脂肪吸引後の「拘縮(硬さ)」と「たるみ」|顎下の術後ケアとインディバ

脂肪吸引後の「拘縮(硬さ)」と「たるみ」|顎下の術後ケアとインディバ

顎下の脂肪吸引のあとに出てくる硬さは「拘縮」と呼ばれ、多くの方が一度は通る回復の途中経過です。異常ではなく、傷んだ組織が修復に向かうなかで起こる自然な反応といえます。

たるみが気になるのも、減った脂肪のぶん皮膚の縮みが追いつくまでの一時的な状態であることが少なくありません。焦りやすい時期ですが、経過にはちゃんと目安があります。

この記事では、拘縮とたるみがやわらぐまでの時期、自宅でできる術後ケア、そして温熱ケアであるインディバとの関わり方まで、順を追ってお伝えします。

読み終えるころには、いまの硬さやたるみとどう付き合えばいいかが見えてくるはずです。

目次

顎下の脂肪吸引後に起こる拘縮はなぜ硬くなるのか

顎下の脂肪吸引後に感じる硬さの中身は、傷んだ組織を体が修復するときにできる一時的な線維のかたまりです。手術から2〜4週ごろに最も強く感じる方が多く、時間とともに必ず変化していきます。

脂肪を吸引したあと組織は縮みながら治っていきます

脂肪を取り除いた直後の皮下には、細い管を通したことによる小さな空間と、軽い炎症が残ります。体はこの傷を埋めようとコラーゲンを作り、組織どうしを縮めながらくっつけていきます。

その修復の途中で、皮膚と筋肉のあいだをつなぐ線維(線維中隔)が一時的に厚く硬くなります。指で触れたときの硬さやつっぱり感の中身は、まさにこの変化です。

つまり硬さは「治りかけのサイン」でもあります。

拘縮の硬さは術後3〜4週ごろがピーク

拘縮の硬さは手術翌日からすぐ出るわけではなく、むくみが引いてくる2週目前後から目立ってきます。3〜4週ごろにピークを迎え、そこから少しずつやわらいでいくのが一般的な流れです。

表面がデコボコして見えたり、笑うと引きつれる感じが出たりするのも、この時期に多いものでしょう。多くは数か月かけて落ち着いていきます。

拘縮としこりは同じものか

硬さのなかでも、広い範囲が板のように硬くなるものを拘縮、部分的にコリッとした塊として触れるものをしこり(硬結)と呼び分けます。どちらも修復の過程で起こりますが、触れた感じや経過に違いがあります。

たるみは硬さとは逆に皮膚がゆるんで見える状態で、拘縮が強い時期は一時的にたるみが目立ちにくくなることもあります。

拘縮としこりとたるみの違い

状態触れた感じ出やすい時期
拘縮広く板のような硬さ・つっぱり術後2〜4週
しこり(硬結)部分的なコリッとした塊術後3週〜数か月
たるみ皮膚がゆるんで余る感じ硬さが引いた後

いずれも自己判断で強く揉んだりすると、かえって炎症を長引かせることがあります。気になる状態が続くときは、手術を受けたクリニックで一度みてもらうと安心でしょう。

硬さが出やすい人の傾向

吸引した脂肪の量が多いほど、また皮膚が薄く乾燥しやすい方ほど、拘縮を強く感じやすい傾向があります。年齢が上がって皮膚の弾力が落ちている場合も、硬さを実感しやすいでしょう。

もともと傷あとが硬くなりやすい体質の方も、少し注意したいところです。

顎下脂肪吸引後のたるみは皮膚の収縮が追いつかないと起こります

顎下の脂肪吸引後のたるみは、減った脂肪の量に皮膚の縮む力が追いつかないときに起こります。多くは一時的なもので、皮膚が引き締まるにつれて目立たなくなっていきます。

脂肪が減ると皮膚はどうなるか

皮膚には、面積が変わったときに元へ戻ろうとする縮む力があります。脂肪を吸引すると土台のボリュームが減るため、皮膚は新しい輪郭に合わせて少しずつ縮んでいきます。

この縮みは数か月単位でゆっくり進むので、術後しばらくは皮膚が余って見えることがあります。拘縮で硬くなっている時期は、よけいに引きつれてたるみのように感じる方もいるでしょう。

