頬にできる縦の線、その正体はゴルゴライン!原因と消す方法を解説

頬にできる縦の線、その正体はゴルゴライン!原因と消す方法を解説

鏡を見るたびに気になる、頬にスーッと入る縦の線。その正体は、通称「ゴルゴライン」かもしれません。老けて見えたり、疲れた印象を与えたりするこの線は、なぜできてしまうのでしょうか。

医学的にはミッドチークラインと呼ばれ、目頭の下から頬の中央を斜めに横切るように現れます。

この記事では、頬に線が入る原因から、自分でできるセルフケア、美容クリニックでの効果的な消し方まで、専門的な知見を交えながら分かりやすく解説します。

あなたの頬の線の悩みを解消し、若々しい印象を取り戻すためのヒントがここにあります。

目次

ゴルゴラインとは?頬にできる縦の線の正体

頬にできる縦の線、通称「ゴルゴライン」。この名前は、有名な漫画の主人公の頬にある線に似ていることから名付けられました。

まずは、この悩ましい線が一体何なのか、その正体と特徴について詳しく見ていきましょう。

医学的な名称は「ミッドチークライン」

ゴルゴラインは、美容医療の世界では「ミッドチークライン」という正式な名称で呼ばれます。これは、目頭の下あたりから頬の中央に向かって斜め下に伸びる溝や線のことを指します。

ほうれい線やマリオネットラインとは異なり、表情の変化とは関係なく、無表情のときでも目立つのが特徴です。

ほうれい線との違い

ゴルゴラインとほうれい線は混同されがちですが、できる場所が明確に異なります。

ほうれい線は小鼻の横から口角に向かって伸びる線ですが、ゴルゴラインはそれよりも高い位置、つまり頬の中央に現れます。

頬の構造的な問題が大きく関わっているため、ほうれい線とはアプローチの方法も変わってきます。

頬の構造と線の関係

線の種類できる場所主な原因
ゴルゴライン目頭の下から頬の中央靭帯のゆるみ、皮下脂肪の減少
ほうれい線小鼻の脇から口角頬全体のたるみ、表情の癖
マリオネットライン口角から顎口周りのたるみ、脂肪の下垂

ゴルゴラインが与える印象

頬に線が入ることで、顔全体の印象は大きく変わります。ゴルゴラインがあると、実年齢よりも老けて見えたり、疲れているような印象を与えがちです。

また、顔に影ができることで、不機嫌に見られたり、やつれたと感じられたりすることもあります。若々しく健康的な印象を保つ上で、この頬の線は大きな悩みの一つといえるでしょう。

ゴルゴラインができてしまう主な原因

頬に線が入る原因は一つではありません。加齢による変化、骨格、生活習慣など、複数の要因が複雑に絡み合ってゴルゴラインは形成されます。

ここでは、その主な原因を詳しく解説します。

加齢による皮膚のたるみ

年齢を重ねると、肌のハリや弾力を支えるコラーゲンやエラスチンが減少し、質も低下します。これにより、皮膚は重力に抗う力を失い、全体的にたるみ始めます。

頬の皮膚がたるむことで、その下にある靭帯との境界が溝となり、ゴルゴラインとして現れるのです。

表情筋(眼輪筋・頬骨筋)の衰え

顔には多くの表情筋があり、これらが皮膚や皮下脂肪を支えています。特に目の周りにある「眼輪筋」や、頬を持ち上げる「大頬骨筋」「小頬骨筋」の衰えは、ゴルゴラインの大きな原因となります。

筋肉が衰えると、その上にある脂肪や皮膚を支えきれなくなり、頬が下がることで溝が深くなります。

頬を支える主要な筋肉

筋肉名主な役割衰えるとどうなるか
眼輪筋目の開閉、涙の排出目の下のたるみ、ゴルゴラインの深化
大頬骨筋・小頬骨筋口角を上げる、頬を持ち上げる頬全体の下垂、ほうれい線やゴルゴラインの悪化

皮下脂肪の減少と移動

頬のふっくらとした若々しい印象は、皮下脂肪によって作られています。しかし、加齢や急激なダイエットによって頬の皮下脂肪が減少すると、皮膚が余ってしまい、たるみや溝の原因となります。

また、脂肪を支えている組織が弱まることで、脂肪が本来の位置から下の方へ移動(下垂)することも、ゴルゴラインを目立たせる一因です。

骨格の構造と靭帯の影響

実は、ゴルゴラインのできやすさには、生まれつきの骨格も関係しています。頬骨の形や高さ、皮膚と骨をつなぐ「リガメント」と呼ばれる靭帯の強さや位置には個人差があります。

