年齢とともに目立ちやすくなる首のたるみは、マフラーやハイネックで隠すことができても、鏡を見るたびに気落ちする方は少なくありません。
この記事では、首のたるみ取り整形を検討している方へ向けて、たるみの原因から、効果的な施術方法、それぞれの費用相場、そして事前に知っておくべきリスクやダウンタイムまで、美容皮膚科・美容整形クリニックの視点から詳しく解説します。
なぜ首のたるみは目立ってしまうのか?その原因
首は顔に比べて皮膚が薄く、皮脂腺も少ないため、乾燥しやすくデリケートな部位です。また、常に頭の重さを支え、紫外線の影響も受けやすいため、年齢サインが現れやすい特徴があります。
首のたるみは単一の原因ではなく、複数の要因が絡み合って発生します。
加齢によるコラーゲンとエラスチンの減少
肌のハリや弾力を支えているのは、真皮層に存在するコラーゲンやエラスチンといった成分です。しかし、これらは加齢とともに質が低下し、量も減少していきます。
肌の土台がゆるむと皮膚が重力に抗えなくなり、たるみとして現れます。特に皮膚の薄い首は、この影響を顕著に受けます。
紫外線の影響と光老化
紫外線のなかでもUV-A(紫外線A波)は、肌の奥深く真皮層まで到達します。
長年にわたり紫外線を浴び続けると、コラーゲンやエラスチンが変性・破壊されます。これが「光老化」と呼ばれる現象です。
顔には日焼け止めを塗っていても首は忘れがちという方も多く、無防備に浴びた紫外線が蓄積し、たるみを促進させます。
主な紫外線対策
- 日焼け止めの塗布(首の後ろも忘れずに)
- 日傘や帽子の使用
- UPF(紫外線保護指数)機能のある衣類
姿勢の悪さ(スマートフォン首)の影響
長時間スマートフォンを操作したり、デスクワークで猫背になったりする姿勢は、首のたるみに大きく関わります。
うつむいた姿勢を続けると首の前面にある「広頚筋(こうけいきん)」という薄い筋肉がゆるみ、皮膚が折りたたまれてシワが定着しやすくなります。
また、リンパの流れも滞り、むくみや脂肪の蓄積がたるみを助長する場合もあります。
たるみの主な原因とその影響
| 原因 | 主な影響 | 対策の方向性 |
|---|---|---|
| 加齢 | コラーゲン・エラスチンの減少(ハリ低下) | 美容医療による生成促進 |
| 紫外線(光老化) | コラーゲン・エラスチンの変性・破壊 | 日々の紫外線対策、美容医療 |
| 不良姿勢 | 筋肉のゆるみ、皮膚のたるみ | 姿勢改善、エクササイズ |
急激な体重減少
短期間で大幅に体重を落とすと皮膚がその変化に対応できず、たるんでしまうときがあります。これは、皮下脂肪が急激に減少したため、皮膚が余ってしまう状態です。
特に首周りは皮膚が伸縮しにくいため、ダイエット後にたるみが目立つケースが見られます。
首のたるみはセルフケアで改善できる?
