「まぶたの下のたるみ」はなぜできる?老けて見える原因と解消方法~セルフケア・美容医療まで解説

「まぶたの下のたるみ」はなぜできる?老けて見える原因と解消方法~セルフケア・美容医療まで解説

ふと鏡を見たとき、自分の「まぶたの下のたるみ」に気づき、ショックを受けたことはありませんか。

以前はなかったはずのふくらみや影が、老けた印象や疲れた印象を与えているように感じ、悩んでいる方も多いかもしれません。

このたるみは、メイクで隠すのも難しく、どう対処すれば良いか分からず途方に暮れてしまうこともあります。

この記事では、なぜ「まぶたの下のたるみ」ができてしまうのか、その根本的な原因から、ご自宅でできるセルフケア、そして美容医療による解消方法まで、詳しく解説していきます。

ご自身の状態を正しく理解し、あなたに合った対策を見つけるための一助となれば幸いです。

目次

「まぶたの下のたるみ」とは?その正体

まぶたの下のたるみは、一般的に、目の下にある「眼窩脂肪(がんかしぼう)」という脂肪が、加齢などの原因で前方に突き出してきた状態、または目の下の皮膚そのものがゆるんだ状態を指します。

これらが複合的に関わり合い、たるみとして認識されます。

たるみの正体は「脂肪」と「皮膚のゆるみ」

私たちの眼球は、クッションの役割を果たす眼窩脂肪によって守られています。

この脂肪は、通常「眼窩隔膜(がんかかくまく)」という薄い膜と、「眼輪筋(がんりんきん)」という目の周りの筋肉によって、所定の位置に保持されています。

しかし、加齢などにより、この膜や筋肉がゆるむと、脂肪を支えきれなくなり、重力に従って前方に押し出されてしまいます。

これが、まぶたの下のふくらみ、つまり「たるみ」の主な正体です。さらに、年齢とともに皮膚のハリ(コラーゲンやエラスチン)も失われるため、皮膚自体も伸びてたるみ、より目立つようになります。

たるみの種類と見分け方

まぶたの下のたるみは、その原因によっていくつかの種類に分類できます。ご自身のたるみがどの種類に近いかを知ることは、適切な対策を選ぶ上で重要です。

主な種類としては、「脂肪突出型」「皮膚たるみ型」「混合型」があります。脂肪突出型は、主に眼窩脂肪が前に出ている状態で、比較的若い方にも見られます。

皮膚たるみ型は、皮膚のゆるみが主原因で、細かいシワ(ちりめんジワ)を伴うことも多いです。そして、多くの中高年の方に見られるのが、脂肪の突出と皮膚のたるみの両方が起きている混合型です。

「クマ」との違いは?

目の下の悩みとして「クマ」もよく挙げられますが、たるみとは異なる点があります。クマには種類があり、たるみと深く関連するものもあります。

目の下の悩み分類

種類主な原因・特徴たるみとの関連
青クマ血行不良。皮膚が薄いと目立ちやすい。たるみとは直接的な原因は異なる。
茶クマ色素沈着(メラニン)。こする癖や紫外線が原因。たるみとは直接的な原因は異なる。
黒クマ(影クマ)たるみによる凹凸が影を作ったもの。たるみ(脂肪突出)が直接の原因

このように、一般的に「黒クマ」と呼ばれるものは、実は「まぶたの下のたるみ」によってできる影のことです。上を向くと影が薄くなる場合は、黒クマ(たるみ)の可能性が高いです。

ご自身の悩みが「クマ」なのか、それとも「たるみ」なのか、あるいはその両方なのかを見極めることが大切です。

放置するとどうなる?

