グロースファクター(成長因子)で口元のシワ改善|ヒアルロン酸を使わない治療

グロースファクター(成長因子)で口元のシワ改善|ヒアルロン酸を使わない治療

グロースファクター(成長因子)注入は、肌の内部でコラーゲンの生成を促し、口元のシワを改善へ導く治療法です。ヒアルロン酸のように溝を一時的に埋めるのではなく、肌そのものの再生力を高める点に特徴があります。

ほうれい線やマリオネットラインが気になるのは40代以降だけとは限りません。表情のクセや紫外線ダメージにより、20代・30代でもシワが定着し始めることがあります。

グロースファクターがどのように肌に作用するのか、ヒアルロン酸との違い、施術の流れやリスクへの対策まで、口元のシワに悩む方が治療を検討するために知っておきたい情報をまとめました。

目次

肌のコラーゲンは25歳前後から減り始める|グロースファクター注入で口元のシワに働きかける

25歳を過ぎると真皮のコラーゲン量は年に約1%ずつ減少し、そのぶん口元のシワやたるみが目立ちやすくなります。グロースファクター(成長因子)注入は、こうしたコラーゲン減少に対して肌の内側からアプローチする治療法です。

成長因子がコラーゲン生成を促して肌のハリを取り戻す

成長因子とは、細胞の増殖や分化を調整するタンパク質の総称です。皮膚では線維芽細胞に働きかけ、コラーゲンやエラスチンの合成を促す役割を担っています。

加齢により体内での成長因子の産生量は減っていきます。そこで外部から成長因子を補充することで、肌のターンオーバーを再活性化させ、シワやたるみの原因であるコラーゲン不足を補おうというのがこの治療の基本的な考え方です。

代表的な成長因子の種類と働き

成長因子主な働き肌への効果
bFGF(線維芽細胞増殖因子)線維芽細胞を増やすコラーゲン・エラスチン増加
EGF(上皮成長因子)表皮細胞の再生を促す肌のターンオーバー改善
IGF(インスリン様成長因子)細胞の成長と修復を助ける肌の弾力維持
HGF(肝細胞増殖因子)組織修復に関与創傷治癒力の向上

口元に注入する治療ではbFGFが中心となる場合が多く、真皮の線維芽細胞に直接働きかけてコラーゲンの産生を促します。注入後は数週間から数か月かけて肌にハリが戻り、シワが徐々に浅くなっていくのが一般的な経過です。

口元のシワが20代・30代で深くなる原因

口元は表情筋の動きが大きい部位のため、笑ったり話したりする動作の繰り返しでシワの「くせ」がつきやすくなります。紫外線による光老化も加わると、真皮のコラーゲン線維が変性・断裂し、溝として定着しやすくなるでしょう。

また、スマートフォンを長時間使うと口元が無意識に力み、表情ジワが深くなるケースも増えています。20代・30代であっても、こうした生活習慣が積み重なると口元の老化サインが早く表れる場合があります。

乾燥や睡眠不足もコラーゲンの分解を加速させる要因です。若いから大丈夫と油断せず、シワが浅いうちに対策を始めることで将来の深い溝を防ぎやすくなります。

注入で成長因子を真皮に届ける利点

成長因子を配合した化粧品も販売されていますが、分子量が大きく、表皮のバリア機能を超えて真皮まで届きにくいという課題があります。注入であれば真皮に直接成分を届けられるため、化粧品よりも高い効果が見込めます。

注射針を用いると必要な深さに正確に薬剤を届けられる点も、注入治療ならではの強みといえるでしょう。

ヒアルロン酸では口元のシワを根本から治せない?

ヒアルロン酸注入は口元のシワを即座に目立たなくできる一方、肌そのものの質を改善する治療ではありません。溝をゲル状の充填剤で物理的に埋めるため、体内で吸収されると効果が徐々に薄れていきます。

比較項目ヒアルロン酸グロースファクター
主な作用溝をゲルで埋めるコラーゲン生成を促す
効果の出方直後から実感数週間〜数か月で徐々に
持続の目安半年〜1年程度年単位で持続する場合も

ヒアルロン酸の効果は半年から1年で薄れやすい

ヒアルロン酸はもともと人体に存在する保湿成分ですが、注入用ゲルは架橋(かきょう)処理によって分解を遅らせる設計となっています。それでも個人差はあるものの半年から1年で体内に吸収され、シワが再び目立ち始めるケースが多いです。

