【青クマと黒クマ】似ているようで全く違う!血行不良とたるみ、原因別の見分け方

【青クマと黒クマ】似ているようで全く違う!血行不良とたるみ、原因別の見分け方

目の下に広がる暗い影は、疲れていないのに「疲れてる?」と聞かれる原因となり、実年齢よりも老けて見える大きな要因です。

メイクで隠そうとしても厚塗りになりがちで、夕方にはヨレて余計に目立ってしまうという悩みを持つ方は少なくありません。実は「クマ」と一言で言っても、その正体は単一ではありません。

特に混同されやすいのが「青クマ」と「黒クマ」です。これらは発生する理由も、皮膚の内部で起きている現象も全く異なります。

自分のクマがどのタイプなのかを正確に把握しなければ、どれだけ高価なアイクリームを使っても、マッサージを繰り返しても、望むような変化は得られません。

逆に言えば、正体さえ突き止めれば、外科的な手術を行わなくても、美容皮膚科のアプローチで自然で健康的な目元を取り戻すことは十分に可能です。

この記事では、専門的な視点から二つのクマの違いを徹底的に分析し、それぞれのタイプに適した切らない治療の選択肢について詳しく解説します。

目次

青クマと黒クマの根本的な違いとは

青クマは皮膚の下にある静脈血が透けて見えている状態であり、黒クマは皮膚のたるみや膨らみが作り出す物理的な「影」であるという点が決定的な違いです。

この二つは見た目の印象こそ似ていますが、光の当たり方や皮膚を引っ張った時の反応で明確に区別できます。

色味の正体と視覚的な特徴

鏡を見たときに、目の下がほんのりと青黒く、あるいは紫がかって見えるのが青クマの特徴です。

これは皮膚そのものの色ではなく、皮膚の薄い目元において、その下を流れる毛細血管内の還元ヘモグロビン(酸素を放出した後の暗赤色の血液)が透けて見えている現象です。

一方、黒クマは色そのものは黒くありません。目の下の脂肪が前にせり出したり、皮膚がたるんだりすることで段差が生まれ、その段差の下に照明の影が落ちることで黒っぽく見えています。

クマの種類別比較

比較項目青クマ黒クマ
主な原因血行不良・皮膚が薄いたるみ・脂肪の突出・骨格
見た目の特徴青黒い、紫がかった色目の下の膨らみの下に影ができる
光の影響角度を変えても色は残る上を向くと薄くなる
皮膚を引っ張ると色が薄くなることが多い影の形が変わるが消えない

上記の表のように、上を向いて光を正面から浴びると黒クマは薄くなりますが、青クマは角度を変えても色味があまり変化しません。

このように光の角度によって見え方が変わるかどうかが、最初の重要なチェックポイントとなります。

発生要因の根本的な乖離

青クマは主に「血流の滞り」と「皮膚の薄さ」が関係しています。冷えや寝不足、眼精疲労によって血流が悪くなると、血液は滞留し黒ずんだ色になります。

生まれつき皮膚が薄い方は、より鮮明に血管の色を拾ってしまいます。対照的に黒クマは「形状の変化」が要因です。

加齢による眼輪筋の衰えや、肌の弾力低下によって眼窩脂肪という目のクッションが支えきれずに前に突出することで発生します。

つまり、青クマは循環器や皮膚の質の問題であり、黒クマは立体構造の問題と言えます。

触れて確認する判別アプローチ

二つを見分けるための最もシンプルなアプローチは、指で優しく皮膚を動かしてみることです。

目尻を横に優しく引っ張った時、色が薄くなったり消えたりする場合は、皮膚が伸びて下の血管が見えにくくなったことを意味するため、青クマの可能性が高いと言えます。

逆に、引っ張っても色が消えず、むしろ影の形が変わるだけだったり、仰向けに寝たときに目立たなくなったりする場合は、重力の影響を受ける黒クマであると推測できます。

青クマが発生する詳細な背景と要因

目の周りの皮膚はゆで卵の薄皮程度と言われるほど非常に薄くデリケートであるため、血流の悪化や体調の変化がダイレクトに色調として現れるのが青クマの特徴です。

生活習慣や体質が複雑に絡み合って症状を形成しています。

毛細血管のうっ血と酸素不足

目の周りには無数の毛細血管が張り巡らされていますが、ストレスや緊張、睡眠不足が続くと自律神経が乱れ、血管が収縮します。

血液の流れが滞ると、血液中の酸素が消費されつくして黒ずんだ色(静脈血の色)に変化します。このうっ血した血液が、薄い皮膚を通して青白く、あるいはドス黒く透けて見えるのが青クマの正体です。