残念ながら、一度深く刻まれたたるみをセルフケアだけで完全に改善するのは困難です。
スキンケアやマッサージは「予防」や「軽度の改善」には役立ちますが、すでに伸びてしまった皮膚や深いシワには、美容医療の介入が必要となるケースがほとんどです。
スキンケアやマッサージの効果
保湿を重視したスキンケアは、首の乾燥を防ぎ、浅いシワ(ちりめんジワ)を目立たなくさせる効果が期待できます。
レチノールやナイアシンアミドなど、ハリを与える成分が配合されたネッククリームの使用も良いでしょう。また、マッサージはリンパの流れを促し、一時的なむくみの解消には役立ちます。
ただし、強い摩擦は逆効果になるため、クリームやオイルを使って優しく行う必要があります。
エクササイズやストレッチの限界
首周りの筋肉(広頚筋や胸鎖乳突筋など)を鍛えるエクササイズや、凝り固まった筋肉をほぐすストレッチは、姿勢の改善や血行促進に役立ちます。
たるみの進行を予防したり、軽度のたるみを目立たなくさせたりする効果が期待できます。しかし、セルフケアでできるのは「予防」や「軽度の改善」が中心です。
セルフケアの比較
| セルフケア | 期待できる主な効果 | 限界点 |
|---|---|---|
| 保湿スキンケア | 乾燥による浅いシワの改善、予防 | 深く刻まれたシワや皮膚のたるみは改善しない |
| マッサージ | むくみの解消、血行促進 | 根本的なたるみ(皮膚の余り)は改善しない |
| エクササイズ | 筋肉のゆるみ予防、姿勢改善 | すでに伸びてしまった皮膚は戻らない |
美容医療が必要となるケース
一度失われたコラーゲンやエラスチンをセルフケアだけで再生させたり、伸びてしまった皮膚を元に戻したりするのは困難です。
以下のような状態の場合、セルフケアでの改善は難しく、美容医療による「首のたるみ取り整形」が有効な選択肢となります。
- 深くなった横ジワや縦ジワが常にある
- フェイスラインと首の境目があいまいになっている
- 皮膚が余ってたるんでいる感覚がある
- あご下の脂肪がたるんでいる
美容医療では、肌の内部に直接働きかけたり物理的にたるみを引き上げたりして、セルフケアでは到達できないレベルの改善を目指します。
首のたるみ取り整形の主な施術方法
首のたるみ取り整形には、大きく分けて4つの方法があります。
糸で引き上げる「糸リフト」、熱で引き締める「HIFU(ハイフ)などの照射治療」、シワやスジを改善する「注入治療」、そして根本的にたるみを切除する「外科手術」です。
たるみの状態や希望に応じて、これらの方法を単独または組み合わせて選択します。
糸リフト(スレッドリフト)
コグ(突起)の付いた特殊な医療用の糸を皮下に挿入し、たるんだ皮膚や組織を物理的に引き上げる治療です。挿入した糸の周囲ではコラーゲン生成が促進されるため、肌のハリ感アップも期待できます。
あご下から首にかけてのラインをシャープにする効果を実感しやすいです。切開を伴わないため、ダウンタイムが比較的短いのが特徴です。
HIFU(ハイフ)などの照射治療
HIFU(高密度焦点式超音波)は、超音波の熱エネルギーを皮膚の深い層(SMAS筋膜や真皮層)にピンポイントで照射する治療法です。
熱エネルギーによって組織が収縮し、即時的なリフトアップ効果をもたらします。さらに、創傷治癒の働きでコラーゲン生成が長期間にわたって促進され、肌の引き締めとハリの改善を図ります。
メスや針を使わず、ダウンタイムがほとんどない点が大きな魅力です。
注入治療(ヒアルロン酸・ボトックスなど)
首の横ジワに対しては、浅い層に柔らかいヒアルロン酸を注入し、溝を埋めて目立たなくさせる方法があります。
また、首の縦ジワ(広頚筋の張り出し)が目立つ場合にはボトックス(ボツリヌストキシン製剤)を注入して筋肉の緊張をゆるめ、スジを目立たなくさせる治療も行います。
これらは他の治療と組み合わせて行う方も多いです。
主な施術方法の概要
