最近ではマスクを外す機会も増え、口元が見える場面が多くなったことで、「ほうれい線が気になる」と感じる方が急増しています。そんな悩みを解決する選択肢のひとつが、美容医療による「ヒアルロン酸注入」です。
治療時間が短く、すぐに変化が実感できる点が人気で、はじめて美容医療を受ける方にも選ばれています。
でも、ヒアルロン酸注入が“簡単に若返る魔法”というわけではありません。きちんとした知識がないまま受けてしまうと、思ったような結果が出なかったり、違和感を感じたりするケースもあります。
この記事では、ヒアルロン酸でのほうれい線治療を検討している方に向けて、「なぜほうれい線ができるのか」から「治療のメリット・デメリット」、「施術前に知っておくべきこと」まで、わかりやすく解説していきます。
1.ほうれい線が目立つのはなぜ?原因と悪化の要因
加齢による皮膚の弾力低下と脂肪の下垂
ほうれい線が目立ってくる一番の理由は、「肌の老化」による変化です。年齢を重ねると、肌の弾力を保つために必要なコラーゲンやエラスチンという成分が減っていきます。これによって皮膚がゆるみ、たるみやすくなるのです。
また、頬の脂肪も年齢とともに少しずつ下に下がっていきます。この「脂肪の下垂(かすい)」によって、口元の皮膚との間に段差が生まれ、線のように見えてしまうのがほうれい線です。
この変化は、誰にでも起こる自然な老化現象ですが、早めにケアを始めることで目立ちにくくすることは十分に可能です。

表情筋の動きや生活習慣による影響
顔の表情は、たくさんの筋肉が連動して動いています。笑う、話す、食べるといった毎日の動作で、同じ筋肉を繰り返し使うと、その部分の皮膚に「折れグセ」のような線が入りやすくなります。このような動きのクセが長年続くことで、シワが固定化し、何もしていないときにもくっきりとほうれい線が残るようになってしまいます。
さらに、生活習慣も大きく関係します。
* 横向きやうつ伏せで寝る
* スマホやパソコンを見るときに顔を下に向ける
* 頬杖をつく
* 片側だけでよく噛む
こういった日々のクセが、片側だけほうれい線が深くなる原因になることもあります。
骨格や遺伝的な要因
もともとの骨格や体質も、ほうれい線の出やすさに関係しています。たとえば、頬骨が高く、顔の中央部分(中顔面)が短い方は、皮膚や脂肪がしっかり支えられているため、ほうれい線が目立ちにくい傾向があります。
一方で、中顔面が長めだったり、頬骨が低かったりする方は、頬の脂肪が下に落ちやすく、若い頃からほうれい線が出やすいこともあります。
また、肌が薄く乾燥しやすい体質の方も、皮膚のハリを保ちにくいため、シワが目立ちやすい傾向があります。こうした要素は、努力で完全に変えることはできませんが、肌に合ったケアや医療的なアプローチによって、見た目の印象を大きく改善することが可能です。
2.ほうれい線を改善する方法は?
ほうれい線は一度くっきりと刻まれてしまうと、完全に消すのは簡単ではありません。ですが、正しいケアや治療を行うことで、目立たなくしたり、進行を遅らせたりすることは十分に可能です。
ここでは、自宅でできるセルフケアから、医療機関で行う本格的な治療まで、改善方法をわかりやすく紹介します。
スキンケアで保湿と紫外線対策を徹底する
肌の乾燥は、シワやたるみを進行させる大きな原因のひとつです。乾燥している肌は、ちょっとした表情の動きでもシワが入りやすく、またそれが元に戻りにくくなってしまいます。そのため、毎日のスキンケアでしっかり保湿することがとても大切です。
ヒアルロン酸やセラミド、アミノ酸などが配合された化粧品は、水分を保ちやすく、ふっくらとした肌をキープしやすくなります。また、紫外線も肌老化の大敵です。UVによって肌の中のコラーゲンが壊され、たるみやシワができやすくなってしまうため、日中は季節を問わず日焼け止めを使う習慣を持ちましょう。
表情筋を意識したマッサージやストレッチ
顔にはたくさんの筋肉があり、普段あまり動かしていない筋肉は、徐々に衰えてしまいます。とくに、口元や頬の筋肉をしっかり動かすことは、たるみやシワの予防にとても有効です。
例えば「口を大きく動かす体操」や、「頬を内側から持ち上げるストレッチ」などを、毎日1~2分続けるだけでも、筋肉の柔軟性や血流が改善され、ほうれい線が目立ちにくくなることがあります。
