たるみやフェイスラインのゆるみ、ほうれい線などの悩みに対して、「切らずにリフトアップしたい」というニーズが年々高まるなか、人気を集めているのが高周波治療の「サーマジェン」と、超音波治療の「ハイフ(HIFU)」です。
どちらも肌を引き締め、小顔効果やたるみ改善を目指す施術ですが、その仕組みや得意とするアプローチには大きな違いがあります。
この記事では、サーマジェンとハイフの違いを、施術方法・効果・ダウンタイム・料金などの観点から徹底比較します。それぞれのメリット・デメリットを把握したうえで、自分に合った治療選びの参考にしていただければ幸いです。
1. サーマジェンとハイフは何が違う?
高周波(RF)を利用するサーマジェンと、超音波(HIFU)を活用するハイフは、どちらも非侵襲的に肌の深部に熱を与え、たるみの改善やリフトアップを促す治療です。
しかし、照射されるエネルギーの種類や到達する深さ、効果の出方には大きな差があります。
それぞれの施術方法とアプローチの違い
サーマジェンは、RF(ラジオ波)という電磁波を使って、皮膚の表面から真皮・脂肪層にかけて広く熱を届ける施術です。肌全体を穏やかに温めるようなアプローチで、じんわりとした引き締め感とともに、コラーゲンの再構築が促されます。
一方、ハイフはHIFU(高密度焦点式超音波)という仕組みで、超音波を一点に集中させ、皮下の深い層(SMAS筋膜など)にピンポイントで強い熱エネルギーを与える施術です。より深部から強力にリフトアップしたい方に向いており、物理的に「土台から引き上げる」感覚があります。
このように、サーマジェンは皮膚全体に作用しやすく、ハイフは筋膜にまで届くターゲット重視の施術という違いがあります。


照射の深さ・熱の種類・持続性の違い
サーマジェンは主に真皮〜浅層脂肪層に熱を与える設計で、肌のハリ感やキメ、毛穴の引き締めなど、表層から中層にかけての肌質改善に強みを持ちます。照射時の熱は面で分布し、広く均一に熱が入るため、痛みが少なくダウンタイムも穏やかです。
ハイフは、皮膚表面を傷つけずに、皮膚の奥深く、SMAS層まで狙ってエネルギーを届けることが可能です。より深い位置に点で熱を集中させるため、リフト力が強く、一部の機種では脂肪層や筋膜層まで熱が届きます。
ただし、点状照射のため皮膚表面に熱が拡散しづらく、肌質改善よりもリフト効果に特化したアプローチになります。
持続性については、サーマジェンが約3~6か月、ハイフが約6~8か月とされており、ハイフの方が持続力が長いという声もありますが、照射回数や深さによっても変わってきます。
得意な悩み・向いている肌質の違いとは
サーマジェンは、たるみだけでなく「肌の質感改善」や「ハリ不足」にも対応できるため、年齢とともに全体的なゆるみや肌の疲れを感じ始めた方におすすめです。
特に、肌が薄くてハイフの刺激が強すぎると感じる方や、毛穴や乾燥の悩みがある方にも適しています。
ハイフは、たるみが進行してフェイスラインがぼやけてきた方、頬の脂肪が重力で下がってきた方、筋膜レベルの引き上げを希望する方に向いています。ただし、痛みに敏感な方や痩せ型で脂肪が少ない方には、出力や照射層の調整が重要になります。
2. サーマジェンとハイフの効果を比較
効果の出方には個人差があるものの、肌の状態や目的によって、どちらが適しているかを見極めることが可能です。
それぞれの施術が持つ特徴を踏まえながら、具体的な効果の違いを比較していきます。
どちらがリフトアップに効果的か
「リフトアップ」という点に限定すると、筋膜層までアプローチ可能なハイフの方が物理的な引き上げ力は高いとされています。特にフェイスラインや下顔面のもたつきには、ハイフの点状照射による「引っ張り上げ」が即効的に作用しやすく、輪郭の変化が明確に感じられることが多いです。
ただし、サーマジェンは皮膚全体を引き締めることで、たるみをじわじわと抑える効果があるため、「自然な引き上げ」「ナチュラルなリフト」を求める方にとっては非常に満足度が高い施術になります。
また、目元や口元のようなデリケートな部位では、ハイフが照射不可または制限があるのに対し、サーマジェンは細かい調整が可能なため、引き締めが有効に働きます。

ほうれい線やフェイスラインへの効果の差
ほうれい線に関しては、原因が皮膚のたるみなのか、脂肪の下垂なのかによって、向いている施術が異なります。
皮膚そのものがたるんでシワが刻まれている場合は、サーマジェンによる引き締めと肌再生が効果を発揮します。
逆に、頬の脂肪が下垂して段差を生んでいる場合には、ハイフによる深層引き上げが適しています。
フェイスラインのもたつきについては、やはりハイフのリフト力がやや優位とされますが、サーマジェンによるじんわりとした引き締めも、特に軽度のゆるみに対しては十分効果的です。たるみの程度に応じて使い分けるのが理想です。
関連記事:サーマジェンでほうれい線は改善する?効果が出る仕組みや料金も解説
