糸リフトはメスを使わずフェイスラインのたるみを引き上げられる人気の施術ですが、「施術後に顔が凹んだ」という声を聞いて不安に感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
実際に、凹みは糸の入り方や個人の肌状態によって一時的に見られることがありますが、ほとんどの場合は時間の経過とともに落ち着いていくとされています。
この記事では、糸リフトによる凹みの原因や回復までの目安、気をつけたい対処法や受診のタイミングなどをわかりやすく解説します。
1. 糸リフトの凹みはなぜ起こる?

糸リフト後に「頬やフェイスラインがへこんだように見える」と感じる方は少なくありません。多くは一時的な変化で、自然と改善が見込まれますが、原因を知っておくことで過度な不安を防げます。
ここでは、凹みが起こる主な理由について、施術直後の状態や糸の特性、肌質との関係に分けて解説します。
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施術直後に起こる凹みの原因とは
糸リフト直後に見られる凹みの多くは、施術による一時的な組織の圧迫や腫れの偏りが原因です。糸を挿入する際、皮下の組織を物理的に引き上げるため、肌表面に段差のような陰影が生じることがあります。
特に、皮膚が薄い頬やフェイスラインは変化が出やすく、腫れが引くまでの間に一時的な凹みを感じやすいです。また、局所的な腫れやむくみが不均等に起こることで、「凹んで見える」という印象を持つケースもあります。
こうした変化の多くは、施術から1週間〜2週間程度で落ち着いていくとされています。過度に気にしすぎず、むやみに触ったり圧をかけないよう注意しましょう。
糸の挿入位置や強さによる影響
糸リフトの凹みは、糸を挿入する位置や固定の強さによっても現れることがあります。
糸は皮膚の下層に挿入されますが、その深さや角度が不適切だと、肌表面に過剰なテンションがかかり、引っ張られた部分が凹んで見えることがあるのです。
特に強く固定された部位では、皮膚が引き込まれるような印象を受けることがあります。これは皮下組織がまだ糸の位置に順応していないために起こる現象で、時間の経過とともに徐々に馴染んでいくとされています。
ただし、凹みが片側だけ著しい、もしくは痛みや違和感を伴う場合には、挿入位置の偏りや過剰なテンションが影響している可能性も考えられます。このようなケースでは、経過を見ながら医師に相談することが大切です。
皮膚の厚みや加齢による個人差
凹みの出方には個人差があり、とくに皮膚の厚みや加齢に伴う変化が影響します。加齢によって皮膚や脂肪組織が薄くなると、糸を挿入した際の影響が表面に出やすくなり、凹みに見えることがあるのです。
また、皮下脂肪が少ない方や、骨格がシャープな方は、糸による引き上げがダイレクトに見た目に反映されやすく、わずかな凹凸も目立ちやすい傾向があります。これは術者の技術に加えて、患者様の元々の肌質や骨格にも関係しています。
若年層よりも中高年層の方ほど、肌の弾力や再生力が低下している場合があるため、術後の経過には多少時間がかかることもあります。そのため、施術前には自分の肌状態や希望する仕上がりをしっかり医師と共有し、適切なアドバイスをもらうことが安心につながります。
2. 凹みはいつまで続く?自然に治るの?
糸リフト後の凹みは、多くの場合、時間の経過とともに自然と落ち着いていきます。とくに施術直後の凹みは、一時的な腫れや皮膚の反応によるものがほとんどです。
ただし、回復の早さには個人差があり、まれに長引くこともあります。ここでは一般的な回復の目安と、1カ月以上続く場合の判断基準について解説します。
一般的な回復の目安は1週間〜1ヶ月
糸リフトによる凹みは、通常1週間から1ヶ月以内に落ち着くことが多いです。多くは施術直後の腫れや皮膚の引きつりが原因で、時間の経過とともに肌のなじみが進み、徐々に目立たなくなっていきます。
特に、術後1週間前後はまだ腫れやむくみが残っており、凹みが強く見える時期でもあります。そのため、術後すぐに判断せず、最低でも2週間〜3週間は様子を見ながら過ごしましょう。
また、糸の吸収や皮膚の再生が進むことで、肌の質感や輪郭がなじみ、違和感が軽減される傾向があります。医師の指示に従い、安静を保ち、患部への強い刺激を避けることで、自然な回復が期待できます。
凹みがあっても慌てず、一般的な経過を踏まえたうえで、必要に応じて経過観察の診察を受けると安心です。
「1ヶ月経っても治らない」は異常?