ただし、力を入れすぎたり、強くこすったりするようなマッサージは逆効果になることもあるので、やさしく行うことがポイントです。
市販の美容グッズを取り入れる
最近では、ドラッグストアや通販などで、ほうれい線対策に使えるアイテムもたくさん販売されています。例えば、* EMS(電気刺激)で筋肉を動かす美顔器* 肌にハリを与えるリフトアップマスク* LEDやラジオ波を使った肌引き締め機器などが人気です。
こうしたグッズは、「すぐに劇的な変化がある」わけではありませんが、日々のスキンケアの一部として取り入れることで、たるみやシワを予防しやすくなります。無理なく継続できるアイテムを選ぶことが、長く使い続けるコツです。
美容医療で本格的に改善する
セルフケアには限界がある場合もあります。「どんなに保湿しても、ほうれい線が薄くならない」「たるみのせいでシワが深く見える」このように感じている方は、美容医療での治療を検討してみる価値があります。
最近では、メスを使わずに受けられる治療法が増えており、ダウンタイムも少ないため、忙しい方や美容医療初心者の方にも広く受け入れられています。次は、ほうれい線改善に効果的とされている代表的な美容医療の種類をご紹介します。
3.ほうれい線改善に効果的な美容医療
セルフケアではどうしても限界があり、「深く刻まれたほうれい線を薄くする」ためには、美容医療の力を借りるのが現実的です。
美容医療では、皮膚や脂肪、筋肉、骨格など原因に合わせたアプローチが可能で、自分に合った治療を選ぶことで自然に若々しい印象を取り戻すことができます。ここでは代表的な4つの方法をご紹介します。
ヒアルロン酸注入でしわをふっくら改善
もっとも広く行われているのが、ヒアルロン酸注入です。ほうれい線の溝にヒアルロン酸を入れることで、皮膚が内側から持ち上げられ、線が目立ちにくくなります。ヒアルロン酸は体内にも存在する成分なので安全性が高く、アレルギーの心配もほとんどありません。
施術時間は10〜15分ほどと短く、注射後すぐに鏡で変化を確認できる即効性があります。ただし、皮膚のたるみが強い場合や、骨格の影響が大きい場合は、ヒアルロン酸単独では限界があるため、他の施術と組み合わせることも多いです。
糸リフトで口元のたるみを引き上げる
「ほうれい線がたるみで深く見えている」という方には、糸リフトが適しています。特殊な溶ける糸を皮膚の下に入れ、たるんだ組織を上に引き上げる施術です。即効性があり、さらに糸の刺激でコラーゲン生成が促され、長期的に肌質改善の効果も期待できます。
従来の糸よりも柔らかく、自然な仕上がりを得られる「ヴィーナスリフト」や「ジェンバー糸」といった新しい種類の糸も登場しており、リフトアップ効果だけでなく、ナチュラルな印象に仕上げたい方にも選ばれています。
ヒアルロン酸と違って「線を埋める」のではなく、ほうれい線の原因となるたるみそのものを改善するのが糸リフトの特徴です。
関連記事:糸リフトのほうれい線への効果とは?デメリットや費用相場も解説
HIFU・サーマジェンなどの照射治療
切らない方法で人気なのが、HIFU(ハイフ)やサーマジェンといった照射系の治療です。HIFUは超音波のエネルギーを肌の深い部分(SMAS層)に届け、たるみを支える土台に働きかけます。一方、サーマジェンは高周波を真皮層に当てて肌を引き締める治療です。
どちらもメスを使わずに受けられ、施術直後のダウンタイムがほとんどないのが魅力です。数週間〜数か月かけてコラーゲンが増えることで、肌のハリや引き締まりを感じられるようになります。深いシワを完全になくす効果はありませんが、「肌を引き締めたい」「ナチュラルに若返りたい」という方には向いている治療法です。
関連記事:サーマジェンとハイフの違いは?効果・料金・デメリットを比較
スネコスやリジュランによる肌質改善
肌そのものが薄く、ハリ不足でシワが目立っているタイプの方には、肌再生注射がおすすめです。代表的なのが「スネコス」と「リジュラン」です。
*スネコス:アミノ酸とヒアルロン酸を組み合わせた注射で、肌内部からコラーゲンやエラスチンの生成を促します。自然にハリと弾力を回復させていきます。
*リジュラン:サーモン由来のDNA成分を使い、肌の修復力を高める注射です。小ジワや乾燥ジワを改善し、若々しい質感へ導きます。
これらは「即効で劇的に変える」というよりも、肌の基礎力を高めて長期的に若返りを目指す治療です。何度か繰り返すことで効果が実感できるのが特徴です。
