ニキビ跡のクレーターや肌の凹凸は、スキンケアや一般的な美容治療では改善が難しく、多くの方が長年悩み続ける症状です。ファンデーションで隠しても影が強調され、自信を失ってしまうこともあります。
そこで注目されているのがサブシジョン(Subcision)です。皮膚深部の線維を直接切り離すことで、凹みを根本から改善に導く治療法として関心を集めています。
ただし効果は施術直後に完成するのではなく、数週間〜数か月をかけて現れるため、「効果はいつから?」「何回必要?」「痛みはある?」といった不安を抱く方も少なくありません。
本記事では、サブシジョンの原理や効果の経過、必要回数や持続期間、さらに痛みやデメリット・注意点まで詳しく解説します。
1. サブシジョンとは何か?その原理と概要
サブシジョン(Subcision)は、主にニキビ跡によるクレーター状の凹みや肌の凹凸を改善するために行われる治療法です。
凹みの大きな原因は、皮膚の内部で線維組織が癒着し、皮膚を内側に引き込んでしまうことにあります。表面的なスキンケアやレーザー治療では届かない「皮膚の奥の癒着」に直接アプローチするのがサブシジョンの特徴です。
この施術は、専用の極細針を皮膚に挿入し、凹みの下で皮膚を引き込んでいる線維を物理的に切り離します。
線維が解放されることで皮膚が自然に持ち上がりやすくなり、さらにその部分に血液や新しい組織が流れ込むことで、コラーゲン生成が促進されます。時間の経過とともに肌の再構築が進み、よりなめらかな質感へと変化していくのです。
サブシジョンは「即効性」と「再生力」の両面を兼ね備えた施術といえます。施術直後に凹みが浅くなることもありますが、最大の魅力はその後数か月にわたりコラーゲンが増えることで、長期的な改善が得られる点にあります。
サブシジョンの施術方法
施術はまずカウンセリングと診察から始まります。皮膚の凹みの種類や深さを確認し、サブシジョンが適応かどうかを判断します。施術当日は局所麻酔を行ったうえで、針を皮膚に挿入し、線維を切断していきます。
針を左右に動かしながら癒着を解除するため、皮下で「プチッ」と弾けるような感覚がある場合もありますが、麻酔の効果で痛みは最小限に抑えられます。
処置時間は範囲にもよりますが30分〜60分程度で、施術後は止血や冷却を行い、必要に応じて内服薬や軟膏が処方されます。
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サブシジョンで改善が期待できる症状
サブシジョンが特に効果を発揮するのは「ローリング型」と呼ばれる、波状の広がりを持つニキビ跡です。線維性の癒着が原因で皮膚が引き込まれているため、この癒着を切り離すことで改善が期待できます。
また、ボックス型の広いクレーターや、外傷・手術跡などの陥没にも有効な場合があります。
一方で、深く鋭い「アイスピック型」の瘢痕は、サブシジョン単独では十分な改善が得られにくく、クロスTCAやフラクショナルレーザーとの併用が必要になることがあります。適応を正しく見極めることが、施術の成功につながります。
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2. サブシジョンはいつから効果を実感できる?
