目の下に線がある…これって何?シワ・クマ・たるみの見分け方と対策

目の下に線がある…これって何?シワ・クマ・たるみの見分け方と対策

ふと鏡を見た瞬間、目の下に今までなかったはずの「線」を見つけてドキッとした経験はありませんか?

疲れて見える原因にもなるその線は、単なる乾燥小ジワなのか、それともたるみによる影なのか、はたまた色素沈着なのか、正しく見極めることがケアの第一歩です。

実は、目の下の皮膚は卵の薄皮一枚分ほどしか厚みがなく、非常にデリケートな場所だからこそ、間違ったケアは逆効果になりかねません。

この記事では、あなたの目の下にある線の正体を突き止め、今日から自宅で始められる正しいスキンケアや生活習慣の見直しポイントを、専門的な視点を交えつつわかりやすく紐解いていきます。

目次

目の下の線の正体は?シワ・たるみ・クマの特徴を知って自分のタイプを見極める

鏡を見るたびに気になってしまう目の下の線ですが、その正体は一つではありません。

大きく分けると、皮膚の形状変化による「シワ」、眼窩脂肪の突出などによる「たるみ」、そして血行不良や色素沈着が原因の「クマ」の3つに分類できます。

自分の目の下にある線がどのタイプに当てはまるのかを正確に把握することは、効果的な対策を行う上で非常に重要です。やみくもにクリームを塗る前に、まずは敵を知ることから始めましょう。

浅い線なら乾燥による「ちりめんジワ」かもしれません

目の下の皮膚を指で優しく押し上げてみてください。もし線が消えたり薄くなったりする場合、それは表皮の乾燥が主な原因である「ちりめんジワ」の可能性が高いです。

目元は皮脂腺が少なく、水分保持能力が低いため、外気やエアコンの乾燥ダメージを真っ先に受けます。

お風呂上がりや洗顔直後には目立たないけれど、夕方になるとファンデーションが溝に入り込んで線がくっきり見える、という経験はないでしょうか。

これは角質層の水分不足が引き起こすSOSサインです。放置すると深い真皮ジワへと進行してしまうため、早急な保湿ケアが必要です。

くっきり深い溝は「たるみ」や「ゴルゴライン」の疑いがあります

目の下から頬にかけて斜めに走る深い線や、目の下がぷっくりと膨らんだその下にできる影のような線は、単なる乾燥ジワとは性質が異なります。

これは、眼球を支えている「眼輪筋」という筋肉の衰えや、眼球のクッションとなっている「眼窩脂肪」が前方に押し出されてくるために生じる構造上の変化です。

眼窩脂肪が前に出ると、その下の皮膚との境界に段差が生まれ、それが「線」として認識されます。いわゆる「黒クマ(影クマ)」と呼ばれるもので、手鏡を持って上を向くと薄くなるのが特徴です。

また、目頭から頬の中央にかけてハの字に入る線は「ゴルゴライン」と呼ばれ、顔全体のたるみや表情筋の凝りが関係しています。これらは皮膚表面のケアだけでなく、土台となる筋肉や真皮層への働きかけが必要になります。

タイプ別・目の下の線の見分け方

タイプ主な特徴・見え方簡単なセルフチェック法
乾燥小ジワ細かく浅い線が無数にある。夕方に目立つ。指で肌を少し持ち上げると線が消えるか確認する。
たるみ・黒クマ目の下が膨らみ、その下に影ができる。手鏡を持って上を向き、線が薄くなるか見る。
色素沈着・茶クマ線と共に皮膚が茶色くくすんでいる。皮膚を引っ張っても色味が変わらず残る。

