目の下のたるみ整形、成功と失敗の分かれ道。あなたが本当に手に入れたいものは?

目の下のたるみ整形、成功と失敗の分かれ道。あなたが本当に手に入れたいものは?

鏡を見るたび、目の下のたるみにため息をついていませんか?「疲れてる?」と聞かれることも増え、コンシーラーで隠す日々。

目の下のたるみ整形は、そんな悩みを解決する一つの方法ですが、簡単な治療ではありません。「失敗したらどうしよう」という不安も大きいでしょう。

この記事では、目の下のたるみ整形の基本から、成功と失敗を分けるポイント、そして後悔しないためにあなたが本当に考えるべきことまでを詳しく解説します。

あなたが治療を通して本当に手に入れたい、明るい未来への第一歩を一緒に見つけましょう。

目次

目の下のたるみが起こる根本的な原因とは?

目の下のたるみは、単に「疲れているから」だけでは片付けられない、複数の要因が絡み合って発生します。その主な原因を理解することが、適切な対策への第一歩となります。

加齢による変化が最も大きな要因ですが、それ以外にも脂肪の構造、骨格、日々の生活習慣が影響を与えています。

  • 年齢による皮膚・筋肉のゆるみ
  • 眼窩脂肪の突出
  • 骨格・遺伝的要因
  • 生活習慣(紫外線、摩擦など)

年齢と共に進む皮膚の変化

年齢を重ねると、私たちの皮膚は薄くなり、弾力を失っていきます。これは、皮膚のハリを支えるコラーゲンやエラスチンといった成分が減少し、質も変化するためです。

特に目の下の皮膚は顔の中でも非常に薄く、デリケートな部分。そのため、加齢の影響を受けやすく、たるみやシワとして現れやすいのです。

さらに、目の周りにある「眼輪筋(がんりんきん)」という筋肉も年齢と共に衰え、皮膚や脂肪を支える力が弱くなることも、たるみを助長する一因です。

脂肪(眼窩脂肪)の突出

目の下には「眼窩脂肪(がんかしぼう)」と呼ばれる、クッションのように眼球を守る役割を持つ脂肪が存在します。この脂肪は、眼輪筋や皮膚によって支えられています。

しかし、先述のように年齢と共にこれらの支える組織がゆるむと、眼窩脂肪が前へ前へと押し出されてきます。これが、目の下の「ふくらみ」や「たるみ」の正体です。

このふくらみの下にくぼみができると、影ができて「クマ」となり、余計に疲れた印象や老けた印象を与えてしまいます。

セルフケアと美容整形の効果の違い

対策方法期待できる効果限界点
セルフケア(化粧品など)保湿、ハリ感アップ(表面的)突出した脂肪やゆるんだ皮膚構造の根本改善は難しい
美容整形(手術など)脂肪の除去・移動、皮膚の引き締め根本的な構造にアプローチできるが、リスクやダウンタイムがある

骨格や遺伝的要因

目の下のたるみやすさには、生まれ持った骨格や遺伝的な体質も関係しています。

例えば、頬骨の位置が低い、あるいは眼窩(がんか:眼球が収まるくぼみ)が浅い骨格の場合、眼窩脂肪を支える土台が少なく、たるみやふくらみが目立ちやすい傾向があります。