| 施術方法 | アプローチ | 主な対象 |
|---|---|---|
| 糸リフト | 糸で物理的に引き上げる | フェイスラインのもたつき、あご下のたるみ |
| HIFU(照射) | 熱エネルギーで組織を引き締める | 皮膚全体のゆるみ、ハリの低下 |
| 注入治療 | 薬剤で溝を埋める・筋肉をゆるめる | 横ジワ、縦スジ |
外科手術(ネックリフト・フェイスリフト)
たるみが重度の場合や、より根本的で長期的な効果を望む場合には、外科手術が適応となります。
ネックリフトは耳の後ろやあご下などを切開し、余分な皮膚を切除し、ゆるんだ広頚筋を引き締めて固定する手術です。フェイスリフトと同時に行う場合も多く、首から顔にかけてのたるみを総合的に改善します。
効果は実感しやすいですが、他の治療に比べてダウンタイムは長くなります。
施術選びで後悔しないために「たるみのタイプ」を確認
「首のたるみ取り」と一口に言っても、その状態は人それぞれ異なります。ご自身のたるみがどのタイプに当てはまるかを知り、それに合った施術を選ぶようにしましょう。
皮膚の余り(横ジワ・縦ジワ)が目立つタイプ
加齢や紫外線により皮膚の弾力が失われ、皮膚そのものが余っている状態です。
浅い横ジワ(ちりめんジワ)から、深く刻まれた横ジワ、加齢とともに皮膚がしぼんでできる縦ジワ(ドレープ状)まで様々です。
このタイプは、皮膚の引き締めやコラーゲン生成を促す治療(HIFUなど)や、余った皮膚を切除する外科手術が選択肢になります。深い横ジワにはヒアルロン酸注入も併用します。
脂肪の蓄積(二重あご)が目立つタイプ
あご下に皮下脂肪が多く蓄積し、重みでたるんでいる状態です。フェイスラインがぼやけ、二重あごに見えます。
このタイプは、まず脂肪を減らす取り組みが重要です。脂肪溶解注射や冷却・加熱による医療痩身機器、あるいは脂肪吸引が適しています。
脂肪を減らした上で皮膚の引き締め治療(HIFUや糸リフト)を行うと、よりシャープなラインが生まれます。
筋肉(広頚筋)のゆるみが目立つタイプ
首の前面にある広頚筋という薄い筋肉がゆるんだり、逆に緊張しすぎたりしてたるみやスジが目立つタイプです。特に「イー」と口を横に引いた時に縦にスジが浮き出る場合は、広頚筋の緊張が原因です。
この縦スジにはボトックス注入が効果的です。筋肉全体のゆるみがたるみにつながっている場合は、糸リフトや外科手術(ネックリフト)で筋肉を引き締める処置も行います。
たるみのタイプ別推奨治療の例
| たるみのタイプ | 主な原因 | 推奨される治療法(例) |
|---|---|---|
| 皮膚の余り | コラーゲン減少、光老化 | HIFU、糸リフト、ネックリフト、ヒアルロン酸 |
| 脂肪の蓄積 | 皮下脂肪の増加 | 脂肪溶解注射、医療痩身、脂肪吸引 |
| 筋肉のゆるみ・緊張 | 広頚筋の衰え、過緊張 | ボトックス(縦スジ)、糸リフト、ネックリフト |
複数の要因が複合しているタイプ
実際には、これらの要因が単独ではなく、複数組み合わさっているケースがほとんどです。「脂肪も付いているし、皮膚もたるんでいる」「筋肉のゆるみと皮膚のシワが両方気になる」などです。
そのため、クリニックでは、HIFUで引き締めた後に糸リフトでラインを整えるなど、複数の施術を組み合わせる「コンビネーション治療」を提案するときが多くあります。
ご自身の状態に合わせたオーダーメイドの治療計画を立てると、満足できる仕上がりに近づくでしょう。
各施術方法の効果と特徴を比較
各施術の効果と特徴を比較する際は、「効果の強さ」「ダウンタイムの長さ」「持続期間」の3点に着目します。
手軽な治療は効果がマイルドで、効果が強い外科手術はダウンタイムが長くなる傾向があるため、ご自身の生活スタイルに合わせて検討する必要があります。
切らない治療(照射・注入)のメリット・デメリット