効果を実感できるまでの期間とピークタイミング
ハイフは照射後2〜4週間でリフト効果が現れ、約1〜2か月でピークに達すると言われています。施術直後に変化を感じる方も多く、イベント前など即効性を求める場面で好まれます。
一方、サーマジェンはコラーゲンの再構築が中心となるため、効果の立ち上がりが緩やかです。早ければ1か月後から引き締まりを実感し、2〜3か月かけてじわじわとピークを迎えるという特性があります。即効性よりも「じっくりと肌質から改善したい」方に向いています。
関連記事:サーマジェンの効果は?たるみ・シワへの作用やデメリットも詳しく解説
3. サーマジェンとハイフのデメリット・リスク
どちらの施術もメスを使わずにたるみにアプローチできる優れた美容治療ですが、それぞれに特有のデメリットや注意点があります。施術前にこれらのリスクを理解しておくことは、後悔のない選択をするためにも非常に重要です。
頬がこけると言われるのはどちら?
SNSや美容口コミの中でたびたび見かけるのが、「施術後に頬がこけた」「やつれた印象になった」という意見です。これは主に、ハイフによる脂肪層へのアプローチが原因で起こる現象です。
ハイフは高出力で脂肪層やSMAS層を狙うことができるため、照射位置や出力が適切でない場合、必要以上に脂肪が萎縮してしまい、痩せこけたような印象になることがあります。特に痩せ型で脂肪が少ない方には注意が必要です。
一方、サーマジェンは脂肪を破壊するほどの出力ではないため、脂肪量が大きく減少することは少ないとされています。
ただし、過剰な照射や施術者の判断ミスによって、乾燥や引き締まりすぎによる「やつれ感」が出ることもあるため、どちらも施術には慎重さが求められます。
痛み・赤み・ダウンタイムの違い
ハイフは、点状に熱を集中させる仕組みのため、照射中に「チクチク」「ズンと響くような痛み」を感じることが多いです。骨の近くや神経に触れると特に強く感じるため、痛みに敏感な方は事前に麻酔クリームなどの相談が必要です。
一方サーマジェンは、じんわりと広く温かさを感じるような照射で、痛みはかなり軽度です。施術後の赤みや腫れも少なく、当日からメイク可能な点も特徴です。
ダウンタイムの観点では、サーマジェンの方がマイルドで、日常生活への影響もほとんどないとされています。
ハイフもダウンタイムは短いですが、まれに筋肉痛のような鈍痛やむくみ、軽度の内出血が生じる場合があります。
失敗しないために注意すべきポイント
ハイフもサーマジェンも、機械そのものの性能だけではなく「照射の正確さ」「個々の骨格や脂肪の状態に合わせた調整」が仕上がりを大きく左右します。つまり、誰が施術するかが極めて重要です。
とくにハイフは、照射ミスが神経や脂肪に影響するリスクがあるため、医師または訓練を受けた看護師による照射であるかどうかを確認するべきです。
安さだけに飛びつかず、症例数やアフターケア体制も考慮した上でクリニックを選ぶようにしましょう。
4. 料金の違いと費用対効果を比較
価格面でも、サーマジェンとハイフには明確な違いがあります。どちらが高い・安いではなく、持続性や必要な頻度を踏まえた「コストパフォーマンス」で比較することが大切です。

サーマジェンの施術費用の相場
サーマジェンの料金は照射範囲や使用カートリッジ、クリニックによって違いがありますが、顔全体の施術でおおよそ33,000〜88,000円程度が相場です。
目元のみ、頬のみといったパーツごとの照射であれば、2〜4万円台で受けられることもあります。
また、肌の変化を維持するためには3~6か月ごとの継続が推奨されており、年間2~3回を想定した予算計画を立てるのが理想です。
ハイフの平均料金とコース設定
66,000〜132,000円前後が一般的です。中には20万円を超える高額メニューもありますが、これは照射層が複数にわたるプレミアムプランであることが多いです。
また、効果の持続性を考慮して、半年〜1年に1回程度の施術で良いとされる場合もあるため、1回あたりの料金は高くても年間で見るとトータルコストは抑えられる可能性があります。
効果・頻度を含めたコスパ比較の考え方
「一度でしっかり引き上げたい」という即効性を重視する方には、ハイフの方がコスパが良く感じられるかもしれません。一方で、「肌をじっくり育てて引き締めたい」「繰り返し施術して老化の進行をゆるやかにしたい」という方には、サーマジェンの方が相性が良いです。
施術間隔の違い、効果の持続性、副作用のリスク、アフターケアの負担などを総合的に考えたとき、「安さ」ではなく「どの施術が自分に合っているか」で判断することが、最も賢い選び方です。
5. どちらがおすすめ?目的・肌質別の選び方
サーマジェンとハイフは、それぞれ特性が異なるため、自分の肌質や求める仕上がりに合わせて適切な施術を選ぶことが大切です。
自然に引き上げたい人に向いているのは?
