年齢を重ねるとともに、フェイスラインのもたつきやほうれい線、口横のたるみが気になり始める方は少なくありません。これらの変化は「加齢による皮膚や支持組織の衰え」が大きな原因ですが、手術に踏み切るのはハードルが高いと感じる方も多いでしょう。
そんな中、切らずに顔のたるみを改善できる施術として「糸リフト」が注目を集めています。なかでも近年、美容医療の現場で導入が進んでいるのが「ジェンバー糸」という新しい糸リフトです。
従来の糸リフトとの違いはどこにあるのか、どのくらい効果が持続するのか、ダウンタイムや適した症状など、気になるポイントを徹底的に解説します。
1. ジェンバー糸ってどんな施術?
ジェンバー糸の構造と特徴
ジェンバー糸は、従来の糸リフトの進化版ともいえるデザインを持っています。大きな特徴は「強固なリフトアップ力」と「自然な仕上がり」を両立できる点です。
そのため引き上げ直後の効果だけでなく、時間の経過とともにコラーゲン生成を促し、肌の弾力や質感の改善にもつながります。
また糸の内部構造にも工夫が施されており、単純に“釣り上げる”だけでなく“支える”効果が高いことから、仕上がりが不自然になりにくいというメリットもあります。
ジェンバー糸がおすすめの人・症状
ジェンバー糸は、すべての方に同じように適しているわけではありません。特に効果を実感しやすいのは、以下のような症状を持つ方です。
・フェイスラインのもたつき
「顔が四角く見える」「輪郭がぼやけている」と感じる方は、糸によるリフトアップでシャープさを取り戻すことができます。
・口横のたるみ(口横ぽにょ)
年齢とともに口角の横に脂肪が下がり、笑っていなくてもたるみが目立つケースでは、糸でしっかり支えることで改善が期待できます。
・ほうれい線が深くなってきた
糸で頬全体を持ち上げることで、ほうれい線にかかる皮膚の重みを軽減し、線を浅く見せることができます。
・頬の位置が下がり、疲れて見える
加齢でミッドフェイスが下がると、顔全体が老けて見える印象に。ジェンバー糸は頬を自然に持ち上げ、若々しさを取り戻すサポートをします。
・外科手術は避けたいが、しっかり効果を実感したい
切開リフトほど大掛かりな治療を望まない方にとって、ジェンバー糸は手軽さと効果のバランスが取れた施術です。
加えて、ジェンバー糸は「たるみが軽度〜中等度」の段階で受けると特に効果的です。
脂肪萎縮や骨格的な変化が大きい重度のたるみでは、糸だけで満足できる変化を得るのは難しいため、他の施術と組み合わせることが推奨されます。
2. 他の糸リフトと比較したジェンバー糸の特徴
糸リフトには、PDO糸・PLLA糸・PCL糸など、いくつかの種類が存在します。いずれも体内で吸収される医療用素材で作られており、一定期間リフトアップ効果を発揮する点は共通しています。
しかし、その「持続期間」「仕上がりの自然さ」「引き上げ力」には大きな違いがあります。ジェンバー糸は、こうした従来糸の課題を補うように設計されており、他の糸リフトと比べることでその強みがより明確になります。
関連記事:ジェンバー糸とは?メリット・デメリットや糸リフトとの違いを解説
糸の構造とデザインの違い
糸リフトにはさまざまな種類がありますが、PDOやPLLA素材の糸は吸収までの期間が比較的短く、半年〜1年程度で効果が弱まるケースが少なくありません。
一方、ジェンバー糸はより持続性の高い素材で設計されており、効果のピークが長期間維持されやすいのが特徴です。
また、糸の表面に施された特殊な構造は、皮膚組織との密着度を高め、従来の糸では得られなかった安定感を実現しています。この構造的な進化が「引き上げ力」と「ナチュラルな仕上がり」を両立させているのです。
コグ(トゲ)の有無と引き上げ力の差
糸リフトにおいて最も重要な役割を果たすのがコグです。コグは皮下組織に“かぎ爪”のように引っかかり、物理的に皮膚を持ち上げる働きをします。
PDO糸などの従来糸では、コグが片側にしかない、あるいは大きさが小さくて組織への引っ掛かりが弱い場合がありました。このような糸では、初期のリフトアップ効果は得られても、数か月経つと糸がずれてしまい、効果が早期に薄れるケースが多く見られます。
ジェンバー糸は、全周性に配列されたコグが360度方向に組織をつかみ、均一に力を分散させます。このため、引き上げた皮膚をしっかりと固定でき、リフトアップ効果が長く維持されます。
また、引き上げ力が強いだけでなく、自然な角度で皮膚を支えるため、無理に引っ張ったような不自然さが出にくいのも特徴です。
3. ジェンバー糸はどのくらい効果が続く?