特に現代人はスマートフォンやパソコンの長時間使用により、目の周りの筋肉が凝り固まっていることが多く、これが慢性的な血行不良を引き起こしています。

日常的に目を酷使することは、青クマの最も大きな要因の一つとなっています。

皮膚の厚みと透明度の関係

生まれつき皮膚が薄い方や、色白の方は青クマが目立ちやすい傾向にあります。

皮膚には厚みがある程度あれば、下の組織の色を隠蔽する力(カバー力)がありますが、目の下の皮膚は頬の皮膚の約3分の1から4分の1程度の厚さしかありません。

加齢とともにコラーゲンやエラスチンが減少すると、皮膚はさらに薄くなり、より一層血管の色が透けやすくなります。

若い頃は気にならなかったのに、年齢とともに青クマが気になり始めたという場合は、この「皮膚の菲薄化(ひはくか)」が進行している可能性があります。

ライフスタイルによる悪化リスク

日々の何気ない習慣が青クマを濃くしているケースも多々あります。入浴をシャワーだけで済ませていたり、運動不足であったりすると、全身の代謝が下がり、末梢の血流も悪化します。

また、喫煙は血管を収縮させる作用が強いため、青クマの大きなリスク要因となります。

青クマを悪化させる日常の要素

  • 長時間のデスクワークやスマホ操作による慢性的な眼精疲労
  • 睡眠不足や質の低い睡眠による自律神経の乱れ
  • 冷たい飲み物の過剰摂取や薄着に起因する体の冷え
  • 運動不足による全身の筋ポンプ作用および代謝の低下
  • 喫煙習慣による持続的な末梢血管の収縮
  • 過度なダイエットや鉄分不足による栄養状態の悪化

上記のような生活習慣は、知らず知らずのうちに目の下の血流を阻害しています。

さらに、過度なダイエットによる栄養不足、特に鉄分不足による貧血も、血液の色を悪くし、顔色全体をくすませる原因となるため注意が必要です。

黒クマを形成する構造的変化と進行

黒クマは皮膚の色素沈着ではなく、顔の解剖学的な構造変化によって生じる「影」であるため、スキンケアだけで改善することが難しく、物理的な形状へのアプローチが必要になります。

