更年期手前のホルモン減少が原因?40代からの急激な肌老化と対策

更年期手前のホルモン減少が原因?40代からの急激な肌老化と対策

40代に入ると、多くの女性が急激な肌の変化を感じ始めます。これは単なる加齢による自然現象だけではなく、更年期に向けた女性ホルモンの減少が大きく関係しています。

今までと同じスキンケアをしていても効果を感じられなくなったり、乾燥やたるみが加速したりするのは、体の内側で大きな変化が起きているからです。

この記事では、40代からの肌老化の根本的な原因をホルモンバランスの視点から紐解き、日常生活で取り入れられる食事や運動、スキンケア、そして美容医療の活用法まで、総合的な対策を詳しく解説します。

目次

40代で急に顔がたるむのはなぜ?女性ホルモン減少の影響と肌のメカニズム

エストロゲンの減少は肌の弾力維持システムを崩壊させ、40代特有の深刻なたるみや乾燥を引き起こす根本原因となります。

40代を迎えると、多くの女性が「今までと同じ手入れをしているのに肌の調子が悪い」「急に老け込んだ気がする」と感じ始めます。

この急激な変化の背景には、女性ホルモンであるエストロゲンの減少が深く関わっています。

エストロゲンは別名「美肌ホルモン」とも呼ばれ、肌の潤いや弾力を保つために重要な役割を果たしています。しかし、閉経に向けて卵巣機能が低下し始めると、このエストロゲンの分泌量が急激にゆらぎながら減少していきます。

美肌ホルモン「エストロゲン」が減少すると肌内部で何が起こるのか?

エストロゲンには、肌の真皮層にある線維芽細胞を活性化させる働きがあります。線維芽細胞は、肌のハリを支えるコラーゲンや弾力を保つエラスチン、潤いを抱え込むヒアルロン酸を作り出す工場のような存在です。

エストロゲンが十分に分泌されている間は、この工場が活発に稼働し、肌は内側からパンと張った状態を維持できます。

しかし、40代に入りエストロゲンが減少すると、線維芽細胞への指令が届きにくくなります。その結果、コラーゲンやエラスチンの生産量がガクンと落ちてしまいます。

さらに、古いコラーゲンを分解して新しいものに入れ替える代謝サイクルも滞るため、肌内部の構造がもろくなり、重力に逆らえずに皮膚が下がってきてしまうのです。

これが、表面的なケアだけでは改善しにくい「たるみ」の根本原因となります。特に、顔の皮膚は薄いため、体の他の部位よりも早く影響が出やすいのが特徴です。

年代によるホルモン変化と肌への影響

年代ホルモンの状態肌に現れる主な変化
30代後半分泌量がピークを過ぎ徐々に低下目元の小じわ、乾燥が気になり始める
40代前半卵巣機能が低下し分泌が不安定にフェイスラインの緩み、ハリ不足の実感
40代後半閉経に向けて急激に減少する深いほうれい線、全体的なたるみ、乾燥の深刻化

コラーゲン生成力の低下と質の劣化が招く「肌の空洞化」

肌の弾力をゴムに例えるなら、コラーゲンはゴムそのものの強度、エラスチンはゴムを結びつける留め具のような役割をしています。

若い頃の肌は、新しくしなやかなゴムが網目状に張り巡らされているため、指で押してもすぐに跳ね返す力があります。

ところが、加齢とともに線維芽細胞自体の活力が低下することに加え、エストロゲンという強力なサポーターを失うため、新しく作られるコラーゲンの質と量がともに低下します。

生成力が落ちるだけでなく、紫外線や酸化ストレスによって既存のコラーゲンが劣化し、硬くごわついた状態に変質してしまうのも問題です。

古くなったゴムが伸びきって戻らなくなるように、肌も弾力を失い、一度伸びると元に戻りにくくなります。

さらに、コラーゲンの網目が粗くなって、肌内部に隙間ができる「空洞化」のような現象が起こります。空洞化した部分は皮膚を支えきれず、表面が陥没してシワになったり、全体が雪崩のように下垂してたるみとなったりするのです。

