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治療部位首のたるみ

首元の印象は見た目年齢を大きく左右します。加齢や姿勢の乱れによって生じる首のたるみやシワは、皮膚の弾力低下だけでなく筋肉の緩みが深く関係しています。

こうした変化を改善するには、原因を正しく特定することが重要です。

本記事では、頑固な縦ジワ(ターキーネック)の原因となる広頸筋のケアや、ボトックス注射、切開によるネックリフトなど、美容医療による具体的な解消法を網羅しました。

専門的な知識を得ると、若々しく滑らかな首ラインを取り戻す道筋が見えてきます。皮膚の状態や生活習慣に合わせた対策を確認し、首元の悩みから解放される一歩を踏み出しましょう。

首のたるみやシワが生じるメカニズムと種類

首のシワやたるみは、皮膚の老化、広頸筋の衰え、そして毎日の生活習慣が複雑に絡み合って発生します。

根本的な改善を目指すには、まず自身の症状がどのタイプに該当するのかを正確に見極める必要があります。

加齢に伴う真皮の変性と広頸筋の緩み

年齢を重ねると真皮層のコラーゲンやエラスチンが減少し、肌の土台が弱まります。

その結果、重力の影響を強く受けるようになり、首全体の皮膚が下方向へと垂れ下がって、たるみが生じるようになります。

さらに首の広範囲を覆う薄い筋肉「広頸筋(こうけいきん)」の衰えも無視できません。筋肉が緩むと皮膚との密着が失われ、フェイスラインとの境界線が曖昧になるなど、首全体の形状に大きな変化をもたらします。

光老化とスマホ首が招く構造的な変化

紫外線によるダメージは、皮膚の弾力繊維を破壊し、乾燥を加速させます。

首は顔に比べてケアが疎かになりやすく、長年の光老化の蓄積が細かな「ちりめんジワ」や、深い横溝を作る要因となります。

また、現代特有の要因として「スマホ首」が挙げられます。長時間うつむく姿勢を続けると、首の前面に強い圧力が加わります。この状態が形状記憶されると、若年層であっても深い横ジワが定着してしまいます。

症状別の原因と肌の状態

症状の名称主な原因要因目立つ状態
乾燥ジワ保湿不足・紫外線表面に細かく現れる
横シワうつむき姿勢・枕首を一周するような線
広頸筋バンド筋肉の異常緊張縦に浮き出る強いスジ

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皮膚の余りを取り除く首の切開リフト手術

大幅に余ってしまった皮膚を物理的に除去する切開リフトは、劇的な若返り効果を期待できる治療法です。

顎下から首にかけてのラインを根本から作り直すため、重度のたるみに悩む方に非常に重要となります。

広頸筋の再固定による強固な引き上げ効果

手術では耳の後ろから生え際にかけて切開を行い、皮膚だけでなくその下にある広頸筋をしっかりと引き上げます。緩んだ筋肉を元の位置で固定すると、シャープな顎ラインを長期間維持できます。

余分な皮膚を切り取るため、皮膚の「ダブつき」が完全に解消されるのが最大のメリットです。

一度の施術で大きな変化を得られるため、他の治療で満足できなかった方にとっても、頼もしい選択肢となるはずです。

ダウンタイムの経過と傷跡への配慮

切開を伴うため、術後1週間から2週間程度は腫れや内出血が生じます。

この期間は安静が必要ですが、抜糸を終える頃には目立つ症状は引いていきます。仕事や外出のスケジュール調整を事前に行うのが大切です。

傷跡については、耳の裏側や髪の生え際など、正面からは見えない位置に隠れるように設計します。時間の経過とともに赤みが引き、白い線へと変わっていくため、最終的にはほとんど周囲に気づかれなくなります。

切開リフトの主な特徴まとめ

  • 首から顎下にかけての皮膚の余りを直接除去できる。
  • 広頸筋を引き締めるため持続期間が5年から10年と長い。
  • 1回の手術で見た目の印象を劇的に変えることが可能。

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切らずに引き締めるレーザーや糸によるリフトアップ

メスを使わずに首元のハリを取り戻す方法は、日常生活への影響を最小限に抑えたい方に適しています。

医療機器による照射治療や、体内に吸収される糸を用いた施術が、現代の治療の主流となっています。

HIFUによる深層組織の熱収縮と再生

高密度焦点式超音波(HIFU)は、皮膚表面を傷つけずに深部の組織へ熱を届けます。この熱エネルギーによって緩んだ組織が瞬時に収縮し、施術直後から首全体の引き締まりを実感できる場合が多くあります。

施術後1ヶ月から3ヶ月にかけては、熱刺激を受けた組織が修復される過程でコラーゲンの生成が活発化します。

こうした反応が肌の内部からハリを蘇らせ、自然な若返り効果を数ヶ月にわたって持続させます。

糸リフトによる物理的な吊り上げと肌質改善

医療用のトゲ付きの糸を皮下に挿入する糸リフトは、首のたるみを物理的に引き上げる役割を担います。糸が皮下組織をしっかりとキャッチするため、フェイスラインから首にかけてのラインが整います。

また、挿入された糸の周囲では細胞が活性化され、美肌成分の産生が促されます。

たるみの改善と同時に肌の密度が高まるため、首全体の質感が滑らかになり、若々しい印象をより強調することが可能となります。

非侵襲的治療の比較データ

治療手法期待できる主な効果回復期間
医療用HIFU深部の引き締め・予防ほぼなし
糸リフト強力な吊り上げ・ハリ2日〜3日程度
高周波(RF)表面のシワ・毛穴改善なし

