眉毛のアートメイクはやり直せる！アートメイク除去について美容皮膚科医が解説

皆さんこんにちは。
みさクリニック六本木本院院長のドクターみさえです。

今回は、アートメイクの除去（リムーブ）について解説していきたいと思います。

アートメイクは便利！でも「デザインが変わる」という問題も

アートメイクはとても流行っていて、多くのクリニックで施術されています。
私自身もアートメイクをしていますが、本当に自然で便利です。

もともと眉毛が濃いので「私はいいかな」と思っていたのですが、
やってみると本当に楽で、今は日焼け止めだけで外に出られる生活になりました。

ただし、アートメイクにはひとつ問題があります。
眉毛のデザインは時代によって変わるということ。

一度入れたら終わりではなく、
「2〜3年で薄くなる」と言われているものの、人によってはしっかり残ることもあります。

昔のアートメイクが消えない理由とは？

特に10年以上前に入れたアートメイクは、
現在主流の「手彫り」ではなく、機械彫りでがっつり色を入れているケースが多く、
退色（色が抜けること）がきれいに進まない方が多い印象です。

また、昔は医療機関以外でも施術されており、
今ほど色素の質が良くなかったと言われています。
その結果：
・不自然にオレンジになる
・青みだけ残ってしまう
・デザインが古いまま消えない

こういった状態の方は、
「新しいアートメイクを入れたい」と思っても、他院で断られることがあります。

ピコレーザー登場で「除去できる時代」へ

前職ではアートメイクを積極的に行っているクリニックに勤務しており、
医師が必ず診察をしていたため、多くの症例を実際に見てきました。

以前は「変な色が残ってしまったアートメイク」は対処が難しかったのですが、
今は ピコレーザー の登場でアートメイク除去の時代が大きく変わりました。

● ピコレーザーは多くの色に反応できる

1世代前のレーザーは、
青・黒・茶などには反応しましたが、
赤・黄色には弱く、取り残しや色の変化が起きやすい欠点がありました。
しかしピコレーザーはどんな色にも反応しやすく、より均一に除去できます。

● 旧式レーザーの問題点も改善

昔よく使われていたQスイッチレーザーでは、
・黒く反応しすぎる
・かさぶたが強く出る
・日常生活に支障が出る
などの問題がありました。

ピコレーザーはその点が大きく改善され、
アートメイク除去にはほぼピコレーザー一択と言える時代になりました。

除去できる部位：眉毛だけじゃない！
ピコレーザーなら、実は眉毛以外のアートメイクも除去できます。

● アイラインアートメイクの除去も可能

アイラインはまぶたの際に入っているため、
「そんなところにレーザーを当てても大丈夫？」とよく聞かれます。
→ 大丈夫です。医療用コンタクトレンズを使用します。

施術時は、こちらで目を開け、
レーザーから眼球を保護する専用レンズを入れるので、目を傷つけることはありません。

ただし、アイライン除去はとても痛いので、
まぶたへの局所麻酔注射が必要です。
これは経験がある医師でないと難しい処置です。

● リップのアートメイク除去

リップの除去は「断られる」ことも多い領域です。
理由は
・色抜けリスクがある
・腫れやすい
・色素の入り方に個人差が大きい

当院では、診察でリスクをしっかり説明し、
納得いただいたケースに限り施術しています。

アートメイク除去は1回で終わらない

アートメイクの除去は、基本的に1回では終わりません。
・1〜2ヶ月ごとに1回
・計3〜5回程度が目安

色の入り方によって個人差はありますが、複数回必要です。

● 除去した後に再度アートメイクを入れる場合

レーザー除去の後、再びアートメイクを入れる場合は
最低1〜2ヶ月は間隔をあける必要があります。

除去にも「デザイン力」が必要

意外かもしれませんが、
アートメイク除去も「デザインセンス」が求められます。

・眉毛の左右差
・元の眉のクセ
・骨格
・上がり方・下がり方
・どこを残してどこを消すべきか
これを理解して処置しないと、
左右がおかしくなったり、希望のアートメイクが後で入れられなくなることがあります。

患者さん側も
「自分の希望をきちんと理解してくれる医師・クリニックかどうか」
を見極めることが大切です。

アートメイクを入れた直後に「やり直したい」は可能？

よくある質問がこちら：

「入れた直後に後悔しました。すぐ取れますか？」

残念ながら すぐにはレーザーを打てません。

色が定着する前（約1ヶ月以内）はレーザー除去ができないため、
その間できる対処は限られています。

● できる対処：ヒーライト

ヒーライト（医療用LED）は、肌代謝を上げ、
ターンオーバーを促すため、色が少し薄くなる可能性はあります。

ただし大きく変わるわけではないため、
本格的な除去は1ヶ月以上経過してからとなります。