目の下の再生医療(PRP・FGF)の効果とリスク|膨らみすぎなどの失敗を防ぐには

目の下の再生医療(PRP・FGF)の効果とリスク|膨らみすぎなどの失敗を防ぐには

目の下の再生医療と呼ばれる施術には、自分の血液から作るPRP単独の注入と、PRPへ線維芽細胞増殖因子のFGFを加える方法などがあり、内容もリスクも同じではありません。

PRPでは小ジワや肌の質感に変化を感じる人がいる一方、研究は小規模で手順も統一されておらず、目袋や深いくぼみまで改善すると保証できる根拠は限られます。

とくにFGF添加では、時間をおいて膨らみや硬い結節が現れる懸念を分けて考える必要があります。完全な予防を約束する方法はないため、添加物と投与量を確かめ、異常時に記録を持って相談できる体制まで含めて選ぶのが安全です。

目次

目の下の再生医療でPRP・FGFと呼ぶ施術内容

「再生医療」という名称だけでは、何を注入するのか判断できません。PRPは自分の血液由来の血小板を濃縮した成分であり、外から加えるFGF製剤とは出所も作用の調整しやすさも異なります。

自己血から作るPRP単独注入の中身

PRPは採血した血液を遠心分離し、血小板を多く含む層を回収して注入するものです。血小板が放出する複数の成長因子を利用しますが、採血量や遠心条件、白血球の含有、活性化の方法によって仕上がりは変わります。

自分の血液を使う点は異物へのアレルギーを考えるうえで特徴となるものの、注射に伴う腫れや内出血、感染、血管損傷までなくなるわけではありません。自己血という言葉だけで安全性を決めず、調製と注入の両方を確認する必要があります。

採血後の取り扱いも施術の一部であり、衛生管理や本人確認が不十分なら感染や取り違えの問題につながります。どこで血液を加工し、誰が品質を確認するのかという質問は、効果より先に確かめたい安全管理です。

PRPへFGFを加える併用施術の違い

FGFは線維芽細胞増殖因子の略で、線維芽細胞などの増殖に関わるたんぱく質です。美容医療ではPRPへbFGFを加える施術が紹介されますが、PRPにもともと含まれる多様な因子と、薬剤として追加するFGFを混同してはいけません。

国内のトラフェルミン製剤は皮膚潰瘍へ噴霧する医薬品として承認されており、目の下への美容目的の注射は承認された使い方と異なります。製品名、添加理由、予定量、適応外使用である旨の説明がそろっているかが重要です。

名称より先に確かめたい採血・加工・添加物

同じPRPという表示でも、血小板濃度や混ざる細胞、固めてゲル状にする操作などに差があります。さらにFGF、カルシウム製剤、局所麻酔薬などを加える場合は、PRP単独とは別の施術内容として理解するのが適切です。

確認する名称主な由来同意前の焦点
PRP単独自分の血液調製法と注入層
PRPゲル自己血由来の血漿ゲル化方法と容量
PRP+FGF自己血と外から加える製剤製品名・量・適応外使用

広告名が似ていても、中身が違えば期待できる変化と対処可能な副作用も変わります。見積書や同意書に「成長因子」とだけ書かれているときは、成分の一般名まで医師へ尋ねると判断しやすくなるでしょう。

目の下で期待される変化と根拠の範囲

PRPで研究されている中心は、細かなシワ、肌の手触り、色調などの変化です。一方、突出した眼窩脂肪による目袋や骨格に沿った深い溝を、皮膚への注入だけで整える根拠は十分ではありません。

小ジワと肌の質感で報告された変化

眼周囲PRPの研究では、小ジワの見え方や本人の満足度が改善した報告があります。血小板由来の因子が皮膚の修復反応に関わるという説明には生物学的な根拠がありますが、見た目の変化の大きさは人によって異なる結果でした。

顔の左右にPRPと生理食塩水を注入した無作為化試験では、本人は質感やシワの改善を評価した一方、医師による写真評価では明確な差を示せない項目もありました。主観評価と客観評価が一致しない点は、期待値を決める際の大切な限界です。

色調・クマへの効果を一括りにしない理由

目の下の暗さは、色素、透けて見える血管、皮膚の凹凸が作る陰影などが重なります。PRPの試験で色の均一性が変わった報告はあるものの、機器測定による色素量では改善を確認できなかった研究もありました。