色が伴う線は「茶クマ」や「青クマ」との複合トラブルです

線があるだけでなく、その周辺の皮膚の色がどんよりと暗く見える場合、色素沈着や血行不良が併発している可能性を疑ってください。

茶色っぽく見えるなら、メイクや洗顔時の摩擦、紫外線ダメージによる色素沈着が原因の「茶クマ」です。皮膚を引っ張っても色が変わらないのが特徴です。

一方、青黒く見えるなら、寝不足や眼精疲労による血行不良が原因の「青クマ」でしょう。こちらは皮膚を引っ張ると色が薄くなる場合があります。

クマによって肌のトーンが均一でないと、わずかな凹凸でも影が強調され、線がより深く見えてしまう悪循環に陥ります。色はコンシーラーで隠せても、凹凸による線は隠しきれないため、色と形の両面からの働きかけが必須です。

なぜ目の下に線ができるの?日常生活に潜む意外な原因と習慣

「昔はこんな線なかったのに」と嘆く前に、なぜ線ができてしまったのか、その根本原因を探りましょう。

加齢による自然な変化は誰にでも訪れますが、実は日々の何気ない習慣が老化のスピードを加速させているケースが多々あります。

スマートフォンを見る姿勢や、無意識に行っているスキンケアの手つきなど、当たり前だと思っている行動の中に落とし穴があります。原因を断つことこそが、最もコストのかからない美容法です。

スマートフォンの長時間利用による「眼精疲労」と「瞬きの減少」

  • 画面を集中して見続けると瞬きの回数が減り、ドライアイを誘発して目元の乾燥を加速させる。
  • 目のピント調節を行う毛様体筋が酷使され、血流が悪化するため青クマやむくみが生じやすくなる。
  • 下を向いて画面を見る姿勢が続くと、重力で頬の脂肪が下がり、目の下のたるみやゴルゴラインが定着する。
  • ブルーライトによる肌内部へのダメージが蓄積し、肌のハリを支えるコラーゲンやエラスチンに影響を与える。

無意識の「摩擦」が肌のバリア機能を破壊しています

目元の皮膚はティッシュペーパー一枚分とも言われるほど薄く繊細です。花粉症で目をこすったり、アイメイクを落とす際にゴシゴシと力を入れたりしていませんか?

この物理的な刺激は、肌を守るバリア機能を破壊し、慢性的な乾燥状態を引き起こします。さらに、摩擦による微細な炎症はメラノサイトを刺激し、色素沈着(茶クマ)の原因となります。

皮膚が硬く厚くなるため柔軟性が失われ、深いシワが刻まれやすい土壌を作ってしまうのです。クレンジングや洗顔時は、指が肌に直接触れないくらいの優しいタッチが必要です。

加齢だけじゃない!骨格や筋肉の衰えによる「構造の変化」

年齢を重ねると顔の骨、特に眼窩(目のくぼみ)の骨が少しずつ萎縮して広がっていくことはご存知でしょうか。

骨が痩せると、その上にある皮膚や脂肪を支えきれなくなり、雪崩のように下へと落ちていきます。これが目の下の膨らみや深い溝の正体です。

また、表情筋の一つである眼輪筋が衰えると、眼窩脂肪を抑え込む力が弱まり、脂肪が前に飛び出してきます。

逆に、痩せ型の人や骨格の彫りが深い人は、脂肪が減るとくぼみが目立ち、線のような影ができる場合もあります。これらは皮膚表面の問題ではないため、化粧品だけでの改善には限界があることを知っておく必要があります。

糖化による「黄ぐすみ」が線を強調させています

甘いお菓子や炭水化物の摂りすぎによって体内で余った糖がタンパク質と結びつく「糖化」も、目元の老化を早める大きな要因です。

糖化によって生じるAGEs(終末糖化産物)は、コラーゲン繊維を硬く脆くし、肌の弾力を奪います。

その結果、目の下の皮膚がハリを失い、たるみによる線ができやすくなります。さらに、糖化は肌を黄色くくすませるため、黒クマや茶クマと混ざり合い、目元全体をより暗く老けた印象にしてしまうのです。