バリア機能の低下による乾燥スパイラルとたるみの悪循環

「最近、化粧水が浸透しにくい」「夕方になると肌が粉を吹く」といった悩みも、ホルモン減少と密接に関係しています。

エストロゲンは、肌の水分保持能力を高めるセラミドの生成を助ける働きも担っています。また、皮脂の分泌を適切にコントロールし、肌表面に天然のクリームである皮脂膜を作って水分の蒸発を防いでいます。

更年期手前でホルモンバランスが乱れると、この皮脂膜が薄くなり、バリア機能が低下します。すると、肌内部の水分が逃げやすくなるだけでなく、外部からの刺激にも弱くなってしまいます。

乾燥が進むと肌表面のキメが乱れ、光をきれいに反射できなくなるため、顔全体がくすんで見える原因にもなります。

さらに深刻なのは、乾燥が真皮層へのダメージを加速させることです。水分不足の肌は弾力を失いやすく、表情の動きによる折り目が定着しやすくなります。

乾燥は小じわの直接的な原因になるだけでなく、たるみを進行させる大きな要因なのです。

鏡を見るのが怖い?更年期手前の肌に起こる具体的なサインと顔貌の変化

ほうれい線、フェイスラインの崩れ、まぶたの重みなど、40代の肌変化は顔の形状そのものを変え、見た目年齢を大きく引き上げてしまいます。

肌の老化は、ある日突然起こるものではありません。しかし、毎日鏡を見ていると、あるときふと「顔の印象が変わった」と気づく瞬間があります。

それは、肌内部で進行していた変化が、目に見える形となって表面化してきたサインです。

更年期手前の肌に現れる変化は、単なるシワやシミだけでなく、顔の形状そのものが変わっていくような深い悩みに繋がるのが特徴です。

くっきり刻まれるほうれい線と不機嫌に見える口角の下がり

たるみのサインとして最も多くの人が気にするのが、鼻の横から口元にかけて伸びるほうれい線です。

これは単なるシワではなく、頬の脂肪や筋肉が重力に負けて下がり、口元の筋肉との境界線に溝ができるために生じます。

40代になると、頬の高い位置にあった脂肪(メーラーファット)が下垂し、それがほうれい線の上に覆いかぶさるようにして溝を深くします。重力の影響をダイレクトに受けるため、夕方になると特に目立つようになります。

さらに、口角を引き上げる筋肉の力が弱まるため、真顔でいるときに口角が「へ」の字に下がってしまうケースもあります。

口角が下がると不機嫌で怒っているような印象や、疲れているような印象を周囲に与えてしまいがちです。

ファンデーションがほうれい線に溜まりやすくなったり、笑った後のシワが消えにくくなったりするのは、肌の弾力低下と表情筋の衰えが同時に進んでいる危険なサインと言えます。

たるみの進行レベルと見た目の変化

レベル自覚症状他者からの見た目の印象
初期夕方に顔が疲れて見える少し元気がない、寝不足に見える
中期ほうれい線がメイクで隠せない不機嫌そう、実年齢より少し上に見える
進行期輪郭が四角くなってきた顔が大きくなった、全体的に下がった印象

シャープさを失い四角く広がるフェイスライン

若い頃はシャープだった顎のラインが、いつの間にかぼやけて丸みを帯びてくるのも、40代特有の悩みです。これは、顔の下半分に脂肪や皮膚が溜まってくるために起こります。

肌のハリが失われると、フェイスラインの皮膚が重力を支えきれなくなり、顎下や首との境目が曖昧になります。正面から見たときに、顔の輪郭が卵型から四角形や台形に近づいていくように感じるかもしれません。

また、顎の下に余分な肉がつくと二重顎になりやすくなったり、首と顔が繋がっているように見えたりするときもあります。

フェイスラインが崩れると顔全体が膨張して大きく見えるため、太ったわけではないのに「太った?」と聞かれるときが増えるかもしれません。

この変化は、骨格の変化(骨密度の低下による顔面骨の萎縮)も影響していると言われています。骨が痩せて皮膚が余り、それがたるみとなって現れるという、土台からの変化も関わっているのです。