2025年の系統的レビューも眼周囲の色素沈着を対象としており、目袋や深いくぼみの治療効果を直接示すものではありません。「クマに効く」という一語ではなく、色、皮膚表面、へこみのどれを評価する治療か確かめる必要があります。

色素が主体なら、治療前後の写真だけでなく色調を測る機器の結果も参考になります。くぼみの陰影が主体なら、照明の角度で暗さが変わるため、色の改善例をそのまま自分の形の悩みへ当てはめるのは適切ではありません。

悩みPRP研究の範囲読み方
細かなシワ本人評価や写真評価変化量と持続に幅
肌の質感手触り・粗さなど評価法が研究ごとに異なる
目の下の色色の均一性や色素原因別の検討が必要
目袋・深い溝直接の根拠が乏しい形の診察を先に行う

小規模研究と施術法のばらつきという限界

系統的レビューでは、少人数の研究、対照群のない報告、短い追跡が多く、PRPの作り方や注入回数も統一されていません。研究間で同じ名前を使っていても、実際に投与した成分を同一とみなせない状況です。

研究で平均的な改善が示されても、目の下だけを対象にした結果か、顔全体の評価かで意味が変わります。対象年齢、肌質、過去の施術歴が自分と近いかを見れば、根拠を過大に受け取るのを防げるでしょう。

目元を少しでも自然に整えたいという気持ちはよく分かりますが、症例写真1枚だけで自分にも同じ変化が出るとは判断できません。撮影条件、追跡期間、評価者、PRP単独か併用かを確かめてこそ、写真を治療選択へ生かせます。

目の下の再生医療でPRP単独とFGF添加を分ける確認項目

施術を比べるときは、PRPという共通名より、最終的に注入する液体の全成分を確認します。FGF添加の有無が曖昧なままでは、効果の説明も膨らみへの対応も十分に比較できません。

同意書で確認する製剤名と添加量

同意書には、採血量、PRPの調製法、FGFを含む添加物の一般名と製品名、左右それぞれの予定量を残すのが望ましいです。「成長因子を配合」といった表現だけでは、自己血由来の因子か外部製剤かを区別できません。

  • PRPの調製法と最終容量
  • FGFを含む添加物の一般名・製品名
  • 左右と部位ごとの予定投与量
  • 適応外使用と代替治療の説明

投与記録は副作用が起きてから入手しようとしても、担当者の異動や保管期間の問題で時間がかかるケースがあります。施術前に写しを受け取れるか尋ね、自分でも保存するのが現実的な備えです。

口頭で「少量」と説明されても、比較できる数字が残らなければ次の医師は判断に困ります。予定量だけでなく実際に使った量と、余った製剤をどう扱ったかまで記録へ反映される仕組みを確かめると安心です。

PRP単独の研究をFGF併用へ当てはめない視点

PRP単独の比較試験は、FGFを追加した施術の有効性や安全性を保証する資料ではありません。反対に、PRP+bFGFの観察研究をPRP単独の成績として紹介するのも不正確で、比較する治療群の中身を読む必要があります。

2024年の小規模試験ではPRPと乏血小板血漿の双方で顔面光老化の評価が変わり、両群の差は限られました。この結果も、血小板濃度が高ければ必ず大きな変化が得られるという単純な説明を支えてはいません。

適応外使用と長期対応を含む説明体制

承認外の方法を選ぶ場合は、なぜその製剤を加えるのか、想定される利益と不利益、ほかの選択肢、中止後も残り得る変化について説明を受けます。質問へ具体的に答えられる医師が診察と注入を担うかも確認点です。

再診期間が短く設定されていると、時間をおいて現れる膨らみや硬さを相談しにくくなります。施術直後だけでなく、数か月以上たった異常にも連絡できる窓口と、必要なら他院へ情報提供する仕組みまで尋ねておくと安心です。

費用には採血と加工、麻酔、再診、異常時の検査が含まれるかも確認します。初回料金だけが安くても、経過観察や紹介に追加費用がかかるなら、長期対応を含む総額として比べる必要があるでしょう。

膨らみすぎ・しこり・左右差が起こる条件

不自然な膨らみは一つの原因で生じるとは限らず、注入量や層、もともとの目袋、炎症反応などを分けて評価します。FGF添加では、増殖反応を後から溶かして元へ戻せない点が大きな違いです。

薄い下まぶたへ量や深さが合わない注入

下まぶたは皮膚が薄く、わずかな腫れや凹凸も表面へ出やすい部位です。一度に多く入れる、左右で深さがずれる、もともとの眼窩脂肪の膨らみに重ねると、狙った質感改善よりボリュームの違和感が目立ちます。

