皆さんこんにちは。
みさクリニック六本木本院の院長です。
今日は「ボトックス」について説明していきたいと思います。
ボトックスに対する誤解
「ボトックス」という言葉、聞いたことがある方も多いと思いますが、
なんとなく“怖い”“不自然になりそう”というイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。
でも実際は違います。
私からすれば、「私が嫌いになってもボトックスは嫌いにならない」と言えるほど、とても良い薬なんです。
うまく使えば本当に素晴らしいお薬です。
シワができる原因
なぜシワができるのかというと、私たちは日常的にさまざまな表情を作っています。
驚いたり、怒ったり、泣いたり…そのときに筋肉が過剰に動くことで、必要以上の力が加わり「表情ジワ」ができてしまうんです。
例えばおでこのシワは、眉を上げる動作で生まれます。
ボトックスでその筋肉の動きを少し抑えることで、シワをできにくくできます。
また眉間のシワも、強く寄せることで縦線が入りますが、ここに少しボトックスを入れてあげるだけで改善されます。
笑いジワも同じで、笑うときに目元の筋肉が強く収縮することでできるもの。
それを少し緩めるだけで皮膚への負担を軽減できます。
毎日同じ場所に力が加わり続けると、皮膚にダメージが蓄積してしまいます。
その負担を“少しだけブロック”してあげる。
それがボトックスの役割であり、シワ予防の大きなポイントです。

エラや歯ぎしりにも効果的
ボトックスはシワだけでなく、エラ張りや歯ぎしりにも有効です。
無意識のうちに強く噛み締めるクセがある人は、歯が削れてしまうほど強い力をかけています。
最近では、歯科でも治療の一環としてボトックスを使用することがあります。
筋肉の緊張を緩めることで、歯や顎関節への負担を減らすことができるんです。
そのため、顎関節症の治療にもボトックスが見直されています。

さまざまな用途 ― リフトアップ・多汗症治療にも
ボトックスは、筋肉の動きを抑える以外にも多くの効果があります。
たとえば、
・顔に浅く打つことでリフトアップ
・首筋の筋肉を緩めて若々しい印象に
・脇汗や手汗の軽減(多汗症治療)
など、さまざまな目的に使われています。
ボトックスで失敗する理由
ボトックスのトラブルの多くは「量」や「濃度」「注射の層」を間違えることが原因です。
まず「量(単位数)」を誤ると、筋肉が効きすぎて顔が下がるなどの失敗が起きます。
また「濃度」が薄すぎると、薬が広がりすぎて意図しない部分に効いてしまうこともあります。
逆に、適切な濃度で必要な箇所に正確に打てば、失敗は起きません。

ボトックス製剤の種類
現在、当院では2種類のボツリヌストキシン製剤を導入しています。
1.アラガン社製「ボトックスビスタ」
厚生労働省の認可を受けた国内正規品で、品質が非常に高い製剤です。
価格は以下の通りです:
・20単位:41,800円
・50単位:88,000円
2.韓国製「ナボタン」
韓国のKFDA(韓国版厚労省)の認可を受けており、安全性も確保されています。
原価が安いため、コストを抑えたい方におすすめです。
・50単位:49,500円
・100単位:88,000円
顔の細かい筋肉にはアラガン社製を、
エラ・肩・ふくらはぎなどの大きな筋肉にはナボタンをおすすめしています。

ボトックスの持続期間とおすすめの打ち方
効果の持続期間は、どのメーカーでも 約3〜4ヶ月。
最初の3回は3〜4ヶ月ごとに打つことで、筋肉の「クセ」を取ることができます。
その後は、半年〜1年ほど持つ方もいます。
多汗症やワキガ治療にも効果的
ボトックスは汗腺にも作用するため、脇・顔・鼻周りなどの汗を抑えることができます。
ワキガ治療の初期段階でもよく使われる治療法です。
特におすすめの時期は 冬。
暖房で汗をかきやすい時期に打っておくと、快適に過ごせます。
まとめ:ボトックスで失敗しないために
ボトックスは「単位数」「濃度」「打つ層」――この3つを正しく扱えば、非常に安全で優れた治療です。
逆に言えば、この3点を誤るとトラブルが起きるリスクがあります。
「安いところで打つより、信頼できる医師に任せる」
この考え方を忘れないでください。
