【50代の目の下のたるみ取り】後悔しないために。治療の種類とリスク、費用を解説

【50代の目の下のたるみ取り】後悔しないために。治療の種類とリスク、費用を解説

50代を迎え、鏡を見るたびに気になる目の下のたるみ。「疲れているように見える」「実年齢より老けて見られる」といったお悩みはありませんか。

セルフケアではなかなか改善が難しく、美容医療に関心を持つ方も多いでしょう。しかし、どんな治療法があるのか、費用はいくらかかるのか、そして何より「後悔しないか」という不安がつきまといます。

この記事では、50代の目の下のたるみ取りで後悔しないために知っておくべき、たるみの原因から具体的な治療法の種類、それぞれのリスクや費用相場、そして信頼できるクリニックの選び方まで、専門的な情報を分かりやすく解説します。

目次

なぜ?50代で急に目立つ目の下のたるみの原因

若い頃は気にならなかったのに、50代になってから急に目の下のたるみが目立ち始めたと感じる方は少なくありません。

その原因は一つではなく、複数の要因が年齢とともに関係し合っています。

加齢によるコラーゲンとエラスチンの減少

肌のハリや弾力を支えているのは、真皮層に存在するコラーゲンやエラスチンといった成分です。しかし、これらの成分は年齢とともに生成量が減少し、質も低下します。

特に50代になるとその減少は顕著になり、皮膚を支える力が弱まることで、重力に負けて皮膚が垂れ下がり、たるみとなって現れます。

眼窩脂肪(がんかしぼう)の突出

目の周りには、眼球をクッションのように守る「眼窩脂肪」という脂肪があります。この眼窩脂肪は、眼輪筋(がんりんきん)という筋肉と、ロックウッド靭帯という組織によって支えられています。

加齢によってこれらの筋肉や組織がゆるむと、眼窩脂肪を支えきれなくなり、前方に押し出されてきます。この突出が、目の下のふくらみ、つまり「たるみ」の正体です。

骨格の変化と皮膚の菲薄化(ひはくか)

年齢を重ねると、骨密度が低下し、顔の骨格も徐々に萎縮していきます。特に目の下の骨が後退すると、その上の皮膚や脂肪が支えを失い、たるみやすくなります。

また、加齢によって皮膚そのものが薄くなる「菲薄化」も原因の一つです。皮膚が薄くなると、内側にある脂肪のふくらみや、血管の色(クマ)がより目立ちやすくなります。

50代のたるみの主な原因

原因内容対策の方向性
皮膚の弾力低下コラーゲン・エラスチンの減少肌のハリを補う治療
脂肪の突出眼窩脂肪が前に出てくる脂肪の除去・移動
骨格の変化目の下の骨が後退するボリュームを補う治療

目の下のたるみを放置するリスク

目の下のたるみは、単に見た目の問題だけでなく、放置することでさらなるお悩みにつながる可能性があります。早めに現状を理解し、対策を検討することが重要です。

見た目の印象が大きく変わる

目の下のたるみは、顔全体の印象を大きく左右します。たるみによってできる影は「疲れている」「寝不足」「不機嫌そう」といったネガティブな印象を与えがちです。

自分では元気なつもりでも、周りから心配されることが増えるなど、コミュニケーションにも影響を及ぼす可能性があります。

たるみが影を作り「黒クマ」の原因に

目の下にできるクマには種類がありますが、たるみによってできるふくらみとその下のくぼみが影を作ることで発生するのが「黒クマ」です。

これは血行不良が原因の「青クマ」や、色素沈着が原因の「茶クマ」とは異なり、メイクで隠すのが非常に困難です。たるみが進行するほど影も濃くなり、より一層老けた印象を強めてしまいます。

セルフケアでは改善が難しい

一度現れたたるみ、特に眼窩脂肪の突出や皮膚のゆるみが原因の場合、化粧品やマッサージといったセルフケアだけで根本的に改善するのは極めて難しいのが現実です。

高価なアイクリームを使っても、期待した効果が得られず、時間とお金を浪費してしまうケースも少なくありません。たるみの原因に直接アプローチできる美容医療が有効な選択肢となります。