眼窩脂肪の突出とロックウッド靭帯

眼球は頭蓋骨のくぼみ(眼窩)の中にあり、眼窩脂肪という脂肪のクッションに守られています。

通常、この脂肪は眼球の下で適切な位置に留まっていますが、加齢とともに眼球を支えるロックウッド靭帯などが緩むと、眼球自体がわずかに下がります。

その結果、行き場を失った眼窩脂肪が前方に押し出され、目の下に「目袋」と呼ばれる膨らみを作ります。この膨らみの下が影となり、黒いラインのように見えるのです。

眼輪筋の衰えと皮膚のたるみ

目の周りをドーナツ状に囲んでいる眼輪筋という筋肉は、眼窩脂肪が前に出ないように壁として支える役割も果たしています。

しかし、表情筋を使わない生活や加齢によって眼輪筋が衰えて薄くなると、その壁としての機能が低下し、脂肪の突出を許してしまいます。

さらに、皮膚自体の弾力が失われると、突出した脂肪をカバーできずに皮膚が伸びてたるんでしまい、より深い影を形成することになります。

ティアトラフ(ゴルゴライン)との関係

黒クマをより強調させるのが、目の下から頬にかけて斜めに走る凹み、通称「ティアトラフ」や「ゴルゴライン」の存在です。

脂肪が突出して膨らんでいる部分と、その下の骨格的に凹んでいる部分(または皮膚が骨に癒着している部分)との高低差が大きければ大きいほど、影は濃く見えます。

日本人の骨格は頬骨が平坦な傾向があるため、この高低差が目立ちやすく、比較的若い世代でも黒クマに悩む方が多いのが特徴です。

黒クマの進行レベル

レベル状態特徴
初期わずかな影夕方や疲れた時にだけ目の下に薄い影ができる。
中期膨らみの定着常に目の下に膨らみがあり、照明の下で影がはっきりする。
後期皮膚の伸び膨らみが大きくなり、皮膚自体も伸びてたるみ、深い溝ができる。

上記の表に示すように、黒クマは徐々に進行していきます。初期段階であれば生活習慣の改善で目立たなくすることも可能ですが、中期以降は美容医療による物理的なアプローチが効果的です。

自分でできる確実な見分け方とチェック法

自分のクマがどちらのタイプなのか、あるいは両方が混在しているのかを知るためのセルフチェックは、鏡があればすぐに実践できます。

複数の方法を組み合わせることで、より正確な判断が可能になります。

手鏡を使った「上向き」テスト

まず、手鏡を持って顔の正面に構えます。そのまま鏡を顔より高い位置に上げ、天井を見るように顔を上に向けます。この時、天井の照明が顔の正面から当たるように調整してください。

もし目の下のクマが薄くなったり消えたりした場合は、光が当たることで影が飛んだことを意味するため、「黒クマ」である可能性が極めて高いです。

一方で、顔を上に向けても目の下の色が青黒く残ったまま変化がない場合は、皮膚そのものの色味が原因である「青クマ」と判断できます。

指を使った「皮膚伸展」テスト

人差し指で目尻の皮膚を軽くこめかみ方向へ引っ張ってみてください。皮膚が伸びると同時にクマの色が薄くなったなら、それは皮膚が薄いために下の組織が透けている「青クマ」の特徴です。

皮膚を伸ばすことで厚みが一時的に変化し、透過度が変わるためです。

一方、皮膚を引っ張っても黒っぽい色がその場に留まり、単に影の位置が移動したり、膨らみの形が変わるだけだったりする場合は「黒クマ」です。

色素沈着による茶クマの場合は、皮膚と一緒に色も動きますが、今回は青と黒の判別に焦点を当てます。

両方が混在する混合タイプの可能性

実際には、青クマと黒クマが単独で存在するよりも、両方が併発しているケースが多く見られます。

これを「混合タイプ」と呼びます。例えば、「上を向くと影は薄くなるが(黒クマの要素)、完全には消えず青っぽい色が残る(青クマの要素)」という場合です。

皮膚が薄くて血行が悪い方が、加齢とともに脂肪の突出も併発したパターンです。

この場合、片方の対策だけを行っても満足のいく結果が得られないことが多いため、複合的な視点でのケアが必要になります。

セルフチェック判定表

アクション反応判定
顔を上に向けるクマが薄くなる・消える黒クマ(影)
色は変わらない青クマ(透過)
横に引っ張る色が薄くなる青クマ(透過)
影が移動するだけ黒クマ(形状)

この判定表を参考にしながら、ご自身のクマがどのタイプに当てはまるか確認してみてください。

複数の特徴が見られる場合は、混合タイプの可能性を考慮する必要があります。

青クマに対する切らない美容医療アプローチ

青クマを改善するためには、「血流を良くすること」と「皮膚に厚みやハリを出して透けにくくすること」の2点が重要です。

外科的な手術は必要なく、注入治療やマシン治療が非常に効果を発揮する領域です。

皮膚を育てる注入治療

薄くなった皮膚を厚くし、血管を透けにくくするためには、真皮層のコラーゲンやエラスチンを増やす治療が有効です。

「ベビーコラーゲン」は、ヒト由来のコラーゲンを注入することで、直後から白くカバーする効果とともに、組織の再生を促して皮膚自体をふっくらとさせます。

青クマにおすすめの注入製剤

  • ベビーコラーゲン:色味のカバー力が高く、馴染みが良いため自然な仕上がりを実現。
  • スネコス:アミノ酸とヒアルロン酸の特許配合で、真皮の再構築を促進。
  • リジュラン:ポリヌクレオチドが細胞を活性化し、皮膚の厚みとハリをもたらす。
  • ジェンバー糸・ショッピングリフト:鍼の刺激と糸の挿入で血流改善をサポート。