今すぐ実践できるスキンケア!成分選びと塗り方でハリを取り戻す

原因がわかったところで、次は具体的な対策に移りましょう。毎日のスキンケアは、未来の肌を作る投資です。

しかし、ただ高価なアイクリームを使えば良いというわけではありません。自分の目の下の線のタイプに合った成分を選び、正しい手順で届けることが重要です。

角質層の水分量を上げ、真皮のコラーゲン産生を助ける成分を取り入れると、ふっくらとしたハリを取り戻すことは十分に可能です。

シワ改善効果が認められた「レチノール」と「ナイアシンアミド」

化粧品選びで迷ったら、厚生労働省によってシワ改善効果が承認されている有効成分が配合された医薬部外品(薬用化粧品)を選ぶのが賢明です。

代表的な成分として「純粋レチノール」と「ナイアシンアミド」があります。レチノールは肌のターンオーバーを促し、ヒアルロン酸の産生を高めて、深いシワにも働きかけます。

ただし、刺激を感じる場合があるため、最初は少量から始める工夫が必要です。

一方、ナイアシンアミドは穏やかな作用で真皮のコラーゲン生成を助けつつ、美白効果も期待できるため、茶クマが気になる人にも適しています。自分の肌質に合わせて、これらを主役にしたアイテムを選びましょう。

乾燥ジワを撃退する「セラミド」と「ヒアルロン酸」の保湿力

ちりめんジワのような浅い線には、とにかく保湿が特効薬となります。肌の水分保持能を担う「セラミド」や、水分を抱え込む「ヒアルロン酸」が配合された化粧水やクリームをたっぷりと使いましょう。

特に「ヒト型セラミド」は肌への親和性が高く、バリア機能の修復に役立ちます。また、乾燥がひどい場合は、通常の保湿ケアの後にバームやワセリンなどの油分で蓋をするのも有効です。

寝ている間の乾燥を防ぐため、目元専用のシートマスクを活用するのも良い手ですが、指定時間を超えて貼ったままにすると逆に水分を奪われるため注意が必要です。

次世代のハリ成分「ペプチド」にも注目しましょう

近年注目を集めているのが、アミノ酸が結合した「ペプチド」という成分です。

ペプチドは、肌の細胞に「コラーゲンを作れ」という指令を出す役割を持っています。刺激が少なく、敏感肌の人でも使いやすいのが特徴です。

特に「シンエイク」や「アルジルリン」といった種類のペプチドは、表情筋の緊張を和らげる効果が期待できるため、表情ジワが気になる目元のケアに適しています。レチノールとの併用で相乗効果を狙うのも良いでしょう。

成分別・期待できる効果と選び方のポイント

成分名主な働き・メカニズムおすすめのタイプ
純粋レチノールヒアルロン酸産生促進、ターンオーバー促進。深いシワ、たるみが気になる人
ナイアシンアミドコラーゲン生成促進、メラニン生成抑制。シワと茶クマを同時にケアしたい人
ヒト型セラミド角質層の水分保持、バリア機能の強化。乾燥小ジワ、敏感肌の人

摩擦ゼロを目指す「薬指塗り」をマスターしましょう

どんなに良い成分も、塗り方次第で毒にも薬にもなります。アイクリームを塗る際は、力が入りにくい「薬指」を使うように徹底してください。

クリームを薬指の腹に取り、体温で少し温めてから、目の下を目頭から目尻に向かって優しくトントンと置くように馴染ませます。決して横に引っ張ったり、擦り込んだりしてはいけません。

皮膚が動かない程度の優しい圧で十分浸透します。特に皮膚が薄い目のキワなどは、指の腹を使ってスタンプを押すようなイメージで塗布すると、摩擦を最小限に抑えられます。

生活習慣で目元は変わる!食事・睡眠・姿勢の3本柱を見直す

スキンケアは外側からの働きかけですが、内側からのケアも同じくらい、あるいはそれ以上に大切です。私たちの肌は、食べたもの、睡眠の質、そして日々の姿勢から作られています。