クマの種類とたるみの関係

クマの種類主な原因たるみとの関連
黒クマたるみによる凹凸の影たるみが直接の原因
青クマ血行不良皮膚が薄いと目立ちやすい
茶クマ色素沈着目をこする癖なども影響

【50代向け】後悔しないための目の下のたるみ取り治療法

50代の目の下のたるみ取りには、さまざまな治療法が存在します。メスを使う外科手術から、比較的負担の少ない注入治療や機器を使った治療まで、たるみの状態や求める効果によって選択肢は異なります。

それぞれの特徴を理解し、自分に合った方法を見つけることが後悔しないための第一歩です。

メスを使う外科手術

皮膚のゆるみや脂肪の突出が著しい場合に、根本的な改善が期待できる方法です。効果の持続性が高いのが特徴です。

切開ハムラ法

下まつげの生え際に沿って皮膚を切開し、突出した眼窩脂肪を目の下のくぼんでいる部分へ移動させて固定する方法です。

脂肪を移動させることで、目の下のふくらみとくぼみを同時に解消し、なめらかな状態に整えます。

たるみに伴って余った皮膚も同時に切除できるため、皮膚のゆるみが強い50代の方に適応しやすい治療法です。

裏ハムラ法(経結膜的眼窩脂肪移動術)

まぶたの裏側(結膜)を小さく切開し、そこから眼窩脂肪をくぼみへ移動させる方法です。皮膚の表面に傷が残らないのが最大のメリットです。

ただし、皮膚の切除はできないため、皮膚のあまりが少ない方向けの治療法といえます。

経結膜脱脂法

裏ハムラ法と同様に、まぶたの裏側からアプローチし、突出している余分な眼窩脂肪を取り除く治療法です。

ふくらみは解消されますが、くぼみが強い場合は、脱脂だけだと逆へこみが目立ってしまう可能性があります。その場合は、脂肪注入などを併用することがあります。

メスを使わない治療法

ダウンタイムを短くしたい、手術には抵抗があるという方向けの治療法です。定期的なメンテナンスが必要な場合があります。

ヒアルロン酸注入

たるみによってできたふくらみの下のくぼみ(ゴルゴラインなど)に、ヒアルロン酸を注入して凹凸をなめらかにする方法です。

手軽でダウンタイムがほとんどないのが魅力ですが、効果は永久ではなく、半年から1年程度で吸収されるため、維持するには定期的な注入が必要です。

また、脂肪の突出が大きい場合には適さないこともあります。

美容レーザー・高周波(HIFUなど)

皮膚にレーザーや高周波(RF)、高密度焦点式超音波(HIFU)などを照射し、熱エネルギーによって真皮層のコラーゲン生成を促し、肌を引き締める治療法です。

皮膚のたるみが比較的軽度な場合に効果が期待できます。複数回の治療が必要となることが一般的です。

主な外科手術の比較

治療法アプローチ箇所皮膚切除の可否
切開ハムラ法下まつげの際可能
裏ハムラ法まぶたの裏側不可
経結膜脱脂法まぶたの裏側不可

50代のたるみ取り|治療法ごとのメリット・デメリット比較

どの治療法にも一長一短があります。

「50代の目の下のたるみ取りで後悔した」という事態を避けるためには、それぞれのメリットとデメリットを正しく理解した上で、ご自身の希望やライフスタイルに合った選択をすることが大切です。

外科手術の長所と短所

外科手術の最大のメリットは、一度の治療でたるみの原因を根本から解消でき、その効果が長期間持続することです。特に皮膚のあまりが強い50代の方にとっては、最も効果を実感しやすい方法でしょう。

一方、デメリットとしては、メスを使用するためダウンタイム(腫れや内出血など)が他の治療法に比べて長くなる傾向があること、費用が高額になること、そしてごくまれに合併症のリスクがあることが挙げられます。

注入治療の長所と短所

ヒアルロン酸注入などのメリットは、なんといってもその手軽さです。施術時間が短く、ダウンタイムもほとんどないため、忙しい方でも受けやすいでしょう。

また、手術に比べて費用を抑えられます。デメリットは、効果が一時的であるため、美しい状態を保つには定期的な施術が必要になる点です。

また、注入する医師の技術によっては、表面が凸凹したり、不自然な仕上がりになったりするリスクもあります。

レーザー・高周波治療の長所と短所

肌の表面に傷をつけずに、肌自体の引き締め効果を狙えるのがメリットです。自然な変化を求める方や、たるみがまだ軽度な方に向いています。

デメリットとしては、効果の実感が外科手術に比べてマイルドであること、効果を実感するまでに複数回の施術が必要な場合が多いこと、そして脂肪の突出が主な原因であるたるみには効果が限定的である点が挙げられます。

