糸リフトは、メスを使わずにたるみを引き上げられる施術として、30〜50代の女性を中心に人気を集めています。ですが「どのくらい持続するの?」「効果を長持ちさせる方法はある?」といった疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
糸リフトは、糸の種類や本数、生活習慣によっても持続期間は変わるため、自分に合った選択が大切です。本記事では、糸リフトの平均的な持続期間や長持ちさせるポイント、注意すべき点について、わかりやすく解説します。
1. 糸リフトの持続期間はどれくらい?

糸リフトは即効性と手軽さが魅力の美容施術ですが、気になるのはその持続期間です。どのくらい効果が続くのかは、使用する糸の種類や本数、施術部位、そして個々の肌質や生活習慣によっても異なります。
ここでは、持続期間の目安や、施術内容による違いについて解説します。
平均的な持続期間の目安は6ヶ月〜2年
糸リフトの持続期間は、一般的に6ヶ月から2年程度とされています。吸収性の糸であっても、皮下組織に刺激を与えることでコラーゲンの生成が促され、引き上げ効果の持続が期待できます。
一方で、年齢や肌質、生活習慣によっても持続時間に差が出るため、一概に「何年持つ」と断言はできません。
たとえば、日常的に表情の動きが大きい方や喫煙・紫外線の影響を受けやすい環境にある方は、糸の劣化や肌への負担が早まりやすく、持続期間が短くなる傾向があります。
そのため、持続効果を重視する場合は、自分に合った糸の選択や施術内容だけでなく、術後のケアや生活習慣の見直しも大切です。
糸の種類によって持続力はどう変わる?
糸リフトに使用される糸には主に「PDO(ポリジオキサノン)」「PCL(ポリカプロラクトン)」「PLA(ポリ乳酸)」などがあり、それぞれ持続期間や特性が異なります。
PDOは吸収速度が比較的早く、6ヶ月〜1年程度が目安とされ、自然な引き上げ感を重視したい方に人気の素材です。
一方、PCLやPLAはよりゆっくりと体内に吸収されるため、1年半〜2年以上の持続が期待されます。また、PCLは柔軟性と弾力性を兼ね備えており、深い層へのアプローチにも適しています。
ただし、長持ちするからといって必ずしも万人に適しているとは限らず、肌質やたるみの程度、希望する仕上がりによって適切な素材は変わります。
部位や本数による効果の違いとは
糸リフトの効果は、施術する部位や使用する糸の本数によっても大きく変わります。
フェイスラインのたるみに対しては太めのコグ付き糸を複数本使用することで、しっかりとした引き上げが期待できます。一方、目元など皮膚の薄い部位には、細くて繊細な糸を用いることで自然な仕上がりが目指されます。
しかし、本数が多いほど効果が大きいというわけではありません。過度な本数を入れるとひきつれや凹みの原因になることもあります。少ない本数でも適切な層に正確に挿入されれば、自然で美しい変化を感じられるケースも少なくありません。
患者様のたるみの度合いや骨格によって、必要な糸の種類と本数は異なります。見た目のバランスや安全性を考慮した設計が求められるため、経験豊富な医師によるカウンセリングと施術が重要です。
関連記事:糸リフトの効果と持続期間|種類別の違いと長持ちさせる秘訣
2. 糸リフトの仕組みと効果の現れ方

糸リフトは、特殊な医療用糸を皮下に挿入し、たるみを引き上げることで輪郭を整える施術です。さらに糸の刺激によってコラーゲンの生成が促されることにより、肌のハリや弾力の向上も期待できます。
即時性と持続性の両方が備わっている点が、糸リフトの特徴といえるでしょう。
「物理的な引き上げ」と「コラーゲン生成」の違い
糸リフトには2つの主要な作用があります。一つは、糸自体が皮下組織を支えてリフトアップを行う物理的な引き上げ効果です。施術直後から輪郭の変化を感じやすいのはこの作用によるもので、コグ(突起)のついた糸が皮下に固定されることで、たるんだ皮膚をしっかりと持ち上げます。
もう一つは、挿入された糸が皮膚内部に刺激を与えることで誘発されるコラーゲン生成作用です。これは時間をかけてゆっくりと進行し、肌の内側からハリや弾力の向上をサポートするとされています。
物理的なリフトアップは即時的で視覚的にも分かりやすい一方、コラーゲン生成は1〜3ヶ月ほどかけて現れてくるのが一般的です。この2つのメカニズムが組み合わさることで、糸リフトは単なる引き上げ施術にとどまらず、肌質改善にも貢献できると期待されています。
効果のピーク時期とその後の変化