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縦ジワを解消するボトックスと横ジワへの注入整形

首特有の症状である「縦スジ」や「深い横溝」には、注入治療が極めて高い即効性を発揮します。

原因が筋肉の緊張にあるのか、皮膚の凹みにあるのかによって、使用する薬剤を適切に使い分ける必要があります。

ネフェルティティ・リフトによる縦スジの緩和

首に力を入れた際に浮き出る縦のスジは、広頸筋が過剰に発達し、皮膚を下方へ引っ張るために生じます。

この部位にボトックスを注入すると、筋肉の緊張が和らぎ、スジの目立たない平滑な首元へと変化します。

この手法は「ネフェルティティ・リフト」とも呼ばれ、首だけでなく顎下のラインもすっきりさせる効果があります。注入から数日で効果が現れ始めるため、イベントなどを控えた方にも非常に選ばれやすい治療です。

ヒアルロン酸による横ジワの溝埋めと保水効果

定着してしまった深い横ジワには、粒子が非常に細かいヒアルロン酸を直接溝に沿って注入します。内側から物理的にボリュームを補って深く刻まれた影を消失させ、滑らかな表面を取り戻すのが狙いです。

ヒアルロン酸には高い保水能力があるため、注入した部位の肌質がしっとりと潤う副次的なメリットも期待できます。

ボトックスと併用すると、縦横両方のシワを同時にケアし、首元全体の完成度を高めることが可能です。

注入治療が推奨される症状

  • 喋ったり笑ったりする時に首に縦のスジが浮き出る。
  • 加齢によって首の皮膚が薄くなり、筋張った印象が強まった。
  • 姿勢の癖などで決まった位置に深い横線が刻まれている。

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日常的な首のたるみ予防と生活習慣の改善

クリニックでの治療効果を長持ちさせ、新たなシワを作らないためには、日々のセルフケアが重要です。

首元の皮膚はデリケートであるため、正しい知識に基づいた丁寧な扱いが、将来の若々しさを左右します。

摩擦を避けた保湿と広範囲の紫外線対策

首の皮膚は薄いため、洗顔や着替えの際の摩擦がシワを誘発します。

保湿ケアを行う際は、顔と同じように優しく包み込むようにクリームを塗り広げてください。専用のネッククリームを使用するのも効果的です。

また、紫外線は季節を問わず首元に降り注いでいます。日焼け止めを首の前面だけでなく、横から後ろにかけても塗り忘れないようにしましょう。

こうした地道な習慣が、光老化による弾力低下を防ぐ鍵となります。

正しい姿勢の維持と広頸筋のストレッチ

スマートフォンを使用する際、無意識に顎を突き出し、背中を丸めている方も見受けられます。

この姿勢は広頸筋を収縮させ、シワを深く刻んでしまいます。画面を目の高さに上げ、背筋を伸ばす意識を持ちましょう。

さらに、一日の終わりに首をゆっくりと後ろに倒し、前面の筋肉を伸ばすストレッチを取り入れてみてください。

筋肉の緊張がリセットされて血行が促進されるため、老廃物の排出が促され、たるみの予防に繋がります。

今日から実践できるチェック項目

チェック項目改善のアクション期待されるメリット
枕の高さ低めのものに変更就寝中の横ジワ防止
スマホ姿勢視線を上に向ける首の圧迫ストレス緩和
UVケア季節を問わず塗る真皮コラーゲンの保護

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首のたるみが気になるあなたへ|原因と今日からできる簡単ケア方法

Q&A

首の縦スジが目立ちますが、ボトックスで治りますか?

首の縦スジは広頸筋の過度な収縮が原因であるケースが多いため、ボトックス注射は非常に有効な治療法です。

注入によって筋肉の緊張をリラックスさせると、数日から1週間程度で浮き出たスジが目立たなくなります。

効果の持続期間は個人差がありますが、一般的には4ヶ月から半年程度となります。定期的に繰り返すと筋肉の動きが落ち着き、シワが定着するのを防ぐ効果も期待できるため、継続的なケアをおすすめします。

ネックリフト手術の後はどのくらい仕事を休むべきですか?

切開を行うネックリフトの場合、術後の腫れや内出血が落ち着くまで1週間から10日前後のお休みを確保するのが理想的です。

デスクワークであれば1週間程度で復帰可能ですが、傷跡を隠すためにストールやハイネックの着用が必要となります。完全に内出血の色味が消えるには2週間ほどかかる場合があります。

激しい運動や飲酒などは、血行が良くなりすぎて腫れが長引く恐れがあるため、術後1週間は控えてください。医師の指示に従い、無理のないスケジュールを立てることが重要です。

糸リフトを首に行う際、痛みはありますか?

糸リフトの施術では局所麻酔を使用するため、挿入中に強い痛みを感じることはほとんどありません。

麻酔が切れた後に、首を動かした際の違和感や引き連れ感が生じる場合がありますが、数日から1週間程度で自然に消失していきます。

また、笑った時や大きく口を開けた時にチクっとした痛みを感じるときがありますが、糸が組織に馴染む過程で起こる一時的な現象です。

術後の痛みが心配な場合は、鎮痛剤の処方について事前に医師に相談しておくと安心です。

首のシワを自力で消すことは可能ですか?

乾燥による細かい小ジワであれば、徹底した保湿や紫外線対策、姿勢の改善によって目立たなくすることが可能です。

しかし、加齢による深い横ジワや筋肉の緩みからくるたるみを、自力で完全になくすのは現実的には難しい側面があります。

セルフケアはあくまで「現状維持」や「予防」に重点を置いたものであり、既に刻まれた深いシワを取り除くには、注入治療や機器を用いた専門的な方法が必要となります。

早期から正しいケアを始めつつ、必要に応じてプロの治療を検討するのが賢明です。

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