サブシジョンは肌の深部に働きかける施術であるため、表面的な治療とは異なり、効果が現れるタイミングに特徴があります。多くの方は「施術を受けた直後から凹みが浅くなったように見える」と感じる一方で、最終的な効果は数週間から数か月をかけて徐々に出てくるのが一般的です。
ここでは、効果の出始めの時期や経過、そして効果が出にくいときの理由について整理していきます。
サブシジョンの効果が出るまでの目安期間
施術直後は、線維の癒着が切り離されたことで皮膚が持ち上がり、一時的に凹みが改善して見えることがあります。
ただし、この段階では腫れや内出血も影響しているため、見た目の変化がそのまま完成形ではありません。
本格的に効果を実感できるのは、施術から数週間〜1か月後です。この頃には腫れや内出血が落ち着き、コラーゲン生成が始まって凹みが浅くなっていく変化を実感できるようになります。
さらに3か月ほど経つと肌の再構築が進み、より自然で滑らかな質感に近づいていきます。
サブシジョン施術後の経過と変化
1週間以内は赤みや内出血が残り、見た目の変化を冷静に判断するのは難しい時期です。
2〜4週間で凹みの改善を感じる方が増え、1〜3か月後にかけてコラーゲンの生成が進むにつれて効果が定着していきます。多くの患者さんが「肌の凹凸が浅くなり、メイクのノリが良くなった」と感じるのもこの頃です。
また、サブシジョンは時間の経過とともに自然な変化が出るため、周囲に「施術を受けた」と気づかれにくいのもメリットです。
サブシジョンで効果が出ないときの原因と対処法
効果を実感しにくい原因はいくつか考えられます。まず、凹みのタイプがサブシジョンに適していないケースです。
アイスピック型のように縦に深い瘢痕は、サブシジョン単独では改善が乏しく、他の治療を組み合わせる必要があります。
また、治療回数が不足していることも理由のひとつです。特に重度のクレーター肌は1回だけでは不十分で、3〜5回程度の繰り返しでようやく満足できる結果が得られることがあります。
さらに、施術後の紫外線対策や生活習慣が不十分だと、コラーゲン生成が妨げられ効果が半減してしまうこともあります。
効果が出にくいと感じた場合は、施術後の経過を正しく理解し、必要に応じて他の治療を併用することで改善の可能性を高められます。
関連記事:サブシジョンで効果がでない?失敗する原因と後悔しないための対策
3. サブシジョンは何回必要?効果の持続期間と回数の目安
サブシジョンは一度の施術で変化を感じることもありますが、多くの方にとって複数回の治療が必要となります。これは、ニキビ跡の深さや広がり、皮膚の回復力などによって効果の出方が異なるためです。
ここでは、必要な回数の目安や効果の持続期間について解説します。

サブシジョンは何回で効果を実感できる?
軽度から中等度のニキビ跡であれば、1回〜2回の施術で「凹みが浅くなった」「肌の質感が滑らかになった」と実感できる方もいます。
しかし、多くのケースでは1回で大きな変化を得るのは難しく、少なくとも3回前後の施術が推奨されます。
特に重度のクレーター肌や広範囲に凹みがある場合は、5回以上の継続治療が必要となることもあります。
施術の間隔は3か月程度空けるのが一般的で、これは皮膚が回復し、コラーゲンが生成されるのを待ちながら効果を確認するためです。短期間に繰り返しても十分な効果は得られにくいため、長期的な計画が必要です。
サブシジョンの効果持続期間の目安
サブシジョンで得られた改善効果は、一度定着すると長期間持続する傾向があります。
切り離された線維が再び同じように癒着することは少なく、その部分に生成されたコラーゲンが皮膚を支えるため、改善状態が維持されやすいのです。
ただし、加齢による皮膚のたるみや弾力低下、紫外線ダメージなどによって時間とともに再び凹みが目立ってくることはあります。その場合には、再度サブシジョンを行う、あるいはレーザーやヒアルロン酸注入といった他の施術を補助的に行うことで改善を維持できます。
また、施術後の生活習慣やスキンケアによっても持続性は左右されます。紫外線対策や保湿を徹底し、健康的な生活を送ることで、サブシジョンの効果をできるだけ長く保つことが可能です。
4. サブシジョンは痛い?施術中の痛みと対策
サブシジョンは針を皮膚の下に挿入して線維を切り離す施術であるため、「痛みが強そう」と不安に感じる方は多いです。実際には局所麻酔を使用するため、施術中の痛みはかなり軽減されますが、まったくの無痛というわけではありません。
ここでは、どの程度の痛みがあるのか、また痛みを減らすための工夫について解説します。
サブシジョン施術中の痛みはどのくらい?
