糸リフトは、メスを使わずにリフトアップ効果を得られる美容施術として広く知られるようになりました。頬やフェイスラインのたるみを引き上げ、小顔効果や若返りを目指す方にとって、手軽でダウンタイムも少ないという点が魅力とされ、人気が高まっています。
しかしその一方で、糸リフトにもデメリットやリスクは存在します。「思ったような効果が出なかった」「不自然な仕上がりになってしまった」などの後悔の声も少なからず見受けられます。美しく自然な仕上がりを得るためには、施術前の情報収集とクリニック選びが非常に重要です。
この記事では、糸リフトのデメリットや失敗例、向いていないタイプ、そして後悔しないために知っておきたい注意点について詳しく解説します。正しい知識を持ち、自分に合った施術かどうかを見極める参考にしてください。
1. 糸リフトにどんなデメリットがあるの?
糸リフトは、皮膚の下に特殊な糸を挿入し、物理的に引き上げることで、たるみを改善する施術です。即効性やナチュラルな変化が期待される一方で、いくつかの注意点も伴います。
ここでは、糸リフトを検討するうえで知っておきたい代表的なデメリットを紹介します。
ダウンタイムが出る場合がある
「糸リフト=ノーダウンタイム」と思われがちですが、実際には施術直後に腫れや内出血、むくみ、軽度の痛みが現れることがあります。とくに皮膚が薄い人や、複数本の糸を挿入する場合は、腫れが目立ちやすい傾向にあります。
ダウンタイムは通常、数日〜1週間程度で落ち着くことが多いものの、大切な予定の前などには施術を避けるのが無難です。
また、術後すぐは引きつれ感や異物感が出ることもあり、完全になじむまでに2〜3週間ほどかかるケースもあります。
関連記事:糸リフトの腫れはひどい?ダウンタイムと対処法を解説
効果には個人差があり、永久的ではない
糸リフトで使用される糸は、基本的に体内で吸収される素材(PDO、PCLなど)であるため、効果も永久的ではありません。持続期間は素材によって異なりますが、おおむね半年〜2年程度が一般的です。
また、もともとの肌質やたるみの程度によって、効果の実感度にも差が生じます。「頬のもたつきが取れた」と感じる人もいれば、「あまり変化がなかった」と感じる人もいるなど、施術後の満足度には個人差があることを理解しておく必要があります。
表情の違和感や左右差が生じるケースもある
糸リフトでは、糸の挿入位置や引き上げの強さに応じて、仕上がりに差が出ることがあります。とくに、左右のバランスが取り切れていない場合には、笑ったときや話すときの表情に微妙な違和感が残ることがあります。
また、引き上げ方が強すぎると、顔の表情が不自然になったり、頬が引きつれて見えたりすることもあります。
こうした違和感は数週間のうちに改善されることも多いですが、技術不足や過剰なリフトアップが原因で長引くケースもあるため、施術者の熟練度が仕上がりに大きく影響します。

2. 糸リフトの失敗や後悔につながりやすいケースとは
糸リフトは比較的手軽な施術とはいえ、仕上がりに不満を抱いたり、逆に老けて見えたりといった“後悔”の声も一定数あります。どのようなケースが「失敗」と感じられやすいのかを把握することで、リスクを避けやすくなります。
引き上げすぎで不自然な仕上がりになることも
自然なリフトアップを目指すべき糸リフトにおいて、最も避けたいのが「引き上げすぎ」による不自然な変化です。とくに、頬骨のあたりがつっぱったように盛り上がり、表情と調和しなくなると「不自然な顔つき」として違和感を持たれてしまうことがあります。
このようなケースでは、「若返った」というよりも「整形顔になった」という印象を与えやすく、自分自身も鏡を見るたびに違和感を覚える可能性があります。
糸の本数や位置のバランスが合わないと違和感が出やすい
使用する糸の本数や配置が適切でない場合も、仕上がりに不満を感じやすくなります。本数が少なすぎるとリフト力が不足し、逆に多すぎると不自然に見えることがあります。
また、糸の挿入位置が左右で異なると、表情の左右差が出やすくなるため、カウンセリングでの設計や医師の技術が仕上がりを大きく左右します。特に目元や口角など、動きの多い部位ではバランスの悪さが顕著に表れやすい点に注意が必要です。
関連記事:糸リフトは何本がベスト?目的別の必要本数や費用も解説
頬がこけたように見えるケースもある
もともと頬の脂肪が少ない方が過度に引き上げると、ボリューム感が失われ、頬がこけたように見えることがあります。リフトアップによってフェイスラインがシャープになることは望ましい一方で、やりすぎると逆に老けた印象になってしまうこともあります。
とくに40代以降では、加齢による骨や脂肪の萎縮が進行しているため、糸リフト単体では補えない部分も出てきます。その場合には、ヒアルロン酸やベビーコラーゲンとの併用が適しているケースもあるため、仕上がりを想定した複合的なアプローチが重要です。
時間が経つとたるみが戻ったと感じることも
糸リフトの効果はあくまで一時的なものであり、体内で糸が吸収されるに従って、引き上げ効果も徐々に弱まります。そのため、施術から半年〜1年を過ぎる頃には、「たるみが戻ってきた」「前と同じ状態に見える」と感じることがあります。
これは糸の持続力の限界による自然な現象ですが、初回施術時に「半永久的に持つ」と誤解していた場合には、強い落胆や後悔につながる可能性があります。効果の持続期間については、素材・本数・肌質など複合的な要因が関与するため、あらかじめリアルな目安を共有しておくことが重要です。
3. 糸リフトが向いていない人の特徴