HIFUや高周波(RF)などの照射治療、ヒアルロン酸やボトックスなどの注入治療は、メスを使わない手軽さが魅力です。最大のメリットは、ダウンタイムがほとんどないか、あっても非常に短い点です。
施術直後からメイクが可能な場合も多く、日常生活への影響を最小限に抑えたい方に適しています。
一方、デメリットとしては、外科手術に比べて効果がマイルドである、効果の持続期間が限られるため状態を維持するには定期的な施術が必要になる、といった点が挙げられます。
切らない治療(照射・注入)の比較
| 項目 | メリット(長所) | デメリット(短所) |
|---|---|---|
| 効果 | 自然な引き締め、シワの改善 | 重度のたるみには限界がある |
| ダウンタイム | ほとんどない〜数日程度(内出血など) | 特になし |
| 持続性 | 数ヶ月〜1年程度(施術による) | 定期的なメンテナンスが必要 |
糸リフトのメリット・デメリット
糸リフトは、切らない治療と外科手術の中間的な位置づけと言えます。
メリットは、切開せずに物理的なリフトアップ効果を得られる点です。特にあご下のたるみやフェイスラインのもたつき改善に効果を発揮します。
デメリットとしては、施術後に腫れや内出血、一時的なひきつれ感が出る場合がある点です。また、使用する糸の種類や本数、医師の技術によって結果が左右されやすい側面もあります。
外科手術(切る治療)のメリット・デメリット
ネックリフトなどの外科手術は、たるみの根本原因である余剰皮膚の切除や筋肉の引き締めを直接行うため、最も効果を実感しやすく、変化も大きい治療法です。
メリットは、長期間効果が持続する点です。他の治療では改善が難しい重度のたるみにも対応できます。
デメリットは、必ず切開を伴うため、ダウンタイムが数週間単位で必要になることです。腫れや内出血が引くまでに時間がかかり、一定期間の安静やケアが求められます。
外科手術(ネックリフト)の比較
| 項目 | メリット(長所) | デメリット(短所) |
|---|---|---|
| 効果 | 非常にリフトアップ効果を実感しやすい | 切開が必要 |
| ダウンタイム | 効果の持続期間が長い(5年〜10年目安) | 腫れや内出血が落ち着くまで2〜4週間程度必要 |
| 傷跡 | 耳の後ろなど目立たない位置だが残る | 感染や神経損傷などのリスク(稀) |
首のたるみ取り整形の費用相場
首のたるみ取り整形の費用相場は、施術方法によって大きく異なります。
注入治療などの手軽なものは数万円から可能ですが、糸リフトは10万円以上、根本的な改善を目指す外科手術(ネックリフト)は50万円以上が目安です。
これらは自由診療であり、たるみの状態や施術範囲によっても変動します。
照射治療(HIFUなど)の費用
HIFU(ハイフ)は、照射するショット数や範囲によって費用が変わります。首全体への照射の場合、1回あたり5万円〜15万円程度が相場です。
多くの場合、効果を維持するために半年に1回程度の継続が推奨されます。
注入治療(ヒアルロン酸など)の費用
ヒアルロン酸注入は、使用する製剤の種類と注入量(cc)によって決まります。首の横ジワに使用する場合、1本(1cc)あたり5万円〜10万円程度が目安です。
ボトックス注入は注入する単位数や範囲によりますが、首の縦スジ(広頚筋)の場合、3万円〜8万円程度が相場です。
糸リフトの費用
糸リフトは、使用する糸の種類と本数によって費用が大きく変動します。あご下から首にかけて中程度のリフトアップを行う場合、10万円〜30万円程度が目安となります。
より広範囲に多くの本数を使用する場合は、それ以上の費用がかかります。
施術別の費用相場一覧
| 施術方法 | 費用相場(1回あたり) | 備考 |
|---|---|---|
| HIFU(首全体) | 5万円 〜 15万円 | ショット数による |
| ヒアルロン酸(1cc) | 5万円 〜 10万円 | 製剤・注入量による |