もともと頬の骨が平坦であったり、靭帯が皮膚を強く引き込む構造であったりすると、若いうちから頬に線が入りやすい傾向があります。

ゴルゴラインを悪化させる生活習慣

ゴルゴラインは加齢や骨格だけでなく、日々の何気ない生活習慣によっても悪化することがあります。自分の生活を見直して、頬の縦の線を深くしないための対策を始めましょう。

紫外線による光老化

紫外線は肌の老化を加速させる最大の外的要因です。紫外線A波(UVA)は肌の奥深く、真皮層にまで到達し、コラーゲンやエラスチンを破壊します。

これにより肌の弾力が失われ、たるみが進行し、ゴルゴラインがくっきりと刻まれてしまうのです。日頃からの紫外線対策が重要です。

スマートフォンやPCの長時間利用

スマートフォンやPCを長時間見続けると、うつむいた姿勢が続くことになります。

この姿勢は、顔に重力がかかりやすくなるだけでなく、無表情な時間が長くなるため表情筋が使われず、衰えやすくなります。

また、画面を凝視することで目の周りの筋肉が緊張し、血行不良を引き起こすことも、ゴルゴラインや目の下のクマを助長する要因となります。

睡眠不足と姿勢

睡眠不足は、肌のターンオーバーを乱し、コラーゲンの生成を妨げる原因になります。肌の修復が十分に行われないと、たるみは進行します。

また、横向きやうつ伏せで寝る癖があると、長時間にわたって顔の片側に圧力がかかり、頬の皮膚がよれてシワやたるみの原因になることがあります。

できるだけ仰向けで寝ることを心がけましょう。

生活習慣チェックリスト

項目良い習慣悪い習慣
紫外線対策年間を通して日焼け止めを使用する夏場しか対策しない、または全くしない
電子機器の使用定期的に休憩し、顔を上げる長時間うつむいたまま画面を見続ける
睡眠仰向けで寝る、十分な睡眠時間を確保する横向き・うつ伏せで寝る、睡眠時間が短い

自力でできる?ゴルゴラインのセルフケア方法

できてしまったゴルゴラインを完全に消すことは難しいですが、日々のセルフケアでこれ以上深くしない、目立たなくすることは可能です。

ここでは、今日から始められるセルフケア方法を紹介します。

表情筋トレーニング

表情筋を鍛えることで、頬のたるみを内側からリフトアップする効果が期待できます。重要なのは、正しい方法で継続することです。

無理な力を入れると逆にシワの原因になることもあるため、鏡を見ながら丁寧に行いましょう。

頬のリフトアップトレーニング

口を「お」の形に大きく開け、頬の筋肉を上に引き上げるように意識しながら、口角を上げて笑顔を作ります。この状態を10秒キープし、ゆっくりと元に戻します。

これを数回繰り返すことで、大頬骨筋や小頬骨筋を効果的に鍛えることができます。

マッサージによる血行促進

顔の血行が悪いと、肌に必要な栄養が届きにくくなり、老廃物も溜まりやすくなります。マッサージで血行を促進することで、肌のターンオーバーを整え、ハリのある肌へと導きます。

ただし、強い摩擦は肌への負担となるため、必ずクリームやオイルを使い、優しく行うことが大切です。

スキンケアでの保湿とハリ対策

肌の乾燥は、あらゆる肌トラブルの原因となります。特にゴルゴラインのような溝は、乾燥によってさらに目立ちやすくなります。

保湿力の高いセラミドやヒアルロン酸、肌にハリを与えるレチノールやビタミンC誘導体などが配合された化粧品を選び、丁寧なスキンケアを心がけましょう。

ゴルゴライン対策におすすめの成分

  • レチノール
  • ビタミンC誘導体
  • ナイアシンアミド

セルフケアの限界と注意点

セルフケアはゴルゴラインの予防や現状維持に有効ですが、残念ながら限界もあります。

間違ったケアはかえって頬の線を悪化させる可能性もあるため、注意点をしっかり理解しておくことが重要です。

すでに深く刻まれた線は消えない

セルフケアは、あくまで肌の表面的なコンディションを整えたり、筋肉の衰えを緩やかにしたりするためのものです。

皮膚の構造自体が変化し、靭帯のゆるみや脂肪の下垂によって深く刻まれてしまったゴルゴラインを、マッサージや化粧品だけで完全に消し去ることは非常に困難です。

間違ったマッサージのリスク

早く効果を出したいからと、力を入れてゴシゴシとマッサージをするのは逆効果です。強い摩擦は肌のバリア機能を壊し、乾燥や色素沈着を引き起こす原因になります。

また、皮膚を無理に引っ張ることで、かえってたるみを助長してしまう危険性もあります。マッサージは「優しく、滑らせるように」が鉄則です。

セルフケアの効果と限界

ケア方法期待できる効果限界・注意点
表情筋トレーニング頬のたるみ予防、リフトアップ即効性はない、継続が必要
マッサージ血行促進、むくみ改善強い摩擦はNG、線を消す効果は限定的
高機能スキンケア肌の保湿、ハリ感アップ肌の構造的な変化には対応できない