目力が弱まり老け見えを加速させるまぶたのたるみ

「アイラインが引きにくくなった」「目が小さくなった気がする」と感じる方もいるでしょう。これは、まぶたの皮膚がたるんで下がってくることで起こります。

目元の皮膚は体の中で最も薄くデリケートな部分であるため、コラーゲンの減少や乾燥の影響を真っ先に受けます。

額の筋肉を使って目を開ける癖がつくと、額にシワができる原因にもなりますが、根本的にはまぶたを支える眼輪筋の衰えや皮膚の伸びが原因です。

まぶたが重くなると、黒目が隠れて眠そうな目元になったり、二重の幅が狭くなったり、あるいは三重になったりと、目の印象が大きく変わります。

視界が狭くなって無意識に眉毛を上げて目を見開こうとし、それがさらに額のシワを深くするという悪循環に陥るケースもあります。

目力(めぢから)が弱まると、顔全体の生き生きとした印象が失われ、老けた雰囲気に見えてしまう大きな要因となります。

スキンケアだけでは限界?体の内側からハリを取り戻す食事法と栄養素

大豆イソフラボンや抗酸化ビタミンを毎日の食事で戦略的に摂取すると、減少したホルモンを補い、細胞レベルでの肌の修復を促せます。

高級な美容液を使っても効果がいまいち感じられない場合、体の内側からの栄養補給が足りていない可能性があります。

特にホルモンバランスが変化する40代においては、減少するホルモンをサポートする栄養素や、肌の老化を食い止める抗酸化成分を積極的に摂ることが非常に大切です。

食事は毎日の積み重ねであり、薬のような即効性はありませんが、数ヶ月、数年後の肌を確実に変えていく力を持っています。

女性ホルモンの救世主「大豆イソフラボン」と「エクオール」

大豆イソフラボンは、体内で女性ホルモンのエストロゲンと似た働きをする「植物性エストロゲン」として知られています。

減少していくエストロゲンの代わりとなり、コラーゲンの生成を助けたり、肌の潤いを保ったりするサポートをしてくれます。

しかし、大豆イソフラボンを摂取しても、そのままでは効果を発揮しにくい人がいます。

腸内細菌の働きによって「エクオール」という物質に変換されて初めて強い効果を発揮するのですが、日本人の約半数はこのエクオールを体内で作れないと言われています。

まずは、納豆、豆腐、味噌汁などの伝統的な和食を積極的に食べるのが基本ですが、自分がエクオールを作れる体質かどうかを知ることも有効な手段です。尿検査などで簡単に調べられます。

もし作れない体質であれば、発酵大豆食品をより意識して摂るか、エクオールを含有したサプリメントを利用すると、効率的に肌のハリ対策を行えます。

効率的な摂取のポイント

  • 納豆や豆腐、豆乳などの大豆製品を1日2回程度、食事に取り入れる。
  • エクオールという成分を作れる体質かどうか検査キットで確認してみる。
  • 食事で摂りきれない場合は、吸収率の良いサプリメントを活用する。

細胞のサビを防ぐ「抗酸化ビタミンACE」の積極摂取

肌の老化の大きな原因の一つに「酸化」があります。これは、紫外線やストレス、呼吸によって体内で発生した活性酸素が、細胞をサビつかせてしまう現象です。

この酸化ダメージから肌を守るのが、ビタミンA、C、E、いわゆる「ビタミンACE(エース)」です。特にビタミンCは、コラーゲンを生成する際に必ず必要となる補酵素であり、美肌には欠かせない栄養素です。

ただし、ビタミンCは水溶性で体外に排出されやすいため、一度に大量に摂るのではなく、毎食こまめに摂る工夫が大切です。朝食にフルーツ、昼食にサラダ、夕食に野菜炒めといった具合に分散させましょう。

ビタミンEは「若返りのビタミン」とも呼ばれ、強力な抗酸化作用を持ち、ビタミンCと一緒に摂ると相乗効果を発揮します。ナッツ類やアボカド、カボチャなどに多く含まれています。

ビタミンA(βカロテン)は、肌のターンオーバーを正常化し、乾燥やゴワつきを防ぐ働きがあります。これらのビタミンを多く含む色の濃い野菜やフルーツを、毎日の食事でバランスよく摂取して、サビない肌作りを目指しましょう。