また、皮膚の薄さやコラーゲンの量、眼輪筋の強さなども遺伝的に受け継がれる要素があり、若いうちから目の下のたるみやクマに悩みやすい人もいます。

これらはセルフケアでは対応が難しく、美容整形の分野での相談が必要になることが多いです。

生活習慣が与える影響

日々の無意識な習慣も、目の下のたるみを早める原因になり得ます。例えば、紫外線を浴び続けることは、皮膚のコラーゲンを破壊し(光老化)、ハリを失わせます。

また、目を強くこする癖は、薄い目の下の皮膚にダメージを与え、ゆるみや色素沈着(クマ)を引き起こします。

長時間のスマートフォンやPCの使用による眼精疲労も、目周りの血行不良を招き、筋肉の衰えや皮膚のくすみにつながる可能性があります。

喫煙や睡眠不足、栄養バランスの偏りなども、皮膚の健康状態を悪化させ、たるみやすい環境を作ってしまいます。

目の下のたるみ整形で期待できること

目の下のたるみ整形は、セルフケアでは改善が難しい根本的な原因にアプローチすることで、見た目の印象を大きく変える可能性があります。

多くの人が悩む「老け見え」や「疲れ顔」といった印象を改善し、よりポジティブな自分を取り戻す手助けとなる治療です。

若々しい印象の回復

目の下のたるみやふくらみは、実年齢よりも老けて見られる大きな原因の一つです。

治療によってこのたるみやふくらみが解消され、目の下がすっきりとフラットな状態になると、顔全体の印象が引き締まり、若々しさを取り戻すことができます。

影がなくなり、目元が明るくなることで、表情全体が生き生きと見えます。隠すメイクから、楽しむメイクへと変わるきっかけにもなるでしょう。

疲れた顔貌の改善

「しっかり寝たはずなのに、いつも疲れて見られる」「元気なのに『大丈夫?』と心配される」。

目の下のたるみやクマは、そうした「不健康」「疲労困憊」といったネガティブな印象を与えがちです。

整形によって原因となる脂肪の突出や皮膚のゆるみが改善されると、そうした「疲れ顔」の印象が一掃されます。目元がはっきりとし、健康的で明るい表情を手に入れることが期待できます。

主な改善点と心理的効果

改善される点期待される心理的効果
目の下のふくらみ・たるみ若々しさ、すっきりした印象
影によるクマ健康的、明るい表情、自信の回復
疲れた印象対人関係でのポジティブな変化

メイク時間の短縮

目の下のたるみやクマを隠すために、コンシーラーやファンデーションを厚塗りしている人は少なくありません。

しかし、たるみがあると思うように隠せず、かえってシワが目立ってしまったり、時間が経つとヨレてしまったりと、メイクに時間と手間がかかります。

根本的なたるみが改善されれば、こうしたカバーメイクの必要性が減り、日々のメイク時間を大幅に短縮できます。素肌の状態が整うことで、メイクそのものをより楽しめるようになるでしょう。

表情が明るくなる効果

目の下の悩みが解消されることは、単に見た目が変わるだけでなく、内面にも良い影響を与えます。

長年のコンプレックスから解放されることで、自信が持てるようになり、人前で自然に笑えるようになったり、人と目を合わせることに抵抗がなくなったりします。

内面のポジティブな変化は、自然と表情にも現れ、あなたの魅力をさらに引き出してくれます。

治療を通して手に入れたいのは、すっきりした目元だけでなく、その先にある明るい笑顔と自信なのかもしれません。

主な目の下のたるみ整形の術式

目の下のたるみ整形には、いくつかの異なるアプローチがあります。

たるみの原因や程度、皮膚の状態、患者さんの希望やライフスタイル(ダウンタイムがどれくらい取れるかなど)に応じて、医師が適切な方法を選択します。

大きく分けると、皮膚を切開しない方法と、切開する方法、そして脂肪注入やその他の治療法があります。

経結膜脱脂法(切らない方法)

「切らない目の下のたるみ取り」としてよく知られる方法です。まぶたの裏側(結膜)を小さく切開し、そこからたるみの原因となっている余分な眼窩脂肪を取り出します。

皮膚の表面には一切傷がつかないため、傷跡が外から見える心配がありません。比較的ダウンタイムが短く、腫れや内出血も少ない傾向にあるため、人気のある治療法です。

ただし、この方法は主に脂肪の突出が原因のたるみに適しており、皮膚のゆるみが強い場合には、脱脂だけでは皮膚が余ってしまい、かえってシワが目立つ可能性もあるため、適応の見極めが重要です。

皮膚のたるみが少ない、比較的若い世代にも選ばれます。

皮膚切除法(切る方法)

下まつ毛の生え際あたり(または生え際から数ミリ下)の皮膚を切開し、たるみの原因である脂肪を処理(除去または移動)すると同時に、余分な皮膚も切除して縫い合わせる方法です。

皮膚のゆるみが強く、脱脂だけでは対応できない場合や、眼輪筋のゆるみも同時に引き上げたい場合に適しています。

皮膚を切除するため、たるみに対する改善効果は高いですが、経結膜脱脂法に比べるとダウンタイムは長くなる傾向があります。

傷跡はまつ毛の生え際などに隠れるように配慮されますが、体質や術後の経過によっては目立つ可能性もゼロではありません。

脂肪注入・ヒアルロン酸注入

これらは、たるみ(ふくらみ)そのものを取るというよりは、ふくらみの下の「くぼみ」や「溝」を埋めることで、目の下の段差をなめらかにし、たるみやクマを目立たなくさせる治療法です。