上記のような製剤は、異物を入れて膨らませるというよりは、肌そのものの質を底上げする「肌育」治療としての側面が強いのが特徴です。

「スネコス」や「リジュラン」などは、細胞外マトリックスの再生を刺激し、自身の肌の密度を高めることで、自然に青みを目立たなくさせる効果が期待できます。

血行促進と色素へのアプローチ

滞った血流を改善し、代謝を上げるためには、高周波(RF)を用いた「サーマニードル」や「サーマジェン」が適しています。

深部から温めることで血行を促進し、同時にコラーゲン生成を促します。

また、IPL治療器である「ルメッカ」は、赤血球に含まれるヘモグロビンに反応する波長の光を照射することができるため、拡張した毛細血管にアプローチし、赤みや紫色の色調を改善する助けとなります。

定期的なメンテナンスとして取り入れることで、明るい目元を維持しやすくなります。

内側からの循環改善

美容医療と並行して、体質改善を行うことも大切です。漢方薬の処方や、高濃度の美容点滴などで体の内側から血流をサポートすることも可能です。

特に冷え性が強い方には、温活と合わせた治療プランを立てることが、青クマの再発を防ぐ鍵となります。

黒クマに対する切らない美容医療アプローチ

黒クマの解消には「影を消すこと」が求められます。

本来であれば外科手術で脂肪を取り除くことが根本治療ですが、切らずに改善したい場合は、「凹んでいる部分を埋める」か「たるんだ皮膚を引き締める」ことで、段差を目立たなくさせる戦略をとります。

凹みを埋めてフラットにする注入技術

黒クマの原因となっている「段差」を解消するために最も即効性があるのが、凹んでいる部分への注入治療です。

「ヒアルロン酸注入」によって、ティアトラフなどの凹みを持ち上げ、膨らみとの高低差をなくすことで影を消します。

ただし、目の下は非常に繊細なため、水分を吸いすぎて膨張しやすいヒアルロン酸の選定や、注入層の見極めには高度な技術が必要です。

より自然な仕上がりを求める場合は、馴染みの良い「ベビーコラーゲン」を使用し、細かい段差を滑らかに整える方法も人気があります。

たるみを引き締め、脂肪を目立たなくする

前に出てきてしまった脂肪の圧力を抑え込むために、皮膚と筋肉を引き締める治療も有効です。

「ハイフ(HIFU)」の目元専用カートリッジを使用すれば、熱エネルギーによって眼輪筋や筋膜を引き締め、目の下の膨らみをタイトニングすることができます。

また、「サーマジェン」や「サーマニードル」などのRF機器も、真皮層を引き締めて皮膚にハリを持たせることで、たるみによる影を軽減します。

脂肪そのもののボリュームをわずかに減らしたい場合には、「脂肪溶解注射」を慎重に行うことで、膨らみをマイルドにする選択肢もあります。

糸によるリフトアップサポート

頬のたるみが黒クマを強調している場合は、「ヒアルロン酸リフト」で中顔面(チーク)をリフトアップさせたり、ショートスレッドである「ショッピングリフト」や「ジェンバー糸」を目の下に挿入したりすることで、皮膚の物理的な支えを強化します。

そのため、たるんだ皮膚が引き上がり、影が薄くなる効果が期待できます。これらの治療はダウンタイムが比較的短く、自然な変化を好む方に適しています。

黒クマ治療の選択肢比較

アプローチ主な施術期待できる効果
埋めるヒアルロン酸注入
ベビーコラーゲン
凹みを隆起させて段差をなくし、影を消す。即効性が高い。
引き締めるハイフ(HIFU)
サーマジェン
熱収縮により皮膚や筋膜をタイトニングし、膨らみを押さえる。
支える・再生ショッピングリフト
スネコス
コラーゲン生成により皮膚の弾力を回復させ、たるみを予防する。