| ボトックス(首) | 3万円 〜 8万円 | 注入単位数による |
| 糸リフト(中程度) | 10万円 〜 30万円 | 糸の種類・本数による |
| ネックリフト(手術) | 50万円 〜 100万円以上 | 手術範囲・術式による |
外科手術(ネックリフト)の費用
ネックリフト手術は、術式や切開範囲、麻酔の種類などによって費用が異なります。単独のネックリフトで50万円〜80万円程度、フェイスリフトと同時に行う場合は100万円を超えるときもあります。
ただ、これはあくまで目安であり、クリニックでの正確な見積もりが必要です。
理解しておくべきリスクとダウンタイム
首のたるみ取り整形には、施術ごとに異なるリスクとダウンタイムが存在します。照射治療は赤み程度でダウンタイムがほぼない一方、外科手術は数週間の腫れや内出血を伴います。
どの治療法でも内出血や感染、左右差などの一般的なリスクは共通して存在するため、事前の理解が重要です。
施術に共通する一般的なリスク
施術方法にかかわらず、以下のようなリスクが共通して考えられます。
- 施術部位の赤み、腫れ、痛み、内出血
- アレルギー反応(麻酔薬や注入剤など)
- 感染(特に切開や穿刺を伴う場合)
- 左右差
これらの多くは一時的なものですが、万が一、強い痛みや腫れが続くときは速やかに施術を受けたクリニックに相談してください。
照射治療や注入治療のダウンタイム
HIFUなどの照射治療はダウンタイムがほとんどないのが特徴です。施術直後に赤みが出る場合がありますが、数時間で引く方がほとんどです。まれに筋肉痛のような鈍い痛みが数日続くケースがあります。
注入治療では、針を刺すため点状の内出血が出る場合があります。内出血は1〜2週間程度で黄色っぽくなり、徐々に吸収されて消えていきます。コンシーラーで隠せる程度がほとんどです。
糸リフトや外科手術のダウンタイム
糸リフトは、腫れや内出血が1〜2週間程度続く方もいます。また、糸を挿入したために起こる「ひきつれ感」や、口を開けたときの違和感を数週間感じるときもありますが、時間とともになじんでいきます。
外科手術(ネックリフト)は最もダウンタイムが長い治療です。大きな腫れや内出血は2〜4週間程度続きます。抜糸(約1週間後)までは、患部の固定や保護が必要です。
傷跡は耳の後ろなど目立たない部分ですが、赤みが完全に引いて白く成熟するまでには数ヶ月〜半年程度かかります。
施術別ダウンタイムの目安
| 施術方法 | 主な症状 | 期間の目安 |
|---|---|---|
| HIFU | 赤み、鈍痛 | ほぼなし〜数日 |
| 注入治療 | 内出血、腫れ | 数日〜2週間 |
| 糸リフト | 腫れ、内出血、ひきつれ感 | 1〜3週間 |
| ネックリフト(手術) | 強い腫れ、内出血、痛み | 2〜4週間(社会復帰目安) |
リスクを最小限にするためのクリニック選び
首のたるみ取り整形のリスクをゼロにはできませんが、最小限に抑える努力は可能です。そのためには、信頼できるクリニック選びが重要です。
- 首の解剖を熟知し、たるみ治療の経験が豊富な医師が在籍しているか
- カウンセリングで、メリットだけでなくリスクやデメリットも隠さず説明してくれるか
- 万が一のトラブルの際に、迅速に対応できるアフターフォロー体制が整っているか
複数のクリニックでカウンセリングを受け、ご自身が納得できる説明をしてくれる医師を見つけましょう。
施術後のアフターケアと持続期間
施術後の効果を長持ちさせるためには、「紫外線対策」と「保湿」、そして「正しい姿勢の維持」が重要です。
施術ごとの持続期間は、注入治療の数ヶ月から外科手術の数年単位まで幅広いため、日々のケアで効果の維持を図りましょう。
施術当日の過ごし方
施術当日は、血行が良くなる活動(飲酒、長時間の入浴、激しい運動)は控えてください。特に外科手術や糸リフトの後は、安静に過ごすのが大切です。