たるみが残りやすい年齢や肌質

皮膚の縮む力は年齢とともにゆるやかに落ちていきます。40代以降や、日焼けの蓄積・喫煙などで弾力が下がっている方は、たるみが残りやすい傾向があるといえます。

  • 皮膚の弾力が落ちはじめる年代の方
  • 吸引した脂肪の量が多かった場合
  • もともと皮膚が薄い・乾燥しやすい方
  • 日焼けや喫煙の習慣がある方

あてはまる項目があっても、必ずたるむわけではありません。術後ケアの続け方しだいで、仕上がりは変わってきます。

拘縮とたるみは表裏一体

拘縮とたるみは別々の悩みに見えて、実は同じ回復の流れのなかにあります。硬さが強い時期は皮膚が突っ張ってたるみが隠れ、硬さが引くと今度は余った皮膚が気になる、という順序をたどることが多いものです。

どちらも数か月の経過のなかで評価していくものだと考えておくと、焦らずにすみます。

自分でたるみを判断する前に確認したいこと

鏡を見て一喜一憂しやすい時期ですが、むくみが残っているうちは本当のたるみ具合は分かりません。最終的な皮膚の状態が見えてくるのは、おおむね術後3か月以降です。

それまでは毎日見比べるより、術後ケアを淡々と続けるほうが結果につながります。

拘縮とたるみが治まるまでのダウンタイムと回復期間の目安

顎下の脂肪吸引のダウンタイムは、多くの場合1週間ほどで日常に戻れます。ただし拘縮やたるみが本当に落ち着くまでは、3〜6か月ほどみておくと安心です。

時期主な状態ケアの中心
術後3日〜1週腫れ・内出血・痛み圧迫固定と安静
2〜4週拘縮の硬さが出はじめる保湿と無理のない生活
1〜3か月硬さがやわらぎたるみが見えてくる温熱ケアや経過観察
3〜6か月輪郭が安定し仕上がりへ気になる点を医師に相談

表のとおり、つらく感じる時期と仕上がりに近づく時期はずれています。今の状態だけで結果を判断しないことが、満足度を高めるコツでしょう。

内出血やむくみが引く時期

内出血の青あざは1〜2週間ほどで黄色く変わりながら消えていきます。むくみは数日でピークを越え、2〜3週かけて落ち着くのが一般的です。

この時期の腫れぼったさを、たるみと取り違えないようにしましょう。

硬さがやわらぐ時期

拘縮の硬さは3〜4週でピークを迎えたあと、1〜3か月かけてゆっくりやわらいでいきます。体を温めて巡りをよくすると、回復を後押ししやすくなります。

ただし強い力で揉むのは逆効果になりかねません。やさしく触れる程度にとどめましょう。

最終的な仕上がりが見えるまで

顎下の輪郭が最終的に安定するのは、おおむね術後3〜6か月です。むくみが完全に引き、皮膚の縮みと硬さの解消がそろって、はじめて本来のフェイスラインが現れます。

SNSなどで「1か月でこの仕上がり」といった情報を見ると不安になりがちですが、経過には個人差があります。自分の回復のペースを大切にしてください。

顎下脂肪吸引の術後ケアで自分でできること

術後の硬さやたるみが気になると、つい何かしたくなるものです。けれども顎下の術後ケアでまず大切なのは、特別なことよりも圧迫固定と安静をていねいに続けることだといえます。

圧迫固定(フェイスバンド)の続け方

多くのクリニックでは、術後しばらくフェイスバンドでの圧迫固定をすすめます。圧迫はむくみを抑え、皮膚を新しい輪郭になじませて、たるみの予防にも役立ちます。

装着期間や1日の時間はクリニックの指示によって異なります。自己判断で早くやめると仕上がりに差が出ることもあるため、指示された期間はしっかり続けましょう。

生活のなかで気をつけたいこと

回復を早めたいなら、体を冷やさず血流を保つ生活が向いています。睡眠をしっかりとり、塩分の取りすぎを控えると、むくみが長引きにくくなります。

飲酒や激しい運動、長時間の入浴は腫れをぶり返させることがあるので、最初の1〜2週間は控えめにするのがおすすめです。うつ伏せ寝で顔を圧迫しないことも意識したい点でしょう。

セルフマッサージはしてよいか

術後のセルフマッサージは、時期と力加減を誤ると拘縮を悪化させかねません。少なくとも傷や腫れが落ち着くまでは、自己流で強く揉むのは避けてください。

始める時期や方法は、必ず担当医に確認しましょう。許可が出てからやさしく行うぶんには、巡りを促して硬さの解消を助ける場合があります。

やってはいけないこと

良かれと思った行動が、かえって回復を遠回りにすることがあります。次のような行為は、術後しばらく避けたいものです。

  • 硬い部分を強く揉む・押す
  • 自己判断での圧迫固定の中止
  • 飲酒や激しい運動の早すぎる再開
  • 長時間の熱い入浴やサウナ
  • 気になる症状の放置