まぶたの下のたるみは、一度発生すると自然に治ることは難しく、多くの場合、加齢とともに徐々に進行していきます。

初期段階では小さなふくらみでも、時間とともに眼窩脂肪の突出が進み、皮膚のたるみも加わって、より大きく目立つようになる可能性があります。

また、たるみによってできた影(黒クマ)も濃くなり、表情に関わらず常に疲れた印象や老けた印象が定着してしまうことも考えられます。

早めに現状を認識し、対策を始めることが進行を遅らせる鍵となります。

なぜできる?「まぶたの下のたるみ」の主な原因

まぶたの下のたるみが生じる主な原因は、加齢による「眼輪筋(がんりんきん)」の衰えと「皮膚の弾力低下」、そしてそれに伴う「眼窩脂肪(がんかしぼう)」の突出です。

これらが複雑に絡み合って、たるみを形成します。

加齢によるコラーゲンとエラスチンの減少

私たちの皮膚のハリや弾力は、真皮層にあるコラーゲン(膠原線維)とエラスチン(弾性線維)によって支えられています。しかし、悲しいことに、これらは加齢とともに減少し、質も低下していきます。

特に目の下の皮膚は非常に薄くデリケートなため、その影響を受けやすいのです。ハリを失った皮膚は、内側からの眼窩脂肪の圧力を支えきれず、また重力にも逆らえずにゆるみ、たるみとして現れます。

紫外線や乾燥も、このコラーゲンの減少を加速させる大きな要因となります。

眼輪筋(がんりんきん)の衰え

眼輪筋は、目の周りをドーナツ状に取り囲んでいる筋肉で、まばたきをしたり、目を閉じたりする際に働きます。

この眼輪筋は、皮膚を支えると同時に、奥にある眼窩脂肪が前に出てこないように押さえる「壁」のような役割も担っています。

しかし、他の筋肉と同様、眼輪筋も使わなければ衰えますし、加齢によっても筋力が低下します。

筋力が弱まると、脂肪を支える力が低下し、眼窩脂肪が前方にせり出しやすくなり、たるみの原因となります。

眼窩脂肪(がんかしぼう)の突出

前述の通り、眼窩脂肪そのものが増えたわけではなくとも、それを支える眼輪筋や眼窩隔膜がゆるむことで、脂肪が前に押し出され(突出し)、ふくらみとなります。

このふくらみが、まぶたの下のたるみの本体とも言える部分です。生まれつき眼窩脂肪の量が多い方や、骨格的に目の下がくぼんでいる方は、比較的若い年齢からこの脂肪の突出が目立つ傾向にあります。

生活習慣の影響

加齢や体質だけでなく、日々の生活習慣もたるみの発生や悪化に影響を与えます。特に注意したい習慣をまとめます。

たるみを助長する可能性のある習慣

習慣たるみへの影響対策のヒント
目をこする癖摩擦で皮膚が伸び、色素沈着(茶クマ)の原因にも。アレルギー対策、かゆみ止め使用。
長時間のスマホ・PCまばたきの減少、眼精疲労が眼輪筋の衰えに。適度な休憩、意識的なまばたき。
紫外線対策不足コラーゲン・エラスチンを破壊し、皮膚の老化を加速。サングラス、日焼け止めの徹底。

このほか、睡眠不足や栄養バランスの偏り、喫煙なども、皮膚のターンオーバーを乱したり、血行を悪化させたりすることで、間接的にたるみの目立ちやすさにつながる可能性があります。日々の小さな積み重ねが、将来の目元に影響を与えることを意識しましょう。

まぶたの下のたるみが与える印象

まぶたの下にたるみがあると、実年齢よりも老けて見えたり、体調に関わらず疲れているように見えたりするなど、他者に与える印象に大きく影響することがあります。

老けた印象・疲れた印象

まぶたの下のたるみによってできるふくらみや、その下の影(黒クマ)は、顔全体に「疲れ」や「老い」のサインとして認識されやすい特徴があります。

たとえ十分な睡眠をとり、体調が万全であっても、「疲れてる?」「寝不足?」と聞かれてしまうことが増えるかもしれません。

これは、たるみによる凹凸が影を生み出し、顔全体の明るさやハリ感を損なってしまうためです。若々しさや元気な印象とは、残念ながら対極にある状態と言えます。

表情が暗く見える

目の下は、人の表情や感情を読み取る上で重要なパーツです。その部分にたるみや影があると、表情全体が暗く、不機嫌そうに見えてしまうことがあります。

笑っていても、目の下がたるんでいることで、どこか影のある笑顔に見えたり、喜びの表情が伝わりにくくなったりすることも考えられます。

第一印象において、目元の健康的な明るさは非常に重要です。たるみは、その明るさを奪う一因となり得ます。

メイクノリの悪化

たるみによる凹凸は、メイクアップにも影響を及ぼします。ふくらみや溝があるため、ファンデーションやコンシーラーが均一に塗りにくくなります。

特に、たるみの下の溝の部分にファンデーションが溜まってしまい、かえって影が強調されてしまうことも少なくありません。

また、皮膚がゆるんでいるため、アイシャドウやアイラインがよれやすくもなります。メイクでカバーしようとすればするほど、厚塗り感が出て不自然になり、悩みが深まるケースも見受けられます。