黄ぐすみとたるみを防ぐ「抗糖化」の食事術

「酸化」と並んで肌老化の二大要因とされるのが「糖化」です。これは、食事で摂りすぎた余分な糖質が体内のタンパク質と結びつき、AGEs(終末糖化産物)という老化物質を作り出す現象です。

肌のコラーゲンやエラスチンはタンパク質でできているため、糖化が起こるとこれらが硬くもろくなり、黄色く変色してしまいます。これが、肌の「黄ぐすみ」や、弾力を失った「たるみ」の正体です。

ホットケーキが焼けて褐色に硬くなるのと同じ反応が、肌の中で起きていると考えてください。糖化を防ぐためには、血糖値を急激に上げない食生活が鍵となります。

食事の最初に食物繊維が豊富な野菜を食べる、GI値の低い食品を選ぶ、甘いものをダラダラと食べ続けないといった工夫が必要です。

また、高温で調理された揚げ物や焼き物はAGEsを多く含むため、蒸し料理や煮物など、水を使って低温で調理するメニューを増やすことも、肌の透明感と弾力を守るためには効果的です。

  • 食事の際は野菜や海藻から先に食べる「ベジファースト」を心がける。
  • 甘いお菓子や清涼飲料水の摂りすぎに注意し、血糖値の急上昇を抑える。
  • 調理法は「揚げる・焼く」よりも「蒸す・茹でる」を選んでAGEsの発生を減らす。

自宅でできる簡単ケア!表情筋を鍛えてリフトアップを目指すトレーニング

衰えた口輪筋や頭皮を適切なトレーニングで刺激すると、土台から皮膚を持ち上げ、シャープなフェイスラインを取り戻します。

顔の皮膚は、その下にある筋肉(表情筋)によって支えられています。体の筋肉を使わないと衰えてたるんでしまうのと同様に、顔の筋肉も使わなければ細く弱くなり、皮膚や脂肪を支えきれなくなります。

特に現代人は、スマホやパソコンを見る時間が長く無表情でいることが多いため、表情筋が凝り固まったり衰えたりしやすい環境にあります。

高価な美顔器を使わなくても、毎日のちょっとした習慣で表情筋を鍛え、血行を促進することは可能です。

口周りの土台を強化する「口輪筋トレーニング」

口の周りをぐるりと囲んでいる口輪筋は、表情筋の中でも土台となる重要な筋肉です。ここが衰えると口角が下がるだけでなく、頬の筋肉も一緒に引き下げてしまい、ほうれい線やマリオネットラインの原因になります。

口輪筋を鍛える簡単な方法は「ペットボトルトレーニング」や「あいうえお体操」です。例えば、空のペットボトルを唇だけでくわえ、頬をへこませながら10秒間キープし、その後息を吐くという動作を繰り返します。

また、口を大きく動かして「あ・い・う・え・お」と発音するだけでも、普段使っていない筋肉を刺激できます。特に「う」の口をするときに、唇を前に突き出すように力を入れると効果的です。

マスクの下でもできる動きなので、家事の合間や移動中など、こっそりとトレーニングを行う習慣をつけると良いでしょう。続けると口元が引き締まり、若々しい印象を取り戻せます。