直後の腫れだけを見て追加注入すると、落ち着いた後に過剰となる懸念もあります。適切な評価時期は施術内容で異なるため、追加の判断日と、追加しない場合の観察期間を先に決めておく方法が安全です。

FGF添加後に時間をおいて進む過剰な組織反応

FGFは細胞増殖を促す性質を利用するため、反応が狙いを超えると膨らみ、硬結、結節、左右差として現れる懸念があります。発生頻度を信頼できる比較試験から示す資料は乏しく、数字を挙げて安全性を保証できる状況ではありません。

問題は施術直後の腫れだけでなく、時間をおいて形が変わる遅発性の経過です。FGF単独注入後のしこりに対する詳しい修正手順は別の論点ですが、ヒアルロン酸のような専用溶解薬で簡単に戻せる治療ではない点は同意前に理解しておく必要があります。

左右差があるからといって、少ない側へ直ちに追加すれば均等になるとは限りません。多い側の腫れが引く途中なのか、組織反応が進んでいるのかを見分け、原因が定まる前の追加注入を避ける判断が重要です。

一時的な腫れと診察が必要な硬い変化の区別

注射後の赤み、むくみ、圧痛、内出血は早い時期に起こり得る反応で、多くは経過とともに軽くなります。ただし、日ごとに増す痛み、熱感、膿、発熱は感染を疑うため、予定の再診日を待たず施術先へ連絡してください。

変化確認する経過行動
赤み・内出血範囲が縮むか指示どおり観察
膨らみ・左右差腫れの軽減後も残るか写真を添えて再診
硬結・結節硬さや範囲が増すか投与記録を持参
熱感・膿・発熱感染を疑う変化早めに医療機関へ連絡

押したときだけ触れる硬さも、大きさや位置を記録しておくと変化を比較できます。自分で強く揉んだり針を刺したりすると炎症や感染を加えるため、自己処置は避けて診察で確認するのが適切です。

目の下の再生医療で失敗を避けるための症例・投与内容

膨らみすぎを完全に防ぐ保証はありませんが、施術内容を曖昧にしないと回避可能なリスクを減らせます。症例写真、注入計画、合併症時の対応を、自分と近い条件で確かめる姿勢が大切です。

同じ成分・同じ部位・同じ期間の症例写真

症例写真はPRP単独とFGF添加を分け、目の下へ施術した例を選びます。正面だけでは膨らみや凹凸を読み取りにくいため、斜めと横、力を抜いた表情、同じ照明条件があると形の変化を比較しやすいです。

直後や数週間後の写真だけでは、遅れて現れる変化や持続を評価できません。撮影時期が明記され、追加施術の有無も説明された例を見て、都合のよい一時点だけを結果と受け取らない視点が必要でしょう。

写真の掲載許可がある症例は、医療機関が経験した全例の代表とは限りません。良い経過だけでなく、想定より腫れた例や修正を要した例について、どのように説明し対応したかを尋ねると安全管理の姿勢が分かります。

左右別の投与量と注入層を残す診療記録

左右差が出たとき、右と左へ何をどれだけ入れたかが分からなければ原因評価が難しくなります。製造番号、希釈方法、最終容量、注入部位と深さを診療録へ残し、その写しを受け取れるか確認するのが望ましいです。

  • 施術前の無表情・斜め・横顔写真
  • 製剤名・製造番号・希釈方法
  • 左右別の注入部位・深さ・容量
  • 追加施術の判断日と連絡窓口

記録の目的は施術者を責めるためではなく、経過が想定と異なった際に正しい情報から判断するためです。長期フォローを別の医療機関へ依頼する場合にも、投与内容の写しが診察を助けます。

服用薬や出血しやすい病気、過去の目元施術も診療録へ伝えます。薬を自己判断で中断すると別の危険が生じるため、休薬が必要かは処方医と施術医が相談して決めるのが原則です。

合併症を認める説明と紹介先の準備

良い結果の説明だけでなく、感染、血管障害、膨らみ、結節へどう対応するかを具体的に尋ねます。院内で対応できない異常について、眼科や形成外科などの紹介先を決めている施設は、緊急時の動線を説明しやすいはずです。

「失敗しない」「必ず自然になる」と断言する説明は、個人差と未知の頻度を扱えません。治療を受けない選択や、原因に応じた別の方法も含めて比較し、その場で契約を急がず情報を持ち帰る余地を確保しましょう。