脱脂と組み合わせて行われることが多く、特に脂肪注入(ご自身の太ももなどから採取した脂肪を加工して注入する)は、脱脂で脂肪を取りすぎた場合の修正や、頬のボリュームが少ない場合に併用すると、より自然で若々しい仕上がりを目指せます。

ヒアルロン酸注入は手軽ですが、時間と共に吸収されるため、効果は一時的であり、定期的な注入が必要です。また、注入する場所や層を誤ると、凹凸や青みがかったりする(チンダル現象)リスクもあります。

レーザー・高周波治療

手術には抵抗がある、あるいはごく初期のたるみやハリの低下が気になる、という場合には、レーザーや高周波(RF)、超音波(HIFUなど)を用いた「切らないリフトアップ治療」も選択肢となります。

これらの治療は、皮膚の深層に熱エネルギーを加え、コラーゲンの生成を促したり、皮膚組織を引き締めたりする効果を狙うものです。

ダウンタイムがほとんどない点が大きなメリットですが、手術に比べると効果はマイルドであり、一度で劇的な変化を得るものではありません。

また、効果の持続も永久ではなく、定期的なメンテナンスが必要になることが一般的です。脂肪の突出が明らかな場合には、これらの治療では十分な効果が得られないことが多いです。

主な術式の比較

術式主な対象ダウンタイム目安
経結膜脱脂法脂肪の突出が主(皮膚たるみ軽度)数日〜1週間程度
皮膚切除法皮膚のたるみが強い、脂肪も処理1〜2週間程度(抜糸まで)
注入治療くぼみ、溝が目立つほぼなし〜数日(内出血)
レーザー・高周波ごく初期のたるみ、ハリ改善ほぼなし

目の下のたるみ整形で「失敗」と感じるケース

目の下のたるみ整形を検討する上で、最も不安なのが「失敗」ではないでしょうか。

高額な費用と時間をかけ、ダウンタイムを乗り越えたにもかかわらず、満足のいく結果が得られなければ、その失望は計り知れません。

ここでいう「失敗」とは、単に医学的な問題(合併症など)だけでなく、「期待していたイメージと違う」といった主観的な不満も含まれます。

期待通りの結果が得られない

最も多い「失敗」の感覚は、仕上がりに対する不満です。事前のカウンセリングで期待した変化と、実際の術後経過が異なる場合に起こります。

たるみが残った・取りすぎた

脱脂法において、脂肪の除去量が不十分だと、たるみやふくらみが残ってしまい、「あまり変わらなかった」と感じることがあります。

逆に、脂肪を取りすぎてしまうと、目の下がくぼんでしまい、かえって老けた印象や疲れた印象が強調される「へこみ」や「くぼみ目」と呼ばれる状態になります。

適切な量の脂肪を見極めるには、医師の高度な技術と美的センスが求められます。

左右差が生じた

人間の顔はもともと完全な左右対称ではありませんが、術後に明らかな左右差が生じると、「失敗」と感じやすくなります。

脂肪の除去量や皮膚の切除量に左右で差が出たり、術後の腫れの引き方が異なったりすることで起こり得ます。医師が術前に左右差を正確に診断し、それを考慮して手術計画を立てることが重要です。

凹凸やシワが目立つようになった

脂肪を均一に除去できなかった場合、目の下の表面に凹凸(でこぼこ)が生じることがあります。

また、経結膜脱脂法で脂肪だけを除去した結果、余った皮膚がたるみ、細かいシワ(ちりめんジワ)がかえって目立つようになるケースもあります。

これは、皮膚のたるみ具合を術前に正確に評価せず、脱脂のみを選択した場合に起こりやすいです。皮膚のゆるみが強い場合は、脱脂と同時に皮膚の引き締め治療や切除法を検討する必要があります。

よくある「期待外れ」の例と想定される原因

期待外れ(失敗)の例想定される原因
たるみが残った脂肪の除去量が不十分、適応の見誤り
目の下がくぼんだ脂肪の取りすぎ、術前のデザインの問題
凹凸ができた脂肪の除去が不均一、注入技術の問題
シワが増えた皮膚のたるみを考慮せず脱脂のみ行った
左右差が目立つ術前の評価不足、手技の不正確さ

