1. ボトックス注射とは?
ボトックス注射は、美容医療の分野で非常に広く利用されている治療法の一つで、シワの改善や小顔効果、多汗症の治療など、さまざまな目的で使用されています。
メスを使わずに短時間で施術が完了する手軽さから、多くの人々に支持されており、顔のシワやエラ張りが気になる方、ガミースマイルを改善したい方、さらには脇汗や手汗といった多汗症に悩む方にも選ばれています。
治療直後から効果を実感する方も多く、ダウンタイムがほとんどないのも特徴です。
(関連記事「ボトックス注射のリスクと注意点:失敗しないための完全ガイド」はこちら)
2.ボトックスの仕組み

ボトックス注射の主成分である「ボツリヌストキシン」は、神経と筋肉の間の情報伝達をブロックする働きを持っています。
通常、筋肉は神経からの信号を受けて収縮しますが、ボツリヌストキシンが神経の末端に作用することで、信号が遮断され、筋肉の動きが制限されます。
これにより、表情ジワのように「筋肉の動きが原因でできるシワ」が目立たなくなるのです。
例えば、額の横ジワや眉間の縦ジワ、目尻のシワなどは、表情を作るたびに繰り返される筋肉の動きによって生じます。そこにボトックスを注入すると、筋肉の動きが和らぎ、シワが目立たなくなるというわけです。
また、エラやふくらはぎ、肩の筋肉などに注射することで、筋肉の張りを抑え、顔や体のラインをすっきりと見せる効果も期待できます。
3. ボトックス注射の主な用途
美容目的でのボトックス注射にはさまざまな用途があり、代表的なものとしてはシワの改善や小顔効果が挙げられます。
・額・眉間・目尻の表情ジワ
・エラ張りの改善(小顔ボトックス)
・ワキ汗・手汗(多汗症)
・ふくらはぎボトックス(脚痩せ)
・ガミースマイル・口角の引き上げ
・バニーライン・顎の梅干しジワ
ボトックス注射は美容だけでなく、生活の質を高める医療手段としても注目されています。
4. ボトックス注射の種類と特徴
ボトックスビスタ
ボトックスビスタは、日本国内で唯一、厚生労働省に承認されているボツリヌストキシン製剤です。
アメリカのアラガン社が製造しており、その品質と安全性は高く評価されています。
多くのクリニックで標準的に使用されており、眉間や額のシワ治療など、顔の表情筋に対する治療に適しています。
臨床試験のデータが豊富にあり、信頼性の高い製品といえるでしょう。
この製剤は厳格な温度管理のもとで輸送・保管されており、厚労省のガイドラインに従って施術が行われるため、安心して使用できます。
特に初めてボトックス注射を受ける方や、副作用が心配な方には適した選択肢といえるでしょう。
コアトックス
コアトックスは韓国で開発された比較的新しいボツリヌストキシン製剤で、添加物を一切含まない「純粋毒素製剤」として注目を集めています。
添加物によるアレルギーリスクが低く、自然な仕上がりが期待できるのが特徴です。
ボトックスビスタに比べると歴史は浅いものの、近年では多くの美容クリニックで採用されており、特に繰り返しの施術によって抗体ができにくい点が利点とされています。
ボトックスに慣れてきた方や、より自然な表情を保ちたい方におすすめの製剤です。
ボツラックス
ボツラックスも韓国製のボツリヌストキシン製剤で、コストパフォーマンスの高さが特徴です。
ボトックスビスタと比較すると価格が抑えられており、費用を抑えつつも一定の効果を得たい方に向いています。
ただし、厚生労働省の承認は受けておらず、輸入製剤として使用されているため、信頼できるクリニックを選ぶことが重要です。
安価な製剤ではありますが、医師の技術や注入量、部位ごとの適切な対応がなければ、思うような結果が得られないこともあるため、慎重な判断が求められます。
5. ボトックス注射の値段はいくら?
ボトックス注射は、部位や使用する製剤、クリニックの立地や医師の経験などによって価格に大きな幅があります。
美容医療は自由診療のため、同じ部位でも施術費用はクリニックごとに異なります。施術を検討するうえで、相場を把握しておくことは非常に重要です。
また、価格だけでなく、注入量や施術後のフォロー内容も費用に影響するため、単純な比較では判断できないケースも少なくありません。
部位別ごとの相場
一般的に人気のある部位のボトックス注射の相場は、以下の通りです。