効果を実感できない場合の選択肢

セルフケアを続けても頬の線が改善されない、あるいはもっと積極的に消したいと考える場合は、美容クリニックでの治療を検討するのも一つの方法です。

専門家の診断のもと、自分に合った治療法を選択することで、より根本的な解決を目指すことができます。

美容クリニックで受けられるゴルゴラインの治療法

美容クリニックでは、ゴルゴラインの原因に直接アプローチする、さまざまな治療法があります。ここでは、代表的な治療法とその特徴について解説します。

ヒアルロン酸注入

ヒアルロン酸注入は、ゴルゴライン治療において最も一般的な方法の一つです。ゴルゴラインの溝の下に、ヒアルロン酸製剤を注入することで、凹んだ部分を内側から持ち上げ、頬の線を平らにします。

ボリュームが失われた部分を補うことで、自然で若々しい印象を取り戻すことが可能です。

糸リフト(スレッドリフト)

糸リフトは、医療用の特殊な糸を皮下に挿入し、たるんだ皮膚や脂肪組織を物理的に引き上げる治療法です。ゴルゴラインの原因となる頬全体の下垂を改善するのに効果的です。

また、挿入した糸が周辺の組織を刺激し、コラーゲンの生成を促す効果も期待できます。

ハイフ(HIFU)

ハイフは、高密度の超音波エネルギーを皮膚の深層部(SMAS筋膜)に照射し、熱で組織を収縮させることでたるみを引き締める治療法です。

メスを使わずにリフトアップ効果が得られるため、「切らないリフトアップ」とも呼ばれています。皮膚の土台から引き締めることで、ゴルゴラインの改善を目指します。

主な治療法の比較

治療法アプローチ方法特徴
ヒアルロン酸注入凹みを埋める即時的な効果が分かりやすい
糸リフトたるみを引き上げる頬全体のたるみに効果的
ハイフ(HIFU)たるみを引き締めるダウンタイムがほとんどない

脂肪注入

自分自身の体から採取した脂肪を、ゴルゴラインの凹んだ部分に注入する方法です。

ヒアルロン酸と同様にボリュームを補う治療ですが、自分の組織を使うため、アレルギーのリスクが低く、定着すれば効果が長期間持続するというメリットがあります。

治療法を選ぶ際のポイント

自分に合った治療法を見つけるためには、いくつかのポイントを押さえておくことが大切です。後悔しない選択をするために、以下の点を参考にしてください。

自分のゴルゴラインの原因を理解する

ゴルゴラインの原因は人それぞれです。皮膚のたるみが主な原因なのか、脂肪の減少が原因なのか、あるいは骨格的な要因が大きいのかによって、適した治療法は異なります。

まずは信頼できるクリニックでカウンセリングを受け、専門医に自分の状態を正確に診断してもらうことが第一歩です。

ダウンタイムと持続期間

治療法によって、施術後に腫れや内出血などが出る「ダウンタイム」の長さや、効果の持続期間は異なります。

自分のライフスタイル(仕事や学校を休めるかなど)や、どのくらいの頻度でメンテナンスが可能かを考慮して、無理のない治療計画を立てることが重要です。

ダウンタイムと持続期間の目安

治療法ダウンタイムの目安持続期間の目安
ヒアルロン酸注入ほぼなし〜数日半年〜2年程度
糸リフト数日〜2週間程度1年〜2年程度
ハイフ(HIFU)ほぼなし半年〜1年程度

費用について

美容医療は自由診療のため、費用はクリニックや使用する製剤、施術範囲によって大きく異なります。

事前にウェブサイトで料金を確認したり、カウンセリング時に総額費用の見積もりを明確に提示してもらったりすることが大切です。

安さだけで選ぶのではなく、医師の技術や実績、アフターケアの体制なども含めて総合的に判断しましょう。

信頼できるクリニックと医師の選び方

最も重要なのは、信頼できるクリニックと医師を見つけることです。

これまでの実績や症例写真が豊富か、カウンセリングで親身に話を聞き、リスクも含めて丁寧に説明してくれるか、複数の選択肢を提示してくれるかなどをチェックしましょう。

複数のクリニックでカウンセリングを受け、比較検討することをおすすめします。

クリニック選びのチェックポイント

  • カウンセリングは丁寧か
  • リスクやデメリットの説明はあるか
  • 料金体系は明確か

頬にできる縦の線、その正体はゴルゴライン!原因と消す方法を解説に関するよくある質問

ゴルゴラインは何歳からできますか?