高価な美容液を使っていても、睡眠不足や栄養バランスの乱れがあれば、その効果は半減してしまいます。特に目元は体調の変化が顕著に現れるパーツです。

「今日は顔色が悪いね」と言われるときは、大抵目の下にサインが出ています。今日から意識できる生活習慣の改善ポイントを紹介します。

質の高い睡眠で「成長ホルモン」の分泌を促しましょう

  • 入眠後最初の3時間に分泌される成長ホルモンは、肌の修復やターンオーバーに必要不可欠なため、この時間の睡眠深度を深める工夫をする。
  • 寝る直前までのスマホ操作をやめ、副交感神経を優位にすることで、目元の血行不良(青クマ)を予防する。
  • 枕の高さが合っていないと首のシワや顔のむくみの原因になるため、首のカーブに合った枕を選び、顎を引いた状態で寝ないようにする。
  • うつ伏せ寝や横向き寝は、顔の片側に圧がかかりシワの原因となるため、可能な限り仰向けで寝る習慣をつける。

塩分の摂りすぎは「むくみ」によるたるみを加速させます

朝起きた時に目がパンパンに腫れていることはありませんか?これは余分な水分が溜まっている「むくみ」の状態です。

むくみは皮膚を内側から引き伸ばすため、繰り返すと皮膚が伸びてしまい、たるみやシワの原因になります。これを防ぐには、塩分の摂取を控えるのが最も効果的です。

特に夕食でのラーメンやスナック菓子は控えましょう。代わりに、体内の余分なナトリウムを排出するカリウムを含むバナナ、アボカド、ほうれん草などを積極的に摂ると良いです。

水分補給も大切ですが、寝る直前のガブ飲みは逆効果なので、こまめに少しずつ飲むように心がけましょう。

タンパク質と鉄分不足が「目の下のくぼみ」を招きます

肌の弾力を支えるコラーゲンやエラスチンの材料となるのは「タンパク質」です。ダイエットで野菜ばかり食べていると、タンパク質不足で肌がしぼみ、目の下が痩せて線が目立つようになります。

肉、魚、卵、大豆製品を毎食手のひら一枚分を目安に摂取しましょう。

また、女性に多い「鉄分欠乏」も、酸素不足による血色の悪さ(青クマ)やコラーゲン合成の低下を招きます。レバーや赤身肉などで鉄分を補うと、目元の皮膚に厚みと血色が戻り、健康的な印象を取り戻せます。

入浴で「全身の巡り」を整えましょう

シャワーだけで済ませていませんか?目元のクマや、代謝低下によるたるみを解消するには、湯船に浸かって全身を温める習慣が欠かせません。

38〜40度のぬるめのお湯に15分ほど浸かると、副交感神経が優位になり、末梢血管が拡張して血流が改善します。

さらに、入浴中にホットタオルを目元に乗せるのもおすすめです。蒸気と熱で目の周りの筋肉がほぐれ、化粧品の浸透も良くなります。ただし、熱すぎるタオルは乾燥を招くので注意しましょう。