自宅でできる「まぶたの下のたるみ」セルフケア

まぶたの下のたるみを自宅でのケアだけで完全に解消することは難しいですが、これ以上悪化させないための「予防」や、乾燥による小じわなどを改善して「目立ちにくくする」ことは可能です。

根気強く続けることが大切です。

保湿ケアの重要性

目の下の皮膚は非常に薄く、乾燥しやすい部位です。乾燥は小じわ(ちりめんジワ)の直接的な原因となり、たるみを一層目立たせてしまいます。

徹底した保湿ケアは、セルフケアの基本中の基本です。低刺激で保湿力の高いアイクリームや美容液を選び、優しくなじませましょう。

その際、肌を強くこすらないよう、薬指の腹を使って軽く押さえるように塗るのがコツです。

目元の保湿ケアに取り入れたい成分

成分名期待できる働き補足
セラミド肌のバリア機能をサポートし、水分を保持する。乾燥肌の基本成分。
ヒアルロン酸高い保水力を持ち、肌表面にうるおいを与える。肌の浅い層の乾燥に。
レチノール(純粋/誘導体)ターンオーバーを促し、コラーゲン生成を助ける。刺激を感じる場合も。少量から試す。

目元のマッサージとエクササイズ

眼精疲労を和らげ、目元の血行を促進することは、たるみの予防につながります。ただし、マッサージはやり方を間違えると逆効果になるため、細心の注意が必要です。

強い力でこするのではなく、アイクリームを塗る際に、目頭からこめかみに向かって優しく指を滑らせる程度にしましょう。

また、眼輪筋を意識的に動かすエクササイズ(目を大きく見開いて数秒キープし、次にゆっくりと細めるなど)も、筋力の低下を防ぐ一助となります。

紫外線対策の徹底

紫外線(特にUV-A)は、皮膚の真皮層にまで達し、コラーゲンやエラスチンを破壊する最大の要因の一つです。

まぶたの下のたるみを予防・悪化させないためには、一年中、天候に関わらず紫外線対策を行うことが重要です。

日焼け止め効果のあるアイクリームや、肌に優しい日焼け止めを目の周りにも丁寧に塗ることを習慣にしましょう。また、サングラスや帽子、日傘の活用も非常に有効です。

生活習慣の見直し

内側からのケアも忘れてはいけません。肌の健康を保つためには、バランスの取れた食事が基礎となります。特に、肌の材料となるタンパク質や、抗酸化作用のあるビタミン類を意識して摂取しましょう。

たるみ予防のために意識したい栄養素

栄養素期待できる働き多く含まれる食品
タンパク質皮膚や筋肉(眼輪筋)の材料となる。肉、魚、卵、大豆製品
ビタミンCコラーゲンの生成を助ける。抗酸化作用。ピーマン、ブロッコリー、果物
ビタミンA/E皮膚の健康維持、抗酸化作用。緑黄色野菜、ナッツ類、うなぎ

