口周りのたるみはなぜ?主な原因と今日からできる予防・対策法

口周りのたるみはなぜ?主な原因と今日からできる予防・対策法

口周りのたるみは、加齢にともなうコラーゲンの減少や表情筋の衰え、紫外線ダメージなど複数の要因が重なって起こります。20代後半から少しずつ進行するため、まだ早いと油断するのは禁物です。

原因を正しく知ったうえで、日々のスキンケアや表情筋トレーニング、食生活の見直しといったセルフケアを続けることが、たるみの予防と改善への近道といえます。

この記事では、口周りがたるむ原因を医学的な根拠をもとにわかりやすく解説し、今日から始められる具体的な予防法・対策法を紹介します。セルフケアだけでなく、医療機関で受けられる施術についてもあわせてお伝えします。

目次

口周りがたるむ原因は皮膚・筋肉・骨の3層すべての変化にある

口元のたるみは、肌表面だけの問題ではありません。皮膚・筋肉・骨という3つの層がそれぞれ変化し、互いに影響し合うことで目に見える形のくずれが生じます。

変化する層主な変化口元への影響
皮膚(真皮)コラーゲン・エラスチンの減少ハリの低下、シワの形成
筋肉口輪筋の菲薄化・筋力低下口角の下がり、ほうれい線の深化
骨格上顎骨・下顎骨の萎縮口元全体の支えが弱まる

コラーゲンとエラスチンの減少が肌の弾力を奪う

肌のハリを支えているのは、真皮に存在するコラーゲンとエラスチンという2つのタンパク質です。コラーゲンは肌に強度を与え、エラスチンは伸び縮みする弾力を生み出しています。

20代をピークに、体内でのコラーゲン生成量は年々減少していきます。40〜50代になるとエラスチンの合成も急激に落ち込み、真皮の構造が弱体化するため、たるみやシワが目立ちやすくなるでしょう。

さらに、真皮のうるおいを保つヒアルロン酸(グリコサミノグリカンの一種)も減っていくため、肌は乾燥して薄くなり、弾力を保つ力が低下します。とくに口周りは皮膚が薄く、皮脂腺も少ない部位であるため、乾燥の影響を受けやすいのが特徴です。

日々のケアで真皮層の機能をいかに維持するかが、たるみ予防の鍵を握っています。

口輪筋の衰えが口元のハリを失わせる

口の周りをぐるりと囲む口輪筋(こうりんきん)は、会話や食事のたびに働く表情筋のひとつです。加齢とともに筋肉が薄くなり、周囲の結合組織が厚く硬くなることで、唇が前方へ突き出す力が弱まります。

若い頃はふっくらしていた唇が薄くなり、口角が下がって見えるのは、この筋力低下と密接に関わっています。口輪筋の衰えは、ほうれい線やマリオネットラインが深くなる要因にもなるため、意識的に筋肉を動かすケアが有効です。

骨格の萎縮と脂肪の移動がフェイスラインを崩す

年齢を重ねると、顔面の骨は少しずつ萎縮します。とくに上顎骨(じょうがくこつ)の後退は、ほうれい線が深くなる一因として知られています。下顎骨も角度が変わることで、あご周りのラインが曖昧になりやすいでしょう。

加えて、頬や口元の脂肪パッドが痩せたり下方へずれたりすると、皮膚を内側から支える「詰めもの」が減って、たるみとして表面に現れます。ほうれい線周囲の脂肪パッドが重力で下垂すると、溝がさらに深くなりフェイスラインの輪郭もぼやけてきます。

骨・脂肪・筋肉・皮膚、すべてが連動しているからこそ、一箇所の変化が全体に波及する仕組みです。

紫外線ダメージが口周りのたるみを加速させる

紫外線は、加齢以上に肌の老化を早める外的要因です。口周りは日焼け止めの塗り直しを忘れやすい部位でもあるため、無防備なまま紫外線を浴び続けてしまうケースが少なくありません。

UVAとUVBが真皮のコラーゲンを分解する仕組み

紫外線にはUVA(長波長紫外線)とUVB(中波長紫外線)の2種類があり、どちらも肌にダメージを与えます。

UVAは真皮の深くまで到達し、エラスチン線維の異常な蓄積(光弾性症)を引き起こします。UVBは表皮を中心に炎症を起こし、メラニンの過剰生成やDNA損傷の原因になります。