眼輪筋を鍛えて土台からリフトアップ!正しいマッサージとトレーニング

皮膚のケア、生活習慣の改善に加え、もう一つ取り入れたいのが筋肉へのアプローチです。

目の周りをぐるりと囲む「眼輪筋」は、まぶたの開閉を行うだけでなく、眼窩脂肪が前に出てこないように支える防波堤の役割も果たしています。

この筋肉が衰えると、支えきれなくなった脂肪が突出し、その下に深い影の線を作ってしまいます。だからこそ、眼輪筋を適度に鍛え、凝り固まった筋肉をほぐしましょう。

ただし、自己流の強いマッサージは皮膚を伸ばす危険があるため、正しい方法で行う必要があります。

眼球を動かすだけの「眼筋トレーニング」で血流アップ

皮膚に触れずに行える最も安全なトレーニングが、眼球運動です。

顔を正面に向けたまま、目線だけを「上・下・右・左」と限界まで動かしてみましょう。これを各方向3秒ずつキープします。

次に、目を大きく見開き、その後ギュッと閉じる動作を数回繰り返します。これにより、目の周りの筋肉が収縮・弛緩を繰り返し、ポンプ作用で血流が促進されます。

デスクワークの合間に行うと、眼精疲労の解消にもなり、夕方の目の下のくすみや線の悪化を防げます。

側頭筋をほぐして目元のたるみを引き上げましょう

意外かもしれませんが、目の下のたるみケアには「頭皮マッサージ」が非常に有効です。

特に耳の上にある「側頭筋」は、顔の皮膚や筋肉と繋がってリフトアップする役割を担っています。ここが凝り固まると、顔全体が下がり、目の下の線も目立つようになります。

シャンプー時などに、指の腹で耳の上あたりを円を描くように優しくマッサージしてください。皮膚を擦るのではなく、頭皮そのものを動かすイメージです。

目がパッチリと開きやすくなり、目元の重さが軽減するのを実感できるはずです。こめかみ付近も優しくほぐすと、さらに効果的です。

トレーニングとマッサージの正しい実践表

メソッド名やり方・手順期待できる効果
眼球8の字運動目を閉じて、眼球で大きく8の字を描くように動かす。眼輪筋のストレッチ、眼精疲労の緩和。
まぶしい目エクササイズ下まぶただけを上に持ち上げるように細目にする。下眼瞼の筋肉強化、脂肪突出の予防。
側頭筋ほぐし耳の上の頭皮を指の腹で掴み、回してほぐす。顔全体のリフトアップ、目元のたるみ改善。

絶対にやってはいけない「自己流リンパマッサージ」の危険性

「リンパを流せばむくみが取れる」と、目の下をグイグイと指で押して流そうとしていませんか?これは非常に危険な行為です。

先述の通り、目の下の皮膚は非常に薄く、さらに眼輪筋と皮膚をつなぐ靭帯(リガメント)が存在します。強い力で引っ張ると、この靭帯が伸びてしまい、一度伸びると元には戻りません。

マッサージを行うなら、滑りの良いクリームやオイルをたっぷりと使い、羽が触れるか触れないかくらいの極めて弱い力で行うか、あるいはツボ押しのように「垂直に押して、離す」という動作に留めるべきです。横への摩擦は厳禁です。

メイクでカモフラージュ!線を消して明るい目元を作るテクニック

根本的な改善には時間がかかりますが、メイクの力を使えば、今すぐ目元の線を「なかったこと」に見せられます。

しかし、多くの人がやりがちなのが、線を隠そうとしてコンシーラーを厚塗りしてしまう失敗です。厚塗りは時間が経つとヨレて溝に入り込み、かえって線を強調してしまいます。

大人の目元メイクに必要なのは、「隠す」よりも「光で飛ばす」テクニックです。色味の補正と光の反射を味方につけて、自然で若々しい目元を演出する方法を伝授します。

コンシーラーは「線の真上」ではなく「影の猫のひげ」に置く

  • 黒クマやたるみの影を消すには、肌よりワントーン明るいオレンジ系のコンシーラーを選び、青黒さを補正する。
  • コンシーラーを塗る場所は、目の下の線(影)の「一番濃い部分」にピンポイントで置き、そこから放射状にぼかす。
  • 線の真上だけに塗ると、逆にそこだけ盛り上がって不自然になるため、影と光の境界線をぼかすように意識する。
  • 最後に塗るフェイスパウダーは、粒子が細かく保湿力の高いものを選び、ブラシでふわっと乗せる程度にして乾燥割れを防ぐ。