1ヶ月経っても凹みが改善しない場合は、一般的な回復の流れとは少し異なる状態かもしれません。皮膚が馴染まない・糸の位置が浅い・固定が強すぎるなど、施術上の要因が関係していることも考えられます。
特に「凹みが深く残っている」「引きつれや痛みを伴う」「左右差がある」といった場合は、放置せずクリニックに相談してください。自然に治る範囲を超えているようなら、早めに受診することで適切な対処ができることもあります。
反対に、見た目には気にならない程度の軽い凹みで、痛みや違和感がなければ、皮膚の回復力によりゆっくりと落ち着くこともあります。1ヶ月を目安に、状態を客観的に確認し、医師と相談することが大切です。
治ったと感じるまでの個人差と経過の違い
糸リフト後の凹みが「治った」と感じるまでの期間は人それぞれです。皮膚の厚み、代謝、年齢、肌の弾力などが影響し、回復のスピードには大きな個人差があります。
皮膚が薄く脂肪が少ない方は、凹みが出やすく、なじむまでに時間がかかる傾向があります。反対に、皮膚が厚く、もともと弾力がある方は凹みが目立ちにくく、比較的早く落ち着くことが多いです。
また、術後の過ごし方やスキンケアの有無も経過に影響します。摩擦や圧迫を避け、皮膚への負担を減らすことを意識しましょう。
見た目の変化に敏感になりすぎると、必要以上に不安を感じてしまうこともあります。焦らず経過を観察し、少しでも不安があれば医師に相談しましょう。
3. 凹みが治らない原因とは
糸リフト後の凹みは通常、数週間で目立たなくなりますが、まれに長引くケースもあります。こでは、凹みがなかなか治らないときに考えられる主な原因について解説します。
糸の本数や種類が適していないケース
糸の本数や種類が肌質や骨格に合っていない場合、凹みが長引く原因になることがあります。
たとえば、細い糸を多数入れる設計が適しているケースで、太い糸を少数挿入すると、皮膚に不均等なテンションがかかり、凹みが現れることがあるため注意が必要です。
反対に、過剰な本数を入れてしまうと、組織への圧力が強まり、皮膚の沈み込みを招くおそれもあります。さらに、糸の素材によって吸収速度や柔軟性に違いがあるため、なじみ方や回復のスピードにも差が出ると考えられます。
こうしたリスクを避けるには、施術前に顔の構造やたるみの程度を十分に分析し、自身に合った糸の種類と本数を選ぶことが大切です。
医師の技術不足によるトラブル
凹みがなかなか治らない原因として、施術者の技術不足が関係しているケースもあります。糸の挿入角度が不正確だったり、左右のバランスが取れていなかったりすると、皮膚表面に段差や凹凸が出やすくなります。
また、皮膚の厚みや脂肪のつき方を正確に見極められていないと、浅すぎる位置に糸が入ってしまい、凹みやひきつれが生じることがあります。加えて、糸を強く引きすぎた場合、必要以上に引き上がり不自然なへこみが残るリスクも否定できません。
このような技術的な問題は、術後すぐに判別できないこともあります。違和感が続くときは、早めに施術を受けたクリニックに相談してください。不安が解消しない場合は、経験豊富な医師にセカンドオピニオンを求めるのも一つの方法です。
体質や生活習慣による回復遅延
凹みの治りが遅くなる背景には、体質や生活習慣が関係していることもあります。もともと回復力が穏やかな体質の方や、肌が薄く脂肪が少ない場合は、糸の影響が表面に現れやすく、凹みが目立ちやすい傾向です。
さらに、喫煙・睡眠不足・過度な飲酒などは血行や代謝を低下させ、術後の回復を妨げる要因になり得ます。運動や長風呂で血流が急激に促進されると、腫れや内出血が長引き、凹みが悪化したように見えることもあるでしょう。
施術後の過ごし方も、治癒のスピードに大きな影響を与えます。うつ伏せでの睡眠や頬杖、強いマッサージなどが続くと、糸の位置がズレてしまうことがあります。
関連記事:糸リフトとは?効果と知っておくべきデメリット・リスク
4. 自己判断でやってはいけない対処法

糸リフト後に凹みが気になっても、焦って自己流の対処をするのは避けるべきです。とくに、ネットやSNSで見かけた方法を鵜呑みにすると、かえって症状が悪化する可能性もあります。
ここでは、術後の凹みに対してやりがちなNG行動と、その理由について具体的に紹介します。
マッサージや圧迫はかえって悪化の恐れ
凹みを元に戻そうとして、患部をマッサージしたり指で押したりするのは避けてください。糸リフトでは、皮下に挿入した糸が固定されているため、無理に刺激を与えると位置がずれたり、引き上げ効果が弱まることがあります。
また、強く押すことで内出血が悪化し、凹みがより目立つように感じるケースもあります。とくに施術後1~2週間は、糸が安定していないため非常にデリケートな状態です。自己判断で力を加えると、状態が悪化するおそれがあります。