紫外線を浴びると、肌内部ではMMP(マトリックスメタロプロテアーゼ)と呼ばれるコラーゲン分解酵素の発現量が増加します。とくにMMP-1はI型・III型コラーゲンを切断する力が強く、紫外線照射後24時間以内にコラーゲン分解量が約3倍に増えるとの研究報告もあります。

光老化を防ぐための日焼け止め選び

日焼け止めを選ぶ際は、SPF値だけでなくPA値にも注目してください。PA値はUVAの防御力を示す指標で、「PA++++」が現在の最高ランクです。口周りは飲食や会話で落ちやすいため、こまめな塗り直しが大切になります。

ランダム化比較試験では、日焼け止めを毎日使用したグループは、使用しなかったグループと比べて光老化の進行が有意に抑えられたと報告されています。

顔全体への塗布を忘れがちな唇周りには、UVカット効果のあるリップクリームを併用するとよいでしょう。

日常の紫外線対策で取り入れたい習慣

帽子やサングラスだけでなく、日傘やUVカットのストールを使うと顔下半分への紫外線量を効率よく減らせます。

曇りの日でもUVAの約80%は雲を透過するため、外出時には季節を問わず日焼け止めを塗る習慣をつけましょう。室内でも窓ガラス越しにUVAは入り込むため、在宅勤務中の方もケアを怠らないことが大切です。

対策ポイント
日焼け止めSPF30以上・PA+++以上を朝と昼に塗布
UVリップSPF入りリップクリームで唇周りを保護
帽子・日傘つばの広い帽子か日傘で顔下半分をカバー

20代・30代でも油断できない生活習慣と口周りのたるみ

「たるみは40代以降の悩み」と考えている方もいるかもしれませんが、20代・30代の日常習慣が将来の口元に大きく影響します。早い段階から生活習慣を見直しておくことが、たるみの予防につながります。

表情のクセや姿勢の悪さが口元のシワを深くする

片側だけで食べ物を噛む、口角を下げたまま長時間過ごすなど、無意識の表情グセは口周りの筋肉バランスを崩します。左右の筋肉の使い方に偏りがあると、片方だけほうれい線が深くなることもあるでしょう。

猫背やストレートネックも、あごを前に突き出す姿勢につながり、首から顔にかけての筋肉が引っ張られてたるみを助長します。デスクワーク中はこまめに姿勢を正す意識を持つことが予防の第一歩です。

睡眠不足や偏った食事が肌のターンオーバーを乱す

肌の新陳代謝(ターンオーバー)は、成長ホルモンが多く分泌される睡眠中に活発に行われます。慢性的な睡眠不足が続くと、古い角質がたまり、真皮層のコラーゲン修復も滞りやすくなるでしょう。

糖質や脂質に偏った食事は、体内で「糖化」を促進し、コラーゲン繊維の柔軟性を低下させます。たんぱく質やビタミンC、鉄分などを意識的に摂取することで、肌のターンオーバーを健やかに保てます。

スマートフォンの長時間使用が顔のたるみを招く

下を向いてスマートフォンを操作する姿勢は、あご下から首にかけての皮膚を常にたるませた状態にします。1日数時間にわたって繰り返されるこの姿勢は、口周りや頬のたるみを進行させる要因のひとつです。

  • スマートフォンを目の高さまで持ち上げて操作する
  • 30分に1回は顔を上げてストレッチする
  • 就寝前のスマートフォン使用を控える

口周りのたるみを予防する毎日のセルフケア

特別な道具がなくても、毎日の習慣に組み込める予防法はたくさんあります。表情筋のトレーニング、保湿ケア、食事の工夫の3つを柱にすれば、口元のハリを長く維持しやすくなるでしょう。

口輪筋を鍛える表情筋エクササイズ

2018年にJAMA Dermatology誌に掲載されたパイロット研究では、20週間にわたり表情筋エクササイズを実施した被験者は、頬のふっくらとした厚みが増し、皮膚科医の評価による推定年齢が約3歳若くなったと報告されています。

口周りの筋肉を意識的に動かすことは、たるみ予防に有用といえるでしょう。

たとえば「あ・い・う・え・お」を大きく口を開けてゆっくり発音する運動は、口輪筋だけでなく頬の筋肉にも刺激を与えます。頬を膨らませたりすぼめたりする動きや、舌を歯ぐきに沿わせて回す運動も口周りの筋力アップに効果的です。