ハイライトの「光拡散効果」で線を飛ばしましょう

物理的な溝であるシワやたるみの線を消すには、ハイライトが強力な武器になります。

パール感のある繊細なハイライトを、目の下の三角ゾーン(頬の高い位置)や、目頭のくぼみに入れると、光を反射させて影を目立たなくさせるレフ板効果が生まれます。

視線が光の集まる頬の高い位置に誘導されるため、目の下の線から注意を逸らせるのです。

ただし、ラメが大きすぎるものはシワの凹凸を目立たせてしまうため、濡れたようなツヤが出るクリームタイプや、微細なパールのパウダータイプが適しています。

視線を上に誘導する「アイメイク」の工夫

目の下の線を目立たなくするもう一つの策は、ポイントメイクで重心を上げることです。

例えば、ビューラーでまつ毛を根元からしっかりと上げたり、上まぶたに明るいアイシャドウを乗せたりすると、相手の視線を目の下ではなく「目の上」に集められます。

逆に、下まぶたに濃いアイラインや暗いシャドウを入れると、視線が下に落ち、目の下のクマや線と同化してより暗い印象を与えてしまいます。

下まぶたには明るいベージュや涙袋メイクを軽く施す程度にし、目元全体の印象をリフトアップさせましょう。

どうしても改善しない場合は美容医療という選択肢も視野に入れる

セルフケアや生活習慣の改善を続けても変化が見られない、あるいはたるみが重度で構造的な問題が大きい場合は、美容医療の手を借りるのも一つの賢い選択です。

近年の美容医療はメスを使わない低侵襲な治療も増えており、ダウンタイムを抑えながら確実な効果を得ることが可能になってきました。

もちろん、リスクや費用も伴うため慎重な判断が必要ですが、どのような選択肢があるのかを知っておくことは、悩みの解決に向けた大きな一歩となります。

減ったボリュームを補う「注入治療」のアプローチ

目の下のくぼみやゴルゴラインに対しては、物理的にボリュームを足して肌を持ち上げる注入治療が一般的です。

「ヒアルロン酸注入」は、即効性があり、くぼんだ部分を平らに整えられます。

また、自分の血液から採取した多血小板血漿を注入する「PRP療法」は、自身の組織再生能力を利用して肌の厚みやハリを取り戻す治療で、不自然な膨らみになりにくく、長期的な効果が期待できると言われています。

これらは医師の技術力やセンスが仕上がりに直結するため、症例数やカウンセリングの丁寧さを重視してクリニックを選びましょう。

突出した脂肪を取り除く「脱脂」と「ハムラ法」

眼窩脂肪が大きく突出して深刻な黒クマやたるみになっている場合、注入だけでは解決しないケースがあります。

その場合、まぶたの裏側から余分な脂肪を取り出す「経結膜脱脂術」が行われるときがあります。表面に傷跡が残らないのがメリットです。

さらに、脂肪を取り除くだけでなく、その脂肪をくぼんでいる部分に移動させて再配置する「ハムラ法(裏ハムラ法)」という術式もあります。

これは「出ているところは凹ませ、凹んでいるところは膨らませる」という理にかなった方法で、再発のリスクが低いとされています。

皮膚を引き締める「照射系治療」の可能性

メスや針を使うことに抵抗がある場合は、レーザーや高周波(RF)、ハイフ(HIFU)などの照射系治療も選択肢に入ります。

これらは熱エネルギーを真皮層や筋膜層に与えてコラーゲンの生成を促し、皮膚を引き締める効果があります。

一度で劇的な変化が出るわけではありませんが、定期的に受けるとたるみの進行を遅らせたり、肌全体のハリ感をアップさせたりできます。

ダウンタイムがほとんどないため、仕事や日常生活に支障をきたさずにケアを続けたい人に選ばれています。

主な美容医療アプローチの比較

治療カテゴリー一般的な施術内容向いている悩み
注入系ヒアルロン酸、PRP、リジュランなどくぼみ、ゴルゴライン、細かいシワ
外科的治療経結膜脱脂、裏ハムラ法、皮膚切除大きな脂肪の膨らみ、重度のたるみ
照射系HIFU、サーマクールアイ、レーザー軽度のたるみ、肌質改善、予防ケア

よくある質問

目の下の線に効くアイクリームはどのくらいの期間で効果が出ますか?