そのため、口元の状態を維持したい場合は定期的な再注入が前提になりやすく、費用面やスケジュール面での負担が積み重なっていきます。

繰り返し注入で起こりうるトラブル

ヒアルロン酸を同じ部位に何度も注入すると、異物反応による肉芽腫や、注入箇所の不自然な膨らみが生じるリスクがあります。

血管閉塞による皮膚壊死はまれではあるものの、口元周辺は血管が密集しているため、注入部位の選定には高い技術が求められます。

  • 吸収後のシワ再発による心理的な落胆
  • 頻回注入による経済的な負担の蓄積
  • 注入量が多すぎた場合の不自然な膨らみ

こうしたリスクを踏まえると、ヒアルロン酸は「短期間で見た目を整えたい」場面に向いている一方、長期的にシワの原因そのものを改善したい方には別の選択肢も検討する価値があるといえます。

自分の肌の力で変わりたい人にグロースファクターが向いている

グロースファクター注入は外部の充填剤で溝を埋めるのではなく、肌自身のコラーゲン生成力を高めることで内側からシワを改善する治療法です。

効果が出るまでに時間はかかるものの、自分の細胞が作り出したコラーゲンであるため、仕上がりが自然で持続しやすいという利点があります。

「異物をなるべく入れたくない」「肌質そのものを底上げしたい」と考える20代・30代の方に支持されているのも、こうした理由からです。

グロースファクター注入の施術は30分から1時間で完了する

施術自体にかかる時間は部位や範囲にもよりますが、おおむね30分から1時間程度です。カウンセリングや麻酔の時間を含めても、通常は2時間以内にクリニックを出られます。

段階内容所要目安
カウンセリング悩みの確認・治療計画の説明15〜30分
麻酔表面麻酔クリームの塗布・浸透待ち20〜30分
注入施術極細針で口元に少量ずつ注入15〜30分
クーリング施術部位の冷却・術後説明10〜15分

カウンセリングから施術完了までの段取り

まず医師が口元のシワの深さや範囲を診察し、どの部位にどの程度の量を注入するかを決定します。写真撮影で術前の状態を記録し、患者さん本人と仕上がりイメージを共有したうえで施術に入るのが一般的な流れです。

疑問や不安がある場合はカウンセリングの段階で遠慮なく質問してください。納得したうえで施術に進むことが、満足度の高い結果につながります。

麻酔の方法と施術中に感じる痛み

多くのクリニックでは表面麻酔クリームを使用し、注射時の痛みを軽減しています。極細の針を用いるため「チクッとした軽い刺激を感じる程度」という声が多いでしょう。

痛みに敏感な方には笑気麻酔やブロック麻酔を追加するクリニックもあるので、事前に相談しておくと安心です。

ダウンタイム中の過ごし方と注意点

施術後は軽い赤みや腫れが出るときがありますが、多くの場合は数日以内に落ち着きます。メイクは翌日から可能なクリニックがほとんどですので、日常生活への影響は小さいといえるでしょう。

ただし、施術当日の飲酒や激しい運動は血行を促進して腫れを長引かせる場合があります。医師から指示された期間はこれらを控えるのが望ましいです。

入浴はシャワー程度であれば当日から可能なクリニックが多いですが、長時間の入浴やサウナは数日間避けるよう指導されるのが一般的です。施術部位を強くこすったりマッサージしたりする行為も、注入した成長因子が移動する原因になり得るため控えてください。

グロースファクター注入で口元のシワはいつ・どこまで改善するのか

「いつ変化が分かるのか」と気になる方は多いかもしれません。グロースファクター注入は即効性のある治療ではなく、注入後に肌の内部でコラーゲンが増えるのを待つため、効果を実感できるまで平均して2〜3か月ほどかかります。

効果を実感できるまでの目安はどれくらい?

臨床研究では、bFGFを含む製剤を注入した場合に効果が現れるまでの平均日数は約65日と報告されています。直後に変化が出るヒアルロン酸とは異なり、じっくりと肌の構造が変わっていく感覚です。

経過時期肌の変化見た目の印象
施術直後〜1週間注入部位に軽い腫れやや膨らんで見える
1〜2か月コラーゲン生成が始まる肌のハリが戻り始める
3〜6か月コラーゲンが成熟シワが浅くなり目立ちにくい

持続期間は個人差がありますが、1回の施術で1年以上効果が続くケースも報告されています。ヒアルロン酸のように体内で吸収される充填剤ではないため、生成されたコラーゲンが維持される限り効果が持続する点が大きな特徴です。