1日5分程度を目安に、毎日続けることが効果を引き出すポイントといえます。

保湿と紫外線対策の基本をおさらい

口元は皮脂腺が少なく乾燥しやすいパーツです。化粧水で水分を補ったあと、乳液やクリームで油分の膜をつくり、うるおいを閉じ込めてください。ヒアルロン酸やセラミドを配合した製品は保水力の維持に適しています。

朝のスキンケアの仕上げに日焼け止めを塗ることも、予防の柱のひとつです。外出先では2〜3時間おきに塗り直すと効果が持続しやすくなります。

食事から摂りたいたるみ予防に効く栄養素

肌のハリに関わる栄養素として、ビタミンCは真皮でのコラーゲン合成を助ける働きがあります。パプリカ、ブロッコリー、キウイフルーツなどに多く含まれ、毎食の献立に取り入れやすい食材です。

栄養素主な働き多く含む食材
ビタミンCコラーゲン合成の促進パプリカ、キウイ
たんぱく質コラーゲンの原料鶏むね肉、大豆製品
鉄分コラーゲン合成の補因子赤身肉、小松菜

コラーゲンペプチドのサプリメントに関しては、複数のランダム化比較試験を統合したメタ解析で、肌の水分量と弾力性の改善傾向が示されています。ただし、研究の質やスポンサーの影響についてはまだ議論が続いているため、あくまで食事の補助として位置づけるのが妥当です。

たるみ改善が期待できるスキンケアの選び方と注意点

口周りのたるみを外側からケアするには、使用するスキンケアアイテムの成分と使い方がともに大切です。肌に合わない方法や過度な刺激は逆効果になりかねないため、正しい知識をもって取り組みましょう。

レチノールやビタミンC誘導体などの有効成分に注目

レチノール(ビタミンA誘導体)は、ターンオーバーを促進し、真皮のコラーゲン生成を助けることが多くの研究で確認されている成分です。ただし刺激を感じやすい方もいるため、低濃度の製品から少しずつ試すのが安心でしょう。

ビタミンC誘導体は抗酸化作用に優れ、紫外線で発生した活性酸素から肌を守る力があります。ナイアシンアミド(ビタミンB3の一種)も、バリア機能を強化しつつハリを改善する成分として近年注目を集めています。

マッサージやシートマスクの上手な取り入れ方

フェイスマッサージは血行を促進し、老廃物の排出を助けます。指先でやさしくなでるようにして、力を入れすぎないことが鉄則です。とくに口周りの皮膚は薄いため、摩擦を最小限に抑える意識をもってください。

シートマスクは週1〜2回程度の使用が目安です。長時間の貼りっぱなしはかえって肌の水分を奪うこともあるため、製品に記載された使用時間を守りましょう。

やりすぎが逆効果になる摩擦レスケアのポイント

洗顔時にゴシゴシとこする、タオルで強く拭くといった摩擦は、真皮のエラスチン線維を傷めてたるみの原因になります。泡で包み込むように洗い、タオルは肌に押し当てるようにして水分を吸い取るのがベターです。

  • 洗顔はたっぷりの泡でこすらず洗う
  • タオルは押し当てるように水分をオフ
  • クレンジングは短時間で肌から落とす

口周りのたるみが気になったら医療機関で相談を

セルフケアだけでは改善が難しいと感じたら、美容皮膚科や美容外科を受診するのもひとつの選択肢です。近年は切らない施術が充実しており、ダウンタイムの短い方法も増えています。

ヒアルロン酸注入やハイフで口元のボリュームを補う

ヒアルロン酸注入は、口周りの溝やくぼみに直接ボリュームを足して若々しいラインを回復させる施術です。施術時間は15〜30分程度で、直後からある程度の効果を実感できるのが特徴といえます。

HIFU(ハイフ)は高密度焦点式超音波を肌の深部に届け、コラーゲンの生成を促す治療法です。皮膚を切開しないため身体への負担が小さく、リフトアップ効果を得たい方に適しています。

ただし、効果の出方や持続期間には個人差がある点は理解しておきましょう。

糸リフトやレーザー治療の特徴と選択基準

糸リフト(スレッドリフト)は、特殊な糸を皮下に挿入して物理的に引き上げる方法です。たるみが中程度以上の方に適しており、使用する糸の種類によって効果の持続期間が異なります。