肌のターンオーバー(生まれ変わり)の周期は通常約28日ですが、年齢とともにその期間は長くなります。

浅い乾燥による小ジワであれば、保湿効果により数日で変化を感じるケースもありますが、真皮のコラーゲン産生を促すレチノールやナイアシンアミドなどの成分が、深い線に作用するには時間がかかります。

一般的には、最低でも2〜3ヶ月は継続して使用すると、徐々に肌のハリや弾力の変化を実感できる方が多いです。即効性を求めず、根気強く続けましょう。

ゴルゴラインを消すためのマッサージで気をつける点は何ですか?

ゴルゴライン周辺の皮膚を強く擦らないことが絶対条件です。

ゴルゴラインは皮膚の表面だけの問題ではなく、表情筋の凝りや脂肪の下垂が原因です。そのため、皮膚表面を摩擦するのではなく、指圧のように「点」で垂直に圧をかけ、筋肉の凝りをほぐすイメージで行ってください。

また、マッサージを行う際は必ずクリームやオイルを使用し、摩擦係数を下げることが重要です。痛みを感じるほど強く押すと、防衛反応で筋肉が余計に硬くなるため、「イタ気持ちいい」強さを守ってください。

コンシーラーを使うと逆に目の下の線が目立ってしまうのはなぜですか?

主な原因は「厚塗り」と「色の選択ミス」、そして「乾燥」です。隠したい一心で量を乗せすぎると、表情の動きに合わせてコンシーラーが割れ、シワの溝に入り込んで線が強調されます。

また、肌より明るすぎる色を広範囲に塗ると、膨張して見え、かえってたるみを目立たせる場合があります。

さらに、硬すぎるテクスチャーのものは乾燥しやすいため、目元にはリキッドやクリームタイプの柔らかく保湿力の高いコンシーラーを選び、薄くミルフィーユのように重ねるのがポイントです。

レチノール配合化粧品を使うと目の下が赤くなるのは副作用ですか?

これは「レチノイド反応(A反応)」と呼ばれる一時的な反応の可能性があります。レチノールが肌の代謝を急激に促す過程で、赤み、皮剥け、乾燥、ヒリつきなどが起こる場合があります。

肌が慣れるにつれて治まりますが、症状が強い場合は使用頻度を「2〜3日に1回」に減らすか、濃度の低いものに変える、または保湿クリームと混ぜて使うなどの調整が必要です。

ただし、痛みやかゆみが激しい、腫れるなどの症状がある場合はアレルギー性接触皮膚炎の可能性もあるため、使用を中止し皮膚科を受診してください。

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Dr.寺井美佐栄のアバター Dr.寺井美佐栄 ミサクリニック 六本木本院 院長

日本抗加齢医学会認定専門医。日本美容皮膚科学会、日本レーザー医学会、日本産業衛生学会専門医。
複数の大手美容皮膚科で10年以上の院長経験を経て、2022年9月にMiSA Clinic(ミサクリニック)を開業。YouTube等でも発信してきた、メスを使わずに”ナチュラルなキレイ”を引き出す技術には定評があり、ありがたいことに「SNSを見ました!」という方や、紹介・口コミ経由でたくさんのご相談を頂いてきました。皆様と共に、MiSA Clinicスタッフ一同、共に年を重ね、末永くお付き合いできる関係を目指して参ります。

資格
アラガン社ボトックスビスタ認定医
アラガン社ヒアルロン酸注入認定医

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