気になる違和感があっても、安静を保つことが基本です。改善を早めたい場合は、無理なケアを行うよりも、まずクリニックに相談することをおすすめします。
市販のスキンケアアイテムを過剰使用するリスク
凹みや違和感を早く解消したい一心で、美容液やクリームを大量に使用する方もいますが、あまりおすすめできません。糸リフト直後の肌は敏感になっており、通常は問題のない成分でも刺激となる可能性があります。
特に、ビタミンC誘導体やピーリング成分などが配合されたアイテムは、炎症を悪化させたり赤みを長引かせることもあります。こうした反応が凹みの印象を強める原因になることも考えられるため、自己判断でのスキンケアは慎重に行いましょう。
保湿を目的とする場合でも、低刺激で医師に確認されたものを使用するのが安心です。スキンケアによって状況を悪化させないためにも、事前の確認が欠かせません。
SNSやネットの情報を鵜呑みにしない
SNSや美容系のブログでは、「この方法で凹みが治った」「こうすれば早く引いた」などの体験談が多く見られます。しかし、個人の回復経過には大きな差があり、他人の成功例が自分にも当てはまるとは限りません。
たとえば、ある人には効果的だったマッサージが、別の人には腫れやひきつれの原因になることもあります。ネット上の情報には医学的な裏付けがないケースも多く、誤ったケアを続けてしまうことで、状態が長引いたり悪化するリスクも否定できません。
気になる情報があった場合は、必ず医療機関に相談し、自分の状態に合った対応を確認することが大切です。情報に振り回されず、専門家の意見を軸にすることが回復への近道といえます。
5. 糸リフトで「失敗かも」と感じたときの判断基準

糸リフト後に「これって失敗?」「仕上がりが想像と違う…」と不安になる方は少なくありません。
ここでは、自然な経過の範囲と医師への相談が必要なトラブルの違いを整理し、受診の目安や再施術が必要なケースについて解説します。
自然経過と医療的トラブルの見極め方
術後の腫れや凹み、左右差などは、ほとんどが一時的な経過反応です。多くの場合、1週間〜1ヶ月ほどで目立たなくなっていきます。そのため、直後の見た目だけで「失敗」と決めつける必要はありません。
ただし、1ヶ月以上たっても凹みが深く残る、引きつれが改善しない、痛みやしびれが続くといった場合は、医療的なトラブルの可能性も考えられます。自然経過の範囲を超えているかどうかを判断するには、経過の様子や症状の変化を丁寧に観察することが重要です。
自己判断では見極めが難しい場合もあるため、少しでも不安を感じたら、施術を受けたクリニックに相談しましょう。
クリニック受診のタイミングと相談の仕方
術後の違和感が続いたとき、「これくらいは我慢すべきか」「相談したら迷惑かも」とためらう方もいますが、不安を抱えたまま放置することはおすすめできません。早めに相談することで、悪化の防止や安心感にもつながります。
具体的には、凹みが1ヶ月以上続いている、左右差が大きい、痛みや熱感があるといった場合は、早急な診察が望ましいです。受診時には、いつから・どのような変化が出ているかを記録しておくと、医師の判断がしやすくなります。
また、気になることを遠慮せずに伝えることが大切です。写真を撮っておくと、経過の説明にも役立ちます。トラブルかどうかの判断がつかない段階でも、相談だけでも問題ありません。気になる変化は、早めに確認することが安心につながります。
修正や再施術が必要になるケースとは
一部のケースでは、糸の位置のずれや強いひきつれ、明らかな非対称が残ったまま改善しない場合、修正や再施術が検討されることがあります。すべてのトラブルに追加施術が必要というわけではありませんが、適切な対応をとることで見た目の回復が期待できる場合もあります。
再施術が必要となるのは、たとえば「凹みが固定化している」「糸が浮いて見える」「明らかにバランスが崩れている」など、術後2〜3ヶ月を経ても改善の兆しが見られないケースです。
再度の処置には、皮膚への負担やダウンタイムの再発なども伴うため、リスクを含めて慎重な判断が求められます。施術を受けた医師に相談するほか、必要に応じて他院でのセカンドオピニオンを検討するのもおすすめです。
6. まとめ
糸リフト後の凹みは、一時的な経過で自然に落ち着くケースがほとんどですが、なかには長引く例もあります。
原因は糸の種類や本数、施術技術、生活習慣などさまざまです。自己判断でマッサージや市販品を使うのは悪化のリスクがあるため、慎重な対応が求められます。
気になる凹みが続くときは、「失敗かも」と不安を抱え込まず、早めに医師へ相談することが大切です。糸リフトの凹みでお悩みの方は、一人で抱えず専門家にご相談ください。
ミサクリニックでは、施術前後のサポートにも力を入れており、一人ひとりの肌状態やライフスタイルに合わせたアドバイスを行っています。ぜひ一度、無料カウンセリングでご相談ください。