上記の表にまとめた通り、黒クマの状態によって最適なアプローチは異なります。医師の診断のもと、ご自身の症状に最も適した方法を選択することが重要です。

混合タイプへの複合的な治療戦略

青クマと黒クマが混在しているタイプの方には、単一の治療では効果が限定的になりがちです。

色味と形状の両方にアプローチする「組み合わせ治療」が、最も満足度の高い結果を生み出します。

優先順位をつけた段階的治療

混合タイプの場合、まずは「形状(黒クマ)」の改善を優先することが多いです。凹凸による影が解消されるだけでも、目元の印象は劇的に明るくなるからです。

例えば、まずはヒアルロン酸やベビーコラーゲンで段差を埋めてフラットな状態を作ります。

その後、残った青みに対してスネコスやリジュランなどで皮膚の質感を高めていく、というステップを踏むことで、より完成度の高い目元を目指せます。

混合タイプによく見られる特徴

  • 上を向くと影は薄くなるが、目頭付近に青黒い色が残る
  • 夕方になると目の下が窪んで見え、かつ色も濃くなる
  • コンシーラーで色を隠そうとすると、膨らみが余計に目立つ
  • 寝不足の日には膨らみも色味も両方悪化する傾向がある

もし上記のような特徴に当てはまる場合、混合タイプの可能性が高いと言えます。その際は、形状改善と色調改善の両面からのアプローチがカギとなります。

相乗効果を狙った同日施術

忙しい方や早期の効果を求める方には、相性の良い施術を同日に行うことも提案できます。

例えば、「ハイフ」で土台を引き締めた直後に、「スネコス」などの製剤を注入することで、リフトアップと肌育の相乗効果を狙います。

あるいは、「ピコトーニング」で全体の色素ケアを行いつつ、局所的に「ベビーコラーゲン」を注入するなど、それぞれの層(筋肉・脂肪・真皮・表皮)に対して適切なアプローチを組み合わせることで、切らない治療でも手術に匹敵するほどの若返り効果を感じていただけるケースも少なくありません。

長期的な視点でのエイジングケア

混合タイプのクマは、加齢による変化が顕著に現れているサインでもあります。一度きれいにしたとしても、老化は進行するため、定期的なメンテナンスが重要です。

半年から1年に一度のペースでハイフや少量の注入を行い、良い状態をキープするという「予防美容」の観点を持つことが、将来的な目元のたるみを防ぐことにも繋がります。

自分のクマの構成要素を正しく理解し、医師と相談しながら無理のないプランを立てることが大切です。

Q&A

青クマと黒クマどちらかわからない場合はどうすればいいですか?

自己判断が難しい場合は、ぜひカウンセリングにお越しください。多くの日本人女性は両方の要素を持っている混合タイプであることが少なくありません。

専門の医師が皮膚の厚み、骨格、血流の状態、脂肪の付き方などを総合的に診察し、どの要素がより強い影響を与えているかを判断します。

その上で、最も効率よく改善できる治療プランをご提案します。

マッサージはクマに効果的ですか?

青クマに対しては、軽いマッサージで血行が促進され一時的に改善する可能性がありますが、強い摩擦は色素沈着(茶クマ)の原因となるため注意が必要です。

一方、黒クマ(たるみ)に対して自己流のマッサージを行うことは避けたほうが無難です。

デリケートな目元の皮膚を引っ張ることで、かえって皮膚が伸びてしまい、たるみを悪化させるリスクがあるためです。

切らない治療だけで完全にクマを消すことはできますか?

「完全に消滅させる」という表現は医学的に難しいですが、「気にならないレベルまで改善する」「メイクで隠せる程度にする」ことは十分に可能です。

特に外科手術に伴うリスクや長いダウンタイムを避けたい方にとっては、注入やマシン治療によるナチュラルな変化こそが理想的なゴールとなる場合も多いです。

定期的なメンテナンスを行うことで、その良い状態を長く維持することができます。

施術後のダウンタイムはどのくらいですか?