施術名特徴
ヒアルロン酸注入ボリュームの回復に適し即効性が高い
HIFU(ハイフ)コラーゲン再生を促しリフトアップ
糸リフト物理的に引き上げ中程度のたるみに対応

レーザー治療はフラクショナルレーザーなどを照射し、皮膚のコラーゲンリモデリングを誘導するアプローチです。複数回の照射を重ねることで肌質の改善やたるみの軽減が見込めます。

施術ごとに赤みや腫れが出ることもあるため、スケジュールに余裕をもって計画しましょう。

初めての受診で確認しておきたいポイント

医療機関を選ぶ際は、担当医の専門分野や症例数を確認してください。カウンセリングでは、自分が気になる部位を具体的に伝えたうえで、リスクや費用、ダウンタイムについて十分に質問することが大切です。

施術前の写真撮影や肌の状態チェックを丁寧に行ってくれるかどうかも、信頼できるクリニックかどうかを見極めるひとつの基準になります。焦って決めず、複数のクリニックで相談してから判断しても遅くはありません。

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よくある質問

口周りのたるみは何歳くらいから始まりますか?

口周りのたるみは、一般的に20代後半から少しずつ始まるとされています。コラーゲンやエラスチンの生成量は20歳前後をピークに年々低下し、30代に入ると真皮の弾力低下が目に見える変化として現れやすくなります。

ただし進行のスピードには個人差があり、紫外線対策や生活習慣によっても左右されます。早い段階からの予防が、将来的なたるみの軽減につながるでしょう。

口周りのたるみに表情筋トレーニングは効果がありますか?

表情筋トレーニングは、口周りのたるみ予防に有効であることを示す研究データがあります。2018年のJAMA Dermatology誌に掲載されたパイロット研究では、20週間のプログラムを続けた結果、頬のふくらみが改善し、評価者による推定年齢が約3歳若くなりました。

ただし大規模な臨床試験は限られており、効果を実感するには毎日継続的に取り組む必要があります。サプリメントやスキンケアとの併用が、より実感しやすい結果につながるかもしれません。

口周りのたるみにコラーゲンサプリメントは有効ですか?

複数のランダム化比較試験を統合したメタ解析では、コラーゲンペプチドの経口摂取によって肌の水分量や弾力が改善する傾向が報告されています。一方で、研究の質やサンプル数、資金提供元の影響を指摘する声もあり、確定的な結論には至っていません。

食事で十分なたんぱく質やビタミンCを摂取したうえで、補助的にサプリメントを活用するのが現実的なアプローチです。過度な期待はせず、日々のスキンケアや紫外線対策と組み合わせることが大切といえます。

口周りのたるみ予防に毎日の紫外線対策はどれほど影響しますか?

毎日の紫外線対策は、口周りのたるみ予防においてきわめて影響が大きいといえます。紫外線は真皮のコラーゲンやエラスチンを分解する酵素の産生を促し、光老化と呼ばれる肌の構造的劣化を加速させます。

ランダム化比較試験では、日焼け止めの日常的な使用が光老化の進行を有意に抑制したと報告されています。SPFやPA値の高い製品をこまめに塗り直す習慣を身につけることが、将来のたるみを防ぐうえで効果的です。

口周りのたるみで医療機関を受診する目安はありますか?

セルフケアを3〜6か月ほど続けても改善を実感できない場合や、ほうれい線・マリオネットラインの深さが日常生活で気になるレベルであれば、医療機関への相談を検討してよいタイミングです。

美容皮膚科では、肌の状態を客観的に診断したうえで、ヒアルロン酸注入やHIFUなどの施術を提案してもらえます。まずはカウンセリングで費用やダウンタイムを確認し、納得したうえで施術を受けることが望ましいでしょう。

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この記事を書いた人

Dr.寺井美佐栄のアバター Dr.寺井美佐栄 ミサクリニック 六本木本院 院長

日本抗加齢医学会認定専門医。日本美容皮膚科学会、日本レーザー医学会、日本産業衛生学会専門医。
複数の大手美容皮膚科で10年以上の院長経験を経て、2022年9月にMiSA Clinic(ミサクリニック)を開業。YouTube等でも発信してきた、メスを使わずに”ナチュラルなキレイ”を引き出す技術には定評があり、ありがたいことに「SNSを見ました!」という方や、紹介・口コミ経由でたくさんのご相談を頂いてきました。皆様と共に、MiSA Clinicスタッフ一同、共に年を重ね、末永くお付き合いできる関係を目指して参ります。

資格
アラガン社ボトックスビスタ認定医
アラガン社ヒアルロン酸注入認定医

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