関連記事:スネコスとリジュランの違いを比較!特徴・効果・選び方について
4.ヒアルロン酸注入によるほうれい線治療のメリット
ヒアルロン酸注入は、ほうれい線の改善を目的とした美容治療のなかでも、特に人気のある施術方法です。その理由は、外科手術とは異なるアプローチで、気になるシワを手軽に改善できる点にあります。ここでは、ヒアルロン酸注入によって得られる代表的なメリットについて、ご紹介します。
即効性があり施術直後から効果を実感できる
ヒアルロン酸は、もともと体内に存在する成分で、肌のハリやうるおいを保つ役割を持っています。このヒアルロン酸を、ほうれい線が気になる部分に注入することで、皮膚の内側からふっくらと持ち上げるような効果が得られます。これにより、くっきりと刻まれていたシワが浅くなり、見た目の印象がやわらかくなるのです。
多くの方が、施術直後に鏡を見て「すぐに変化を感じられた」と驚かれるほど、即効性が高いことがこの治療の魅力です。もちろん、個人差はありますが、数日かけてよりなじんでいくこともあります。何週間も効果を待たなければならない他の治療法と比べると、「今日の変化が明日には実感できる」という点は、大きな安心感につながるでしょう。
メスを使わず短時間で治療できる
ヒアルロン酸注入は、メスを使わずに行える「非外科的治療」の一つです。施術は注射によって行われるため、傷跡が残ることもなく、肌への負担が非常に少ないのが特徴です。
治療時間は一般的に15〜30分程度と短く、忙しい方でも仕事の合間や家事のすきま時間に受けることが可能です。
また、注入直後からメイクができることもあり、ダウンタイムがほとんど必要ないのも大きなメリットです。軽い腫れや赤みが出ることはありますが、多くの場合は数時間〜1日以内におさまり、翌日から普段どおりの生活を送ることができます。
「整形手術には抵抗があるけれど、今の顔を少しだけ若々しくしたい」「イベント前に顔の印象を明るくしたい」といった方にとって、ヒアルロン酸注入はとても現実的で取り入れやすい選択肢といえるでしょう。
このように、ヒアルロン酸注入は“短時間で・メスを使わず・すぐに変化がわかる”という3つの大きなメリットがあり、初めての美容治療として選ばれることも多い施術です。
関連記事:ヒアルロン酸注射の5つの効果は?効果を持続させるためのポイント
5.ヒアルロン酸注入によるほうれい線治療のデメリット
ヒアルロン酸注入は、手軽に若々しさを取り戻せる美容法として人気がありますが、メリットだけではなく、いくつか注意すべき点もあります。ここでは、治療前に知っておきたい代表的なデメリットについてご紹介します。
効果の持続期間が限られている
ヒアルロン酸は体内に吸収されていく性質があるため、一度の注入でずっと効果が続くわけではありません。一般的には、6か月から1年ほどで徐々に効果が薄れていきます。そのため、若々しい状態をキープするには定期的な施術が必要です。ライフスタイルや年齢によって、効果のもちには個人差があります。
思い通りの結果にならないことがある
注入する位置や量によって仕上がりが変わるため、想像していたような自然な仕上がりにならないこともあります。とくに、注入量が多すぎると不自然に見えてしまうことがあり、逆に足りないと「変化がわからない」と感じるかもしれません。医師の技術やセンスによる部分も大きいため、信頼できるクリニック選びがとても大切です。
副作用が起こる可能性がある
ヒアルロン酸注入は比較的安全とされている治療ですが、腫れ・赤み・内出血といった一時的な副作用が出ることがあります。また、まれにアレルギー反応や血流障害などのトラブルが起こる可能性もゼロではありません。万が一の際に適切に対応できるよう、医療知識のあるクリニックで施術を受けることが安心です。
このように、ヒアルロン酸注入には手軽さの裏にいくつかのリスクも存在します。治療を受ける前には、メリットだけでなくデメリットもしっかり理解しておくことが大切です。
関連記事:ヒアルロン酸のデメリットは?失敗しないために期待できる効果と副作用など
6.ほうれい線ヒアルロン酸注入で満足できなかったときの対応策
ヒアルロン酸注入は比較的手軽な治療法ですが、誰にでも100%満足のいく結果が得られるわけではありません。実際に「思っていたより変化が感じられなかった」、「左右差が気になる」といった声もあります。そうした場合の対処法をあらかじめ知っておくことは、とても大切です。
