糸リフトは「切らずに若返りを叶える施術」として注目されている美容医療の代表格です。ダウンタイムが比較的短いとされる一方で、施術を検討している方にとって「実際どのくらい腫れるのか」「痛みは何日くらい続くのか」といった疑問や不安は尽きません。
施術効果に期待が大きい分、術後の経過や日常生活への影響を事前に知っておくことが安心につながります。
この記事では、糸リフトの基本的な仕組みから、施術後の経過・症状のピーク・注意点・ダウンタイムを短縮する方法まで、医師の視点で詳しく解説します。
1. 糸リフトってどんな施術?
糸リフトは、加齢や重力によって下がってきた皮膚を「特殊な溶ける糸」で引き上げる施術です。
従来のフェイスリフト手術のように切開を行う必要がなく、数十本単位の細い糸を皮下に挿入するだけでリフトアップ効果を得られる点が特徴です。糸は吸収性の素材で作られており、時間の経過とともに体内に吸収されながらも、その過程でコラーゲンやエラスチンの生成を促します。
糸リフトの人気は、「切らずに短時間で効果を実感できる」ことにあります。施術時間は30分程度で、施術直後から変化を感じやすいため、仕事や家庭で忙しい方からも選ばれています。
施術直後から効果が実感できる
糸リフトの大きな魅力は、糸を挿入した瞬間から皮膚が物理的に引き上げられることです。鏡を見て、フェイスラインがすっきりしたり、口元のもたつきが軽減されたりするのをすぐに感じられます。
特に「写真に写ると老けて見える」「マスクを外すとたるみが気になる」といった悩みを抱えていた方は、即効性の高さに満足感を覚えるケースが多いです。
切らずにリフトアップができる
糸リフトは切開を伴わないため、ダウンタイムが短い点が手術との大きな違いです。従来のフェイスリフトは、数週間〜数か月にわたるダウンタイムが必要でしたが、糸リフトであれば数日〜数週間程度で落ち着きます。
極細針で糸を挿入するだけなので、傷跡が目立ちにくいのも利点です。
たるみの改善ができる
加齢による皮膚のたるみは、真皮や皮下脂肪、靭帯のゆるみが複合的に関与します。糸リフトではコグ(トゲ状の突起)が付いた糸を挿入することで、下がった皮膚を効果的に支えます。
結果として、ほうれい線・マリオネットライン・フェイスラインのもたつきが改善され、輪郭が若々しく見えるようになります。
関連記事:糸リフトのほうれい線への効果とは?デメリットや費用相場も解説
コラーゲンやエラスチンの生成を促進
糸が体内で分解・吸収される過程で、周囲の組織が軽い炎症反応を起こし、それに伴ってコラーゲンやエラスチンの新生が促されます。この「肌の自己再生力」を利用する作用によって、施術から数か月経ってもハリ感や弾力の向上を実感できるのです。
単なる「引き上げ」だけでなく「肌質改善」まで期待できるのが、糸リフトがリピーターに選ばれる理由の一つです。
2. 糸リフト施術後の経過
糸リフトの術後経過を理解しておくことは、ダウンタイム中の不安を軽減するために欠かせません。ここでは、時間の経過ごとに起こりやすい変化を解説します。
施術直後〜1週間目
施術直後は麻酔の影響で感覚が鈍くなっていることがあります。数時間後には徐々に痛みや圧迫感を感じることがあり、夜になると頬の張りや軽度の腫れが目立つ場合もあります。
2〜3日は痛み止めが必要になるケースもありますが、通常は市販の鎮痛薬でコントロール可能な程度です。
また、針を刺した部分には赤みや小さな点状出血が出ることがあります。翌日には化粧で隠せる程度に落ち着くことが多く、仕事や外出に支障は少ないでしょう。
ただし笑ったり大きな口を開けたりすると突っ張りを感じるため、食事や歯磨きは注意が必要です。
1週間〜2週間目
1週間経つと腫れや痛みはかなり軽減され、日常生活に支障はほとんどなくなります。
ただし口を動かすと糸の違和感や軽い引きつれ感を感じることがあります。特にフェイスラインを強く引き上げた場合、頬の一部に硬さを触れることもありますが、多くは2週間程度で自然に解消されます。
この時期になると、リフトアップ効果が安定してきます。鏡を見て「フェイスラインがシャープになった」「ほうれい線が浅くなった」と実感できる方が増える時期です。
3週目以降
3週間を過ぎると、腫れや内出血はほぼ消失し、笑顔や会話をしても違和感が少なくなります。糸によるサポートが組織になじみ、自然な表情で過ごせるようになります。
この頃から肌内部でコラーゲン生成が進み始め、リフトアップ効果に加えて「肌にハリが出てきた」と感じられる方もいます。
関連記事:糸リフトの持続期間は?効果を長持ちさせる方法や注意点も解説
3. 糸リフトのダウンタイムは長い?