施術はまず局所麻酔を行ってから始まります。麻酔注射のチクッとした刺激を感じるのは最初だけで、その後は針を皮膚に入れる痛みは大幅に抑えられます。
ただし、線維を切り離すときに「ブチッ」「ザクッ」といった感覚を覚えることがあり、これを軽い違和感や鈍い痛みとして感じる方もいます。
施術範囲が広い場合は処置時間も長くなり、その分違和感を覚える場面が増えますが、強い激痛に耐える必要はほとんどありません。施術中に痛みが強いときは追加で麻酔を調整できるため、遠慮せず医師に伝えることが大切です。
サブシジョンの痛みを軽減する方法
痛みを最小限に抑えるためには、いくつかの工夫が行われます。まず局所麻酔に加えて、冷却や表面麻酔を併用することで痛みの閾値を上げることができます。
施術後は腫れや内出血による鈍痛が数日残ることがありますが、多くは市販の鎮痛薬でコントロール可能です。
また、施術をリラックスした状態で受けることも痛みの感じ方に影響します。緊張が強いと感覚が敏感になり、痛みを強く感じやすくなるため、施術前に不安点を医師に相談しておくと安心です。
「サブシジョン=激しい痛み」と想像されがちですが、実際には適切な麻酔とケアによって多くの方が耐えられる範囲の刺激にとどまります。
5. サブシジョン施術のデメリットと注意点
サブシジョンは、これまで改善が難しかったニキビ跡や肌の凹凸に対して根本的な改善が期待できる治療です。しかし、万能の治療法ではなく、いくつかのデメリットやリスクを理解したうえで受けることが大切です。
ここでは、施術を検討する際に押さえておくべき注意点を整理します。
サブシジョンのデメリットとは?
サブシジョンの最も大きなデメリットは、ダウンタイムが比較的長いという点です。施術後は腫れや赤み、内出血が数日から2週間程度続くことがあり、施術直後にすぐ人前に出る予定がある方には負担となります。
また、施術の性質上、皮膚の下に血液が溜まってしこりのように感じられることもありますが、多くは時間の経過とともに吸収されます。
もう一つのデメリットは、効果に個人差があることです。凹みのタイプや深さ、皮膚の回復力によって結果は異なり、必ずしも理想どおりの改善が得られるとは限りません。
そのため、過度な期待を抱かず、数回の治療を重ねて徐々に改善を目指す心構えが必要です。
サブシジョン治療で注意すべき点
サブシジョンは皮膚の深部に針を挿入するため、内出血や腫れが強く出やすい施術です。施術後は血行を促進する行動(激しい運動や飲酒、長時間の入浴など)を避け、清潔に保つことが回復を早めるポイントになります。
また、施術後は紫外線による色素沈着リスクが高まるため、日焼け止めや帽子でのUVケアが欠かせません。アフターケアを怠ると、せっかくの治療効果が半減する可能性があります。
成功させるためのポイントと知っておきたいこと
サブシジョンを成功させるためには、まず自分の症状が適応に合っているかを確認することが重要です。
ローリング型の凹みには効果的ですが、アイスピック型には単独では十分な結果が得られないこともあります。その場合は、レーザーやクロスTCAとの併用が推奨されます。
さらに、施術を担当する医師の経験や技術も結果を左右します。解剖学的な知識が不十分なまま施術を行うと、過度な内出血や神経損傷のリスクを伴うことがあるため、実績のある医師・クリニックを選ぶことが不可欠です。
サブシジョンは適切な症例に行えば非常に有効な治療ですが、リスクや注意点を理解し、正しい準備とアフターケアを行うことで初めて満足度の高い結果につながります。
6. まとめ
サブシジョンは、肌の奥で凹みを固定している線維を切り離すことで、ニキビ跡のクレーターや肌の凹凸を改善へ導く根本治療の一つです。これまでスキンケアやレーザーだけでは十分に満足できなかった方にとって、肌の構造そのものを再構築するアプローチは大きな魅力といえるでしょう。
ただし、効果の出方は段階的であり、施術直後に劇的な変化が完成するわけではありません。
一般的には数週間〜数か月かけてコラーゲンが生成され、徐々に肌質の改善を実感できるようになります。また、1回だけでは十分な改善が得られず、複数回の施術を重ねて初めて理想に近づけるケースも少なくありません。
一方で、施術には内出血や腫れといったダウンタイムが伴い、効果に個人差がある点は理解しておく必要があります。適応を正しく見極めずに受けると、思ったような結果が得られないこともあるため、経験豊富な医師に相談し、自分の症状に合った治療計画を立てることが大切です。
「サブシジョン=魔法の治療」ではありませんが、正しい知識と準備、そして適切な医師のもとで行えば、これまで諦めていた凹凸肌を改善へと導く大きな力となります。焦らず長期的な視点を持ち、アフターケアを徹底することで、より滑らかで自信の持てる肌へと近づけるでしょう。
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