どれも「早く治したい」気持ちから起こりやすいので、意識して避けましょう。

拘縮とたるみのケアにインディバがどう関わるのか

インディバは拘縮そのものを消す特別な治療、と思われがちですが、そうではありません。体の深部を温めて巡りをよくし、硬さやむくみが回復しやすい状態を整える温熱ケアです。

インディバとはどんなものか

インディバは、高周波(ラジオ波)の一種を使って体の内側からじんわり温める機器です。皮膚の表面だけでなく、深い層まで熱が届きやすいのが特徴といえます。

もともとは整形外科やスポーツの分野で、痛みやこわばりのケアに使われてきました。美容領域では、術後の回復を支える目的で取り入れられています。

温めて血流を促す働き

体の組織は温まると血管が広がり、血液やリンパの流れがよくなります。流れがよくなると、むくみのもとになる余分な水分や老廃物が運び出されやすくなると考えられています。

高周波による温熱が巡りを助ける働きは、医療や運動の分野でも調べられてきました。こわばった術後の組織にとって、温めることは回復しやすい環境づくりにつながります。

拘縮の硬さへのアプローチ

硬くなった組織は血流が滞りがちです。温めて巡りを促すことで、線維がやわらかくなりやすく、つっぱり感が軽くなったと感じる方もいます。

たるみについても、巡りが整うことで皮膚の回復を下支えする可能性があります。ただし皮膚を物理的に引き上げる治療ではない点は、知っておきたいところです。

効果には個人差がある

インディバはあくまで回復を支える補助的なケアであり、受ければ必ず硬さが取れると約束できるものではありません。感じ方や変化には個人差があります。

手術の状態や肌質によって向き不向きもあります。受ける前に、担当医やクリニックと目的をすり合わせておくと、過度な期待による満足度の低下を防げます。

顎下の術後ケアの選択肢と特徴

ケア主な働き位置づけ
圧迫固定むくみ抑制・輪郭の安定基本のケア
セルフケア(保湿・生活)回復しやすい環境づくり日常の土台
インディバ(温熱)巡りの促進・こわばりの緩和回復を支える補助

表のように、インディバは基本のケアを置き換えるものではなく、組み合わせて使うものです。土台となる圧迫固定や生活の見直しがあってこそ、温熱ケアも活きてきます。

インディバを受ける時期と回数、気をつけたいこと

傷の腫れが落ち着いていれば、インディバは術後2週間ごろから取り入れられることが多いといえます。ただし開始時期は手術の状態によって変わるため、必ず担当医の確認をとりましょう。

いつから受けられるか

一般的には、内出血や強い腫れが引いてくる術後2週間前後から始めるケースが多く見られます。早すぎると炎症を刺激してしまうことがあるため、自己判断は禁物です。

開始の目安はクリニックの方針によっても異なります。

インディバを受ける時期の目安

時期受けられるかねらい
術後〜2週基本は控えるまず安静と圧迫固定
2週〜1か月医師の許可があれば開始むくみと硬さの予防
1〜3か月継続して受けやすい拘縮の緩和を後押し

表は一般的な目安で、実際の開始時期は診察のうえで決まります。回数も状態に合わせて調整されるものです。

どのくらいの間隔と回数か

回数や間隔に決まった正解はなく、状態を見ながら週1回程度から始め、経過に応じて間隔をあけていくことが多いようです。硬さが強い時期は少し詰めて、落ち着いたらあけていく形が一般的でしょう。

通う負担と効果の感じ方を見ながら、クリニックと相談して決めていきます。

受けられない人もいる

体内に金属やペースメーカーが入っている方、妊娠中の方などは、インディバを受けられない場合があります。持病がある方も、事前に申し出ることが大切です。

  • ペースメーカーなど体内電子機器のある方
  • 妊娠中の方
  • 体内に金属が入っている部位
  • 強い炎症や感染がある時期

あてはまる場合は、必ず施術前にクリニックへ伝えてください。

クリニック選びで確認したいこと

術後ケアにインディバを取り入れるなら、手術を担当した医師と連携がとれるクリニックだと安心です。経過を共有しながら進められると、トラブルにも早く気づけます。

料金や回数の目安、開始時期の考え方を事前に説明してくれるかどうかも、選ぶときの判断材料になります。納得できるまで質問することをおすすめします。

顎下の拘縮やたるみが長引くときに相談したい受診の目安

拘縮やたるみの多くは半年以内に落ち着きますが、なかには長引くものもあります。硬さやしこり、左右差が3〜6か月たっても気になるときは、一度受診して相談するのが安心です。