ダウンタイムの誤算

手術そのものはうまくいっても、術後の経過が想定と異なると、大きな不安や不満につながります。

「これほど腫れるとは思わなかった」「内出血が引かず、仕事に行けない」といったダウンタイムに関する誤算です。

腫れや内出血が予想より長い

目の下の整形では、術後に腫れや内出血が必ず発生します。

その程度や期間には個人差がありますが、クリニックから事前に説明された「一般的な目安」よりも症状が強く出たり、長引いたりすると、「失敗したのではないか」と不安になります。

特に皮膚切除法は、経結膜脱脂法よりもダウンタイムが長くなる傾向があります。自身の体質や、術後の過ごし方によっても経過は変わってきます。

仕事復帰への影響

ダウンタイムを甘く見積もっていたために、予定していた仕事や学校への復帰が難しくなるケースです。

接客業や人前に出る仕事の場合、腫れや内出血が目立つ状態では復帰しづらく、精神的なストレスにもなります。

サングラスやマスクで隠せる範囲にも限界があるため、余裕を持ったスケジュールを組むことがいかに重要かを痛感することになります。

術後の合併症・後遺症

頻度は低いものの、医療行為である以上、合併症や後遺症のリスクはゼロではありません。これらは深刻な「失敗」と言えます。

感染や血腫

術後の傷口から細菌が入り、感染を起こすと、強い腫れや痛み、発熱などを伴うことがあります。また、術後に内部で出血が続き、血液の塊(血腫)ができると、除去する処置が再度必要になることもあります。

これらは、術後の衛生管理や医師の止血操作の技術に関わってきます。

目の機能に関する問題

非常に稀ですが、重篤な合併症として、目の機能に関わる問題が報告されています。

例えば、皮膚切除法で皮膚を取りすぎた結果、まぶたが外側にめくれてしまう「外反(がいはん)」と呼ばれる状態(あっかんべーの状態)や、涙の通り道に影響が出て涙が止まらなくなったり、逆にドライアイが悪化したりする可能性も理論上は考えられます。

こうしたリスクを回避するためにも、目の構造を熟知した経験豊富な医師を選ぶことが極めて重要です。

失敗を避けるためのクリニック選びの重要点

目の下のたるみ整形で「失敗」を避け、満足のいく結果を得るためには、手術を受けるクリニックや担当する医師選びが最も重要な要素と言っても過言ではありません。

価格や知名度だけで選ぶのではなく、あなたの大切な顔を任せるに足るかどうかを、複数の視点から慎重に見極める必要があります。

医師の経験と実績

目の下のたるみ整形は、非常に繊細な技術を要求される手術です。

皮膚の薄さ、脂肪の量、筋肉や骨格の状態など、一人ひとり異なる条件を正確に診断し、ミリ単位での調整を行う必要があります。

専門医資格の確認

美容外科医といっても、その経歴は様々です。

形成外科や眼科など、顔の解剖や目の構造に精通した分野での十分なトレーニング経験があるか、また、日本形成外科学会認定の形成外科専門医や、日本美容外科学会(JSAPSまたはJSAS)認定の美容外科専門医といった、信頼できる資格を保持しているかどうかも、一つの判断材料になります。

これらの資格は、一定水準以上の知識と技術を持つ証となります。

症例写真の検討方法

多くのクリニックがウェブサイトなどで症例写真を公開しています。その数が多いことは経験の豊富さを示唆しますが、見るべきは単なる「数」や「変化の大きさ」ではありません。

あなたと似た年代や、たるみの状態の症例を探し、その仕上がりが自然で、あなたの好みと合っているかを確認しましょう。

また、術直後だけでなく、ダウンタイムが落ち着いた数ヶ月後の写真や、様々な角度から撮影された写真が公開されていると、より参考になります。加工が過度でないかどうかも注意深く見ましょう。

カウンセリングの質

手術前のカウンセリングは、あなたと医師が仕上がりのイメージを共有し、信頼関係を築くための非常に大切な時間です。

この時間の質が、手術の満足度を大きく左右します。

リスクや限界の説明

「絶対に成功します」「腫れません」といった、良いことばかりを強調するクリニックは注意が必要です。どのような医療行為にも、必ずリスクや限界、ダウンタイムが伴います。