治療法の比較表

治療法メリットデメリット
外科手術効果の持続性が高い、根本的改善ダウンタイムが長い、費用が高い
注入治療手軽、ダウンタイムが短い効果が一時的、繰り返しが必要
レーザー等傷が残らない、自然な変化効果がマイルド、複数回必要

目の下のたるみ取りで後悔しないための重要知識|リスクと副作用

美容医療は魔法ではありません。どんなに安全性が高いとされる治療でも、リスクや副作用の可能性はゼロではありません。

事前に正しい知識を持つことが、万が一の事態を防ぎ、「後悔」を避けるために重要です。

すべての治療に共通するリスク

どの治療法を選んだとしても、以下のようなリスクは共通して考えられます。

  • 腫れ・内出血・痛み
  • 感染症
  • アレルギー反応

これらの多くは一時的なもので、時間の経過とともに改善しますが、症状が長引いたり、悪化したりした場合は速やかにクリニックに相談する必要があります。

外科手術特有の副作用

切開を伴う手術では、上記に加えて特有のリスクも存在します。カウンセリング時に医師から十分な説明を受け、理解しておくことが大切です。

#### 手術における主なリスク

リスク・副作用内容備考
左右差仕上がりに左右で違いが出ること元々の骨格差も影響する
ひきつれ・違和感傷が治る過程で起こりやすい多くは時間とともに軽快する
外反(あっかんべーの状態)皮膚を切除しすぎた場合に起こる非常にまれな合併症

注入・レーザー治療の注意点

ヒアルロン酸注入では、注入量が多すぎたり注入層が不適切だったりすると、皮膚が凸凹になったり、青白く透けて見えたり(チンダル現象)することがあります。

また、まれに血管閉塞のリスクもあります。レーザー治療では、やけどや色素沈着のリスクが考えられます。

これらのリスクは、医師の技術力や経験によって大きく左右されるため、クリニック選びが極めて重要になります。

【費用一覧】50代の目の下のたるみ取り治療の料金相場

治療を受ける上で、費用は非常に気になるポイントです。目の下のたるみ取りは、基本的に健康保険が適用されない自由診療となるため、費用は全額自己負担です。

クリニックや治療法によって料金は大きく異なります。

治療法別の費用目安

一般的な料金相場を知っておくことで、カウンセリングを受ける際の判断材料になります。ただし、これはあくまで目安であり、個人のたるみの状態や治療範囲によって変動します。

各治療法の費用相場

治療法費用相場(両目)備考
経結膜脱脂法20万円~40万円脂肪注入などを加えると追加費用
ハムラ法(切開・裏)40万円~70万円クリニックの技術料が反映されやすい
ヒアルロン酸注入5万円~15万円使用する製剤や量による

クリニックによって費用が異なる理由

同じ治療法でもクリニックによって費用に差があるのは、医師の技術料、使用する機器や材料の品質、アフターフォローの充実度、クリニックの立地などが料金に反映されるためです。

単に安いという理由だけで選ぶのではなく、料金に含まれるサービス内容をしっかりと確認することが、結果的に満足度の高い治療につながります。

カウンセリング費用や追加料金の確認

治療費以外にも、初診料やカウンセリング料、術後の薬代、麻酔代などが必要になる場合があります。

提示された金額に何が含まれているのか、追加で発生する可能性のある費用はないか、カウンセリングの段階で明確にしておきましょう。

信頼できる医師・クリニック選びの5つのポイント

50代の目の下のたるみ取りで後悔しないためには、治療法そのものだけでなく、「誰に」「どこで」治療を受けるかが最も重要です。

以下のポイントを参考に、安心して任せられる医師・クリニックを見つけてください。

専門性と実績の確認

目の周りは非常にデリケートで、解剖学的な知識と繊細な技術を要する部位です。

目の下の治療に関する症例数が豊富で、形成外科や美容外科の専門医資格を持つ医師が在籍しているかどうかは、一つの判断基準になります。

クリニックのウェブサイトで、医師の経歴や症例写真を確認しましょう。

カウンセリングの丁寧さ

良いクリニックは、カウンセリングに十分な時間をかけます。

こちらの悩みや希望を親身に聞いてくれるか、治療法のメリットだけでなくデメリットやリスクについても隠さず説明してくれるか、複数の選択肢を提示してくれるかなど、医師との相性も含めて見極めましょう。

