口元のたるみ整形の種類と費用|効果・ダウンタイム・名医選びまで

口元のたるみ整形の種類と費用|効果・ダウンタイム・名医選びまで

口元のたるみは、加齢に伴う皮膚の弾力低下や筋肉の衰え、骨格の変化が複雑に絡み合って生じます。

一度たるんでしまった組織をセルフケアだけで元の位置に戻すのは極めて困難であるため、美容医療の力を借りることが賢明な選択となります。

本記事では、手軽な注入治療から根本的な改善を目指す外科的手術まで、多岐にわたる整形の種類とその費用相場をまとめます。

また、それぞれの治療法が持つメリットだけでなく、ダウンタイムやリスクについても公平な視点で解説します。

目次

口元のたるみを引き起こす解剖学的な要因と構造変化

口元のたるみは単なる皮膚の伸びだけではなく、骨格や筋肉、皮下脂肪や皮膚という4つの層すべての老化現象が複合的に作用して発生します。

原因を正しく理解すると、ご自身に必要な取り組みが見えてきます。

支持靭帯のゆるみと脂肪の下垂

顔にはリガメントと呼ばれる支持靭帯が存在し、これが皮膚や脂肪を骨につなぎとめる役割を果たしています。

しかし、年齢を重ねるとともにこの支持靭帯がゆるみ、支えきれなくなった脂肪パッドが重力に従って下へと移動します。

特に頬の脂肪(メーラーファット)が下がるとほうれい線が深くなり、口角横の脂肪(ジョールファット)が下がるとマリオネットラインが形成されます。

この脂肪の移動こそが、口元がもたついた印象を与える大きな要因です。

骨萎縮による土台の縮小

加齢変化として見落とされがちなのが、頭蓋骨の骨密度低下による骨の萎縮です。顔の骨も体と同様に加齢によって縮みます。

特に下顎の骨や眼窩周辺の骨が吸収されて小さくなると、それまでピンと張っていた皮膚や筋肉が余ってしまいます。

テントのポールが短くなれば布がたるむのと同様に、土台である骨が小さくなると表面の皮膚が余剰となり、結果として口元にシワやたるみとして現れます。

口元のたるみの原因

  • 支持靭帯(リガメント)の強度低下による保持力の喪失
  • 顔面骨(特に下顎骨)の萎縮による皮膚の余剰
  • コラーゲン減少に伴う皮膚そのものの弾力性欠如
  • 皮下脂肪(メーラーファット・ジョールファット)の下垂

表情筋の衰えと皮膚弾力の低下

皮膚の奥にある真皮層では、コラーゲンやエラスチンといった弾力線維が網目状に張り巡らされ、肌のハリを保っています。

紫外線ダメージや加齢によりこれらの線維が断裂・減少すると、皮膚そのものがゴムの伸びた風船のように弾力を失います。

さらに、口周りを動かす口輪筋などの表情筋が衰えると、皮膚を支える力が弱まります。

一方で、首の筋肉(広頚筋)が過剰に緊張して顔の皮膚を下へ引っ張るケースもあり、筋肉のバランスの崩れもたるみを助長します。

ヒアルロン酸やボトックスなどの注入治療の特徴と費用

メスを使わず、ダウンタイムを極力抑えたい方にとって、注射だけで完了する注入治療は非常に魅力的な選択肢です。

即効性を求める場合や、初期のたるみケアとして広く利用されています。

ヒアルロン酸注入によるボリューム補正

ヒアルロン酸注入は、物理的に凹みを埋めたり、靭帯の根元に注入してリフトアップ効果を狙ったりする治療法です。

ほうれい線やマリオネットラインの溝そのものを持ち上げるように注入すると、影を消し去ります。

また、近年では「リフトアップポイント」と呼ばれる特定の部位に硬めのヒアルロン酸を注入し、皮膚をテントのように張り直す手法も主流です。

施術直後から変化を実感しやすく、気に入らなければ溶解酵素で元に戻せるという安心感もあります。

ボトックス注射による筋肉コントロール

ボトックス(ボツリヌストキシ)は、筋肉の動きを一時的に抑制する作用があります。

口元のたるみ治療においては、口角を下へ引っ張る「口角下制筋」や、首の「広頚筋」に注射して、下へ引っ張る力を弱めます。

その結果、相対的に顔を上へ引き上げる筋肉(大頬骨筋など)が優位になり、口角が上がりやすくなったり、フェイスラインがすっきりしたりするリフトアップ効果が期待できます。