まず、軽微な左右差や仕上がりの調整については、追加注入や修正注入で対応できるケースが多くあります。ヒアルロン酸は足していく調整が可能なため、医師と相談しながら自然な仕上がりになるよう微調整することができます。
逆に「入れすぎてしまった」「ふくらみすぎて不自然」と感じる場合は、ヒアルロニダーゼという分解酵素を使って溶解する方法もあります。完全に元に戻せるわけではありませんが、過剰なふくらみを軽減することができるため、不満を感じた場合の選択肢として有効です。
ただし、こうした対応には再診や追加費用がかかることもあるため、事前にカウンセリング時点で修正対応の方針を確認しておくと安心です。大切なのは、施術後に不安や疑問を抱えたままにせず、早めに担当医師に相談すること。
丁寧にフォローしてくれるクリニックを選んでおくと、より満足度の高い美容医療体験ができるでしょう。
7.ほうれい線へのヒアルロン酸注入で知っておくべき注意点
ヒアルロン酸注入によるほうれい線治療は人気のある美容法ですが、安心して受けるためには「施術前に知っておくべきこと」をしっかり理解しておく必要があります。ここでは、後悔しないために押さえておきたいポイントをご紹介します。
効果の持続期間を理解しておくこと
ヒアルロン酸は体内に吸収される素材のため、永久的な効果はありません。使用する製剤の種類や注入部位、個人の体質によって異なりますが、一般的には6ヶ月〜1年ほどで徐々に吸収されていきます。
そのため、定期的なメンテナンスが必要になります。「一度の治療でずっとキープできる」と思っていると、時間の経過とともに「戻ってきた」と感じてしまうかもしれません。あらかじめ効果の持続性を理解しておくと、治療への期待値をコントロールしやすくなります。
副作用やリスクが起こる可能性を知っておくこと
ヒアルロン酸注入は比較的安全性の高い治療ですが、まったくリスクがないわけではありません。注射による内出血や腫れ、軽い痛み、むくみなどは一時的に起こることがあります。また、まれに血流障害やアレルギー反応といった重めの副作用が起こる可能性もゼロではありません。
不安を感じたときは、我慢せず医師に相談することが大切です。施術後の変化が気になる場合も、すぐにクリニックへ連絡を取るようにしましょう。
医師の技術によって仕上がりに差が出ること
ヒアルロン酸注入はシンプルに見えて、実は繊細なデザイン力と技術力が問われる施術です。注入量のわずかな違いや、針を入れる角度、注入の深さによって仕上がりは大きく変わります。医師の経験や顔全体のバランスを見るセンスによって、ナチュラルに若返るか、不自然にふくらんでしまうかが左右されるのです。
特にほうれい線は顔の印象に直結する部位なので、「ただヒアルロン酸を入れるだけ」ではなく、立体的な設計ができる医師にお願いすることが非常に重要です。
信頼できるクリニックを選ぶこと
ヒアルロン酸注入の効果や安全性は、どこで受けるかによって大きく変わります。使用する製剤の質や保管管理、施術に使う針や麻酔の選び方、アフターケアの体制など、細かな部分も含めて信頼できるクリニックを選ぶことが大切です。
カウンセリングでの説明が丁寧かどうか、質問に対して誠実に答えてくれるかなども、判断基準になります。
料金の安さだけで決めず、長く付き合っていけるパートナーとしての医師やクリニックかどうかを見極めましょう。
関連記事:ヒアルロン酸の種類は?各種の効果や費用感、効力の期間、選び方を解説!
8.まとめ:ヒアルロン酸注入でほうれい線治療を始める前に
ほうれい線は、年齢とともにどうしても目立ちやすくなる変化のひとつです。でも、毎日のスキンケアや生活習慣の見直し、そして美容医療の力を上手に取り入れることで、今よりもっと明るく若々しい印象を手に入れることができます。中でもヒアルロン酸注入は、手軽で効果が早く出やすい治療として人気があります。
ただし、期待しすぎたり、リスクを知らずに受けてしまうと、満足できない結果につながることも。大切なのは、メリットとデメリットを正しく理解したうえで、自分に合った方法を選ぶことです。そして、信頼できるクリニックや医師にしっかり相談しながら、一歩ずつ進めていきましょう。
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