ナチュラルな印象のまま、気づかれずに若返りたいという方には、サーマジェンがおすすめです。
強すぎない引き締め感でじわじわと肌が引き上がるため、不自然な変化が起こりにくく、職場や家族にも気づかれにくい自然な変化を目指せます。
また、目元や口元など、他の機器では照射が難しいデリケートな部位にも施術ができる点もサーマジェンの大きな魅力です。
即効性を求めるならどちらが良いか

「今すぐたるみを何とかしたい」「1週間後のイベントに間に合わせたい」といった目的があるなら、即効性に優れるハイフが向いています。
施術直後からフェイスラインの変化を感じることができ、ピークが1〜2か月と早いため、短期間での変化を求める方に適しています。ただし、腫れや鈍痛のリスクもあるため、施術時期の調整には余裕をもって臨むのが安心です。
敏感肌・痩せ型・初めての施術に合うのは?
初めてリフトアップ治療を受ける方や、敏感肌・乾燥肌の方、痩せ型で脂肪が少ない方には、サーマジェンのほうが安全で相性が良い傾向にあります。
温感が穏やかで肌表面への刺激が少なく、トラブルが起こりにくいのが特徴です。
逆に、脂肪が多くて下垂しやすい肌質の場合には、深部にしっかりアプローチできるハイフが適していることもあります。
6. サーマジェンとハイフを併用するという選択肢
それぞれ異なるアプローチを持つサーマジェンとハイフは、併用することでさらに高い相乗効果を得ることが可能です。
併用で得られる相乗効果と治療例
ハイフでSMAS層からしっかり引き上げ、サーマジェンで肌の表層から引き締めとハリ感を高めるという組み合わせは、近年多くの美容クリニックでも推奨されています。
これにより、表層から深層まで立体的にアプローチでき、仕上がりのバランスが格段に良くなります。
また、目元や口元のようにハイフでは照射できない部位をサーマジェンでカバーすることで、顔全体の引き締まり感を高めることができます。
施術間隔や順番の考え方
併用する場合、同日に行うことも可能ですが、肌の状態によっては1〜2週間の間隔を空けて照射するケースもあります。一般的には、先にハイフを行って深層に熱を届け、その後サーマジェンで表層を引き締める順序が多く採用されています。
ただし、併用のタイミングや間隔は個々の肌状態によって異なるため、必ず医師の判断のもとでスケジュールを調整するようにしましょう。
クリニック選びのポイント
サーマジェンとハイフのどちらも取り扱っているクリニックは多くありますが、大切なのは「機器をどう使い分けるか」の知見があるかどうかです。施術メニューが豊富なだけでなく、肌質・顔立ち・ライフスタイルに合わせた最適な提案ができる医師が在籍しているかを確認しましょう。
カウンセリング時に肌分析や施術後の計画、万が一のアフターケア体制まで丁寧に説明してくれるクリニックは、信頼性が高いといえます。
【YouTube】Dr.みさえの素敵になり隊 ハイフとサーマジェン、あなたが受けるべきなのはどっち??
7. まとめ
サーマジェンとハイフは、いずれも「切らずにリフトアップしたい」という願いを叶える美容医療の代表格です。
それぞれに特性があり、肌質や目的によって向き・不向きがあります。
サーマジェンは、肌表面から真皮層にかけての引き締めとコラーゲン再生を促し、ナチュラルな変化を求める方に最適です。一方ハイフは、深層へのアプローチによって強いリフト力を発揮し、フェイスラインや頬のたるみにダイレクトに働きかけます。
迷ったときは、信頼できるクリニックでしっかりカウンセリングを受け、自分に合った施術方針を一緒に考えてもらうことが、理想の結果につながる第一歩となるでしょう。
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