一枚皮で繋がる頭皮をほぐして顔を引き上げる

顔と頭皮は一枚の皮で繋がっています。頭皮が凝り固まって血行が悪くなると、顔の皮膚を引き上げる力が弱まり、全体的に下がってきてしまいます。

特に、耳の上にある側頭筋は、頬やフェイスラインを引き上げる役割を担っているため、ここが凝ると顔のたるみに直結します。

シャンプーの時や入浴後の温まった状態で、指の腹を使って頭皮全体を揉みほぐしましょう。こめかみから頭頂部に向かって引き上げるようにマッサージするのがポイントです。

また、耳を掴んで回したり、引っ張ったりする「耳回し」も、顔周りのリンパの流れを良くし、むくみを解消するのに効果的です。

頭皮が柔らかくなると、顔色が明るくなるだけでなく、目がパッチリと開きやすくなるというメリットもあります。

顔を直接マッサージしすぎると摩擦で肌を傷める可能性がありますが、頭皮マッサージならその心配も少なく、安全にリフトアップを狙えます。

お悩み別・効果的な表情筋トレーニング

悩みターゲットとなる筋肉期待できる効果
口元のたるみ口輪筋(こうりんきん)ほうれい線の予防、口角アップ
フェイスライン広頚筋(こうけいきん)二重顎の解消、首元のスッキリ感
顔全体のむくみ側頭筋(そくとうきん)目の開きやすさ改善、リフトアップ

姿勢改善で首のシワと二重顎を防ぐ

意外に見落とされがちですが、姿勢の悪さは顔のたるみに大きく影響します。特に猫背や、スマホを見るときに下を向く姿勢は、首の前側の筋肉(広頚筋)を緩ませ、逆に後ろ側の筋肉を緊張させます。

この状態が続くと、顎の下に脂肪が溜まりやすくなり、二重顎や首の横ジワの原因になります。

さらに、背中が丸まると胸が開かなくなり、呼吸が浅くなると酸素が全身に行き渡らず、肌の代謝も悪くなります。

正しい姿勢を保つためには、骨盤を立てて座り、頭が背骨の真上に乗るように意識することが大切です。気づいたときに肩甲骨を寄せて胸を開いたり、天井を見上げて首の前側を伸ばすストレッチを行ったりしましょう。

舌の位置も重要で、舌先が上の前歯の裏側の歯茎についている状態(スポット)が正しい位置です。舌が下がっているとフェイスラインが緩みやすくなるので、姿勢と合わせて舌の位置も意識してみてください。

美容医療に頼るべき?40代からのたるみ治療の選び方とリスク管理

セルフケアの限界を超えたいなら、ハイフやヒアルロン酸などの美容医療も選択肢に。自分のたるみタイプに合った治療を選ぶことが成功の鍵です。

セルフケアには限界があると感じたとき、美容医療という選択肢が頭に浮かぶかもしれません。

かつては敷居が高かった美容クリニックも、今ではダウンタイム(回復期間)の少ない治療が増え、身近なものになりつつあります。

医療の力を使えば、物理的に皮膚を引き上げたり、薬剤で肌内部を活性化させたりと、化粧品では届かない深い層への働きかけが可能です。

肌の奥から引き締める「HIFU(ハイフ)」と照射系治療

「切らないたるみ治療」として人気なのが、HIFU(ハイフ)や高周波(RF)を使った照射系の治療です。

ハイフは、虫眼鏡で光を集めて紙を焦がすように、超音波を一点に集中させて肌の奥にある筋膜(SMAS層)に熱エネルギーを加えます。

熱によって筋膜がギュッと縮まり、土台から肌を引き締める効果があります。また、熱ダメージを受けた組織が修復する過程でコラーゲンが増生されるため、施術後1〜3ヶ月かけて徐々にハリが出てくるのも特徴です。

効果の持続は半年から1年程度と言われています。メスを使わないため傷跡が残らず、施術直後からメイクができる手軽さが魅力ですが、顔の脂肪が少ない人がやりすぎると頬がこけて見える場合もあるため、医師の診断が重要です。

凹みを埋めてふっくらさせる「ヒアルロン酸注入」

たるみによって生じた「影」や「溝」を埋めるのに適しているのがヒアルロン酸注射です。

40代になると、肌の弾力だけでなく、顔の骨や皮下脂肪のボリュームも減少してきます。こめかみや頬が痩せて平坦になると、余った皮膚が下がってほうれい線などのシワになります。

ヒアルロン酸を適切な位置に注入すると、減ってしまったボリュームを補い、テントを張るように内側から皮膚を持ち上げられます。

即効性があり、施術直後から変化を実感できるのが大きなメリットです。また、保水力が高い成分なので、注入した周辺の肌に潤いを与える効果もあります。

ただし、入れすぎると顔がパンパンに膨らんで不自然に見えたり、血管に入ると皮膚壊死などの重篤な副作用のリスクもあったりするため、解剖学に精通した技術力の高い医師を選ぶことが極めて大切です。