糸リフトを検討する方にとって、「どれくらい効果が続くのか」という点は最も重要な判断材料のひとつです。施術直後は変化を感じられても、短期間で元に戻ってしまうのでは満足度が低くなってしまいます。
その点、ジェンバー糸は従来の糸に比べて持続性が高いとされており、美容医療の現場でも注目を集めています。

ジェンバー糸の一般的な効果持続期間
ジェンバー糸の効果はおよそ半年~1年程度続くのが一般的とされています。
もちろん個人差はありますが、これは従来主流であったPDO糸が半年〜1年ほど、PLLA糸が1年〜1年半ほどです。
施術直後は物理的なリフトアップ効果が強く現れますが、その後3か月〜半年ほどかけて徐々にコラーゲン生成が進み、糸の周囲に新しい線維組織が形成されていきます。この過程により、糸そのものが体内で吸収されていく途中でも、肌のハリや弾力が維持され、長期的に効果を感じられやすいのです。
ジェンバー糸の持続期間に差が出る理由
効果の持続期間にはいくつかの要因が関わっています。
まず大きいのは糸の本数と配置です。少ない本数ではリフトアップ力が不十分になり、持続期間も短くなりがちです。逆に、患者一人ひとりのたるみの程度や皮膚の厚みに応じて適切な本数を入れることで、より長い効果が期待できます。
次に、皮膚や組織の状態も影響します。皮膚が厚く弾力がある人は糸の固定がしっかりと効きやすく、長く持続する傾向があります。一方で皮膚が薄く脂肪が少ない場合は、糸の引き上げ効果が十分に発揮されにくいこともあります。
また、生活習慣や年齢も大きな要素です。喫煙習慣がある方はコラーゲンの生成が阻害されやすく、持続期間が短くなる傾向にあります。逆に、バランスのとれた食事、十分な睡眠、適切なスキンケアを行っている方は、より長く効果を実感できることが多いです。
最後に、施術を行う医師の技術力も無視できません。糸をどの層にどの角度で挿入するかによって、持続期間には大きな差が出ます。ジェンバー糸は構造的に優れていますが、適切にデザイン・挿入されなければ十分な持続効果は得られません。
他の糸リフトと比較したジェンバー糸の効果持続期間
ここで、従来の糸との比較を整理してみましょう。
PDO糸:半年〜1年ほど。吸収が早いため定期的な再施術が必要。
PLLA糸:1年〜1年半ほど。PDOよりは持続するが、引き上げ力はやや弱め。
PCL糸:1年半〜2年ほど。持続性は高いが、糸によっては硬さがあり違和感が出る場合も。
ジェンバー糸:半年〜1年。ほど。柔軟性と自然な仕上がりを両立。
つまりジェンバー糸は、「持続力」と「PDO糸のような柔軟さ・自然さ」を兼ね備えたバランス型といえます。長期間のリフトアップを望みながらも、自然な表情を崩したくないという方に特に適しています。
4. ジェンバー糸の施術の流れとダウンタイムについて
ジェンバー糸は「切らないリフトアップ」といわれるように、従来のフェイスリフト手術のような大きな切開や全身麻酔を必要としない施術です。そのため、日常生活への復帰が早いことも人気の理由です。
ただし、医療行為である以上は一定のダウンタイムが存在します。ここでは施術の流れから、ダウンタイム中に現れやすい症状までを詳しく見ていきましょう。
ジェンバー糸の施術の手順
①カウンセリングと診察
まずは医師とのカウンセリングから始まります。患者の希望や気になる部位、たるみの程度を確認し、糸の本数や挿入位置を決定します。この段階で顔の骨格や脂肪の分布も評価され、仕上がりのシミュレーションが行われます。
②デザイン設計
実際に鏡を見ながら、どの方向にどの程度引き上げたいかを確認します。フェイスラインをシャープにするのか、口横のもたつきを改善するのかなど、目的に応じて糸の走行ラインを皮膚上にマーキングします。
③麻酔
局所麻酔を使用し、痛みをできる限り抑えながら施術を行います。静脈麻酔を併用するクリニックもあり、不安の強い方やリラックスして受けたい方には選択肢となります。
④糸の挿入
専用のカニューレ(針管)を用いて糸を皮下へ挿入します。ジェンバー糸は柔軟性があるため、組織に沿わせながらスムーズに配置できます。挿入後は糸を引き上げ、左右のバランスを確認して微調整が行われます。
⑤仕上がり確認とアフターケアの説明
引き上げ具合や表情の自然さを確認し、問題がなければ終了です。施術時間は30〜60分程度が一般的で、日帰りで受けられる点が大きな魅力です。
ダウンタイム期間と症状
施術後は比較的早く日常生活に戻れるものの、以下のようなダウンタイム症状が出ることがあります。
・腫れやむくみ
挿入部位を中心に数日〜1週間ほど腫れが生じます。特に施術直後は顔全体がやや膨張した印象になりますが、時間とともに落ち着いていきます。