ほうれい線やマリオネットラインが浅くなる変化

口元の代表的なシワであるほうれい線(鼻の横から口角に向かう溝)やマリオネットライン(口角から顎に向かう溝)は、コラーゲン量の減少と脂肪の下垂が複合的に関わっています。

グロースファクター注入では、溝の直下にコラーゲンが増えることで内側からふっくらと持ち上がり、溝が浅く見えるようになります。

完全にシワをなくすのは難しい場合もありますが、「深い溝が浅い線になる」程度の変化であれば見た目の印象は大きく変わるでしょう。

20代・30代のうちに始めるメリット

若いうちは線維芽細胞の活性が高いため、成長因子を注入した際の反応も出やすい傾向があります。シワが深く固定される前の早い段階で治療を行うと、少ない回数でも十分な効果を得やすいといえます。

予防的な観点からも、肌のコラーゲン量が急激に減り始める30代前半は治療を検討するタイミングとして理にかなっています。将来の深いシワを防ぐための投資と考える方も増えてきました。

加えて、若い肌はダウンタイムからの回復も早い傾向にあります。仕事や予定への影響を気にされる方にとっても、早期に治療を受けるほうが生活への負担を小さく抑えやすいでしょう。

グロースファクター注入のリスク・副作用を正しく知っておく

副作用のリスクはゼロではありません。ただし、事前に起こりうるトラブルとその対処法を把握しておけば、過度に心配する必要はないでしょう。

腫れ・赤み・内出血が出た場合の対処

注射を行う治療である以上、施術直後に軽い腫れや赤みが出ることは珍しくありません。内出血が起きた場合も1〜2週間程度で自然に吸収されるのが一般的です。

冷やしすぎると成長因子の活性に影響を及ぼす場合があるため、クーリングは医師の指示に従ってください。コンシーラーで隠せる程度の内出血であれば、翌日からメイクでカバーできます。

しこりや左右差を防ぐために医師が行う工夫

bFGFを用いた注入では、過剰にコラーゲンが増えて「しこり」になるリスクが指摘されることがあります。これを防ぐために、経験豊富な医師は注入量を少量ずつコントロールし、左右差が出ないよう慎重にバランスを調整します。

万が一しこりが生じた場合でも、ステロイド注射などで改善を図ることが可能です。施術前に「リスクへの対応方針」をしっかり説明してくれるクリニックを選びましょう。

安心して受けられるクリニックの選び方

グロースファクター注入は医師の技量によって仕上がりが左右されやすい治療です。クリニックを選ぶ際は、注入治療の実績が豊富であること、カウンセリングでリスクを丁寧に説明してくれること、アフターフォロー体制が整っていることを確認しましょう。

  • グロースファクターや成長因子注入の症例数が多いか
  • 施術前のカウンセリングで質問にきちんと答えてくれるか
  • 術後の経過観察やトラブル対応の体制が整っているか

ホームページの情報だけで判断せず、実際にカウンセリングを受けてから治療を決めることをおすすめします。複数のクリニックで相談し、自分が信頼できると感じた医師に任せるのが後悔のない選択への近道です。

グロースファクターとほかの口元シワ治療を比べてわかること

肌の内側から変えたいと望むなら、グロースファクター注入は有力な候補になります。しかし、すべての人にとって「これだけが正解」というわけではなく、ほかの治療法との違いを知ったうえで選ぶことが大切です。

ヒアルロン酸との持続期間と仕上がりの違い

ヒアルロン酸は即効性があり、注入直後から溝が浅くなります。一方でグロースファクターは効果が出るまで2〜3か月かかるものの、生成されたコラーゲンは自分の組織であるため持続期間が長い傾向にあります。

仕上がりの質感にも違いがあります。ヒアルロン酸はゲルで溝を埋めるため、触れるとやや硬さを感じることがありますが、グロースファクターで増えたコラーゲンは周囲の組織と一体化しやすく、自然な柔らかさを保ちやすいでしょう。

PRP療法との共通点と異なるポイント

PRP(多血小板血漿)療法は自分の血液から成長因子を含む血小板を濃縮して注入する方法で、グロースファクター注入と原理が近い治療法です。どちらも肌の再生力を利用する点で共通しています。

異なるのは成長因子の濃度と種類をコントロールしやすいかどうかです。PRPは採血時の体調や血液の状態に左右されやすいのに対し、グロースファクター製剤は一定の品質で成長因子を供給できるため、効果の再現性が高いとされています。