加えて、質の良い睡眠を十分にとることも大切です。睡眠中に分泌される成長ホルモンが、日中に受けた肌ダメージの修復を助けてくれます。

長時間のスマートフォン使用を控え、目元を休ませる時間を作ることも、眼精疲労の軽減につながります。

セルフケアの限界と注意点

自宅でのセルフケアは予防や現状維持に役立ちますが、残念ながら、すでに形成されてしまった構造的な「まぶたの下のたるみ」を根本的に解消するには限界があります。

期待しすぎず、正しい知識を持つことが重要です。

なぜセルフケアだけでは難しいのか

セルフケア、例えば保湿やマッサージは、主に皮膚の「表面的な状態」や「血行」にアプローチするものです。

しかし、まぶたの下のたるみの根本原因は、多くの場合「眼窩脂肪の突出」や「眼輪筋や眼窩隔膜のゆるみ」といった、皮膚よりも深い部分の構造的な変化にあります。

化粧品が浸透するのは角質層までであり、飛び出した脂肪を元に戻したり、ゆるんだ筋肉や膜を物理的に引き締めたりする力はありません。

そのため、セルフケアでできることには自ずと限界があるのです。

間違ったケアのリスク

「たるみを何とかしたい」という一心で、自己流のケアをやりすぎてしまうと、かえって状態を悪化させる危険性があります。

目の周りの皮膚は非常にデリケートであり、強い刺激は厳禁です。

注意が必要なセルフケアの例

ケア起こりうるリスク正しい方法のヒント
強い力でのマッサージ皮膚が伸びてたるみが悪化。摩擦による色素沈着。アイクリーム等を使い、ごく優しく滑らせる程度に。
美顔器の長時間使用皮膚への過度な刺激。乾燥を招くことも。メーカー推奨の使用時間・頻度を厳守する。
テープなどで物理的に吊り上げる一時的なもので根本解決にならず、皮膚かぶれの原因に。根本的な対策を検討する。

よかれと思って行っているケアが、実はたるみを助長していた、ということにならないよう、常に「優しく、こすらない」ことを鉄則にしましょう。

ケア用品選びのポイント

セルフケア用品を選ぶ際も、「このクリームでたるみが消える」といった過度な期待は禁物です。

「たるみ」への効果を謳う商品もありますが、多くは乾燥による小じわを目立たなくすることや、肌にハリを与えること(保湿による一時的な効果)を指しています。

商品を選ぶ際は、広告のうたい文句だけでなく、成分表を確認し、「保湿力」や「肌への優しさ」を重視して選ぶことが賢明です。

レチノールなど、肌のハリにアプローチする成分も注目されていますが、刺激を感じることもあるため、ご自身の肌質に合うかを確かめながら使用することが必要です。

美容医療による「まぶたの下のたるみ」解消法

セルフケアでは改善が難しい構造的な「まぶたの下のたるみ」に対して、美容医療は原因に直接アプローチし、根本的な解消を目指す選択肢となります。

さまざまな治療法が存在します。

医師の診断の重要性

まず大前提として、ご自身のたるみがどの種類(脂肪突出型、皮膚たるみ型、混合型)で、どの程度の進行度なのかを、専門の医師に正しく診断してもらうことが極めて重要です。

自己判断で「この治療法が良いはず」と決めつけず、カウンセリングで目元の状態を詳細に診察してもらいましょう。

信頼できる医師は、あなたのたるみの原因を突き止め、複数の治療選択肢のメリットとデメリット(ダウンタイムやリスクを含む)を丁寧に説明し、あなたに合った治療法を提案してくれるはずです。

主な治療法の種類(切らない治療)

メスを使わない、比較的負担の少ない治療法です。軽度から中等度のたるみや、ダウンタイムを避けたい方に選ばれることが多いです。

レーザー・高周波(HIFUなど)

皮膚の表面からレーザーや高周波(RF)、超音波(HIFU)などを照射し、皮膚の深層部(真皮層や皮下組織)に熱エネルギーを加える治療です。

この熱刺激によって、コラーゲンの生成を促進したり、組織を引き締めたりする効果を狙います。

主に「皮膚のゆるみ」が気になる場合に適応されますが、効果には個人差があり、複数回の施術が必要な場合が多いです。

注入治療(ヒアルロン酸など)

たるみによってできた影(溝)の部分に、ヒアルロン酸などの注入剤を注入し、凹凸をならして目立たなくする治療法です。

脂肪の突出(ふくらみ)そのものを減らすわけではありませんが、ふくらみの下のくぼみを持ち上げることで、段差をカモフラージュします。

手軽に行える反面、効果は一時的(数ヶ月から1年程度)であり、定期的なメンテナンスが必要です。また、入れすぎると不自然になるため、医師の技術が問われます。

切らない治療の比較

治療法主な特徴ダウンタイム目安
照射治療 (HIFU, 高周波)皮膚の引き締め、コラーゲン生成促進。ほぼ無し~数日(赤み程度)。
注入治療 (ヒアルロン酸)溝(凹み)を埋めて凹凸をならす。ほぼ無し~数日(内出血の可能性)。