糸リフトは施術直後からリフトアップを実感しやすく、比較的即効性の高い施術とされています。
術後すぐにフェイスラインが引き締まった印象になるのは、糸による物理的な支持力によるものです。腫れやむくみが落ち着いてくる1週間後あたりから、見た目の変化をより実感される方が多いです。
そして、時間の経過とともにコラーゲンの生成が進み、1〜2ヶ月後には肌のハリや弾力が増し、より自然で引き締まった印象が出てくる時期がピークといえます。
その後は徐々に糸の吸収が始まり、コラーゲン効果も穏やかになっていきますが、急激に効果が消えるのではなく、ゆるやかに変化していくケースがほとんどです。持続性を高めたい場合には、術後の生活習慣や定期的なメンテナンスも重要なポイントになります
持続期間=完全に元に戻る時期ではない理由
「持続期間が終わる=元に戻る」と考える方もいますが、糸リフトの場合は必ずしもそうではありません。
たしかに物理的な引き上げ効果は、糸の吸収とともに徐々に弱まっていきます。しかし、糸が体内にある間に促進されたコラーゲンの生成は、肌の内部構造に変化をもたらし、ある程度のハリ感を維持する可能性があります。
また、多くの方は施術後に肌の状態や輪郭への意識が高まり、スキンケアや紫外線対策を丁寧に行うようになります。こうした行動の積み重ねも、結果として肌のコンディションを良好に保つ要因のひとつとなります。
つまり、持続期間の終了は“効果のゼロ化”ではなく、“最大時からの減退”を意味します。施術効果の変化に合わせて、美容施術やケアを見直すことで、長期的な美しさを目指すことができます。
関連記事:糸リフトとは?効果と知っておくべきデメリット・リスク
3. 糸リフトの効果を長持ちさせるには?

糸リフトの効果をより長く楽しむためには、日々の生活習慣や施術後のケアが大きなカギを握ります。
せっかく受けたリフトアップ施術も、日常の行動次第で持続期間に差が出ることがあります。ここでは、糸リフトの効果をできるだけ長く保つために意識したいポイントをご紹介します。
生活習慣で気をつけたいポイント
糸リフト後の持続効果には、生活習慣が深く関係しています。まず、紫外線対策は必須です。肌へのダメージを防ぐことで、糸の周囲の組織の炎症や劣化を抑え、コラーゲンの生成も安定すると考えられています。
また、喫煙や過度な飲酒は血行不良や肌の代謝低下を招き、糸の吸収過程や肌の再生機能に悪影響を及ぼす可能性があります。睡眠不足やストレスもホルモンバランスを崩し、肌のコンディションを不安定にさせます。
日々の過ごし方を見直すだけでも、肌の状態を整え、施術効果をより持続しやすくなります。施術後は特に「肌をいたわる意識」を高めて過ごすことが大切です。
施術後のスキンケアと保湿習慣
糸リフト後の肌はデリケートな状態です。強い摩擦や刺激を避け、やさしく丁寧なスキンケアを心がけることで、糸まわりの皮膚組織が安定しやすくなります。
中でも重要なのが「保湿」です。保湿を徹底することで、皮膚の乾燥やバリア機能の低下を防ぎ、糸が作用する層のコンディションを整えられます。化粧水や乳液、クリームなどは、肌に合った低刺激のものを選びましょう。
また、美容液やマスクなどを使っての集中ケアも、施術から2週間ほど経って落ち着いたタイミングで取り入れるのが良いでしょう。過度なケアは逆効果になる場合もあるため、医師のアドバイスを受けながら行うことが望ましいです。
定期的なメンテナンスや併用施術の活用法
糸リフトの効果を長く保つには、施術後のメンテナンスや他の美容施術との併用も効果的とされています。
3〜6ヶ月ごとに経過観察を行い、肌の状態やたるみの進行を医師と確認することで、早めに次のアクションがとりやすくなります。
併用施術としては、ハイフやRF(高周波)治療など、肌の深部に熱エネルギーを与える機器が用いられることがあります。これらの施術はコラーゲンの生成を促す働きがあり、糸リフトと組み合わせることで相乗効果が期待できます。
ただし、施術の間隔や内容には個人差があるため、無理のないスケジュールで継続的に取り組むことが大切です。肌の状態に合わせたプランニングを行うことで、より長く自然な仕上がりを維持しやすくなります。
4. ダウンタイムと持続期間の関係
糸リフトは比較的ダウンタイムが少ない施術とされていますが、術後の腫れや内出血の有無、過ごし方によっては、その後の持続効果に影響が出ることもあります。
ここでは、ダウンタイムと持続期間の関係性、注意すべき点について詳しく解説します。
腫れや内出血はどれくらいで収まる?