脂肪注入やレーザー治療との併用について

口元のシワが深い場合やボリュームロスが著しい場合は、脂肪注入を先に行ってから成長因子で肌質を整えるという組み合わせが検討されることもあります。

レーザー治療はコラーゲンのリモデリングを促す点でグロースファクターと相補的な関係にあるため、時期をずらして併用するクリニックもあります。

口元シワ治療の比較まとめ

治療法効果の出方持続期間の目安
グロースファクター注入2〜3か月で徐々に1年以上持続する場合も
ヒアルロン酸注入直後から実感半年〜1年
PRP療法1〜3か月で徐々に半年〜1年半
脂肪注入直後+定着後定着すれば半永久

どの治療を選ぶかは、求める効果のスピード感や持続期間、肌への負担の許容度によって変わります。担当の医師とよく相談し、自分の生活スタイルに合った治療計画を立てることが望ましいでしょう。

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よくある質問

グロースファクター注入で口元のシワが改善するまでにどれくらいの期間がかかりますか?

グロースファクター注入は即効性のある治療ではなく、注入後に肌の内部でコラーゲンが生成されることで徐々にシワが浅くなっていきます。一般的には施術後2〜3か月ほどで変化を感じ始める方が多いです。

効果のピークは3〜6か月ごろで、そこから緩やかに安定していきます。ヒアルロン酸のような即時的な変化を期待すると物足りなさを感じるかもしれませんが、自分の肌のコラーゲンによる改善のため仕上がりは自然で持続しやすい傾向があります。

グロースファクター注入の施術中に強い痛みを感じることはありますか?

多くのクリニックでは表面麻酔クリームや局所麻酔を施術前に使用するため、施術中に強い痛みを感じるケースは少ないです。細い注射針を使用するため、チクチクとした軽い刺激を感じる程度とおっしゃる方がほとんどでしょう。

痛みへの感じ方には個人差がありますので、不安が強い場合は事前に医師へご相談ください。笑気麻酔などの追加オプションを用意しているクリニックもあります。

グロースファクター注入とヒアルロン酸注入を同時に受けることはできますか?

クリニックの方針や肌の状態によっては、グロースファクター注入とヒアルロン酸注入を組み合わせることが可能な場合もあります。たとえばヒアルロン酸で即座にボリュームを補い、グロースファクターで長期的なコラーゲン生成を促すという使い分けが考えられます。

ただし、同じ部位に同時施術する場合は薬剤の相互作用や注入量のバランスに注意が必要です。併用を希望する場合は、必ず担当の医師と治療計画を綿密に相談してください。

グロースファクター注入後にしこりができるリスクはどの程度ありますか?

グロースファクター(特にbFGF)の注入では、成長因子の作用でコラーゲンが過剰に生成されると「しこり」になる可能性が報告されています。ただし、経験豊富な医師が適切な量と深さで注入を行えば、そのリスクは大きく低減できます。

万が一しこりが生じた場合にも、ステロイド注射や経過観察など対処法は存在します。カウンセリングの段階でリスク管理について丁寧に説明してくれるクリニックを選ぶことが大切です。

グロースファクター注入は20代でも受けられますか?

20代の方でもグロースファクター注入を受けることは可能です。年齢制限を設けていないクリニックが多く、口元のシワや表情ジワが気になり始めた段階で相談できます。

20代は線維芽細胞の活性が比較的高いため、成長因子への反応が出やすい傾向があります。シワが深くなる前に治療を始めることで、少ない注入量でも効果が期待しやすく、将来のシワ予防にもつながるでしょう。

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この記事を書いた人

Dr.寺井美佐栄のアバター Dr.寺井美佐栄 ミサクリニック 六本木本院 院長

日本抗加齢医学会認定専門医。日本美容皮膚科学会、日本レーザー医学会、日本産業衛生学会専門医。
複数の大手美容皮膚科で10年以上の院長経験を経て、2022年9月にMiSA Clinic(ミサクリニック)を開業。YouTube等でも発信してきた、メスを使わずに”ナチュラルなキレイ”を引き出す技術には定評があり、ありがたいことに「SNSを見ました!」という方や、紹介・口コミ経由でたくさんのご相談を頂いてきました。皆様と共に、MiSA Clinicスタッフ一同、共に年を重ね、末永くお付き合いできる関係を目指して参ります。

資格
アラガン社ボトックスビスタ認定医
アラガン社ヒアルロン酸注入認定医

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