主な美容医療施術の比較

施術名アプローチ方法ダウンタイム
HIFU(ハイフ)超音波で筋膜を引き締めるほぼ無し~数日(赤み)
ヒアルロン酸注入凹みを埋めて形を整える数日(内出血のリスク)
糸リフト特殊な糸で物理的に引き上げ1週間程度(腫れ・痛み)

物理的にリフトアップする「スレッドリフト(糸リフト)」

より直接的にたるみを引き上げたい場合に検討されるのが糸リフト(スレッドリフト)です。トゲ(コグ)のついた溶ける糸を皮下に挿入し、組織に引っ掛けて物理的にたるみを持ち上げる治療です。

フェイスラインのもたつきやマリオネットラインの改善に良い効果を発揮します。糸はいずれ体内で吸収されますが、その周りにコラーゲンのトンネルができるため、糸がなくなった後もハリ感がある程度持続します。

照射系治療よりも変化がわかりやすい反面、施術後は数日間、口が開けにくかったり、引きつれ感を感じたりする場合があります。

また、皮膚が極端に薄い人やたるみが強すぎる人の場合は、糸のラインが浮き出たり、十分な引き上げ効果が得られなかったりするケースもあります。

費用も比較的高額になるため、カウンセリングで期待できる効果とリスクを十分に理解した上で決断する必要があります。

睡眠不足が大敵!成長ホルモンを分泌させて肌を修復する生活習慣

良質な睡眠とストレスコントロールは、高価なクリーム以上の美肌効果をもたらします。寝る前の儀式を見直し、肌の修復時間を確保しましょう。

「寝不足はお肌の大敵」という言葉は、決して大げさではありません。睡眠中は、日中に受けた紫外線や乾燥などのダメージを修復し、新しい細胞を生み出すための大切な時間です。

この修復作業の主役となるのが「成長ホルモン」です。成長ホルモンは、子供の成長だけでなく、大人の細胞のメンテナンスにも必要です。

しかし、加齢とともにその分泌量は減少し、40代では20代の頃の半分以下になるとも言われています。

少ない成長ホルモンを最大限に活用し、効率よく肌を再生させるためには、睡眠の「質」を高める工夫が何よりも重要です。

高い化粧品を使う前に、まずは日々の睡眠を見直すことが、最も経済的で効果的な美容法と言えるかもしれません。

深部体温をコントロールして深い眠りに誘う入浴法

スムーズに入眠し、深い眠り(ノンレム睡眠)を得るためには、体温のコントロールが鍵を握ります。人は深部体温が下がるときに眠気を感じるようにできています。

寝る90分ほど前に湯船に浸かって一時的に体温を上げておくと、お風呂上がりに熱が放散され、ちょうど布団に入る頃に体温が下がって自然な眠気が訪れます。

熱いお湯は交感神経を刺激して目を覚ましてしまうので、ぬるめのお湯でリラックスするのがポイントです。

また、寝室の環境も重要です。部屋が明るすぎると、睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌が抑制されてしまいます。遮光カーテンを使ったり、間接照明に切り替えたりして、脳に「もう夜だ」と認識させましょう。

自分に合わない枕やマットレスは、首や腰に負担をかけ、睡眠の質を下げるだけでなく、シワの原因になる場合もあります。寝返りが打ちやすく、リラックスできる寝具環境を整えることは、肌の修復時間を確保するための投資です。

  • 就寝の90分前にお風呂に入り、深部体温を上げてから下げる落差を利用する。
  • お湯の温度は38〜40度のぬるめに設定し、副交感神経を優位にする。
  • 寝室の照明は暗くし、枕の高さやマットレスの硬さを自分に合ったものにする。

美肌の天敵「ブルーライト」と寝る前のデジタルデトックス

現代人の睡眠の質を下げている最大の要因の一つが、スマートフォンです。

スマホやパソコンの画面から発せられるブルーライトは、太陽光に近い強いエネルギーを持っており、夜にこれを浴びると脳が「まだ昼間だ」と勘違いしてしまいます。

その結果、睡眠を促すメラトニンの分泌が止まり、寝付きが悪くなったり、眠りが浅くなったりします。

成長ホルモンは、眠り始めの最初の3時間に訪れる深い睡眠の間に集中的に分泌されます。つまり、寝入りばなの質が悪くなると、肌の修復に必要なホルモンが十分に出ないまま朝を迎えることになります。