選択する治療によりますが、切らない治療の最大のメリットはダウンタイムの短さです。

ヒアルロン酸やベビーコラーゲンなどの注入治療は、直後からメイクが可能で、腫れや内出血が出ても数日から1週間程度で治まります。

ハイフやRFなどのマシン治療に関しては、表面に傷がつかないため、施術直後から普段通りの生活を送っていただけます。

大事な予定がある場合は、念のため1週間ほど余裕を持って受けていただくことをお勧めします。

一度治療すればずっと効果は続きますか?

切らない治療の多くは、体内に吸収される製剤を使用したり、自身の治癒力を利用したりするため、効果は永続的ではありません。

ヒアルロン酸やベビーコラーゲンは半年から1年程度かけて徐々に吸収されます。

しかし、スネコスやリジュランのように皮膚組織自体を再生させる治療は、肌の基礎体力を上げるため、以前の状態に完全に戻るというよりは、老化のスピードを緩やかにする効果があります。

定期的にケアを続けることで、5年後、10年後の目元に大きな差が生まれます。

参考文献

LIM, Hester Gail Y., et al. Periocular dark circles: correlates of severity. Annals of dermatology, 2021, 33.5: 393.

GOLDMAN, Alberto; GOLDUST, Mohamad; WOLLINA, Uwe. Periorbital hyperpigmentation—Dark circles under the eyes; treatment suggestions and combining procedures. Cosmetics, 2021, 8.2: 26.

LIEW, Steven, et al. Lower Eyelid Dark Circles (Tear Trough and Lid-Cheek Junction): A Stepwise Assessment Framework. Aesthetic Surgery Journal, 2024, 44.7: NP476-NP485.

BARABINO, Stefano. A narrative review of current understanding and classification of dry eye disease with new insights on the impact of dry eye during the COVID-19 pandemic. Ophthalmology and therapy, 2021, 10.3: 495-507.

GUPTA, Richa; TRIPATHI, Vikas; GUPTA, Amit. An efficient model for detection and classification of internal eye diseases using deep learning. In: 2021 International Conference on Computational Performance Evaluation (ComPE). IEEE, 2021. p. 045-053.

ATWANY, Mohammad Z.; SAHYOUN, Abdulwahab H.; YAQUB, Mohammad. Deep learning techniques for diabetic retinopathy classification: A survey. IEEE Access, 2022, 10: 28642-28655.

SANTOS-BUSTOS, Daniel Fernando; NGUYEN, Binh Minh; ESPITIA, Helbert Eduardo. Towards automated eye cancer classification via VGG and ResNet networks using transfer learning. Engineering Science and Technology, an International Journal, 2022, 35: 101214.

KEENAN, Tiarnan DL, et al. DeepLensNet: deep learning automated diagnosis and quantitative classification of cataract type and severity. Ophthalmology, 2022, 129.5: 571-584.

BERNABÉ, Omar, et al. Classification of eye diseases in fundus images. IEEE Access, 2021, 9: 101267-101276.

SARKI, Rubina, et al. Image preprocessing in classification and identification of diabetic eye diseases. Data Science and Engineering, 2021, 6.4: 455-471.

クマの種類診断に戻る

目の下のクマの原因・種類・セルフケアの基本知識TOP

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

Dr.寺井美佐栄のアバター Dr.寺井美佐栄 ミサクリニック 六本木本院 院長

日本抗加齢医学会認定専門医。日本美容皮膚科学会、日本レーザー医学会、日本産業衛生学会専門医。
複数の大手美容皮膚科で10年以上の院長経験を経て、2022年9月にMiSA Clinic(ミサクリニック)を開業。YouTube等でも発信してきた、メスを使わずに”ナチュラルなキレイ”を引き出す技術には定評があり、ありがたいことに「SNSを見ました!」という方や、紹介・口コミ経由でたくさんのご相談を頂いてきました。皆様と共に、MiSA Clinicスタッフ一同、共に年を重ね、末永くお付き合いできる関係を目指して参ります。

資格
アラガン社ボトックスビスタ認定医
アラガン社ヒアルロン酸注入認定医

目次