糸リフト後の腫れや内出血は、多くの場合で数日〜1週間程度で落ち着くといわれています。特に術直後の腫れは、糸を挿入した刺激や局所麻酔によるもので、時間の経過とともに自然に引いていくケースがほとんどです。
また、糸の挿入箇所や皮膚の薄さによっては、部分的な内出血が起こることもあります。これは青あざのように見えることがありますが、約1〜2週間で吸収されると考えられています。
このような症状が落ち着くまでの間は、患部を強く触ることは避けましょう。強い刺激を与えると糸の位置がずれたり、効果の持続に影響する可能性もあるため、医師の指示に従ったケアが大切です。
術後の過ごし方が持続効果に与える影響
術後の過ごし方は、糸リフトの持続期間を左右する大きなポイントです。
施術後1〜2週間ほどはできるだけ、強く表情を動かしたり、大きく口を開けたりする動作は控えましょう。糸がしっかりと定着するまでは、できるだけ負担をかけずに過ごすことで、仕上がりが安定しやすくなります。
また、うつ伏せ寝や頬杖など顔に圧をかける行為も避けた方が無難です。無意識のうちに糸へ負荷をかけてしまうと、引き上げ効果が不均一になったり、違和感が残る原因になることがあります。
このように、術後の数週間を丁寧に過ごすことで、糸の効果が安定し、結果として持続期間の延長につながります。施術を受けたあとは意識的に「糸を守る生活」を心がけましょう。
歯科治療や運動などに注意が必要な理由
術後すぐの歯科治療や激しい運動は注意が必要です。とくに歯科治療では、口を大きく開けたり、顔の筋肉に力が入る場面が多く、挿入された糸に負荷がかかることがあります。
また、施術直後に有酸素運動や筋トレを行うと、血流が急激に促進され、内出血や腫れが悪化する可能性もあります。体が温まることで糸の位置が不安定になるおそれもあるため、1週間ほどは安静に過ごしましょう。
そのほか、サウナや長時間の入浴など、体温を急上昇させる行為も控えましょう。施術後は外的刺激を最小限にすることが、仕上がりの美しさや効果の持続性を高めるためのポイントです。
5. 効果重視ならどんな糸を選べばいい?
糸リフトの効果は、糸の「素材」や「形状」によっても変わってきます。どの糸を選ぶかによって、リフトアップの強さや持続性、肌への負担も異なるため、自分に合ったタイプを見極めることが大切です。
ここでは、代表的な素材の特徴や、吸収性・非吸収性、糸の形状による違いについて解説します。
PDO・PCL・PLAなど素材別の違い
糸リフトに使われる糸には、主にPDO(ポリジオキサノン)、PCL(ポリカプロラクトン)、PLA(ポリ乳酸)といった素材があります。それぞれ吸収速度や柔軟性に違いがあり、持続性や肌へのなじみ方も異なります。
PDOは比較的短期間で吸収される素材で、自然な仕上がりを好む方に向いています。施術後6ヶ月〜1年程度の持続が期待されます。
一方、PCLは吸収までに1年半〜2年ほどかかり、長期間の引き締め効果が期待される素材です。柔らかくしなやかな性質を持ち、肌への負担も比較的少ないとされています。
PLAはコラーゲン生成を促す作用があるとされ、引き締めに加えて肌質の改善をサポートしたい方に選ばれやすい素材です。施術部位や目的に応じて、適切な素材を選ぶことが大切です。
吸収糸・非吸収糸それぞれの特性
糸リフトに使われる糸には、「吸収糸」と「非吸収糸(溶けない糸)」の2種類があります。それぞれにメリットと注意点があり、目的や肌質によって選択が変わってきます。
吸収糸は体内に自然に分解されていくタイプで、施術後のトラブルが起きにくく、体にやさしい素材とされています。効果の持続期間は素材によって異なりますが、半年〜2年ほどが目安です。施術に不安がある方や、まずは試してみたいという方に向いています。
一方、非吸収糸は体内に長期間残るため、より長く引き上げ効果が期待できる一方で、定期的な検診やメンテナンスが必要となる場合があります。また、異物感を感じやすい方には向かないこともあるため、慎重に判断しましょう。
糸の形状(コグ・スパイラル)による固定力の差
糸の「形状」も、糸リフトの効果に大きく影響する要素のひとつです。とくに代表的な形状として知られるのが「コグ」と「スパイラル」です。