治療の種類期待できる主な効果費用相場(1回あたり)
ヒアルロン酸注入シワの溝を埋める・皮膚を持ち上げる5万〜15万円
ボトックス注射下方向への筋肉の引きを弱める2万〜5万円
脂肪溶解注射余分な脂肪を減らし重みを解消する1万〜5万円(本数による)

脂肪溶解注射による重量の軽減

口横のポニョっとした脂肪(ジョールファット)がたるみの主原因である場合、その脂肪自体を減らす脂肪溶解注射が有効です。

デオキシコール酸などを主成分とする薬剤を脂肪層に注入し、脂肪細胞を破壊・排出させます。脂肪の重みが減ると、皮膚が下がるのを防げます。

ただし、一度の施術で劇的な変化が出るわけではなく、複数回の施術を重ねると徐々に効果が現れるのが一般的です。

HIFU(ハイフ)や高周波など照射系マシンの効果

皮膚表面を傷つけずに、熱エネルギーを用いて内部から引き締める照射系治療は、自然な若返りを望む方に適しています。

定期的なメンテナンスとして取り入れると、老化の進行を緩やかにする予防効果も期待できます。主なマシンのターゲットと効果の違いを確認しましょう。

HIFU(高密度焦点式超音波)による筋膜タイトニング

HIFUは、虫眼鏡で光を集めるように超音波を一点に集中させ、皮下組織の深部にあるSMAS筋膜(表在性筋膜)に熱ダメージを与える治療です。

熱によって筋膜がギュッと縮まるこの熱収縮作用が、土台からのリフトアップを導きます。

さらに創傷治癒機能が働き、コラーゲンの生成が促進されるため、施術後1〜2ヶ月かけて徐々に引き締まり効果が増していきます。

メスを使わずに筋膜層まで働きかけられる唯一のマシン治療として人気を博しています。

高周波(RF)による真皮層の引き締め

高周波(RF)治療は、真皮層や脂肪層に熱を広範囲に加え、組織を引き締める治療法です。サーマクールなどが代表的です。

HIFUが筋膜という「点や線」で引き上げるのに対し、高周波は脂肪層全体を「面」で焼き縮めるイメージです。この作用によって、たるんだ皮膚と皮下脂肪が密着し、フェイスラインのもたつきが解消されます。

また、真皮層のコラーゲン増生により、肌のハリや弾力アップも同時に叶います。

マシン治療の種類作用する深さとターゲット効果の持続目安
HIFU(ハイフ)4.5mm(SMAS筋膜)で土台強化半年〜1年
高周波(RF)2.5〜3.0mm(脂肪層・真皮)で引き締め半年〜1年
近赤外線浅い真皮層で即時的なタイトニング数週間〜1ヶ月

糸リフト(スレッドリフト)による物理的な引き上げ

糸リフトは、トゲ(コグ)のついた特殊な糸を皮下に挿入し、組織を物理的にフックして持ち上げる治療です。

マシン治療よりも直接的な変化を出しやすく、切開手術ほどのリスクがない、中間的な位置づけの治療法として注目されています。

溶ける糸と溶けない糸の選択

現在主流となっているのは、体内で分解吸収される「溶ける糸」です。PDO(ポリジオキサノン)やPCL(ポリカプロラクトン)といった医療用素材が使われます。

糸が吸収される過程で周囲にコラーゲンのトンネルが形成されるため、糸がなくなった後も一定のハリが残ります。

一方、「溶けない糸」はシリコンやポリエステルなどでできており、長期間のリフト力を維持できますが、感染のリスクや将来的な皮膚のひきつれ、異物が体内に残る精神的な不安から選択するケースは減少傾向にあります。

糸の素材体内での持続期間柔軟性と強度
PDO(ポリジオキサノン)6ヶ月〜1年一般的で摩擦力が高い
PCL(ポリカプロラクトン)2年〜3年しなやかで持続性が長い
PLA/PLLA(ポリ乳酸)1年半〜2年硬めで牽引力が強い