質問しにくい雰囲気を作らず、納得できるまで説明してくれる姿勢が大切です。

アフターフォロー体制の充実

治療後の経過観察や、万が一トラブルが起きた際の対応体制が整っているかは、必ず確認すべきポイントです。

術後の検診はいつあるのか、24時間連絡が取れる窓口はあるのかなど、治療後の安心につながるサポート体制を確認しておきましょう。

クリニック選びのチェックリスト

  • 医師は専門医か?
  • 症例数は豊富か?
  • リスク説明は十分か?
  • 料金体系は明確か?
  • アフターフォローは万全か?

料金体系の透明性

ウェブサイトやカウンセリングで提示される料金が明確であることは、信頼できるクリニックの条件です。

見積もり以外の追加料金が発生する可能性についてもしっかりと説明があるかを確認し、不明瞭な点があれば遠慮なく質問しましょう。

【50代の目の下のたるみ取り】よくある質問

最後に、目の下のたるみ取りを検討している50代の方が抱きがちな質問にお答えします。

治療中の痛みはどの程度ですか?

外科手術の場合は、局所麻酔や静脈麻酔などを使用するため、手術中に痛みを感じることはほとんどありません。

術後に痛みが出ることがありますが、処方される痛み止めでコントロールできる程度です。

ヒアルロン酸注入やレーザー治療は、麻酔クリームを使用したり、冷却したりすることで痛みを最小限に抑えます。チクッとしたり、熱く感じたりする程度です。

ダウンタイムはどのくらい必要ですか?

ダウンタイムは治療法によって大きく異なります。経結膜脱脂法や裏ハムラ法では、大きな腫れや内出血が1~2週間程度続くことがあります。

切開ハムラ法はそれに加えて抜糸が必要で、完全に落ち着くまでには1ヶ月以上かかることもあります。

ヒアルロン酸注入やレーザー治療は、ダウンタイムがほとんどないか、あっても数日程度の赤みや腫れで済むことがほとんどです。仕事や生活スタイルに合わせて治療法を選ぶことが重要です。

治療後、メイクはいつからできますか?

これも治療法によりますが、切開を伴う手術の場合は、抜糸が終わる翌日(術後約1週間)から可能です。

それ以外の注入治療やレーザー治療では、施術当日から、あるいは翌日からメイクができる場合が多いです。

ただし、施術部位を強くこすらないなどの注意が必要です。詳細は必ず担当医に確認してください。

効果はどのくらい持続しますか?

外科手術はたるみの原因に直接アプローチするため、効果は半永久的ともいわれますが、手術後も加齢による変化は続きます。

10年、20年という単位で考えた場合、多少の変化は起こり得ます。

ヒアルロン酸注入の効果は半年~1年程度、レーザー治療は半年~1年程度の効果が期待でき、維持するためには定期的な治療が必要です。

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この記事を書いた人

Dr.寺井美佐栄のアバター Dr.寺井美佐栄 ミサクリニック 六本木本院 院長

日本抗加齢医学会認定専門医。日本美容皮膚科学会、日本レーザー医学会、日本産業衛生学会専門医。
複数の大手美容皮膚科で10年以上の院長経験を経て、2022年9月にMiSA Clinic(ミサクリニック)を開業。YouTube等でも発信してきた、メスを使わずに”ナチュラルなキレイ”を引き出す技術には定評があり、ありがたいことに「SNSを見ました!」という方や、紹介・口コミ経由でたくさんのご相談を頂いてきました。皆様と共に、MiSA Clinicスタッフ一同、共に年を重ね、末永くお付き合いできる関係を目指して参ります。

資格
アラガン社ボトックスビスタ認定医
アラガン社ヒアルロン酸注入認定医

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