施術後の異常を記録して相談する流れ

施術後は同じ条件の写真と症状の時刻を残し、緊急性の高い眼症状、感染を疑う変化、遅れて現れる膨らみを分けます。目周りでは視力に関わる異常を通常の腫れとして待たない判断が欠かせません。

突然の視力低下・目の痛みは直ちに緊急受診

顔面へのPRP注入後に眼動脈が閉塞し、不可逆的な視力障害へ至った症例が報告されています。頻度を示す研究ではないものの、突然の見えにくさ、視野の欠け、強い目の痛み、物が二重に見える症状は重い合併症のサインです。

症状が注入中または直後に出たら、施術を中止し、救急医療と眼科へ直ちにつなぐ必要があります。自宅へ戻って様子を見たり、翌日の診療開始まで待ったりせず、注入した製剤と部位を伝えてください。

写真・症状・投与記録を一つにまとめる準備

緊急性がない膨らみや硬さは、同じ場所と照明で正面、斜め、横から撮影します。出現した日、広がり、痛みや熱感、朝夕差を短く記し、同意書と投与記録を一つのフォルダーへまとめると再診時の比較が容易です。

記録残す内容診察での用途
写真同じ角度・照明・表情左右差と範囲の比較
経過発症日・痛み・熱感急性か遅発性かの判断
投与情報製剤・量・部位原因候補と対応の検討

写真だけで自己診断せず、触診や画像検査が必要かは医師が決めます。施術先以外へ相談するときも、FGF添加の有無を最初に伝えると、PRP単独の腫れと同じ前提で扱われるのを避けられます。

電話やメッセージで相談した日時と、受けた指示も残しておくと経過が途切れません。症状が変わった場合は古い指示へ固執せず、現在の写真と自覚症状を伝えて再評価を受ける必要があります。

時間をおいて増す膨らみを長期相談へつなぐ目安

腫れが引いた後に再び膨らむ、硬い範囲が広がる、左右差が徐々に目立つといった経過は、時間をおいて起こる反応として診察が必要です。緊急の眼症状とは分けつつ、放置せず早めに施術医へ連絡します。

説明が得られない、記録を確認できない、症状が進む場合は、形成外科や美容医療の合併症を扱う医療機関へ相談する選択肢があります。元へ完全に戻せるとは限らないからこそ、自己処置を重ねず長期的な評価へつなげるのが大切です。

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よくある質問

目の下のPRPとFGFは同じ再生医療ですか?

同じではありません。PRPは自分の血液から調製する成分で、FGF添加法は外部の増殖因子製剤を加えるため、製剤、期待される作用、過剰な組織反応への対応を分けて確認します。

目の下の再生医療で目袋も小ジワも改善しますか?

同じ効果は期待できません。PRP研究の中心は小ジワ、肌の質感、色調であり、眼窩脂肪の突出による目袋や深いくぼみは原因となる形を診察したうえで別の方法も比較します。

目の下のFGFで膨らみすぎるのを完全に防げますか?

完全な予防は保証できません。FGF添加の有無、製品名、量、注入部位を確かめ、時間をおいて形が変わる懸念について説明を受けると、避けられるリスクを減らし異常時の対応に備えられます。

目の下のPRP後にすぐ受診すべき症状は何ですか?

突然の視力低下、視野の欠け、強い目の痛み、複視は直ちに救急医療と眼科へつなぐ症状です。日ごとに増す赤みや熱感、膿、発熱も感染を疑うため、予定の再診を待たず施術先へ連絡してください。

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この記事を書いた人

Dr.寺井美佐栄のアバター Dr.寺井美佐栄 ミサクリニック 六本木本院 院長

日本抗加齢医学会認定専門医。日本美容皮膚科学会、日本レーザー医学会、日本産業衛生学会専門医。
複数の大手美容皮膚科で10年以上の院長経験を経て、2022年9月にMiSA Clinic(ミサクリニック)を開業。YouTube等でも発信してきた、メスを使わずに”ナチュラルなキレイ”を引き出す技術には定評があり、ありがたいことに「SNSを見ました!」という方や、紹介・口コミ経由でたくさんのご相談を頂いてきました。皆様と共に、MiSA Clinicスタッフ一同、共に年を重ね、末永くお付き合いできる関係を目指して参ります。

資格
アラガン社ボトックスビスタ認定医
アラガン社ヒアルロン酸注入認定医

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