ニキビ跡の凹凸やクレーター肌は、多くの方にとって長年の悩みとなる肌トラブルです。
スキンケアやピーリングでは十分に改善できず、「ファンデーションを塗っても隠れない」「鏡を見るたびに気になる」と感じる人も少なくありません。
こうした症状に対して、近年注目されているのがサブシジョン(Subcision)です。
サブシジョンは、凹みを引き込んでいる線維を物理的に切り離し、肌を内部から再構築する治療法です。
根本的な改善が期待できる施術として人気を集めていますが、中には「思ったほど効果が出なかった」「後悔してしまった」と感じるケースもあります。
本記事では、サブシジョンの効果とその仕組みをはじめ、効果が出にくい理由、施術前に知っておきたい注意点、さらに適している人と不向きな人の違いを詳しく解説します。
1. サブシジョンの効果とは?
サブシジョンは、ニキビ跡のクレーターや肌の凹凸に対して行われる再生医療的なアプローチです。
凹みが生じる原因の多くは、皮膚の下に形成された線維性の癒着が皮膚表面を内側へ引っ張ってしまうことにあります。表面のスキンケアやレーザー治療では改善しにくいのは、この深部の癒着に直接作用できないためです。
サブシジョンでは、極細の針や専用器具を皮膚に挿入し、この癒着を物理的に切り離します。これにより皮膚が自由になり、凹んでいた部分が自然に持ち上がりやすくなります。
また、組織が切り離されることでその部位に血液が集まり、修復過程でコラーゲンが新たに生成されるため、時間の経過とともにさらに滑らかな肌へと改善していきます。
効果の現れ方は段階的です。施術直後に「凹みが浅くなった」と感じる方もいますが、本格的な変化は数週間から数か月かけて進みます。これはコラーゲン生成や皮膚の再構築に時間が必要だからです。
数か月後には肌質の改善やハリの向上も実感できるようになり、長期的に持続する効果が期待できます。
サブシジョンの魅力は、単に凹みを一時的に改善するのではなく、肌そのものの構造を再生させる点にあります。
そのため、従来のレーザーやピーリングでは満足できなかった深いクレーターに対しても有効であり、根本治療を目指す方に適した選択肢といえるでしょう。
関連記事:サブシジョンとは?効果や必要回数、施術の流れについて徹底解説
2. サブシジョンで効果がでないと感じる理由
サブシジョンは根本的な改善が期待できる治療ですが、中には「思ったほど変化がない」と感じる方もいます。
効果が出にくいと考えられる理由はいくつかあり、施術を受ける前に理解しておくことで、後悔を避けやすくなります。
ニキビ跡・肌の凹凸のタイプが適していない
サブシジョンが最も効果を発揮するのは、線維性の癒着が原因となっている「ローリング型」のニキビ跡です。
波状の凹みや広めのクレーターには有効ですが、アイスピック型と呼ばれる深く鋭い瘢痕には単独での効果が限定的です。この場合、クロスTCAやフラクショナルレーザーとの併用が必要となります。
自分のニキビ跡のタイプを正しく診断せずに施術を受けると、期待した効果を感じられない原因となってしまいます。
治療回数が不足している
1回のサブシジョンで凹みが劇的に改善するケースもありますが、基本的には数回に分けて行う治療です。
特に重度のクレーター肌は1回では十分な改善が得られず、3〜5回程度を繰り返すことで初めて満足できる結果に近づきます。
コラーゲン生成には時間が必要であり、治療後の肌変化は数か月単位で進むため、短期間での結果を求めすぎると「効果がなかった」と誤解してしまうこともあります。
施術後のアフターケアが不十分
サブシジョンの効果を最大限に引き出すには、施術後の過ごし方も重要です。紫外線対策を怠ると色素沈着が生じたり、睡眠不足や不規則な生活が続くとコラーゲン生成が妨げられます。
また、施術部位を無意識に触ったり圧迫したりすることも、回復の妨げになる場合があります。治療そのものが正しく行われても、アフターケアが不足していると効果が薄れてしまうのです。

3. サブシジョン施術前に知っておきたい注意点
サブシジョンは高い効果が期待できる治療ですが、安全に受けるためには施術前の準備や生活習慣の見直しが欠かせません。事前に注意点を理解しておくことで、施術後の経過もスムーズになり、失敗や後悔を防ぐことにつながります。
日焼けや肌ダメージを避けるためのポイント
施術前に肌が日焼けしていると、赤みや炎症が強く出やすく、回復が遅れる可能性があります。さらに、サブシジョン後は色素沈着のリスクも高まるため、紫外線ダメージはできるだけ避けることが重要です。
施術を予定している方は、外出時に日焼け止めをこまめに塗り、帽子や日傘を活用するなど徹底した紫外線対策を心がけましょう。
また、ピーリングや強いスクラブなど、肌に刺激を与えるスキンケアも施術前は控えるのが安心です。
服薬・体調に関する確認事項
抗凝固剤や血液をサラサラにする薬を内服している場合、内出血が強く出ることがあります。そのため、施術前には必ず服薬状況を医師に伝えることが大切です。
また、糖尿病や免疫系の疾患を抱えている方は、傷の治りが遅れる可能性があるため注意が必要です。