照射治療や注入治療の場合でも、施術部位を強くこすったり、マッサージしたりする行為は避ける必要があります。
効果を長持ちさせるための日常の注意点
施術によって得られた効果も、その後の生活習慣によって持続期間が変わってきます。
最も重要なのは「紫外線対策」です。光老化はたるみの最大の外的要因であり、施術後も徹底した紫外線対策を続ける努力が、効果を長持ちさせる鍵となります。
また、十分な「保湿」を心がけ、肌のバリア機能を保つケアも大切です。スマートフォンの見過ぎに注意し、正しい姿勢を意識すると首のたるみ予防につながります。
施術ごとの効果の持続期間目安
施術による効果の持続期間には個人差がありますが、一般的な目安は以下の通りです。
HIFUは施術直後から引き締まりを感じる方もいますが、コラーゲンが再構築される2〜3ヶ月後に最も効果が高まり、半年〜1年程度持続します。
ヒアルロン酸注入は製剤によりますが半年〜1年程度、ボトックス注入は3〜6ヶ月程度です。糸リフトは、糸の種類によりますが、1年〜2年程度の持続が期待できます。
外科手術(ネックリフト)は、5年〜10年と長期的な効果が見込めますが、加齢による変化が止まるわけではありません。
首のたるみ取り整形に関するよくある質問
首のたるみ取り整形を行いたいと相談にいらっしゃる方は少なくありません。首は意外と人に見られている部位で「年齢が現れる」とも言われますので、たるみを気にする方も多いです。
セルフケアでもある程度は改善が期待できるものの、本格的にたるみを治療したいとお考えの場合は美容医療が良い選択肢となります。
無料カウンセリングを行うクリニックも多いので、まずは相談だけでも足を運んでみましょう。
- 痛みはどの程度ありますか?
-
施術によって痛みの程度は異なります。HIFUなどの照射治療は、チクチクとした熱感や骨に響くような痛みを感じる場合がありますが、多くは麻酔クリームなしでも耐えられる程度です。
注入治療や糸リフトは、局所麻酔を使用するため、麻酔注射の際にチクッとした痛みがありますが、施術中の痛みは最小限に抑えられます。
外科手術は、静脈麻酔や全身麻酔を使用するため、手術中は痛みを感じません。術後は痛み止めを処方し、痛みをコントロールします。
- 施術後、いつから仕事に復帰できますか?
-
ダウンタイムによります。HIFUや注入治療(内出血が目立たなければ)は、施術当日から仕事復帰が可能な場合がほとんどです。
糸リフトは、腫れや内出血が出るときがあるため、2〜3日、可能であれば週末を挟んでお休みを取ると安心です。
外科手術(ネックリフト)の場合は、大きな腫れや内出血が引くまでの1〜2週間程度は、人前に出る仕事は難しいことが多いです。
デスクワークであれば、体調を見ながら数日〜1週間程度で復帰する方もいます。
- 1回の治療で効果を実感できますか?
-
多くの場合、1回の治療でも何らかの変化を実感できます。特に外科手術や糸リフトは、物理的に引き上げるため、変化が分かりやすい治療です。
HIFUや注入治療も、1回で効果を実感する方が多いです。ただし、たるみの程度が強い場合や、より効果を望む場合は、HIFUや注入治療は複数回の施術を推奨するケースがあります。
ご自身の希望と状態に合わせて、必要な回数は医師と相談しましょう。
- 他の治療(顔のたるみ治療など)と同時に受けられますか?
-
組み合わせて受ける方は非常に多いです。首のたるみは多くの場合、顔のたるみ(特にフェイスライン)と連動して発生しています。
そのため、顔のフェイスリフト手術とネックリフトを同時に行ったり、顔と首のHIFUを同時に照射したりする治療は、全体のバランスを整える上で非常に効果的です。
カウンセリングの際に、顔も含めて気になっている点を相談すると良いでしょう。
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