糸リフトはたるみの改善や輪郭の引き締めに有効な治療法ではありますが、すべての人に適しているわけではありません。肌質や骨格、たるみの程度などによって、思ったような効果が得られにくいケースもあります。
施術前に「自分が適応かどうか」を見極めることが、後悔を防ぐ第一歩です。
強いたるみがある
糸リフトは軽度〜中等度のたるみに対して高い効果を発揮する施術ですが、皮膚が大きく垂れ下がっているような「強いたるみ」には十分な引き上げが期待できないこともあります。
たとえば、60代以上で頬や首の皮膚が重力に沿って大きくたわんでいるような場合、糸だけでのリフトアップには限界があります。このようなケースでは、外科的なフェイスリフトのような手術を選択するほうが確実な改善につながることもあり、医師との相談の中で他の施術との比較を行うことが重要です。
皮膚が厚すぎる・薄すぎる
皮膚の厚みによっても糸リフトの適応可否は変わります。たとえば皮膚が極端に厚い人は、糸のリフト力が十分に伝わらず、効果が出にくくなる傾向があります。逆に、皮膚が非常に薄い人は、糸の挿入が難しかったり、表面に糸が浮いて見える・触れてわかるといったリスクが高まる場合もあります。
皮膚の厚みは自己判断ではわかりづらいため、経験豊富な医師による触診や診断によって、自分に合ったアプローチを提案してもらうことが重要です。
フェイスラインに骨格的な凹凸がある
顔の骨格が左右非対称だったり、エラや頬骨が張っている、あるいは顎の凹凸が目立つといった骨格的特徴がある場合、糸リフトによる引き上げがうまく噛み合わず、バランスが取りにくくなることがあります。
このような骨格の影響で仕上がりに差が出やすい方は、糸リフト単体では理想の輪郭にならないこともあります。骨格を補正する目的でヒアルロン酸注入や脂肪溶解注射などを併用した複合治療が検討されることもあります。
長期間の持続を求める方やメンテナンスが難しい方
糸リフトは吸収糸を用いるため、効果は永続しません。一般的には半年〜2年程度の持続が目安であり、定期的なメンテナンスを前提とした施術です。
したがって、「一度でずっと効果が続く施術を希望する方」や「何度も通院できないライフスタイルの方」には向いていない可能性があります。
また、メンテナンスを怠ることでリフト効果が急激に失われる場合もあるため、美容医療に対して継続的に関心を持ち、自分の顔に定期的に向き合う姿勢が必要とされます。
4. 糸リフトを検討する前に知っておきたい注意点
糸リフトのデメリットやリスクを避け、満足度の高い仕上がりを得るためには、事前の準備と情報収集が不可欠です。以下では、糸リフトを検討するうえでとくに重要となる3つのポイントについて解説します。
価格だけで選ばず、症例や技術力も確認する
美容施術を選ぶ際、どうしても「安さ」に目がいきがちですが、価格だけを基準にしてしまうと、後悔につながるリスクが高くなります。特に糸リフトは医師のデザイン力と技術力によって仕上がりが大きく左右されるため、症例写真の豊富さや施術歴の長さなどを確認することが大切です。
たとえば、同じ価格でも片側4本の設計と8本の設計では結果がまったく異なりますし、カウンセリング時の説明が不十分なまま施術を受けるのは非常に危険です。
費用対効果を考えるならば、価格だけではなく「誰に施術してもらうか」を重視するようにしましょう。
使用する糸の種類や本数をしっかり説明してもらう
糸リフトにはさまざまな種類の糸(PDO・PCL・PLLAなど)があり、それぞれに特徴や価格、持続期間が異なります。また、糸の本数や挿入位置によっても仕上がりに大きな差が出るため、自分に使われる予定の糸の種類・本数・目的などを事前にしっかりと説明してもらうことが重要です。
もし説明が曖昧であったり、明確な治療設計を提示されないまま施術を勧められるようであれば、そのクリニックの信頼性には疑問を持つべきかもしれません。理解と納得のうえで受ける施術こそが、美容医療の基本です。
関連記事:糸リフトの種類とは?効果や違いも徹底比較
術後の生活制限にも注意が必要
糸リフト後は、腫れや痛みが引くまでの数日〜1週間程度、生活面での制限が必要になります。たとえば、強く顔をこする洗顔、激しい運動、うつ伏せ寝などは、施術部位に影響を与えるため避けなければなりません。
また、マッサージや美容施術の再開も一定期間控える必要があるため、イベントや旅行の予定がある場合は施術日とのタイミングを十分に調整しましょう。術後の過ごし方によって仕上がりに差が出ることもあるため、事前にしっかりと説明を受け、注意事項を守ることが仕上がりの満足度を高めるカギとなります。
5. まとめ
糸リフトは、メスを使わずにフェイスラインのたるみを改善できる有効な選択肢のひとつです。しかし、ダウンタイムや効果の持続期間、仕上がりの個人差、糸の選定ミスなど、注意すべき点も数多く存在します。
とくに、「引き上げすぎによる不自然さ」や「左右差・表情の違和感」といったトラブルは、施術者の技術やデザイン力の影響を強く受けるため、価格だけにとらわれず信頼できる医師を選ぶことが重要です。また、自分自身の顔の状態や希望に合った治療方針を納得いくまで話し合い、正しい知識を持って臨むことで、糸リフトによる後悔は大きく減らすことができます。
美容医療は、“受けて終わり”ではなく、その後の経過やメンテナンスまでを見越した長期的な視点が必要です。糸リフトのメリット・デメリットを理解したうえで、自分に本当に合った施術かどうかをじっくり検討してみてください。
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