主な治療法の種類(切る治療)

メスを使用し、たるみの原因となっている脂肪や余分な皮膚を物理的に除去・調整する、より根本的な治療法です。中等度から重度のたるみに高い効果が期待できます。

経結膜脱脂(けいけつまくだっし)

まぶたの裏側(結膜)を小さく切開し、そこから原因となっている眼窩脂肪を取り除く手術です。皮膚の表面には一切傷がつかないため、抜糸の必要がなく、傷跡が顔に残る心配がありません。

主に、皮膚のたるみは少ないが脂肪の突出(ふくらみ)が目立つ、比較的若い方(20代~40代)に適応されることが多い治療法です。

皮膚切除(ハムラ法・裏ハムラ法など)

脂肪の突出と同時に、皮膚のたるみも強い場合に選択されることが多い手術です。

  • ハムラ法(皮膚切開): 下まつげの生え際あたりで皮膚を切開し、眼窩脂肪をくぼんでいる部分に移動(再配置)させ、さらに余分な皮膚を切除して縫合します。たるみと溝の両方を同時に改善できます。
  • 裏ハムラ法(経結膜): 経結膜脱脂と同様にまぶたの裏側からアプローチし、脂肪を除去するのではなく、くぼんでいる部分に移動(再配置)させます。皮膚のたるみが少ない場合に適します。

切る治療の比較

治療法主な特徴ダウンタイム目安
経結膜脱脂まぶたの裏から脂肪を除去。皮膚に傷がつかない。数日~2週間程度(腫れ・内出血)。
ハムラ法(皮膚切開)表側を切開。脂肪を移動し、余分な皮膚も切除。1~3ヶ月程度(腫れ・内出血・傷の赤み)。
裏ハムラ法(経結膜)まぶたの裏から脂肪を移動。皮膚切除はしない。1~3週間程度(腫れ・内出血)。

これらの治療法は一例であり、クリニックによってさまざまな術式や組み合わせがあります。ダウンタイムやリスク、費用も大きく異なるため、医師としっかり相談することが重要です。

クリニック選びのポイント

まぶたの下のたるみ治療は、非常に繊細な技術と解剖学的な知識を要するため、どのクリニック、どの医師に任せるかが、満足のいく結果を得るために極めて重要です。

後悔しないためのポイントをいくつか挙げます。

専門性・実績の確認

まず、そのクリニックや医師が、目の下の治療(クマ取り・たるみ取り)を専門的に、あるいは得意分野として扱っているかを確認しましょう。

ウェブサイトなどで、これまでの症例写真や治療実績(件数など)が豊富に公開されているかは、一つの判断材料になります。

特に、ご自身のたるみの状態と似た症例の写真を見て、その仕上がりが自然で美しいと感じるかどうかも重要です。形成外科専門医など、関連する専門資格の有無も参考になります。

カウンセリングの丁寧さ

実際にクリニックに足を運び、カウンセリングを受けてみましょう。その際、以下の点に注目してください。

  • 医師が直接、あなたの目元の状態を丁寧に診察してくれるか。
  • あなたの悩みや希望をしっかりと聞いてくれるか。
  • たるみの原因や、提案する治療法について、専門用語ばかりでなく分かりやすい言葉で説明してくれるか。
  • 治療法のメリットだけでなく、デメリット、リスク、ダウンタイム、起こりうる合併症についても隠さず説明してくれるか。
  • 複数の治療選択肢を提示し、それぞれの違いを比較説明してくれるか。

流れ作業のようなカウンセリングや、高額な治療ばかりを強引に勧めてくるようなクリニックは、避けた方が賢明です。

費用の透明性

提示された費用が明瞭であるかも重要です。見積書には、施術料のほかに、診察料、検査料、麻酔料、薬代、アフターケア代などがすべて含まれているかを確認しましょう。

「追加費用は一切かからない」と明言しているクリニックは安心材料の一つです。

複数のクリニックでカウンセリングを受け、費用と治療内容を比較検討することも有効です(ただし、安さだけで選ぶのは危険です)。

アフターケア体制

治療は、施術が終わればすべて完了ではありません。特に手術を伴う治療の場合、術後の経過観察や、万が一トラブル(感染、左右差、予想外の腫れなど)が起きた際の対応が非常に重要です。