コグの形状と挿入法によるデザイン性

糸についているトゲ(コグ)の形状は、カッティングタイプやモールディング(成型)タイプなど様々です。

モールディングタイプはトゲが太く丈夫で、組織をがっちりと掴む力が強いため、重度のたるみにも対抗しやすい特徴があります。

また、糸を入れる方向や本数を調整すると、フェイスラインをシャープにしたり、ほうれい線を集中的に薄くしたりと、患者さんの骨格に合わせたオーダーメイドなデザインが可能です。

切開リフトなど外科的手術による根本的な改善

余った皮膚そのものを切り取り、たるみの原因を根本から除去するのが外科的手術です。

他の治療法では太刀打ちできない重度のたるみに対し、最も確実で大きな変化をもたらします。一度の手術で10歳程度の若返りを目指すことも可能です。

フェイスリフト(切開リフト)の術式

フェイスリフトは、こめかみから耳の前、耳の後ろにかけて皮膚を切開し、皮膚とその下のSMAS筋膜を引き上げて縫合する手術です。

単に皮膚だけを引っ張るのではなく、たるみの元凶であるSMAS筋膜を剥離・移動させて固定することで、後戻りの少ない自然な仕上がりを実現します。

口元のたるみだけでなく、首元のシワやフェイスラインの崩れを一挙に解決できる強力な手段です。

皮膚切除(ミニリフト)との違い

SMAS筋膜の処理を行わず、余った皮膚だけを切り取って縫い縮める手術を皮膚切除やミニリフトと呼ぶ場合があります。

手術時間が短く腫れも比較的少ないですが、土台となる筋膜がたるんだままなので、傷跡に強いテンションがかかり傷跡が広がりやすかったり、耳たぶが伸びてしまったりするリスクがあります。

また、リフトアップ効果の持続期間もSMAS法に比べて短くなります。

術式アプローチする層費用相場
フルフェイスリフトSMAS筋膜+リガメント処理100万〜250万円
ミニリフト(SMAS法)SMAS筋膜(剥離範囲小)60万〜120万円
皮膚切除のみ皮膚のみ30万〜60万円

ダウンタイムの期間と発生しうるリスク

美容医療を受ける上で避けて通れないのが、術後の回復期間であるダウンタイムと合併症のリスクです。

生活や仕事への影響を事前に把握し、スケジュールを調整すると安心して施術に臨めるでしょう。

腫れや内出血の経過

どの治療法でも、程度の差こそあれ炎症反応は起こります。

注入治療や糸リフトの場合、針を刺した箇所の内出血が黄色く変化して消えるまで1〜2週間程度かかります。

切開リフトの場合は、術後2〜3日目をピークに強い腫れが現れ、抜糸を行う1週間後あたりから徐々に落ち着きます。

完全にむくみが取れて完成形になるまでには、3ヶ月から半年ほどの期間を要すると理解しましょう。施術ごとの目安は表の通りです。

施術方法大きな腫れのピークメイク・洗顔の可否
注入治療当日〜翌日直後から可(針穴避ける)
糸リフト2〜3日翌日から可(髪の生え際注意)
切開リフト3〜5日抜糸後(約1週間後)から全顔可

神経損傷やひきつれのリスク

特に深い層を操作する糸リフトや切開リフトでは、顔面神経への影響を考慮します。稀ではありますが、神経に触れると一時的な痺れや表情の動かしにくさが生じるケースがあります。

また、引き上げの力が強すぎると、皮膚に不自然な凹凸(ディンプル)ができたり、ひきつれた表情になったりする可能性があります。

これらは時間の経過とともに改善する方が多いですが、技術力の高い医師を選ぶとリスクを最小限に抑えられます。

後悔しないための名医選びのポイント

口元のたるみ整形を成功させる最大の鍵は、信頼できる医師との出会いです。

広告の安さや知名度だけで選ぶのではなく、技術力と誠実さを見極める確かな目を持ちましょう。

  • 医師が形成外科専門医やJSAPS専門医の資格を有しているか
  • カウンセリング時間を十分に確保し、医師が直接診察するか
  • 料金体系が明確で、不透明な追加費用が発生しないか
  • 術後の検診やトラブル時のアフターケア体制が整っているか