使用する製剤によっても相場は異なり、厚生労働省承認のボトックスビスタは、他の韓国製製剤に比べてやや高額になる傾向があります。
価格が異なる理由
ボトックス注射の価格がクリニックごとに異なる理由は多岐にわたります。最も大きな要因は、使用する製剤の種類と品質です。
厚労省認可のボトックスビスタは製造・輸送・保管に厳格な管理が求められるため、価格も高めに設定されています。
一方、ボツラックスやリジェノックスといった韓国製製剤は価格を抑えやすいため、比較的安価に提供されています。
また、注射する量や範囲も価格に影響します。
たとえばエラの筋肉は強く発達していることが多く、十分な効果を出すには多めの製剤を必要とします。そのため、他の部位より高額になるのです。
さらに、施術を行う医師の技術料や、クリニックの立地、設備、アフターケアの内容なども価格に反映されます。
経験豊富な医師による施術や、フォロー体制が整ったクリニックでは、安心して治療を受けられる一方で、価格はやや高くなる傾向があります。
逆に、価格が極端に安い場合は、使用する薬剤の品質や施術の丁寧さ、アフターケアの有無に不安が残ることもあるため、単純に価格だけでクリニックを選ぶのではなく、総合的な観点から判断することが大切です。
6. ボトックス注射の効果と持続期間
ボトックス注射は、注射部位の筋肉の働きを抑制することで、シワの改善や筋肉の張りを緩和し、見た目の印象を変える効果が得られます。
施術を受ける方の目的によって得られる効果は異なりますが、どの場合でも、薬剤が筋肉に働きかけることで変化が現れるのが特徴です。
とはいえ、効果が出るまでには多少の時間がかかり、永続的なものではないため、持続期間を把握しておくことも重要です。
効果が現れるまでの時間
ボトックス注射の効果は、施術後すぐに現れるわけではありません。一般的には、注射から2〜3日後に変化を感じ始め、7日〜10日ほどで効果が安定すると言われています。
効果のピークは施術後2週間程度で、その後徐々に筋肉の動きが抑えられ、シワの目立ちにくい状態が続きます。
エラやふくらはぎなど、大きな筋肉に対してボトックスを注入する場合は、変化がより顕著に現れるまでに2〜3週間かかることもあります。
また、多汗症治療として使用する場合も、発汗が抑えられたと実感できるまでには少し時間がかかる傾向があります。
効果の持続期間
ボトックスの効果は永久ではなく、時間の経過とともに徐々に消失していきます。
持続期間は施術部位や個人差によって異なりますが、一般的には3〜6か月程度が目安です。
表情ジワの治療など、比較的小さな筋肉に対して行う場合は3〜4か月程度、エラやふくらはぎ、肩などの大きな筋肉に対して行う場合は、4〜6か月程度持続するとされています。
ただし、回数を重ねることで筋肉の動きが徐々に弱まり、結果的に効果の持続期間が長くなるケースもあります。継続して施術を受けることで、シワの定着を防ぎ、より自然で若々しい表情を維持しやすくなるのです。
効果を最大限に引き出す方法
ボトックス注射の効果を最大限に引き出すためには、いくつかのポイントを意識することが重要です。
・施術後24時間は激しい運動や飲酒、長時間の入浴などは控える
・術後は顔を強くこすらない、うつぶせで寝ない
・効果が切れる前に定期的に施術を受ける
・医師の指導に従い、アフターケアを怠らない
・信頼できる医師のもとで適切な量を注入する




治療名:ボトックス
料金:ナボタ(韓国製) ¥49,500〜/50単位
リスク・合併症:内出血、左右差、表情が変わる、噛み締めしにくいなど
7. ボトックス注射で失敗しないために
美容目的で人気の高いボトックス注射ですが、注入の仕方や医師の技術、製剤の管理状態などによっては、思わぬトラブルや不自然な仕上がりに繋がることもあります。
ボトックスは簡便な施術である一方、非常に繊細な技術が求められる治療法であるため、失敗例や注意点を事前に理解しておくことが大切です。
よくある失敗例
ボトックス注射に関する失敗例の中で最も多いのは、「表情が不自然になる」というケースです。
たとえば、額に注射したことで眉が動かなくなり、表情に違和感が出る、あるいは目尻に注射して目が重たく見えるといった事例があります。
これらは、注入量が多すぎたり、注入位置が適切でなかったりすることが原因で、筋肉の動きを抑えすぎてしまった結果です。
また、左右差が出てしまうのも代表的なトラブルです。
これは顔の筋肉が元々非対称であることに加え、注射時のバランス調整が不十分な場合に起こります。
ほかにも、眉毛がつり上がったように見える「スパックブロー」と呼ばれる症状や、まぶたが下がってしまう「眼瞼下垂」なども報告されています。
さらに、注射後に内出血や腫れが長引いたり、赤みや痛みが強く残ったりする場合もあります。
これらは技術不足や衛生管理の不備によって起こることがあり、クリニック選びの重要性を物語っています。
失敗を防ぐためのポイント
ボトックス注射の失敗を防ぐためには、まず信頼できる医師を選ぶことが最も重要です。
経験の浅い施術者が機械的に注入を行うと、細かな筋肉の動きや左右差に対応できず、不自然な結果になるリスクが高まります。顔の筋肉は非常に繊細で複雑な構造をしているため、豊富な症例と技術を持った医師のもとで施術を受けることが安心への第一歩です。
また、カウンセリング時に自身の悩みや理想のイメージをしっかり伝えることも大切です。
医師との認識にズレがあると、たとえ技術的には成功していても、本人が満足できない結果になる可能性があります。
自然な仕上がりを求めるのであれば、必要以上に注入しない方針のクリニックや、定期的に少量ずつ施術を行う「マイクロボトックス」を提案してくれる医師を選ぶのも一つの手です。
施術後の過ごし方も成功のカギを握ります。特に、当日は激しい運動や長風呂、飲酒を避けること、注射部位に強い刺激を与えないことが基本です。
(関連記事「ボトックス注射後のお酒はNG?飲酒のリスク・影響・正しい対処法を解説」はこちら)
こうした注意点を守ることで、ボトックスの効果を安定させ、副作用やトラブルのリスクを最小限に抑えることができます。
MiSA Clinic六本木本院の寺井院長は、メスを使わない治療のスペシャリストです。ボトックスの症例も多数!
【YouTube】Dr.みさえの素敵になり隊「失敗しない!ボトックス施術のコツとポイント」

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