目の下のたるみ整形の場合、前述したような失敗例や合併症の可能性、あなたの骨格や皮膚の状態で「できること」と「難しいこと」を、誠実に、具体的に説明してくれる医師こそが信頼できます。

ネガティブな情報もしっかりと伝えた上で、あなたに判断を委ねてくれる姿勢が重要です。

あなたの希望を正確に理解する姿勢

医師が一方的に治療法を押し付けるのではなく、まずはあなたの悩みや不安、そして「どうなりたいか」という希望を、時間をかけて丁寧に聞いてくれるかどうかを見極めましょう。

あなたの言葉に耳を傾け、あなたの価値観を尊重し、その上で専門家として最適な治療法を複数提案し、それぞれのメリット・デメリットを比較しながら一緒に考えてくれる。

そんな双方向のやりとりができる医師であれば、術後の「こんなはずじゃなかった」を防ぐことができます。

アフターケアと保証制度

手術が終われば「はい、さようなら」では不安です。術後の経過は個人差があり、ダウンタイム中に不安になることも少なくありません。

万が一の事態にも備えておく必要があります。

術後の検診とトラブル対応

術後にどのようなスケジュールで検診が行われるのか、腫れや痛み、その他不安な点が出た場合に、すぐに連絡が取れ、医師の診察を受けられる体制が整っているかを確認しましょう。

夜間や休日の緊急連絡先なども明確にしてあると安心です。アフターケアの費用が治療費に含まれているのか、別途必要なのかも確認が必要です。

クリニック比較検討のポイント

比較項目チェックする内容重要度
医師の経歴・資格専門医資格、目の手術の経験年数
カウンセリング医師が直接行うか、時間は十分か、リスク説明はあるか
症例写真自分と似た症例、仕上がりの自然さ、経過写真の有無中〜高
アフターケア術後検診の頻度、緊急時対応、費用
費用総額(麻酔・薬代含む)、内訳の明確さ

多くのクリニックでは、万が一、明らかな問題(左右差、凹凸など)が生じた場合や、効果が不十分だった場合に備えて、修正手術の保証制度を設けています。

その保証期間はどれくらいか、どのような場合に適用されるのか(医師の判断か、患者さんの希望か)、修正にかかる費用(麻酔代や薬剤費など)は無料なのか、といった詳細な条件を、契約前に書面でしっかりと確認しておくことが大切です。

「無料修正」とうたっていても、実際には多くの条件があり、適用されないケースもあるためです。

成功へ導くための準備と心構え

クリニック選びと並んで大切なのが、治療を受けるあなた自身の準備と心構えです。

医師にすべてを「おまかせ」にするのではなく、主体的に治療に関わる姿勢が、最終的な満足度、すなわち「成功」につながります。

まずは、あなたが治療を通して「どうなりたいのか」を深く考えることから始めましょう。

あなたが「本当に手に入れたいもの」を明確にする

目の下のたるみ整形を考えるきっかけは、「疲れて見える」「老けて見える」といった悩みでしょう。しかし、その悩みを解消した先に、あなたが本当に望んでいるものは何でしょうか?

「若々しい見た目」でしょうか?「自信を取り戻すこと」でしょうか?「人前で堂々と笑えること」でしょうか?あるいは、「メイクが楽になること」かもしれません。

この「本当に手に入れたいもの」が明確であればあるほど、医師にもあなたの希望が伝わりやすくなります。

また、術後に多少のダウンタイムがあっても、「このために頑張っている」という目的意識が、あなたを支えてくれるはずです。

治療のメリットとデメリットを天秤にかける

どんな治療にも、光と影、つまりメリットとデメリット(リスク)があります。

目の下のたるみ整形であれば、メリットは「若々しい印象」「疲れ顔の改善」などですが、デメリットは「ダウンタイム(腫れ・内出血)」「費用」「痛み」「感染や傷跡のリスク」「期待通りの結果にならない可能性」などです。