ゴルゴラインが現れる年齢には個人差が大きいです。

加齢によるたるみが主な原因となるため、30代後半から40代以降に気になり始める方が多いですが、骨格や遺伝的な要因、生活習慣によっては20代で目立つ場合もあります。

マッサージでゴルゴラインは消えますか?

残念ながら、マッサージだけで深く刻まれたゴルゴラインを完全に消すことは困難です。

血行を促進し、むくみを改善することで一時的に目立たなくする効果は期待できますが、根本的な原因である靭帯のゆるみや脂肪の下垂を解決することはできません。

間違ったマッサージはたるみを悪化させるリスクもあるため、行う際は優しく丁寧に行う必要があります。

太ったらゴルゴラインは目立たなくなりますか?

体重が増加して頬に脂肪がつけば、凹みが埋まってゴルゴラインが目立たなくなる可能性はあります。

しかし、体重の増減で顔の印象をコントロールするのは非常に難しく、不自然な仕上がりになったり、他の部分のたるみが目立ったりすることもあります。

健康的なアプローチとは言えず、美容医療で局所的にボリュームを補う方が効果的かつ自然な改善が期待できます。

男性でもゴルゴラインはできますか?

はい、ゴルゴラインは性別に関係なくできます。原因となる加齢によるたるみや表情筋の衰え、骨格などは男女共通です。

男性も、疲れた印象や老けた印象を改善するために、美容クリニックでゴルゴラインの治療を受ける方が増えています。

参考文献

LEE, Ji-Hyun; HONG, Giwoong. Definitions of groove and hollowness of the infraorbital region and clinical treatment using soft-tissue filler. Archives of plastic surgery, 2018, 45.03: 214-221.

LIU, Xuanjun, et al. Efficacy and safety of hyaluronic acid combined with botulinum toxin type a in the treatment of midcheek groove: a prospective study. Aesthetic plastic surgery, 2025, 49.8: 2202-2210.

TRÉVIDIC, Patrick, et al. Injection guidelines for treating midface volume deficiency with hyaluronic acid fillers: the ATP approach (anatomy, techniques, products). Aesthetic Surgery Journal, 2022, 42.8: 920-934.

WARREN, Richard J. Blending the Lower Lid Cheek Junction. Clinics in Plastic Surgery, 2025, 52.1: 55-71.

WONG, Vincent. The Cheeks. In: Decision Making in Aesthetic Practice. CRC Press, 2021. p. 77-88.

LEE, Won, et al. Novel technique for infraorbital groove correction using multiple twisted polydioxanone thread. Journal of Cosmetic Dermatology, 2020, 19.8: 1928-1935.

FAKIH-GOMEZ, Nabil, et al. Non-surgical novel technique for correction of palpebromalar groove (tear valley deformity) and extended area: the matador stab. Aesthetic Plastic Surgery, 2025, 49.7: 2040-2048.

KELLER, Gregory S., et al. Aesthetic Surgery of the Midface. Sataloff’s Comprehensive Textbook of Otolaryngology Head and Neck Surgery. Philadelphia, PA: Jaypee Medical Inc, 2015, 217-252.

GOEL, Anupriya; RAI, Kritika. Midface Rejuvenation Using Juvederm Fillers in Male Patients. Journal of Cutaneous and Aesthetic Surgery, 2022, 15.3: 209-215.

HONG, Giwoong, et al. Filler procedures based on the facial area. In: The Art and Science of Filler Injection: Based on Clinical Anatomy and the Pinch Technique. Singapore: Springer Nature Singapore, 2025. p. 129-198.

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

Dr.寺井美佐栄のアバター Dr.寺井美佐栄 ミサクリニック 六本木本院 院長

日本抗加齢医学会認定専門医。日本美容皮膚科学会、日本レーザー医学会、日本産業衛生学会専門医。
複数の大手美容皮膚科で10年以上の院長経験を経て、2022年9月にMiSA Clinic(ミサクリニック)を開業。YouTube等でも発信してきた、メスを使わずに”ナチュラルなキレイ”を引き出す技術には定評があり、ありがたいことに「SNSを見ました!」という方や、紹介・口コミ経由でたくさんのご相談を頂いてきました。皆様と共に、MiSA Clinicスタッフ一同、共に年を重ね、末永くお付き合いできる関係を目指して参ります。

資格
アラガン社ボトックスビスタ認定医
アラガン社ヒアルロン酸注入認定医

目次