コグとは、糸にトゲのような突起がついており、皮下組織にしっかりと引っかかることで、高いリフトアップ効果が期待されます。フェイスラインやほうれい線まわりなど、しっかりと引き上げたい部分に適しています。
一方、スパイラル状の糸は、コイルのようにねじれた形状で、ボリュームアップやふっくら感を出すのに適しています。頬のボリュームロスが気になる方や、自然なハリ感を求める方に人気です。部位ごとに形状を使い分けることで、よりバランスの取れた仕上がりが目指せます。
6. 糸リフトのクリニック選びのポイント

糸リフトは医師の技術によって仕上がりに大きな差が出る施術のひとつです。持続効果や安全性を高めるためには、信頼できるクリニックを選ぶことが大切です。
ここでは、糸リフトの施術を検討する際にチェックしておきたいポイントを紹介します。
症例写真や実績を公開しているか
クリニックを選ぶ際には、公式サイトやカウンセリング時に症例写真がしっかりと提示されているかを確認しましょう。実際の症例を見ることで、施術後の仕上がりのイメージが湧きやすくなり、自分の希望と合っているかを判断しやすくなります。
また、症例数が多いことは、その施術に関する経験や技術の裏付けにもなります。ただし、症例写真の加工有無や撮影条件によって印象が変わることもあるため、カウンセリング時に詳細を確認するのがおすすめです。
信頼できるクリニックほど、術前・術後の違いを客観的に伝えることに配慮しており、誠実な情報提供をしているかどうかが見極めのポイントです。
カウンセリングが丁寧で押し売りがないか
納得のいく施術を受けるためには、カウンセリングがとても重要です。患者の不安や疑問に対して親身に耳を傾け、無理に契約を迫らない姿勢のあるクリニックは信頼性が高い傾向にあります。
特に糸リフトはダウンタイムや個人差のある施術のため、リスクについても包み隠さず説明してくれるかどうかが判断材料となります。また、別の施術を無理に勧めてくるようなケースには注意が必要です。
医師やスタッフとのコミュニケーションに違和感がないか、自分の希望や悩みをきちんと理解してくれているかをしっかり見極めましょう。心から信頼できるパートナー選びが、満足度の高い結果へとつながります。
使用する糸や施術内容を明確に説明してくれるか
糸リフトの施術内容は、使用する糸の種類や本数、挿入する深さによって大きく変わるため、事前に詳しく説明してくれるクリニックを選びましょう。施術内容を曖昧にしたままでは、期待とのギャップが生じやすくなります。
信頼できるクリニックでは、糸の素材や形状の特徴、持続性、どのような仕上がりが期待できるかについて、わかりやすく解説してくれます。また、自分に必要な本数や施術範囲についても丁寧に提案してくれるのが理想です。
説明が明確であるほど、施術後のイメージも具体化しやすくなり、不安を最小限に抑えられます。質問しやすい雰囲気があるかどうかも、重要な判断材料の一つです。
アフターケアや相談体制が整っているか
糸リフトは術後の経過を見守ることも大切な施術であるため、アフターケアの体制が整っているかどうかはクリニック選びの大きなポイントです。万が一、腫れやひきつれ、違和感が生じた場合でも、迅速に対応してくれるサポート体制があると安心です。
信頼できるクリニックでは、術後の注意点や過ごし方、経過観察のタイミングなどをしっかりと案内し、必要に応じて無料の再診や経過確認も行ってくれます。また、電話やメールで相談できる環境があるかどうかもチェックしておきましょう。
施術は一度きりでも、アフターケアの質が満足度を大きく左右します。不安を感じたときに気軽に相談できるかどうかを事前に確認しておくことが大切です。
7. まとめ
糸リフトは、たるみの引き上げと肌のハリ感が期待できる人気の美容施術です。糸リフトの持続期間は使用する糸の種類や本数、肌質や生活習慣によって異なり、術後の過ごし方やスキンケアも大きく影響します。
施術効果をより長く保つためには、信頼できる医師による丁寧なカウンセリングと、適切なアフターケアが欠かせません。糸リフトの持続期間を正しく理解したうえで、自分に合ったプランを選ぶことが、満足のいく結果につながります。
ミサクリニックでは、施術前後のサポートにも力を入れており、一人ひとりの肌状態やライフスタイルに合わせたアドバイスを行っています。ぜひ一度、無料カウンセリングでご相談ください。