カウンセリングで説明されたこれらの情報を元に、あなた自身が「これらのデメリットを受け入れてでも、メリットを追求する価値があるか」を冷静に判断する必要があります。

この天秤にかける作業を怠ると、術後に少しでも想定外のことがあると、「やらなければよかった」と後悔につながりやすくなります。

術前の心構えチェック

項目チェック
なぜ治療を受けたいのか明確に言える
治療のメリットだけでなく、リスクや限界も理解している
ダウンタイムについて現実的な理解をしている
万が一、期待通りでなかった場合の心構えもできている

ダウンタイム期間の過ごし方

手術の成功は、医師の手術手技だけでなく、術後のあなたの過ごし方にも大きく左右されます。

ダウンタイムをいかに安全に、ストレス少なく過ごすかで、仕上がりや回復の早さが変わってくることもあります。

事前準備と心構え

手術日を決めたら、ダウンタイムを乗り切るための準備を始めましょう。まず、仕事や学校は、想定されるダウンタイム(医師に確認した期間)に加えて、数日の余裕を持って休むスケジュールを確保します。

腫れや内出血を隠すための、つばの広い帽子、大きめのマスク、度なしのメガネやサングラスなども用意しておくと安心です。

また、術後はしばらくうつむいたり、重いものを持ったりすることが難しくなるため、部屋の掃除や、日持ちする食料品の買い出しなども済ませておくと良いでしょう。

精神的には「しばらくは腫れていて当たり前」と割り切り、焦らないことが大切です。

術後のセルフケア

術後の経過を良好にするためには、クリニックから指示されたセルフケアをきちんと守ることが重要です。

例えば、術後数日間は枕を高くして寝る(腫れを軽減するため)、処方された点眼薬や軟膏を正しく使用する、患部を冷やす(医師の指示に従う)、飲酒や喫煙、激しい運動を控える(血行を良くしすぎると腫れが長引くため)などです。

また、傷跡(皮膚切除法の場合)を紫外線に当てないように注意することも、色素沈着を防ぐ上で大切です。不安なことがあれば自己判断せず、すぐにクリニックに相談しましょう。

ダウンタイム中の主な症状とケア

  • 腫れ:冷やす、枕を高くする
  • 内出血:時間経過と共に黄色っぽくなり吸収されるのを待つ
  • 痛み:処方された痛み止めを服用

治療費用の相場と内訳

目の下のたるみ整形は、健康保険が適用されない自由診療(自費診療)です。そのため、治療費用はクリニックによって異なり、全額自己負担となります。

費用は、術式、医師の技術、クリニックの立地や設備、アフターケアの内容などによって変動します。

安さだけで選ぶと思わぬ落とし穴があるため、費用の「相場」と「内訳」を正しく理解しておくことが重要です。

術式別の費用感

一般的に、切開を伴わない治療(レーザーや注入)は比較的安価で、切開を伴う手術(脱脂法、皮膚切除法)は高額になる傾向があります。

特に、脱脂と同時に脂肪注入を行ったり、皮膚切除と眼輪筋の引き上げを行ったりするなど、複数の手技を組み合わせる場合は、費用も加算されます。

おおよその費用相場(自由診療)

術式費用相場(目安)備考
経結膜脱脂法20万円〜40万円クリニックにより差が大きい
皮膚切除法30万円〜60万円眼輪筋の処理などを含むかによる
脂肪注入(脱脂と併用)(脱脂費用)+ 15万円〜30万円採取・加工の手数料含む
ヒアルロン酸注入5万円〜10万円(1本あたり)定期的な注入が必要

費用に含まれるもの・含まれないもの

クリニックが提示する「治療費」に、何が含まれているのかを必ず確認しましょう。

「手術代」として提示されている金額が安くても、実際には麻酔代や検査代、術後の薬代などが別途必要になり、総額では他のクリニックより高くなるケースもあります。

麻酔代・検査代

手術は通常、局所麻酔や静脈麻酔(眠る麻酔)を併用して行われます。この麻酔代が手術費用に含まれているのか、別途必要なのかを確認します。

また、安全に手術を行うために、術前に血液検査などが必要になる場合があります。これらの検査費用も、総額に影響します。

術後の薬代・検診代

術後に処方される痛み止めや抗生剤、軟膏などの薬剤費や、術後の検診(抜糸など)の費用が、治療費に含まれているかどうかも重要なポイントです。

アフターケアの一環として、これらの費用がすべて含まれている「総額表示」のクリニックもあれば、来院ごと、処方ごとに費用が発生するクリニックもあります。

契約前に、見積書などで総額を明確にしてもらいましょう。

安さだけで選ぶリスク

目の下のたるみ整形は、非常にデリケートな部位の手術です。費用が相場と比べて極端に安い場合には、何らかの理由があると考えられます。

例えば、経験の浅い医師が担当する、手術時間が極端に短い(=丁寧な止血や縫合が行われない可能性がある)、使用する器具や薬剤のコストを削減している、術後のアフターケアが不十分である、といった可能性です。