翌朝の肌のくすみやハリ不足を防ぐためには、寝る1時間前にはスマホを手放す勇気が必要です。代わりに、好きな香りのアロマを焚いたり、軽いストレッチをしたりして、心身をリラックスモードに切り替える習慣をつけましょう。

  • スマホのブルーライトは脳を覚醒させ、メラトニンの生成を妨げる。
  • SNSなどの情報は脳を興奮させ、交感神経を刺激してリラックスを阻害する。
  • 寝る1時間前からはデジタル機器を遠ざけ、読書や音楽で静かに過ごす。

ストレスホルモン「コルチゾール」を抑える心のケア

40代は、仕事や家庭、介護などで責任ある立場に置かれている方が多く、知らず知らずのうちにストレスを抱え込みがちです。

強いストレスを感じると、体内ではコルチゾールというホルモンが分泌されます。コルチゾールが増えすぎると肌のコラーゲンを破壊したり、免疫力を低下させたりして、老化を加速させてしまいます。

また、ストレスは血管を収縮させ、肌への血流を悪くするため、顔色が悪く見える原因にもなります。ストレスをゼロにするのは難しいですが、上手に発散し、溜め込まない工夫はできます。

例えば、意識的に深くゆっくり呼吸をするだけでも、副交感神経が優位になり、緊張をほぐせます。真面目な人ほど「やらなければならない」という思考に縛られがちですが、時には手抜きをしたり、誰かに頼ったりするのも大切です。

紫外線対策は一年中!光老化から肌を守り抜く鉄則と日焼け止めの選び方

UVA波の脅威を知り、日焼け止めや物理的な遮断アイテムを駆使して、肌老化の最大の原因である「光老化」を徹底的にブロックしましょう。

肌の老化原因の約8割は、加齢ではなく紫外線による「光老化」だと言われています。つまり、紫外線をどれだけ防げるかが、5年後、10年後の肌の状態を決定づけると言っても過言ではありません。

40代の肌は、ただでさえ修復力が落ちているため、紫外線ダメージを受けると回復に時間がかかり、そのまま深いシワやたるみとして定着してしまいます。

「夏だけ日焼け止めを塗る」「洗濯物を干す少しの間なら大丈夫」という油断が、肌老化を加速させているかもしれません。

真皮層まで届き弾力を奪う「UVA波」の恐怖

紫外線にはUVA波とUVB波の2種類がありますが、たるみ対策で特に警戒すべきなのはUVA波です。

UVB波は肌表面に炎症を起こして赤くしたり、シミを作ったりしますが、UVA波はエネルギーは弱いものの波長が長く、肌の奥深くにある真皮層まで到達します。

そして、ハリを保つコラーゲンやエラスチンをじわじわと破壊し、変性させてしまいます。

怖いのは、UVA波は雲や窓ガラスも通り抜けてしまうことです。つまり、曇りの日でも、家の中にいても、私たちは常にUVA波を浴びている可能性があります。

浴びてもすぐに赤くならないため自覚しにくいですが、長年蓄積されたダメージは、ある時深いシワやたるみとなって現れます。

40代からのUVケアでは、単に日焼けを防ぐだけでなく、この「真皮への侵入」をいかに阻止するかが重要になります。そのためには、PA値(UVA防御指数)の高い日焼け止めを選びましょう。

日焼け止め選びのポイントと用語解説

表示防ぐ紫外線選び方の目安
PA(++++など)UVA波(たるみの原因)「+」が多いほど防御力が高い。日常でも+++以上を推奨
SPF(50+など)UVB波(シミ・炎症の原因)数値が高いほど時間を遅らせる。日常生活なら30程度で十分
ノンケミカル紫外線散乱剤を使用肌への負担が少なく、敏感肌の人におすすめ