術後の検診はいつ、何回行われるのか、不安な点があった場合にすぐに相談できる窓口(電話やメール)はあるか、緊急時の対応はどうなっているかなど、アフターケアや保証の体制が整っているかもしっかりと確認しておきましょう。

Q&A

まぶたの下のたるみに関して、多くの方が疑問に思う点にお答えします。

治療に痛みはありますか?

治療法によって異なります。注入治療や照射治療は、チクッとした痛みや熱感を感じることがありますが、多くは麻酔クリーム(表面麻酔)を使用することで軽減できます。

経結膜脱脂やハムラ法などの手術は、局所麻酔や静脈麻酔(眠る麻酔)をしっかり行いますので、手術中に痛みを感じることはほとんどありません。

術後は、痛み止めが処方されることが一般的で、数日間ジンジンとした痛みを感じることはありますが、耐えられないほどの強い痛みになることは稀です。

治療後、すぐにメイクはできますか?

これも治療法によります。照射治療やヒアルロン酸注入(針穴以外)は、当日からメイク可能な場合が多いです。

経結膜脱脂(まぶたの裏側)の場合、皮膚表面に傷がないため、翌日や数日後からアイメイク以外は可能になることが多いです。

皮膚を切開するハムラ法などの場合は、抜糸(通常5~7日後)が完了するまで、傷口付近のメイクは避ける必要があります。

具体的な日数は治療法やクリニックの方針によりますので、必ず医師の指示に従ってください。

たるみは再発しますか?

経結膜脱脂やハムラ法などで、原因となる脂肪を除去・移動させた場合、その効果は半永久的とも言われ、簡単に元の状態に戻ることはありません。

取り除いた脂肪が再生することもありません。ただし、手術後も加齢は続きます。

そのため、数年~十数年という長い年月が経過すると、残っている脂肪が前に出てきたり、皮膚のたるみが新たに出てきたりして、再びたるみが気になってくる可能性はゼロではありません。

しかし、治療を受けなかった場合と比べれば、良い状態を長く保つことができます。

男性でも治療を受けられますか?

もちろん可能です。まぶたの下のたるみやクマは、性別に関わらず多くの方の悩みであり、近年、男性で治療を受けられる方も非常に増えています。

男性の場合、「疲れ顔」や「老け顔」が仕事上の印象に影響することを気にされて来院されるケースも多いです。

男性の皮膚の特徴や骨格を考慮した治療を提案しているクリニックも多くありますので、まずは気軽にカウンセリングでご相談ください。

どの治療法が一番良いですか?

「誰にとっても一番良い治療法」というものは存在しません。

なぜなら、たるみの原因(脂肪の量、皮膚のたるみ具合、骨格など)や、ご本人がどこまで改善したいか、ダウンタイムはどれくらい許容できるか、予算はどれくらいか、などが人によって全く異なるからです。

ある人には最適な治療法が、別の人には適していないこともあります。

大切なのは、専門の医師による正確な診断のもと、ご自身の状態と希望に最も合った治療法を、医師と相談しながら見つけることです。

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この記事を書いた人

Dr.寺井美佐栄のアバター Dr.寺井美佐栄 ミサクリニック 六本木本院 院長

日本抗加齢医学会認定専門医。日本美容皮膚科学会、日本レーザー医学会、日本産業衛生学会専門医。
複数の大手美容皮膚科で10年以上の院長経験を経て、2022年9月にMiSA Clinic(ミサクリニック)を開業。YouTube等でも発信してきた、メスを使わずに”ナチュラルなキレイ”を引き出す技術には定評があり、ありがたいことに「SNSを見ました!」という方や、紹介・口コミ経由でたくさんのご相談を頂いてきました。皆様と共に、MiSA Clinicスタッフ一同、共に年を重ね、末永くお付き合いできる関係を目指して参ります。

資格
アラガン社ボトックスビスタ認定医
アラガン社ヒアルロン酸注入認定医

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