もちろん、高ければ必ず良いというわけではありませんが、安易に安さで飛びついた結果、取り返しのつかない「失敗」につながるリスクがあることは、強く認識しておく必要があります。

あなたの顔の将来を託す治療です。費用は、医師の技術やクリニックの信頼性、アフターケアの充実度など、総合的な価値で判断することが賢明です。

FAQ

痛みはどの程度ありますか?

手術中は麻酔(局所麻酔や静脈麻酔)を使用するため、痛みを感じることはほとんどありません。

術後は、麻酔が切れると鈍い痛みや、違和感が出ることがありますが、処方される痛み止めでコントロールできる程度が一般的です。

痛みの感じ方には個人差がありますが、我慢できないほどの強い痛みが続くことは稀です。

傷跡は残りますか?

経結膜脱脂法(切らない方法)の場合、まぶたの裏側からアプローチするため、顔の表面に傷跡は一切残りません。

皮膚切除法(切る方法)の場合は、下まつ毛の生え際などを切開しますが、傷跡が極力目立たないように細心の注意を払って縫合します。

術後しばらくは赤みがありますが、時間経過ととも(数ヶ月〜半年程度)に白っぽい線状になり、メイクで隠せる程度にまで目立たなくなることがほとんどです。

効果はどれくらい持続しますか?

経結膜脱脂法や皮膚切除法で一度除去または移動させた脂肪が、元の状態に戻ることは基本的にありません。そのため、手術による効果の持続性は高いと言えます。

ただし、手術後も加齢による変化(皮膚のゆるみや、残った脂肪の変動など)は続きます。

手術によって時計の針が戻る(あるいは止まる)わけではなく、その時点での悩みを解消し、たるみにくい状態にする治療と理解すると良いでしょう。

治療当日の流れを教えてください?

クリニックに来院後、まず体調の確認や、手術内容の最終確認を行います。その後、洗顔し、術前の写真撮影、医師によるデザイン(マーキング)を行います。

手術室に移動し、麻酔を開始します。手術自体(術式によりますが)は1時間〜2時間程度です。

術後は、麻酔が覚めるまでリカバリールームなどで休憩し、医師や看護師による状態のチェックを受けます。

問題がなければ、薬の処方や術後の注意事項の説明を受け、ご帰宅となります。当日はご自身での運転は避け、公共交通機関やタクシー、ご家族の送迎で帰宅するようにしてください。

術後すぐにメイクはできますか?

経結膜脱脂法の場合、皮膚表面に傷がないため、早ければ翌日から目元以外のメイクは可能です。

目元のメイク(アイシャドウ、アイライン、マスカラなど)は、腫れや内出血が落ち着き、医師の許可が出てから(通常、術後1週間程度)にしてください。

皮膚切除法の場合は、抜糸(術後5日〜7日程度)を行うまで、傷口付近のメイクはできません。

抜糸後、傷口の状態が良ければメイク可能となりますが、詳細は担当医の指示に従ってください。

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この記事を書いた人

Dr.寺井美佐栄のアバター Dr.寺井美佐栄 ミサクリニック 六本木本院 院長

日本抗加齢医学会認定専門医。日本美容皮膚科学会、日本レーザー医学会、日本産業衛生学会専門医。
複数の大手美容皮膚科で10年以上の院長経験を経て、2022年9月にMiSA Clinic(ミサクリニック)を開業。YouTube等でも発信してきた、メスを使わずに”ナチュラルなキレイ”を引き出す技術には定評があり、ありがたいことに「SNSを見ました!」という方や、紹介・口コミ経由でたくさんのご相談を頂いてきました。皆様と共に、MiSA Clinicスタッフ一同、共に年を重ね、末永くお付き合いできる関係を目指して参ります。

資格
アラガン社ボトックスビスタ認定医
アラガン社ヒアルロン酸注入認定医

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