糸リフトは「切らないリフトアップ」といわれるように、従来の外科的フェイスリフトに比べてダウンタイムは短いとされています。しかし、まったく症状が出ないわけではなく、腫れや痛み、内出血といった反応はほとんどの方に一定程度みられます。
実際のところ「どのくらいで普段の生活に戻れるのか」「人に会っても気づかれないようになるまで何日かかるのか」といった現実的な時間感覚を把握しておくことが重要です。
ダウンタイムの長さは、使用する糸の種類や本数、施術部位、医師の技術、そして患者さん自身の体質によって異なります。一般的には1〜2週間で日常生活に大きな影響がなくなり、3週間ほどで見た目にも違和感がほとんどなくなることが多いです。

糸リフトのダウンタイム中の症状は?
施術後に起こる主な症状としては、腫れ・痛み・内出血・ひきつれ感の4つが挙げられます。
腫れは施術当日から翌日にかけて出やすく、時間の経過とともに落ち着いていきます。多くはむくんだような腫れで、マスクをしていれば隠せる程度です。
痛みは針穴や糸が通っているラインに沿って感じやすく、笑ったり咀嚼したりする際に特に顕著になります。とはいえ強い痛みが続くケースはまれで、鎮痛剤で十分コントロールできる範囲です。
内出血は体質による差が大きく、全く出ない方もいれば、黄色〜紫色のあざが数日間続く方もいます。顔の血流は豊富なため出やすい傾向にありますが、時間の経過とともに自然に吸収されます。
ひきつれ感は糸が皮膚をしっかり固定することで起こる症状で、特に口を開けるときや笑顔を作るときに感じられます。強く出る場合でも、数週間で徐々に改善していきます。
痛みや腫れのピークはいつ?
糸リフト後の腫れや痛みのピークは、施術翌日から2日目あたりとされています。この時期に最も強く腫れやむくみを感じる方が多く、鏡を見ると「思ったより腫れている」と驚くことも少なくありません。
ただし、このピークを過ぎると急速に回復していき、1週間経つ頃には多くの方が外出や仕事に支障を感じなくなります。
特に人と接する機会が多い方は、施術から1週間後をめどに予定を立てると安心です。どうしても隠したい場合はメイクやマスクでカバーできますが、内出血が長引く方では完全に消えるまで2週間ほどかかる場合もあります。
関連記事:糸リフトの腫れはひどい?ダウンタイムと対処法を解説
4. 糸リフトのダウンタイム中の注意点
糸リフト後の回復をスムーズにするためには、ダウンタイム中の過ごし方が非常に重要です。ここで紹介する注意点を守るかどうかで、症状の強さや回復スピードに大きな差が出ます。
患部に触れない
もっとも基本的かつ重要なのが「患部に触れない」ということです。糸が安定する前に外部から力が加わると、糸がずれたり、効果が半減したりするリスクがあります。
洗顔やスキンケアを行う際も、優しく手を動かし、施術部位をこすらないよう注意が必要です。
口を大きく開けない
食事や歯磨きの際につい大きく口を開けてしまうと、糸に強い力がかかり、痛みやひきつれ感が強まることがあります。特に施術直後の1〜2週間は、硬い食べ物や大きな口開けを伴う動作は控えるのが賢明です。
血行を促進させない
腫れや内出血を悪化させないためには、血行を急激に促進する行為を避けることが大切です。具体的には、長時間の入浴やサウナ、飲酒、激しい運動などが該当します。
これらを控えることで腫れの引きが早まり、ダウンタイムを短縮することができます。
5. 糸リフトのダウンタイムを短くするには?
「なるべく早く普段通りの生活に戻りたい」というのは誰もが思うことです。ここでは、医師の立場からおすすめできるダウンタイム短縮の工夫をご紹介します。
【YouTube】Dr.みさえの素敵になり隊「糸リフトを初体験!ダウンタイムも自ら体験しました」
腫れや痛みを感じた場合は患部を冷やす
施術直後に炎症が強い場合は、保冷剤などで患部をやさしく冷やすことで症状の軽減につながります。ただし、長時間当てすぎると血流が悪くなり治癒を妨げる可能性があるため、1回10分程度を目安に行うのがよいでしょう。
患部を触らないようにする
ダウンタイムを短くする最もシンプルで確実な方法は「触らないこと」です。無意識に頬を触る癖がある方は特に注意が必要です。
また就寝時にうつ伏せにならないよう枕を工夫することも、糸に負担をかけないための大切なポイントです。
激しい運動は控える
運動は血流を促し、腫れや内出血を長引かせる要因となります。最低でも1週間、できれば2週間程度は激しい運動を控え、ストレッチや軽い散歩などにとどめるのがおすすめです。再開のタイミングは必ず医師に相談しましょう。
6. まとめ
糸リフトは、切らずにリフトアップ効果を得られる人気の施術ですが、ダウンタイムがゼロではありません。
施術直後から数日間は腫れや痛みが強く出やすく、1〜2週間かけて少しずつ改善していきます。3週間ほど経つと見た目も自然になり、リフトアップ効果が安定します。
ダウンタイムを快適に過ごすためには「患部に触れない」「口を大きく開けない」「血行を促進させない」といった基本的な注意点を守ることが大切です。また、冷却や生活習慣の工夫を行うことで、より早い回復が期待できます。
最終的に満足度の高い仕上がりを得るためには、施術前から正しい知識を持ち、信頼できる医師と十分に相談して施術を受けることが何より重要です。糸リフトは適切なケアを行えば、日常生活に大きな支障をきたすことなく自然な若返りを実現できる優れた治療法といえるでしょう。
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