・内出血
血管に接触した場合、青紫色の内出血が起こることがあります。メイクで隠せる程度がほとんどですが、完全に消えるまで1〜2週間程度かかる場合もあります。
・ひきつれ感・違和感
糸が皮膚を持ち上げているため、笑ったり口を大きく開けたりすると違和感を覚えることがあります。ただし、これは糸が周囲に馴染む過程で徐々に軽快し、多くは2〜3週間で気にならなくなります。
・痛みや圧迫感
麻酔が切れたあとに筋肉痛のような痛みを感じる方もいます。鎮痛薬でコントロールできる程度で、数日以内に落ち着くケースが大半です。
・当日〜3日後:腫れ・むくみがピーク。表情を動かすと軽い痛みやつっぱり感がある。
・1週間後:内出血があればまだ残るが、日常生活に大きな支障はない。マスクで隠せるレベル。
・2週間後:違和感が大きく改善し、自然な表情に近づく。
・1か月後:腫れ・内出血はほぼ消失し、仕上がりが安定してくる。
従来の切開リフトと比較すると、このダウンタイムは格段に短く、生活に取り入れやすいのがジェンバー糸の大きなメリットです。
関連記事:ジェンバー糸のダウンタイムは?糸リフト後の経過や過ごし方も解説
5. ジェンバー糸の効果を維持するためのポイント
ジェンバー糸は従来の糸リフトよりも長い効果持続が期待できるものの、あくまで「半永久的」ではありません。糸は時間とともに吸収されていきますし、加齢による組織の変化はその後も進行します。
そのため、施術を受けたあとの過ごし方やケアによって、効果の維持期間には大きな差が生まれます。ここでは、ジェンバー糸の効果をできる限り長く保つための具体的なポイントを解説します。
適切な本数と部位を選択する
ジェンバー糸の効果は、単に糸の種類に依存するのではなく、適切な本数や部位に挿入されることで最大限に発揮されます。
少なすぎると十分な引き上げが得られず、多すぎると不自然さが出ることもあるため、医師との相談が重要です。
施術後のアフターケアを徹底する
ジェンバー糸を挿入した直後は、まだ糸と周囲組織の癒着が完全ではありません。この期間に無理な動きをすると、糸の固定が緩み効果が半減する可能性があります。
そのため、以下のようなケアが大切です。
・強いマッサージやエステは避ける
・紫外線対策を徹底する
・保湿ケアを欠かさない
・規則正しい生活習慣
定期的なメンテナンス治療を取り入れる
ジェンバー糸の持続期間は1年半〜2年程度ですが、加齢の進行を止めることはできません。そのため、より長期的な美しさを維持するには、糸リフトだけでなく他の施術との組み合わせも有効です。
・ヒアルロン酸注入
糸で引き上げたあとに、ボリュームロスのある部分へ少量のヒアルロン酸を補うと、より立体的で若々しい印象になります。
・ベビーコラーゲンやスネコス
目元など皮膚が薄く糸が使いにくい部位には、注入系の再生治療を組み合わせると効果的です。
・高周波治療(サーマジェンなど)
糸の効果が弱まってきた時期に、皮膚の引き締めやコラーゲン生成を促す治療を併用すると、リフト効果を延長できます。
・定期カウンセリング
1年に1回程度は医師に経過を診てもらい、必要に応じて追加の糸リフトやメンテナンス治療を計画するのがおすすめです。
こうした工夫を組み合わせることで、単発の施術に終わらせず「長期的な若返りプラン」として効果を維持していくことができます。
6. まとめ
ジェンバー糸は、従来の糸リフトに比べて「高いリフト力」と「自然な仕上がり」、そして「1年半〜2年程度の持続性」を兼ね備えた次世代の糸リフトです。コグの構造や糸の柔軟性に工夫があり、フェイスラインや口横のたるみ、ほうれい線など加齢による悩みを、切らずに改善できるのが大きな特徴といえるでしょう。
施術は日帰りで受けられ、ダウンタイムも比較的短く、仕事や日常生活への影響が少ない点もメリットです。
ただし効果を最大限に引き出し長持ちさせるには、適切な本数と部位の選択、術後のケア、定期的なメンテナンスが欠かせません。
他の糸リフトと比較しても、ジェンバー糸は「持続力と自然さのバランス」に優れており、初めて糸リフトを受ける方や、切開手術を避けたい方に特に向いています。さらに、ヒアルロン酸注入やサーマジェンなどと組み合わせることで、より長期的かつ総合的な若返りが期待できます。
加齢は止められませんが、適切な方法でコントロールすることで「自然に若々しい印象」を維持することは可能です。糸リフトを検討されている方は、ジェンバー糸が自分に合うかどうか、ミサクリニックで相談してみてはいかがでしょうか。
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