は3ヶ月から半年程度です。

効果を維持するためには、定期的なメンテナンスや生活習慣の改善が重要です。

治療中の痛みやダウンタイムはありますか?

治療法によって異なります。HIFUはチクチクとした熱感を感じる場合がありますが、麻酔なしで受けられる方がほとんどです。

糸リフトや脂肪吸引は麻酔を使用しますが、術後に腫れや内出血が出るケースがあります。脂肪溶解注射やボツリヌストキシン注射は、注射時の痛みと、数日間の軽い腫れや内出血が見られる場合があります。

多くの治療は、日常生活に大きな支障をきたさない範囲です。

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この記事を書いた人

Dr.寺井美佐栄のアバター Dr.寺井美佐栄 ミサクリニック 六本木本院 院長

日本抗加齢医学会認定専門医。日本美容皮膚科学会、日本レーザー医学会、日本産業衛生学会専門医。
複数の大手美容皮膚科で10年以上の院長経験を経て、2022年9月にMiSA Clinic(ミサクリニック)を開業。YouTube等でも発信してきた、メスを使わずに”ナチュラルなキレイ”を引き出す技術には定評があり、ありがたいことに「SNSを見ました!」という方や、紹介・口コミ経由でたくさんのご相談を頂いてきました。皆様と共に、MiSA Clinicスタッフ一同、共に年を重ね、末永くお付き合いできる関係を目指して参ります。

資格
アラガン社ボトックスビスタ認定医
アラガン社ヒアルロン酸注入認定医

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