効果を最大限に引き出す塗り方と塗り直しの重要性

日焼け止めは、朝一度塗れば一日中効果が続くものではありません。汗や皮脂、衣服との擦れで落ちてしまうため、2〜3時間おきに塗り直すのが理想です。

しかし、メイクの上からクリームタイプを塗り直すのは現実的に難しい場合も多いでしょう。そんな時は、UVカット効果のあるパウダーやスプレータイプを活用するのがおすすめです。

また、製品選びにおいては、数値の高さだけでなく、使い心地や肌への優しさも考慮しましょう。乾燥しやすい40代の肌には、保湿成分が配合されたものや、ミルク・クリームタイプが適しています。

最近では、ブルーライトや近赤外線もカットできる多機能な日焼け止めも登場しています。量は「ケチらずたっぷり」が鉄則です。

表示通りの効果を得るためには、顔全体で500円玉大の量が必要と言われています。薄く伸ばしすぎると隙間だらけになり、紫外線を防げない場合があるので、重ね塗りを基本にしてください。

第3の紫外線「ブルーライト」と「近赤外線」対策

近年、紫外線に次ぐ「第3の紫外線」として注目されているのがブルーライトです。

スマホやPCの画面、LED照明などから発せられる青色光のことですが、これも肌の奥まで届き、酸化ストレスを引き起こして老化を促進させる可能性があるという研究結果が出ています。

紫外線ほどの強力なダメージではないものの、現代人は長時間至近距離で浴び続ける傾向があるため、無視できない要因となりつつあります。ブルーライトは色素沈着(シミ)の原因になりやすいとも言われています。

さらに、紫外線よりも波長が長く、筋肉層まで到達する「近赤外線」も、たるみの原因として懸念されています。

対策としては、スマホやPCの設定でブルーライトをカットするモードにする、ブルーライトカット効果のあるメガネをかける、そして酸化鉄などが配合されたブルーライト対応の日焼け止めや化粧下地を使用するのが有効です。

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Q&A

40代のたるみに効く化粧品成分は何ですか?

レチノール(ビタミンA誘導体)やナイアシンアミド、ビタミンC誘導体、ペプチドなどが効果的です。

特にレチノールはコラーゲンの生成を促す作用が認められており、シワやたるみケアの代表的な成分です。

ただし刺激を感じる場合もあるので、少量から使い始めましょう。

更年期前のホルモン減少はいつから始まりますか?

個人差はありますが、一般的に30代後半から徐々に減少し始め、40代半ばから50代にかけて急激に低下します。

この時期を「プレ更年期」と呼ぶこともあり、生理周期の乱れや肌の不調などのサインが現れやすくなります。

顔の筋トレは逆にシワを増やす原因になりますか?

間違った方法で行うとシワの原因になる場合があります。

特に、皮膚を強くこすったり、シワが寄るような表情を無理に作ったりするのは逆効果です。鏡を見ながら正しいフォームで行い、トレーニング後は保湿ケアを十分に行いましょう。

サプリメントで女性ホルモンは補えますか?

サプリメントはホルモンそのものではありませんが、大豆イソフラボンやエクオールなどは、体内でエストロゲンと似た働きをすることが期待できます。

ホルモン補充療法とは異なりますが、緩やかにバランスを整えるサポート役として有効です。

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この記事を書いた人

Dr.寺井美佐栄のアバター Dr.寺井美佐栄 ミサクリニック 六本木本院 院長

日本抗加齢医学会認定専門医。日本美容皮膚科学会、日本レーザー医学会、日本産業衛生学会専門医。
複数の大手美容皮膚科で10年以上の院長経験を経て、2022年9月にMiSA Clinic(ミサクリニック)を開業。YouTube等でも発信してきた、メスを使わずに”ナチュラルなキレイ”を引き出す技術には定評があり、ありがたいことに「SNSを見ました!」という方や、紹介・口コミ経由でたくさんのご相談を頂いてきました。皆様と共に、MiSA Clinicスタッフ一同、共に年を重ね、末永くお付き合いできる関係を目指して参ります。

資格
アラガン社ボトックスビスタ認定医
アラガン社ヒアルロン酸注入認定医

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