硬さやしこりが残るとき

3か月を過ぎても硬さやしこりがはっきり残る場合は、自己ケアだけで抱え込まないほうがよいでしょう。線維が厚く固まってしまう前に相談すると、対応の幅が広がります。

痛みや赤みをともなうしこりは、炎症や別の原因が隠れていることもあります。早めに医師の目で確かめてもらいましょう。

左右差や凸凹が気になるとき

顔の左右で硬さや膨らみに差がある、表面がデコボコして見える、といった変化が続くときも相談の対象です。むくみが残る時期は左右差が出やすいものですが、3か月以降も続くなら確かめておきたい点でしょう。

気になる部分は写真に残しておくと、経過の比較に役立ちます。

医療機関でできる対応

長引く拘縮やしこりには、医師が温熱ケアのほか、状態に応じた処置を組み合わせて考えていきます。どの方法が向くかは、硬さの程度や時期によって変わってきます。

まずは手術を担当した医師に相談するのが基本です。経過を一番よく知っているため、原因の見当をつけやすく、必要なら次の対応にもつなげやすくなります。

相談前に整理しておきたいこと

受診をスムーズにするには、いつから・どの部分が・どう気になるのかを整理しておくと役立ちます。手術日や受けたケアの記録があれば、なお話が早く進みます。

受診前に整理しておきたい情報

項目メモする内容役立つ理由
時期いつから気になるか経過の判断材料になる
部位どこが硬い・たるむか原因の見当をつけやすい
ケア歴続けたケアと頻度次の対応を決めやすい

こうした準備が、限られた診察の時間を有効に使うことにつながります。

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よくある質問

顎下の脂肪吸引後の拘縮は、いつごろ治まりますか?

顎下の脂肪吸引後の拘縮は、術後3〜4週ごろに硬さがピークを迎え、そこから1〜3か月かけてゆっくりやわらいでいくのが一般的です。多くの方は半年ほどで気にならなくなります。

ただし吸引量や肌質によって経過には差があります。3か月を過ぎても強い硬さが残るときは、担当医に相談してください。

顎下脂肪吸引のたるみは、自然に改善しますか?

顎下脂肪吸引後のたるみの多くは、皮膚が新しい輪郭に合わせて縮むにつれて、数か月かけて目立たなくなっていきます。圧迫固定をていねいに続けることが、改善を後押しします。

一方で、年齢や皮膚の弾力によっては余りが残ることもあります。最終的な状態は術後3か月以降に見えてくるので、それまでは焦らず経過をみましょう。

インディバは、顎下の脂肪吸引後のいつから受けられますか?

インディバは、内出血や強い腫れが引いてくる術後2週間ごろから取り入れるケースが多く見られます。早すぎると炎症を刺激することがあるため、自己判断は避けましょう。

開始の時期や回数は、手術の状態やクリニックの方針によって変わります。受ける前に必ず担当医の確認をとってください。

顎下の脂肪吸引後の硬さに、自分でできるケアはありますか?

顎下の脂肪吸引後の硬さには、圧迫固定を続けること、体を冷やさず巡りを保つ生活を心がけることが土台になります。睡眠と塩分の調整も、むくみ対策として役立ちます。

セルフマッサージは時期や力加減を誤ると逆効果になりかねません。始める前に必ず担当医へ確認し、許可が出てからやさしく行いましょう。

顎下の脂肪吸引後の拘縮が長引くときは、どうすればよいですか?

顎下の脂肪吸引後の拘縮が3か月以上はっきり残るときや、痛み・左右差をともなうときは、自己ケアで抱え込まず受診をおすすめします。早めの相談ほど、対応の幅が広がります。

まずは手術を担当した医師に相談するのが基本です。経過を一番よく知っているので、原因の見当をつけやすく、次のケアにもつなげやすくなります。

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この記事を書いた人

Dr.寺井美佐栄のアバター Dr.寺井美佐栄 ミサクリニック 六本木本院 院長

日本抗加齢医学会認定専門医。日本美容皮膚科学会、日本レーザー医学会、日本産業衛生学会専門医。
複数の大手美容皮膚科で10年以上の院長経験を経て、2022年9月にMiSA Clinic(ミサクリニック)を開業。YouTube等でも発信してきた、メスを使わずに”ナチュラルなキレイ”を引き出す技術には定評があり、ありがたいことに「SNSを見ました!」という方や、紹介・口コミ経由でたくさんのご相談を頂いてきました。皆様と共に、MiSA Clinicスタッフ一同、共に年を重ね、末永くお付き合いできる関係を目指して参ります。

資格
アラガン社ボトックスビスタ認定医
アラガン社ヒアルロン酸注入認定医

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