体調が万全でない状態で施術を受けると、回復に時間がかかるだけでなく、感染リスクも高まるため、当日までの体調管理も重要な準備のひとつです。
生活習慣における注意点
施術前の生活習慣も効果に影響します。
飲酒や喫煙は血流や治癒能力に悪影響を与え、ダウンタイムが長引く要因となることがあります。特に喫煙は血流を悪化させ、コラーゲン生成を妨げるため、治療効果を十分に得られない原因にもなります。
また、睡眠不足やストレスが続いている場合も回復力が落ちるため、施術前は規則正しい生活を意識することが望ましいでしょう。
4. サブシジョンが適している方・適していない方
サブシジョンが適している方・向いている症状
サブシジョンは、特に「ローリング型」と呼ばれる波状の凹みに効果的です。このタイプは皮膚の下で線維が皮膚を強く引き込み、表面に凹みが現れているため、その癒着を解除するサブシジョンが有効に働きます。
また、ボックス型の広いクレーターや、外傷・手術跡による瘢痕にも一定の改善が期待できます。
さらに、これまでレーザーやピーリングなどの治療を試したものの満足できなかった方にも適しています。
肌の再生力を引き出し、コラーゲンを増生させる作用があるため、表面的な治療では効果が乏しかった深い凹凸に対しても改善の可能性があります。
関連記事:クレーター肌・ニキビ跡におすすめのサブシジョン治療とは
サブシジョンが適していない方・不向きな症状
一方で、サブシジョンには不向きなケースも存在します。代表的なのは「アイスピック型」と呼ばれる鋭く深い瘢痕です。このタイプは瘢痕そのものが硬く狭いため、サブシジョン単独では十分な効果が得られません。
その場合はクロスTCAやレーザーとの併用が必要です。
また、炎症性ニキビが残っている状態で施術を行うと、炎症悪化や感染のリスクが高まります。さらに、皮膚が極端に薄い方や、出血傾向が強い方も注意が必要です。内出血が広がりやすく、回復に時間がかかることがあります。
このように、サブシジョンは万能ではなく、適応を見極めることが成功の鍵となります。自分の症状が向いているかどうかは、必ず専門医の診察で確認することが大切です。
5. サブシジョン施術を安心して受けるために知っておきたいこと
施術の基本知識と効果を理解する
サブシジョンは、皮膚の下にある線維性の癒着を切り離し、肌表面の凹みを改善する治療です。
施術によって生まれる空間に血液が集まり、治癒過程でコラーゲンが生成されることで、時間の経過とともに滑らかな肌質に近づいていきます。
効果は即時的なものではなく、数週間から数か月かけて徐々に実感できるのが特徴です。そのため、焦らず経過を見守ることが重要です。
ダウンタイムやリスクについて知る
施術後には腫れや赤み、内出血といったダウンタイムが必ず現れます。多くは1〜2週間で落ち着きますが、人によっては3週間程度続くこともあります。
また、まれに一時的な感染やしこりが生じることもあるため、術後の経過観察は欠かせません。これらのリスクを理解したうえで施術を受けることが、安心につながります。
適応と不向きなケースを確認する
すべてのニキビ跡がサブシジョンに適しているわけではありません。ローリング型や広めのクレーターには有効ですが、深いアイスピック型の瘢痕は単独治療では効果が乏しいことがあります。
また、皮膚が極端に薄い方や出血傾向のある方はリスクが高まるため、別の治療法が適していることもあります。
事前に適応を確認し、自分に合った治療計画を立てることが大切です。
信頼できる医師・クリニックを選ぶ
サブシジョンは針を皮膚の深部まで挿入して癒着を解除するため、解剖学的な知識と高い技術が求められる施術です。経験の少ない医師が行うと、効果が十分に得られなかったり、過度な内出血や神経損傷のリスクが高まることもあります。
カウンセリングで症状に合わせた治療プランを提示し、ダウンタイムやリスクについて丁寧に説明してくれる医師を選ぶことが、後悔しない治療への近道です。
6. まとめ
サブシジョンは、長年悩まされてきたニキビ跡の凹凸やクレーターに対して、根本的な改善を目指せる治療法です。
癒着している線維を物理的に解除し、時間をかけてコラーゲンを増やすことで、肌の質感をなめらかに変えていくのが大きな特徴といえます。
一方で、施術を受けたすべての方に満足できる効果が得られるわけではなく、ニキビ跡のタイプや治療回数、術後のケアによって結果に差が生じます。特にアイスピック型の深い瘢痕や炎症が残る肌では単独効果が限定的であり、他治療との併用が必要になることもあります。
施術前には、日焼けや生活習慣、服薬状況などを整えておくことも大切です。また、サブシジョンが自分の症状に適しているかを見極めるためには、必ず経験豊富な医師の診察を受けることが欠かせません。
サブシジョンは「魔法の治療」ではありませんが、正しい知識と準備、そして信頼できる医師との出会いがあれば、これまで改善が難しかった肌の悩みに大きな変化をもたらしてくれる可能性があります。
後悔しないためには、効果が出にくい理由やリスクを理解し、長期的な視点で治療に取り組むことが何よりも重要です。
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