形成外科専門医の有無と経歴

美容外科のベースにあるのは形成外科の技術です。解剖学を熟知し、組織を丁寧に扱う技術を持っているかどうかを判断する一つの基準として「日本形成外科学会専門医」の資格があります。

また、JSAPS(日本美容外科学会)などの専門医資格も、一定の研修と実績を積んだ証です。

医師の経歴を確認し、どの分野を得意としているか、学会発表などを精力的に行っているかをチェックしましょう。

カウンセリングでの提案力とリスク説明

良い医師は、患者さんが希望する施術であっても、適応がなければはっきりと「効果が薄い」「やらない方がいい」と伝えます。メリットばかりを強調し、契約を急かすような対応には注意が必要です。

ダウンタイムや万が一の合併症について、包み隠さず丁寧に説明してくれるかどうかが信頼のバロメーターです。

そして、ご自身の顔のバランスを見て、予算内で最も効果的な複合治療を提案できるかどうかも、医師のセンスを測る指標となります。

Q&A

口元のたるみ整形には、注入治療や照射系マシン、糸リフトや切開リフトなど様々な方法があります。

どの治療が適しているかは、たるみの程度やダウンタイムの許容範囲などによって異なりますので、まずはクリニックに相談してみると良いでしょう。

他の施術と同時に受けることはできますか?

多くの施術において同時進行が可能です。例えば、HIFUで土台を引き締めつつ、ヒアルロン酸でボリュームを足すといった組み合わせは相乗効果を実感しやすく、一般的に行われています。

また、糸リフトと同時に脂肪吸引を行うと、フェイスラインをより鮮明に出せる場合もあります。

ただし、施術部位が重なる場合や、ダウンタイムの兼ね合いで間隔を空けた方が良いケースもありますので、診察時に医師へ希望を伝えて安全なスケジュールを組みましょう。

一度治療を受けたらずっと維持できますか?

残念ながら、老化を完全に止めることはできないため、どの治療法も永久的な効果を保証するものではありません。

切開リフトであっても、手術直後の状態が永遠に続くわけではなく、そこからまたゆっくりと加齢変化が進みます。

しかし、何もしない状態に比べれば、5年後、10年後のたるみの程度は軽くなります。定期的なメンテナンスや、数年おきの追加治療を行うと、若々しい状態を長くキープできます。

痛みが心配ですが対策はありますか?

美容医療では痛みを最小限にするための麻酔が充実しています。注入治療では麻酔入りの薬剤や極細の針を使用し、冷やしながら行って痛みを緩和します。

糸リフトや切開手術では局所麻酔に加えて、眠っている間に終わる静脈麻酔や、リラックス効果のある笑気麻酔を併用するのが一般的です。

痛みに敏感な方は、事前のカウンセリングで麻酔の種類や量について相談すると恐怖心を和らげられます。

何歳からたるみ治療を始めるべきですか?

治療を開始するのに「早すぎる」「遅すぎる」ということはありません。

20代後半から30代で予防的にHIFUや少量のヒアルロン酸を始める方もいれば、60代や70代で切開リフトを決断される方もいます。

たるみが深くなってからでは治療の難易度が上がり、費用も高額になる傾向があるため、気になり始めたタイミングが治療の適期と言えます。

早めに対処すると、皮膚への負担が少ない軽微な治療で済むという利点があります。

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この記事を書いた人

Dr.寺井美佐栄のアバター Dr.寺井美佐栄 ミサクリニック 六本木本院 院長

日本抗加齢医学会認定専門医。日本美容皮膚科学会、日本レーザー医学会、日本産業衛生学会専門医。
複数の大手美容皮膚科で10年以上の院長経験を経て、2022年9月にMiSA Clinic(ミサクリニック)を開業。YouTube等でも発信してきた、メスを使わずに”ナチュラルなキレイ”を引き出す技術には定評があり、ありがたいことに「SNSを見ました!」という方や、紹介・口コミ経由でたくさんのご相談を頂いてきました。皆様と共に、MiSA Clinicスタッフ一同、共に年を重ね、末永くお付き合いできる関係を目指して参ります。

資格
アラガン社ボトックスビスタ認定医
アラガン社ヒアルロン酸注入認定医

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